2009年度・第8期 入塾式
2009年度・第8期 卒塾式
自然塾での食事
    自然塾レシピ集

    2009.10.02~04

    第14ステージ~女子~

    ステージテーマ:「自然の中の自分を知ろう!」

    共同生活の目標:「今までの目標の中から各チームで一つを決める」



    今ステージのメインイベントはシダンゴ山ハイキングでしたが雨天のため予定を変更して実施しました。山林に分け入って自然を観察し、この地域の自然を知ることが目的となっています。また、ハイキングを通して自分の体力や気力の限界を知るという目的もあります。さらに、自分たち人間と自然との関係について考えてもらう機会でもありました。そこで、上記のテーマを掲げました。

    共同生活の目標は、前回と同様チームで話し合って決めてもらいました。ただし今までは塾生が互いの意見を集約するのが難しいのでチーム担当が介入・整理しながらチームの意見をまとめましたが、今回はチームリーダーやサブリーダーが中心になって目標を決めました。

    ■ 10月02日(金):夜の集い

    ステージを始めるにあたり、枝村塾頭からお話をいただきました。

    14st_g1.jpg「1ヶ月ぶりに元気な顔が見られて嬉しいです。今月いっぱいくらいがインフルエンザのピークだそうです。負けずに体を動かしご飯をよく食べてよく眠って、体調管理に気をつけましょう。明日はシダンゴ山へハイキングに行きます。これには2つの目的があります。①自然の美しさ、素晴らしさを体で感じてほしい。②今まで農作業などで培ってきた体力、頑張る気力を試してほしい。明日は今までの自分を反省しながら登ってみましょう。そして自然と私たち人間はどのように関わっているのか、どのように関わっていくべきか考えてみてほしい。おかげさまの気持ちも忘れないようにしましょう。」

     

    14st_g2.jpg続いてステージ担当から改めて明日のシダンゴ山ハイキングの目的が説明されました。

    1. 「自然を知る」=山林に分け入って自然や生きもの(植物、昆虫、野鳥など)を観察し、この地域の自然を知る。

    2. 「自分を知る」=自分の体力や気力の限界を知る。

    3. 「自然の中の自分を知る」=雑木林や里山など自然と人との関わりの変化について知る。

     

     

    ■ 10月03日(土):雑木林と里山の話

    シダンゴ山ハイキング出発の朝は予報どおり激しい雨でしたので、「雑木林と里山の話」を聴く機会としました。これは、本来であればハイキングの終わりに自分たちの目で人工林と雑木林とを見てから締めくくりとして聴かされるものなので、「百聞は一見にしかず」と言いましょうか、いくら詳しく説明したとしても出発前の座学では塾生たちの心の奥底まで浸透することは難しかったようです。

    14st_g3.jpg「皆さんは『林』と『森』の違いが分かりますか?『林』は色々な人手が加わっているところを、『森』は人手があまり加わらず自然が豊かなところを表しています。次に、皆さんは『雑木林』という言葉を知っていますか?『雑木』は木材にならない木のことです。しかし、江戸時代の開拓地「三富新田」について調べてみると、雑木林は当時の生活に欠かせないものだったことが分かります(例えば枝→燃料(薪・炭)、葉→肥料(堆肥)、実・野草・キノコ→食料、幹→建材など)。現在は、燃料←電気・ガス、肥料←化学肥料、食料←輸入食品、建材←輸入木材に変わり、雑木林は使われなくなってきました。それどころか住宅地やゴルフ場などに変わってしまったのです。人が手を入れなくなった雑木林はどうなるかというと、笹などの日陰に強い植物に覆われて林は荒れ、動物たちの餌が減り、限られた生き物しか棲めない環境になってしまったのです。でも最近になって雑木林や里山の持つ色々な(公益的)機能が見直されてきています。」

     

    ■ 10月03日(土):シダンゴ山ハイキング ~出発~

    14st_g4.jpg出発前だというのに10時のおやつを食べたり荷物や装備の準備を念入りにしたりして10時20分になっても未だ雨が降っていました。そこで、少し狭かったのですが、土間で準備体操をしました。すると天気予報どおり10時半に雨が上がったので早速出発しました。ハイキング中に歩く順番は自由なので体力に自信のある(お調子者の?)塾生から先頭を奪い合うように歩き出しました。

     

     

     

     

    ■ 10月03日(土):シダンゴ山ハイキング ~登山道入口~

    14st_g5.jpgルートの確認をするために登山道の入り口で最初の小休止をとりました。本来であれば、はじめに宮地山という小さな山を登頂してから奥にあるシダンゴ山を登るのですが、今回は雨上がりで地面が滑りやすいためアップダウンの多いルートを避け、また短縮された時間を取り戻す意味もあって、直接シダンゴ山に向かう林道を往復することにしました。

     

     

     

     

    ■ 10月03日(土):シダンゴ山ハイキング ~登坂~

    14st_g6.jpg宮地山を経由しないルートの前半は写真のようにコンクリートで整備された自動車も走れる平坦な道を歩くことになります。周囲もスギの人工林ばかりなので自然を観察する楽しさもあまり無く、ただひたすらに先を目指して歩きました。雨が上がったばかりで涼しいこともあって、つい歩みが速くなりがちでした。

     

     

     

     

     

    14st_g7.jpgしばらく行くとコンクリート舗装はなくなり段々と林が濃く暗くなってきました。道も徐々に坂になってきます。ときどき放置された雑木林を通り過ぎました。

     

     

     

     

     

     

     

    14st_g8.jpgそして、いよいよ勾配が急になってくると木々の間から時どき見える景色が明るくなってきて標高が高くなってきたことを実感します。道は幅が細く、ゴツゴツとしてきました。焦る気持ちを押さえながら足元に注意して頂上を目指します。

     

     

     

     

     

     

    ■ 10月03日(土):シダンゴ山ハイキング ~頂上~

    14st_g9.jpg写真の塾生が一番乗りでした。おめでとう!!晴れやかな表情で、登頂の喜びを表現していますが、実際は、最後の休憩地点から続く急な心臓破りの階段を必死の精神力で歩みを止めずに登ってきたので息も絶え絶えのはずです。本当によく頑張りました。この山頂からは天気が良ければ最高の景色を見ることが出来るのですが、この日は霧(雲?)が濃くてほとんど何も見えませんでした。残念!!

     

     

     

     

    14st_g10.jpg良い表情だったので、ゴールの瞬間をもう一枚。ちなみに、山頂には小さな祠(ほこら...神を祭った神社のようなもの)があり、その横の石碑にはシダンゴの由来が書かれています。内容は...自分の目で確かめた人だけの秘密にしておきます。

     

     

     

     

     

    14st_g11.jpg風邪を引かないうちに汗をかいたシャツを着替えてから、皆で弁当を広げました。ただ、いつもと違って激しい運動をしたために胃腸の調子がおかしくなってしまったのか、おやつを食べ過ぎてしまったのか、あまり食が進まない塾生が多かったことが不思議でした。

     

     

     

     

     

    ■ 10月03日(土):シダンゴ山ハイキング ~記念撮影~

    14st_g12.jpg食後に登頂者全員で記念写真を撮影しました。

    ■ 10月03日(土):シダンゴ山ハイキング ~下山開始~

    14st_g13.jpg食事や休憩などを含め1時間ほど頂上で過ごした後、霧(雲?)のたちこめる中、シダンゴ山頂から下山を開始しました。

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 10月03日(土):自然体験プログラム ~森の芸術家~

    下山途中のスギ林の中で、チーム単位で自然体験活動を行いました。内容は、そこにある自然物を使って『山』『森林』『秋』『雨』など好きなテーマを表現するというものです。

    14st_g14.jpg各チームで相談し合いながら、限られた材料を使って自分たちのアイデアを形にしていきます。みんな限られた時間の中で思い思いの作品を作ることができました。

     

     

     

     

     

     

    14st_g15.jpg最後に完成したアート作品をチームごとに披露し合いました。

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 10月03日(土):シダンゴ山ハイキング ~下山~

    14st_g16.jpg再び下山を開始すると、にわかに雲行きが怪しくなり、辺りが暗くなってきました。

     

     

     

     

     

     

     

    14st_g17.jpgそして、いよいよ最後の自然体験プログラム「ネイチャービンゴ」で雑木林と人工林の豊かさの違いを五官で感じてもらおうという時になって、雨が激しく降りだしてきてしまいました。これは活動どころではないと判断し、急いで雨具を着用すると塾舎を目指しました。

     

     

     

     

     

    ■ 10月03日(土):シダンゴ山ハイキング ~自然塾到着~

    14st_g18.jpg全員が元気で無事に塾舎に帰ってくることができました。外は雨が降っているので土間で簡単に締めくくりの挨拶をしてから解散し、風邪を引かないうちに早めの風呂に入ってもらいました。塾生たちは皆、特に疲れた様子も無く良い表情をしていました。

     

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 10月03日(土):夜の塾活動 ~俳句発表会~

    14st_g19.jpg夜の塾活動では、ハイキング中に書き溜めておくように促した俳句の中から1句を選んで短冊に清書してもらいました。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    14st_g20.jpg短冊への清書が済むと、みんなの前で自分のつくった俳句を詠み、そこに込めた思いを発表してもらいました。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    14st_g21.jpg自分と似たようなことを感じた人、全く別の視点を持った人など様々。これだけの人数がいると本当にたくさんの感情が集まるので、共感や発見がたくさんありましたね。

     

     

     

     

     

     

    ■ 10月04日(日):共同農園作業 ~ラッカセイの収穫~

    日付が変わって日曜日は、今が旬のラッカセイ収穫を今ステージ唯一の共同農園作業として行いました。

    14st_g22.jpgまずは地上部を引き抜きます。一緒に抜けてしまったラッカセイの実はここで落とします。ところで、皆さんはラッカセイの実は地下にできることを知ってましたか?続いて、ハクビシン除けの金網ネットを外してから、地下に埋もれているラッカセイの実を探し掘りします。丁寧に作業したつもりでも結構残っています。時間をかけてせっかく実ったのですから大切に拾いましょう。回収した実は混入した根や葉などのゴミと傷んだ実を取り除いてから包装して自宅への土産にしてもらいました。家に着いても直ぐに調理しない場合は、よく乾燥してカビが生えないようにして欲しかったのですが、みんな直ぐに調理して美味しく食べてくれたかな?

     

    ■ 10月04日(日):おやつ

    14st_g23.jpg今回のおやつは「トマトあめ」。食材になったミニトマトは塾で採れた今年最後のものです。

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 10月04日(日):チーム農園作業

    ラッカセイの収穫とおやつが終わると、少ない時間ではありましたが、チーム農園作業の時間となりました。

    14st_g24.jpg 14st_g25.jpgどのチームも間引き収穫をしたり、畑内外の雑草を取ったりしていました。春~夏にかけて野菜を育てた時の反省を踏まえて、秋の作物が上手く育つように丁寧に世話をしましょう。ただ単に種まきをしたり苗を植えれば良い訳ではありません。肥料をあげたり、ネットを張ったり、草を取ったりと必要な世話を考えて実行することが大切です。

     

    ■ 10月04日(日):ステージのまとめ ~塾頭の話~

    ステージを終えるにあたり、枝村塾頭からお話をいただきました。

    14st_g26.jpg「天気が悪いことが心配でしたが、無事にハイキングに行くことが出来て良かったですね。俳句を見ると『大変だけど楽しかった』『空気が美味しかった』など皆それぞれ色んなことを感じたようです。これも農作業で培った頑張る力のお蔭で感じることができたのだと思います。また、3つの感謝の話にもあったように『お蔭様』の心を忘れないようにしましょう。山と海は川でつながっています。山を大事にしないと美味しい魚も食べられません。今回は自然を観察し、どうやって自然と接していくか考えました。これからも自然を大事にしましょう。」

     

     

    ■ 編集後記

    今ステージは雨の中シダンゴ山ハイキングに出かけました。本来は道中の自然体験プログラムを行い、ただ漫然と登るだけではなく自然と親しんだ後で話を聴き人間と自然との共生について考えてもらいたかったのですが、ほとんどのプログラムをデザインしたとおりに実施することが出来ませんでした。しかし、生き物の観察を通して地域の自然を知ったり、自分の体力や気力の限界を知るという意味では目的を達成できたのではないかと思います。

    さて、8期生の塾での活動も残り4ステージとなりました。何事も一生懸命に頑張る塾生と適当にこなしてやっているように見せるのが上手になった塾生とにハッキリ分かれてきているのが残念です。学び成長するためには、時には歯を食いしばって頑張ることも必要です。今回のハイキングで最後の急な階段を苦労して登ったからこそ達成感を感じることができたということが何よりの証拠です。楽をしたり自分に甘いままでは、いつまで経っても今のままです。自分を成長させるためには努力するより他に方法はありません。残りのステージを悔いのないように頑張りましょう。

    H.T.