2009年度・第8期 入塾式
2009年度・第8期 卒塾式
自然塾での食事
    自然塾レシピ集

       2009.10.16~18

    第15ステージ~女子~

    ステージテーマ:「収穫に汗を流し、喜びを体感しよう!」

    共同生活の目標:これまでの目標の中から全体で1つ決める→「時間を守る」



    ゴボウの収穫は第13ステージで予定していましたが、第13ステージが中止になったため、このステージで行うことになりました。第2ステージで苦労して深い穴を掘って種をまいたゴボウですが、とても大きな葉を広げています。今回収穫しますが、どのようなゴボウがとれるか楽しみです。収穫するにはゴボウは再び深い穴を掘らなければなりません。また今回は根が伸びているため、慎重に丁寧に掘る必要があります。立派なゴボウを掘りあげるために、気持ちよい汗を流しました。他にもこのステージではオカボの収穫や星の観察、卒塾アルバムの写真選びなど、盛りだくさんなステージでした。なお、共同生活の目標は全員で1つの目標を決めましたが、時間が守れていないことがあることから、「時間を守る」となりました。

    ■ 10月16日(金):夜の集い

    15st-g1.jpgステージを始めるにあたって塾頭からお話をいただきました。

    「だいぶ寒くなってきました。ここのような山に囲まれたところは、日が沈むと急に寒くなります。寝冷えしないように気をつけてください。インフルエンザが猛威をふるっています。体調管理をしっかりしてください。よく食べてしっかり体を動かして早く寝るようにしましょう。

    いよいよ第15ステージになりました。あと残り4ステージです。いろいろ学んだことが身についていますか?身につくとはどんなことですか?身につくとは、覚えたことが自然と出来るようになることです。例えばあいさつ。みんなでやるときは出来ますが、一人になるとなかなか言えない人もいます。食事当番も3回行っているのに自分から出来ない人がいます。覚えようとする努力が足りないからです。ここで学んだことを家や学校でも自然と出来るように、自分から覚えようと努力して欲しい。

    みんな入塾したときに比べいろいろなことが出来るようになりました。残り4ステージはもう少し自分から積極的に出来るようになって欲しいと思います。今までを振り返って出来ていないことは何かを反省し、出来るようにして欲しい。残り4ステージのまとめとしてスタッフに言われなくても自分からやるように意識して欲しい。そしてリーダーを中心に頑張って欲しい。」

    塾頭さんの話が終わった後、塾生全員で1つの共同生活の目標を決めました。今までの6つの目標で一番出来ていないもの、また、今回のステージテーマを考えて一つの目標を決めましょうと呼びかけました。時間がまだ守れていないことが多いことから、今回の共同生活目標は「時間を守る」になりました。意識して時間を守ってください。

     

    ■ 10月17日(土):世界貧困デイ Stand Up Take Action 

    15st-g3.jpg今日10月17日は国連ミレニアム宣言とその他の国際会議で決まった国際開発目標を統合した「ミレニアム開発目標」のキャンペーンの日です。この「ミレニアム開発目標」には、世界の国で達成すべき8つの目標がありますが、市村自然塾関東では、特に飢餓(きが)の現状を取り上げました。

    日本の食料自給率は40%で先進国の中で最低水準(さいてい)で、残り60%を他の国に頼っています。しかもその日本では大量の食べられる食料が捨てられています。世界では6人に1人が飢え(うえ)に苦しんでいて、6秒に1人の子供が飢え(うえ)が原因で亡くなっているのです。

     このキャンペーンでは、世界の貧困をなくしたいという願いをスタンドアップキャンペーン(立ち上がること)で表現し、世界のリーダーたちに自分たちの声を届けようというものです。なかにはその意義をあまり理解できなかった塾生もいたようですが、全員が元気良く立ち上がってアクションをしていました。 

    ■ 10月17日(土):共同農園作業 ~ゴボウの収穫~

    第2ステージに種をまいたゴボウをいよいよ収穫します。種をまいたときは深い穴を掘って大変な思いをしました。今回も同じぐらいの穴を掘って収穫をしなければなりません。しかし、塾生たちはそれにも関わらず楽しみにしていました。どのようなゴボウが収穫できるでしょうか?

    15st-g4.JPGゴボウ掘りにあたって注意点を聴いたあと、農業指導の先生から掘りかたの見本として1本掘っていただきました。掘り進むと「マサ」という固い土にあたったにも関わらず、4分間で立派なゴボウを掘りあげてくださいました。塾生たちは真剣に先生のゴボウ掘りに見入っていました。

     

     

     

     

     

     

     

     

    15st-g6.jpg先生の堀りあげの見本を見たら、早速ゴボウ掘りを開始しました。まずは隣(となり)の塾生にスコップがぶつからないようにしながら、土を掘りあげていました。

     

     

     

     

     

     

    15st-g5.jpg掘り進んでいくと、ゴボウの根の一部が見えてきました。ゴボウ掘りにもとりわけ力が入ってきました。

     

     

     

     

     

     

     

    15st-g7.jpgゴボウ掘りをいったん中断して、おやつをいただきました。おやつは自然塾製のカボチャプリンでした。大変な作業を真剣にしたあとだけに、おやつも楽しくおいしそうでした。

     

     

     

     

     

     

    15st-g8.jpg次々に塾生がゴボウを掘り上げてきました。まっすぐで長いものだけではなく、ずんぐりと太いものや、いくつもに枝分かれしたもの、大きくねじれたものなどいろいろなゴボウが掘りあがりました。

    枝分かれしたものや、曲がったゴボウを掘るのはとても慎重(しんちょう)に行わなければならず大変な作業ですが、ほとんど途中で折ったり切ってしまったりする塾生はいませんでした。ゴボウを掘り上げた塾生はとてもうれしそうに掘ったゴボウと一緒に写真を撮って(とって)もらっていました。

     

     

    15st-g9.jpg今回一番のゴボウです。ねじ曲がっていますが、太くて長く豪快(ごうかい)なゴボウといえるでしょう。後ろに見える掘った穴からも、大変な作業の様子が見てとれます。掘り上げたゴボウを持ってとても嬉しそうでした。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    15st-g11.jpgゴボウを掘り上げて終わりではありません。掘り上げた穴を埋める作業が最後に待っています。塾生たちは力強く土を埋め(うめ)戻していました。

     

     

     

     

     

     

    15st-g12.jpg自分が掘り上げたゴボウの中から1本選んでおみやげにしました。せっかく掘ったゴボウを折ってしまわないように、また、持ち帰る途中でしおらせてしまわないように、慎重に新聞紙にくるんでいました。

     

     

     

     

     

     

    ■ 10月17日(土):共同農園作業 ~陸稲(オカボ)の収穫・干し作業~

    午後からはオカボの収穫を行いました。ここで収穫するオカボは第18ステージで行う餅(もち)つき用の餅(もち)となる予定です。

    15st-g14.jpgオカボの刈りかた、束ね(たばね)方は麦と一緒です。麦刈りのときに行ったやりかたを思い出しながら、刈り取ったオカボをしっかり束ね(たばね)ました。心を込めて丁寧に作業していました。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    15st-g15.jpg束ねた(たばねた)オカボを塾舎に運んで干すため、軽トラックの荷台に乗せました。途中で籾(もみ)を落とさないように気をつけながら、また、オカボどうしが絡(から)まったりおろすときにスムースにいくように穂の先を揃(そろ)えて乗せていました。

     

     

     

     

     

    15st-g16.jpg束ねた(たばねた)オカボは塾舎の1階のベランダに干しました。軽トラックの荷台からベランダへは1列に並んでリレーをしていきます。これも麦の収穫の時に行っていることです。手際良くオカボの束(たば)をリレーして干していました。

     

     

     

     

     

     

    ■ 10月17日(土):卒塾アルバム チームのページの写真選び

    15st-g17.jpg早くも卒塾が近づいてきました。卒塾の時に記念になる卒塾アルバムのチームのページは自分たちで作ります。今回は今までの写真を見ながらチームページに使う写真を選びました。塾生たちは写真を見て今までの活動を思い出し、楽しそうに写真を選んでいました。

     

     

     

     

     

    ■ 10月17日(土):塾活動 ~星の観察会~

    星の観察会のために、星についてとてもくわしいボランティアの方が駆(か)けつけていただきました。この日は夕方から雨になり、屋外での星の観察会が危(あや)ぶまれましたが、観察会の時間になると雨はあがり星空が広がりました。計画していた観察会を屋外で始めましたが、途中で雲が広がってしまい星が見えなくなってしまいました。そこで急遽(きゅうきょ)観察会の場所を屋内に移しプラネタリウムで星座を観察しました。また発泡スチロールの球を使った月の満ち欠けの実験も行いました。

    15st-g19.jpgプラネタリウムを見た後、ボランティアの方を囲んであらかじめ出題しておいた星のクイズの答え合わせをしたり、質疑応答(しつぎおうとう)をしました。

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 10月18日(日):共同農園作業 ~夏野菜の片づけ~

    日曜日の午前中はまず、共同農園作業として夏野菜(オクラ・モロヘイヤ・エンツァイ)の片づけをしました。夏から9月にかけて食卓(しょくたく)にのぼった野菜ですが、さすがにこの時期には収穫も終わりとなります。今までの感謝の気持ちを込めて片づけを行いました。

    15st-g21.jpgまずはオクラを支えている支柱を抜きました。まわりの塾生にあたらないよう、気をつけて抜いていました。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    15st-g22.jpgオクラは木のように太く、抜くのに力がいりました。塾生は全身の力を込めて抜いたり、2人がかりで抜いたりしていました。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 10月18日(日):チーム農園作業

    共同農園作業のあとはチーム農園作業を行いました。 卒塾まであとわずかです。どのチームもチーム農園作業を集中して行っていました。

    15st-g25.jpgこのチームでもオクラの片づけを行っていました。狭い場所なので引き抜かず、スコップで掘り上げていました。

     

     

     

     

     

     

     

    15st-g27.jpg種をまいた葉ものは次々に間引きをする時期になっています。丁寧(ていねい)に作業をしていました。

     

     

     

     

     

     

     

    15st-g26.jpg間引き菜はおみやげに持ち帰ることができ、おいしくいただけるので嬉(うれ)しそうでした。 

     

     

     

     

     

     

      

       

    ■ 10月18日(日):昼食の時間

    15st-g28.jpg今日の昼食はチームでホットプレートを囲んで焼きそばをいただきました。どのチームも仲間と焼きそばを焼いて、楽しくおいしそうにいただいていました。

     

     

     

     

     

     

    ■ 10月18日(日):ステージのまとめ

    ステージのまとめとして、塾頭さんからお話をいただきました。

    15st-g29.jpg今回はゴボウ掘りをしました。久しぶりに皆さんの一生懸命な姿を見て感心しました。しかしその後の作業と土曜日午後と日曜日午前の農作業では集中できていない人がいたのは残念です。

    ゴボウの収穫の大変な作業もあえて経験してもらいました。誰でも嫌なこと、大変なことはやりたがりません。しかし、楽しいこと楽なことばかりではだけでは生きていけません。大人になればなるほど大変なことが多くなります。大変なことから逃げてはいけません。大変なことを行うことで忍耐力も出来るしほかの人から信頼されます。また、大変なをすることで工夫をしようとするようになり、いろいろなことが学べます。大変なことをやるから人間が成長します。大事なものは苦労しないと手に入りません。そのようなことを農家の人は毎日やっています。感謝のことを持つことが大切です。「苦労は買ってでもしろ」といわれます。若いときの苦労はきっと将来役に立ちます。

    4月に植えたゴボウは立派に育っていました。これは自然のおかげでもあります。自然塾で掲(かか)げる3つの心と2つの力のひとつ、自然を慈(いつく)しむ心を大切にしましょう。

    今回後半だれてしまったのは残念です。あと3回のステージを有意義に過ごすために、メリハリをつけて真剣にやるべきことはしっかりやりましょう。最後まで立派にやっていい思い出を作りましょう。

     

    塾頭さんからお話をいただいたあと、共同生活の目標の振り返りを行いました。全体の振り返りの評価(ひょうか)は昨日の7点より下がってしまい6点という残念な結果になりました。目標というものは達成するために努力するものです。今回は自分たちで立てた目標です。これからは、それぞれが意識して目標を達成できるように努力していってください。   

    ■ :編集後記

    今回のステージのメインイベントは、何といってもゴボウの収穫でした。ゴボウの収穫は汗を流し、大変な思いをし、心を込めて丁寧に作業しないとせっかく育てたゴボウを立派に収穫するできません。しかしそれでも、塾生たちはその作業に熱中し、掘り上げたゴボウを誇(ほこ)らしげに掲(かか)げていました。苦労をし、汗をかいたあとに得られる充実感は何ごとにも得がたいものです。このような充実感こそ、単なる楽とは違い、楽しいというものです。他の作業では時々集中していなかったことがあったのが残念ですが、ゴボウ掘りの体験を記憶にとどめ、これからも生かしていって欲しいものです。

    T.K.