2009年度・第8期 入塾式
2009年度・第8期 卒塾式
自然塾での食事
    自然塾レシピ集

    2009.04.03~05

    第02ステージ~男子~

    ステージテーマ:「安全(危険)を知る」

    共同生活の目標:「人の話を聴く」


    今回のステージでは避難訓練や危険予知訓練を行います。これからの塾での共同生活や農作業の最中に危険な場面に出くわす可能性があります。ひとつ間違えれば大きな怪我につながりかねないため、塾生には早いうちに自分で危険を察知する力を身につけて欲しいと考え、今回はテーマを「安全(危険)を知る」に設定しました。また、安全に作業・生活するためには注意深く「人の話を聴く」ことが重要だということで共同生活の目標として掲げました。

    ■ 04月03日(金):夜の集い

    2st_b1.jpg第2ステージを始めるにあたり、枝村塾頭から話がありました。

    「前回の活動では、『あいさつをする』ことを目標に共同生活を送ったが、学校でも恥ずかしがらずに大きな声で笑顔で挨拶して欲しい。今回の目標は『人の話を聴く』だが、これはテーマである危険や安全にも関わる事なのでスタッフの話をよく聴くように。話を聴くときは話している人の方を向いて姿勢を正して聴いて欲しい。また(塾生活に)慣れてくると悪ふざけが増えてケガをしやすくなるので、その点も注意するように!」

     

    ■ 04月04日(土):避難訓練

    2st_b2.jpg災害時の避難経路を知り、安全に速やかに避難できるようになるために、避難訓練を行いました。塾生が2階の塾生室にいる時に大きな地震が発生し、厨房から火災が発生したという想定で、訓練を実施しました。

     

     

     

     

     

     

     

     

    2st_b3.jpg塾生たちは直ぐにガラス窓から離れ、柱の多い塾生室入口付近に集まりました。その後、スタッフの指示に従い、スモークマシンの煙が充満した塾舎内から脱出しました。

     

     

     

     

     

     

    2st_b4.jpg割合と速やかに塾庭に避難できました。枝村塾頭からは「本当の火災では煙や炎が凄いので、あっという間に燃え広がる。また、学校で避難する時に習っている『お・か・し・も』に注意して欲しい。もしもの時に落ち着いた行動がとれるように持ち物の整理整頓をして欲しい」との総評をいただきました。

     

     

     

     

     

    ■ 04月04日(土):危険予知訓練

    2st_b5.jpg避難訓練の後は共同生活中の危険を察知するために危険予知訓練を行いました。

    まずはイラストを見て危険だと思う人物や場所・状況を探してもらいました。そして、その危険箇所がなぜ危険なのかを考えてもらい、その危険を避けるためにどのようなことをすればいいか対策を考えてもらいました。

     

     

     

     

     

     

    2st_b6.jpg次に実際に塾舎内外を巡り歩いて、危険だと思われるところを探し出してもらいました。イラストとは異なり、危険箇所が分かりにくい状況の下、塾生たちは最後まで集中して活動に取り組んでくれました。

     

     

     

     

     

     

    ■ 04月04日(土):共同農園作業 ~ゴボウの種まき~

    塾生たちは塾舎からスコップを持って畑に出かけました。形の良いゴボウを育てるためには、畑を深く柔らかく耕さなければなりません。この日は気持ち良く晴れ渡った青空の下で活動を開始しました。

    2st_b7.jpg目標は1m!土を柔らかくすることで、ゴボウはまっすぐ育ちます。農業指導の先生に掘り方の見本を見せてもらってから作業を開始しました。みんな勢いよく掘り始めましたが、しばらくすると土の硬い「マサ」にぶつかります。ここからが大変な作業でした。予定時間を大幅にオーバーして、ようやく休憩になりました。

     

     

     

     

     

     

     

    2st_b8.jpgおやつ休憩の後は、ゴボウの種を播くために穴(溝)を埋め戻す作業です。「せっかく掘ったのに...」と言う声も聞こえましたが、この苦労が収穫する際に結果として出るのです。長くて立派なゴボウになることを祈って柔らかく土を埋め戻しました。この頃から次第に雲行きが怪しくなってきました。

     

     

     

     

    2st_b9.jpg続いては、スコップを鍬(くわ)に持ち替えて、種をまくためのベッド=畝(うね)を作りました。深かった穴もすっかり元通りになり、きれいな平らな畝になりました。しかし、この頃すでに横殴りの雨が降ってきてしまいました。

     

     

     

     

     

    2st_b10.jpg長かった下準備も終わり、ようやくゴボウの種まきです。このために頑張って深い穴を掘ったのだからと、塾生たちは一粒一粒丁寧に種をまきました。雨の中の作業となりましたが最後まで仕事をやりきってくれた塾生のみんな、よく頑張りました!!

     

     

     

     

     

    ■ 04月04日(土):夜の塾活動 ~チーム農園の計画発表~

    この時間は、第1ステージに話し合いをしたチーム農園の作付け計画の発表を行ってもらいました。このために各チームとも自由時間を使って準備を進めてきました。

    2st_b11.jpgチーム名と由来、メンバー構成、育てる作物と目的・目標を順々に発表していき、発表が終わるとスタッフや他の塾生から質問やアドバイスが次々と浴びせられます。各チームとも質問によって明らかになった検討すべき点やアドバイスを把握できたのでしょうか?これからのチーム農園活動に反映してもらえることを期待しています。

     

     

     

     

    ■ 04月05日(日):朝の瞑想

    2st_b12.jpg自然塾では日曜日の朝食前に心を落ち着かせて瞑想する時間を設けていることは以前にも報告しました。その際、二十四節季という昔の暦(こよみ)における季節の区分を紹介しています。今回は「清明」といって、桜など草木の花が咲き始め、万物に晴朗の気が溢れてくる毎年4月5日頃を指す言葉を紹介しました。すがすがしく明るく美しい季節感を五官で感じることができたでしょうか?

     

     

     

    ■ 04月05日(日):共同農園作業 ~ダイコンの種まき~

    日曜日の午前中前半の共同農園作業はダイコンの種まきでした。

    2st_b13.jpg鍬(くわ)を使って土を削り盛って、かまぼこ型の畝(うね)を作りました。塾生たちはまだ、鍬を使うのに慣れていませんので、最後の仕上げは手で行いました。これから作業を重ねていくにつれて、これらの道具が思うように使えるようになるでしょう。何事も経験です。

     

     

     

     

     

    2st_b14.jpg出来上がった畝に目安の棒とコップを使って種をまく穴を等間隔に準備してからダイコンの種を播いていきました。野菜の種類によって覆土(ふくど...種を覆う土)の厚さが変わります。ゴボウは光が当たったほうが発芽しやすいので覆土は薄く、逆にダイコンは光が当たらないほうが発芽しやすいので覆土は厚くしました。大きくなるのが楽しみですね。

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 04月05日(日):作付け表シール貼り

    2st_b15.jpg自然塾ではどのステージにどの野菜にどんな世話をするかを巨大な作付け表にまとめて、土間に貼り出してあります。作業を完了した証として、塾生の代表者数名に野菜シールを貼ってもらいました。

     

     

     

     

     

     

    ■ 04月05日(日):チーム農園作業 ~土作り~

    日曜日の午前中後半の作業は、チーム農園作業でした。今回は作物を育てる前の準備作業「土作り」を行いました。この「土作り」は、空気や水を適度に含む作物が育ちやすい環境を作ることで、自然塾では畑に牛糞堆肥と腐葉土を混ぜ込んでいます。

    2st_b16.jpg腐葉土は一昨年の冬にスタッフが山から集めた落ち葉を昨年一年間寝かせて作った自然塾産です。それをプラスチック製の箕(み...写真オレンジ色の道具)に乗せて自分達の畑に運びました。緑色の袋の牛糞堆肥は15~20kgもの重さがあります。チームのメンバーと協力して畑まで運びました。チームワークが大事なのです。

     

     

     

     

    2st_b17.jpg次は耕運をしました。チームのメンバーが力をあわせて畑を耕します。みんな力強い姿を見せてくれました。この後、最後の仕上げに畑を平らにならしました。これは畑が平らでないと一箇所に雨水がたまったり、畑の土が外に流れ出てしまうために重要な作業なのです。

     

     

     

     

     

    2st_b18.jpgチームによっては早くも作物を植えつけているところがありました。これは、作物の種類によっては作付け時期が3~4月というものもあるためです。左写真のチームは「アイスプラント」という変り種の作物を植えつけていました。

     

     

     

     

     

     

     

     

    2st_b19.jpg写真のチームはジャガイモを植えつけていました。種イモの重さを測って適度な大きさに切り分ける作業をしているようです。

     

     

     

     

     

     

    ■ 04月05日(日):ステージのまとめ・振り返り

    第2ステージを終了するに当たり、枝村塾頭から話がありました。

    2st_b20.jpg「昨日のゴボウの穴掘りでは、土も硬く途中で雨も降ってきて大変だったが、あきらめずに頑張る姿勢が身についたことと思う。ゴボウは野菜の中でも収穫までに時間がかかる。野菜を育てる大変さを感じて欲しい。また、今回の目標であった『人の話を聴く』については以前より良くなったがまだ話を聞き終わらないうちに動き出す人がいる。人の話を聴く時は正しい姿勢でその人の方を向いて最後まで聴くように。」

     

     

     

    ■ 編集後記

    今回は2回目の活動となり、塾生同士が随分と仲が良くなった事で、食事中に大声で話したり、好きなものだけ一杯食べて、嫌いなものは残そうとするなど、良くないところが見られました。また、共同生活の目標である「話を聴く」ことについても、注意深く聴く塾生と、そうではない塾生とがいました。「聴く」ことと「聞く」ことでは大きく違います。単に「聞こえている」状態から、耳を外に出して「傾聴する」姿勢を身につけて欲しいと思います。

    また、危険予知訓練の最後にも振り返りましたが、私たちスタッフが「管理」して塾生たちを危険から遠ざけることもできますが、それでは塾生は危険を察知する能力を身につけることはできません。怪我や事故を起こさないためには、自分を戒めたり、整理整頓をする、といった普段からの心構えが重要です。また、便利な道具も使い方によっては危険になります。塾での生活に慣れて、気持ちが浮ついている今こそ、塾生各人が自らの行動を意識し、習ったこと・覚えたことをきちんと丁寧にやる事を心がけて欲しいものです。

    H.T.