2009年度・第8期 入塾式
2009年度・第8期 卒塾式
自然塾での食事
    自然塾レシピ集

    2009.11.06~08

    第17ステージ~男子~

    ステージテーマ:「自然の恵みに感謝し、野外調理で各チームの味を楽しもう」

    共同生活の目標:「今までの目標から全体で1つ決める」



     今年度の活動も残すところ2ステージとなりました。今回の第17ステージは今までの活動の総集編として、収穫祭を行いました。今までの塾生活で育ててきた作物を自らの手で収穫し、収穫してきた野菜を食事当番で培った技術で下処理し、ご飯炊きで経験した火起こしを駆使して煮込み、ごった煮汁を作りました。農作業は、来年の塾生のためにコムギの種蒔きも行いました。

     共同生活の目標は、前回と同様に塾生全体で決めたのですが、今回は塾生主体となり、スタッフはサポートする形で決めてもらいました。その結果『何事も心を込めてきちんと丁寧に作業する』に決まりました。

    ■ 11月06日(金):夜の集い

    17st_b1.jpg ステージの最初に、枝村塾頭からお話がありました。

     「今回のステージでは、収穫の喜び、豊作への感謝を込めて収穫祭を行います。みんなは何気なく生きているように感じているが、いろいろなものに支えられています。この塾に来られること、この塾を支援してくれているもの、大地自然、両親へのありがたさを感じ、おかげさまの気持ちを持って挑みましょう。明日は奉納相撲もします。元気な体に育った証明を見せるつもりで、感謝を込めてやりましょう。勝ち負けは関係ありません。一所懸命やることが大切です。残すところ、塾活動も2ステージです。自然塾で皆さんに"3つの心と2つの力"を学んでもらうために様々な活動をしてきました。卒塾して、社会に出てからも出来るように身につけてください。」

     

     

     

     

    ■ 11月06日(金):共同生活の目標決め

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     前回同様に塾生全体で話し合って決めてもらいましたが、今回は塾生から代表者が、司会進行、書記を勤めました。今回の話し合いの代表者は、各チームのリーダーが出てきて、みんなの意見をまとめました。

     塾生からは「残りあと2ステージなので『整理整頓清掃清潔』を目標として、不要な荷物を持ち帰ったほうが良い。」「収穫祭や味噌の開封式があるから『心を込めてきちんと丁寧に作業するがいい。」などの意見が出ました。全員での話し合いの結果、『心を込めてきちんと丁寧に作業する』となりました。

     

    ■ 11月07日(土):収穫祭

    17st_b3.jpg まずは準備からはじめました。

    朝食が終わって食事当番が終わるまでの間に、残りの塾生で準備をしました。塾舎の2階から塾庭で調理や食事が出来るようにテーブルとイスを約60人分運びました。2階から土間まで運ぶ塾生と、土間から塾庭へ運ぶ塾生に分かれ、手早く準備を行いました。

     

     

     

     

     

     

     

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     収穫祭を始めるにあたって、枝村塾頭からお話してもらいました。
     「昔は収穫の喜びを12月23日に「新嘗祭(にいなめさい)」という祭りを行いました。今は勤労感謝の日です。毎回塾では、いろいろなボランティアの方に来てくださっています。多くの人に支えられて活動が出来ることに感謝してください。」

     

     

     ~味噌の開封式~

     今回も味噌作りのボランティアの方に来ていただきました。「味噌を仕込んで6ヶ月。6ヶ月の成果はどうでしょう?おいしい味噌はどのように出来るか、わかりますか?1つ目はいい材料を使う。2つ目は熟成に適した気候が必要なのです。ここの塾がある場所は、夏比較的涼しく、味噌を作るのに適しています。寒い地方ほど味噌や漬物などの発酵食品はおいしくなるのです。早速あけて6ヶ月の成果を見てみましょう。」

     

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     各チームふたを一斉に開けると味噌の香りが土間中に広がりました。各チームの樽の中は、殆どカビが生えていないチームや、色とりどりのカビが生えているチームもありました。味噌作りのときに行った丁寧さが結果として出たようです。丁寧に表面のカビを取り去るとその下の味噌はおいしそうな色、そして、一段と香りが強くなりました。

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     そこから今回の調理で使う分の味噌を取り出し、再びふたをして大切に保管をしました。ここでも樽の内側を殺菌し、味噌にカビが生えないように、丁寧にラップでふたをしました。来年の塾活動で使うためです。

     

    17st_b9.jpg 味噌を保管したあとボランティアの方からお話をいただきました。

     「味噌を仕込んでから6ヶ月間経ちました。あの時にミンチした味噌の元は塩味が強かったのを覚えていますか?あれから味噌は熟成しておいしくなっているでしょう。みんなは成長しましたか?味噌で言うとみんなが『大豆』。塾周辺の環境や塾のスタッフ、ボランティアの方々が『麹(こうじ)』や『塩』のようなものです。合わさっておいしい味になるのです。また、味噌は具の味を引き出すものという話をしたのを覚えていますか?この6ヶ月間でみんなも味噌のような人になれたのでしょうか?」

     

     

     ~収穫~

    17st_b10.jpg 各チームに分かれて、今回使う食材を各畑で収穫してもらいました。その後、各チーム農園でも、自分達の鍋に入れる食材を収穫してきました。

     

     

     

     

     

     

     

     

    17st_b11.jpgところが...。つまみ食いをしています。自分達の畑で育てていた、カブとニンジンをガブリ!「あま~い!おいしい~!」と、感動していました。でも、おなか一杯になってお昼が食べられなくても知りませんよ!

     

     ~奉納~

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     収穫した作物を玄関前に奉納しました。ダイコン、ハクサイ、ニンジン、ネギ、キャベツ、サトイモなど、さまざまな作物が玄関前に並べられました。そして、それらが1ステージの間で全員のおなかの中に入ってしまうことに塾生達みんな驚きの表情を見せていました。

     各チームでごった煮汁で使う食材を取り分けたあと、塾生の代表がいつもお世話になっている調理師さんへお礼を述べ、収穫してきた野菜を渡しました。

     

     ~調理~

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     いよいよ調理に取り掛かりました。今まで食事当番の時に学んだ技術で野菜を上手に刻みます。また、ご飯炊きでの経験から火起こしもうまいものです。

     

    17st_b16.jpg 17st_b17.jpg しっかりと煮込んでから、最後に自分たちの仕込んだ味噌を入れてごった煮汁の完成です。とても上手に出来ました。

     

     ~食事~

    17st_b18.jpg いつもお世話になっているスタッフを招いて食事。「うちのチームが一番おいしいよ!」とどこのチームも自慢しています。鍋いっぱいにあったごった煮汁も、各チームとも完食!みんなよく食べました。

     

     

     

     

     

     

     ~奉納相撲~

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     収穫祭も終盤。塾舎横の畑に出来た土俵で、学年ごとにトーナメント戦の奉納相撲を行いました。塾頭が言っていたように各自共に今ある力を振り絞って、力の限り勝負に挑みました。最後には、自分が力比べをしたい塾生を指名して、暑い戦いが繰り広げられました。

    17st_b21.jpg 優勝者には賞品として「サトイモ1株」が贈られました。もちろん収穫は自分の手で行ってもらいました。いい顔ですね。

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 11月07日(土):共同農園作業 ~コムギの種まき~

    17st_b22.jpg 気分を入れ替えて農作業です。市村自然塾では、コムギを来年度の塾生へつなげる「リレー作物」として、毎年種蒔きをしてもらっています。8期生の塾生たちも7期生が種まきをしたコムギを収穫して、食事でいただいています。今度は自分達が来期の9期生のために種をまきます。みんな1粒1粒、丁寧に心を込めてまいていました。きっと来年も豊作でしょう。

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 11月07日(土):夜の集い

     卒塾式まで残すところ2ステージです。そこで、この日の夜は、卒塾式で歌う歌の練習を行いました。「ふるさと」と「今日の日はさようなら」です。歌の練習をして、終わりが近づいていることを実感したのではないでしょうか?

    17st_b23.jpg 歌の練習後、作文を書いてもらいました。「市村自然塾でいろいろなことを体験してどのように感じ、どんなことを学んだか。将来にどう活かすか。」というテーマで書いてもらいました。家で下書きをしてきた塾生、その場で塾生手帳を見返しながら一所懸命書いている塾生とさまざまでした。殆どの塾生が時間一杯使って書き上げ、それぞれの思いが文章に詰まっていました。

     作文は全員の分をまとめて、卒塾式に塾生にお渡しします。

     

     

    ■ 11月07日(土):夜の集い ~共同生活の振り返り~

    17st_b24.jpg 金曜日の夜から今の時間までの活動を振り返って、塾生全体で目標に対してどのくらい達成できているか振り返ってもらいました。「コムギの種蒔きは丁寧に出来た。」、「収穫祭も真剣に取り組んでいた。」という意見の反面、「味噌の作業を丁寧に出来ていない人がいた。」、「活動中だらけていた。」などの意見も出ました。結果6.5点という評価で終わりました。このあと、今回の出来ていないところを踏まえて、どんなところをどのように気をつけるか各自で考えてもらい解散しました。

     

     

    ■ 11月08日(日):共同農園作業 ~お土産ネギの収穫~

    17st_b25.jpg 女子塾生が親子大会に植えつけたネギがずいぶんと大きくなりました。塾生たちにネギをお土産として持って返ってもらいました。家に持ち帰ってどんな料理になったのでしょうか?

     

     

     

     

     

     

    ■ 11月08日(日):チーム農園作業

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     チーム農園も終盤になりました。各チーム共に18ステージ1回では持ち帰れないくらい作物が出来ています。そこで今回から畑にある作物を持ち帰るチームが多くありました。収穫ラッシュです。

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    ■ 11月08日(日):ステージまとめ ~塾頭の話・目標振り返り~

    17st_b30.jpg ステージのまとめを枝村塾頭からまとめのお話をしてもらいました。

     「天候もよく収穫祭が無事に出来てよかったです。今回のテーマの『丁寧に』作業できているかどうかは結果が出ます。日々の努力の積み重ねが結果につながるものです。今回の活動に限らず、続けていくようにしてください。
    ボランティアの方のお話の中で『味噌のような人になって欲しい』とおっしゃっていました。とてもよい言葉ですね。人間はいいところも悪いところもある。人のいいところを引き出せるように自分も努力する。みんなで助け合って良いところを引き出し合うことが大切です。
    社会が発展して、もののありがたみを感じることが少なくなっています。自分を支えてくれる人たち、大地自然に感謝の気持ちを忘れずに。これからの人生、常におかげさまの気持ちを持ち、自然に感謝の気持ちを出せるようになってください。」

     

    17st_b31.jpg 塾生たちによる話し合いは、帰る時間ギリギリまでかかりました。目標の振り返りでは、昨日の反省を活かせたようです。しかし、細かなところでまだまだ丁寧さに欠けるという意見により、8点という結果で話がまとまりました。

     

     

     

     

     

    ■ 編集後記

     第17ステージが終わりました。今回のテーマにあるように十分楽しんだようすが伺えました。ごった煮汁を自分のチームメンバーだけでなく、他のチームメンバーにも分けて各チームの味を楽しみましたし、奉納相撲では塾生同士が真剣に力比べをしている姿が見られました。また、チーム農園でも自分たちの畑で世話をしてきた作物が大きくなり、収穫できることの喜びが子ども達の表情からうかがえました。自分たちの力と大地自然の力が合わさってできた結果だと思います。自宅でおいしく食べたことでしょう。
     残り1ステージです。苦楽を共にしたチームのメンバーと活動するのも最後となります。第18ステーでは元気な姿を見せてください。

    K.M.