2009年度・第8期 入塾式
2009年度・第8期 卒塾式
自然塾での食事
    自然塾レシピ集

    2009.07.10~12

    第09ステージ~男子~

    ステージテーマ:「前半の活動をふりかえり、作文を書こう!」

    共同生活の目標:「今までの目標の中から各自で決める」



    今回第9ステージで塾生活(全18ステージ)も半分を終え、折り返し地点を通過します。そこで、農作業や共同生活など今までに経験してきたことをふりかえり、今までの塾生活でどのようなことを感じたか、またこれからどのようなことを心がけていきたいかなどを作文に表現してもらいました。

    また、前回のステージで実施したリーダー会議で、「チームごとにあがった問題点を解決する方法を塾生たち自身で考えよう」との意見が出たため、今ステージではチーム会議の時間を設け、チームごとに感じている問題点について話し合いました。

    ■ 07月10日(金):夜の集い

    ステージを始めるにあたって、枝村塾頭からお話がありました。

    b9_1.jpg『早いもので塾生活も半分が過ぎようとしています。人間には「正直・優しさ・努力・感謝・勇気・感謝」などの良い心と、「嘘・卑怯(ひきょう)・自分勝手・冷酷(れいこく)」などの悪い心がありますが、みんなは良い心を持って活動に取り組んでいますか?良い心の代表は「親切」ですね。この気持ちが芽生えると他の良い心も出てくるし、悪い心を抑えてくれます。また、悪い心は、自分が追い詰められた時や苦しい時に出てきてしまいます。その悪い心を抑える「我慢」もとても大切です。常に良い心を出して周りの人に接することができるようになってください。』

     

     

    ■ 07月10日(金):リーダー会議

    b9_2.jpg土曜夜にチーム会議で話し合いをするにあたって、どのようなテーマを話し合いたいかあらかじめ考えておくこと、少しずつでもメンバー全員の意見を聞き問題を解決するための具体的なアイディアを出してほしいことなど、塾頭からお願いとアドバイスをもらいました。

     

     

     

     

     

    ■ 07月11日(土):共同農園作業 ~ラッカセイの草取り~

    b9_3.jpgラッカセイは第5ステージで種まきをする予定でしたが、天候の関係で作業ができませんでした。そこで、ラッカセイの様子を見てもらい畑一面を覆(おお)いラッカセイよりも大きくなってしまった雑草を取り除く作業を行いました。

     

     

     

     

     

     

    b9_4.jpgラッカセイは土の中に実るので、ラッカセイを大好物とするハクビシンからの食害を防ぐため畝は金網で覆ってあります。そのため、金網のすき間から顔を出している雑草を力任せに抜いてしまうと金網ごと上に引っ張ってラッカセイを傷つけてしまいます。そこで、金網を押さえラッカセイを傷つけないように丁寧に雑草を抜きました。同じ草取りでも、畑の様子を見てどのように作業するかを考える作物への思いやりは大切です。

     

     

     

     

    ■ 07月11日(土):おやつ ~キュウリ丸かじり~

    b9_5.jpg夏野菜もぐんぐん成長し、キュウリは次から次へと食べごろのサイズになっています。そこで、畑を移動して自分たちでもぎとったばかりのキュウリをおやつとしていただきました。新鮮なキュウリはとてもみずみずしく、実の途中で折ったキュウリをもう一度重ねると水分ではりついてしまうほどでした。お店で売られているキュウリとの味の違いを感じることができたようです。

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 07月11日(土):陶芸 ~仕上げ~

    b9_6.jpg前回のステージで作成したお皿が焼き上がり、それぞれ自分の作品を持って記念写真を撮りました。作った時よりも縮んで小さくなったり、乗せたビー球が違う色に変わっていたりと、イメージしていた仕上がりとは異なるものもあったようです。これもまた陶芸の楽しみの一つかもしれませんね。

    b9_7.jpg焼き上がった作品は、ザラザラしていたりとがっていたりしますので、そのまま使用するとテーブルや手を傷つけてしまいます。そこで、同じ素材で出来ているやすりでこすりお皿の裏側をなめらかに仕上げていきました。

     

     

     

     

     

     

    b9_8.jpgやすりで取り除けない角を落としたり、ヒビが入ってしまったお皿を直したりと陶芸の先生は色々な技を見せてくれました。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    b9_9.jpgその直後の昼食では、仕上がったお皿に野菜の天ぷらを盛り付けていただきました。畑で作物を育(はぐく)んでくれる土には色々な利用の仕方があるんですね。

     

     

     

     

     

     

    ■ 07月11日(土):親子大会 塾生企画の準備

     親子大会まであと2ステージとなり、塾生企画の準備の時間を設け各企画グループごとに準備を進めました。

    b9_10.jpgこのグループは、ルールの細かい部分を確認したり、どの場所でどんな風に楽しんでもらうかと演出を考えたりしていました。

     

     

     

     

     

     

     

    b9_11.jpg竹林で何かを作っているグループもありましたが、何を作っているかは当日までのお楽しみだそうです。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    b9_12.jpg川で企画を行うグループは、実際に川まで出かけてどの場所を使うかも検討したようです。

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 07月11日(土):共同農園作業 ~ラッカセイの草取り 続き~

    b9_13.jpg午前中にラッカセイの草取りを行いましたが、雑草の量が多く午前中には終わらなかったので午後も引き続き草取りを行いました。一人ずつ責任を持って取り組んでもらうため畑を区切って作業を行いましたが、やる気を出して真剣に取り組んでいる塾生がいる一方でおしゃべりばかりしてなかなか作業が進まず注意されてばかりの塾生もいたのは残念でした。しかし最後まで責任を持って作業を行い、畑が見違えるようにすっきりしたのを実感できた塾生も多かったようです。

     

     

    ■ 07月11日(土):夜の塾活動 ~作文~

    b9_14.jpg今までのステージをふりかえり、『自然塾でいろいろなことを体験し、何を感じ、何を学んだか』をテーマに作文を書きました。それぞれの塾生が、様々な体験を通してどのようなことを感じたかを思い出しながら書いていきました。中には、今までわがままに過ごしてきたと感じている塾生や塾に通うようになってから優しくなったと言われた塾生などがいました。今回書いた作文は、親子大会の時に文集として配り保護者の方に読んでもらう予定ですので楽しみにしていてくださいね。

     

     

     

     

     

     

    ■ 07月11日(土):チーム会議

    b9_15.jpg塾生たち自身が感じている問題点を話し合うため、今回はじめてチーム会議を行いました。それぞれ、「消灯時間を過ぎてから騒がしくなってしまうこと」「ちょっとしたことでもめ事になってしまうこと」「自分のやりたいことばかりやる人が多いこと」「チーム全体が集合時間に間に合うことが少ないこと」について話し合いました。解決策として、「自分に厳しくなり、消灯後ふざけないようにする」「言葉遣いや呼びかけ方に気をつける」「勝手に進めず、しっかり分担を行ってから作業する」「注意されたら素直に聞く」など多くの意見が出て、お互いに思いやる気持ちが大切であることを感じている塾生が多いことが分かりました。お互いの気持ちや意見を確認して自分たちで解決しようとする第一歩となったようです。

    ■ 07月12日(日):共同農園作業 ~コムギの脱穀・風選~

    普段食卓に上っている食べ物は、成長して食材となり加工して食べられるようになるまで色々な手間がかかっていますが、第7ステージで収穫したコムギも例外ではなく、コムギがパンやうどんなどに加工されて食べられるようになるまでに色々な手間がかかっています。そこで今回、コムギの加工作業の一部である脱穀(だっこく)・風選(ふうせん)の作業を行いました。

    b9_16.jpg「脱穀」は、刈り取ったコムギの束から穂を外してコムギの粒(モミ)を取り出す作業です。脱穀機という大きな機械を使うのですが、回転部分に巻き込まれないよう安全に作業するため作業の仕方を枝村塾頭に教わってから、作業を行いました。

     

     

     

     

     

    b9_17.jpgいつにも増して真剣な表情で作業を行っていました。この機械がなければ何倍もの時間がかかってしまいますが、この機械もなんと約60年も前に作られたものなのです。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    b9_18.jpgこの後、コムギの粒を一粒も無駄にしないようにするため、脱穀機にかけ終わった束から残った穂を切り取る作業を行いました。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    b9_19.jpgそして「風選」は、脱穀したコムギの粒を唐箕(とうみ)という道具を使って風を起こし良い実を選別します。混ざっていたワラくずや籾殻(もみがら)など軽いものは風の力で遠くへ飛ばされるため、しっかり実ったコムギと分けることができます。籾殻が飛び出しているのが見えるでしょうか?取っ手を回転させて風を起こすため、塾生たちは汗だくになって取っ手を回していました。

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 07月12日(日):チーム農園作業

    コムギの脱穀・風選作業と平行して、チーム農園作業を行いました。

    b9_20_1.jpgメロンの受粉を行っているチームがありました。もちろんハチなどの虫に任せておくこともできますが、人工的に受粉させたほうが実が出来る可能性が高くなります。実がたくさんできるといいですね。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    b9_21.jpgそしてこのチームは、畑を有効に使うため収穫し終わったスペースにニンジンの種をまいていました。チーム内で話し合い、計画を立て直して色々なことにチャレンジするのもとても良いことですね。

     

     

     

     

     

     

    ■ 07月12日(日):おやつ ~梅ジュース~

    b9_22.jpgコムギの脱穀・風選とチーム農園作業の間におやつとして梅ジュースをいただきました。よく見ると短いワラをコップに刺していますが何をしているのでしょうか?実は天然のストローなんです。もともとストローというのは英語で「ワラ」のことなんですね。

     

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 07月12日(日):ステージのまとめ

    ステージの締めくくりに枝村塾頭からお話がありました。

    b9_23.jpg「今回、ラッカセイの草取りを行いましたが、集中して作業が出来ていなかった人は次回集中してできるよう頑張りましょう。また、今回世界に一つしかないお皿に天ぷらを乗せて食べました。陶芸の先生や調理師さん、自然など色々なものに感謝しましょう。58年も前から動いている脱穀機には先人の知恵が生かされています。こういった発明だけでなく、色々な経験をすることで色々な方向から物事を考えることができ、言葉や行動がより良い方向に向かうことが出来ます。色々な経験をすることで、困った時に視点を変え壁を乗り越える力を身に付けていってください。」

     

    ■ 編集後記

    今回、作文を書くことを通して前半の活動をふりかえってもらいました。自分の成長を感じ、前向きになれた塾生も多いと思います。しかし、何度も注意されたにもかかわらず集合時間に遅れる塾生が多かったのが非常に残念でした。もう一度しっかりふりかえって、基本的なことが出来ているのか見つめ直してもらいたいと思います。

    Y.S.