br> (市村自然塾 関東 OB会)
今ステージのメインイベントは陶芸(とうげい)です。塾生たちはふだん作物を育てる畑の土に接していますが、このステージでは、粘土を使ってお皿を作り、土のいつもとは違う利用法を体験し、物作りを通して子供たちの創造性を伸ばしてもらおうという目的で行いました。次の第9ステージでは焼きあがったそのお皿で自分たちが作った野菜を食べるという貴重な経験をしてもらいます。また、夜にはホタルの観察をおこない、昼間には猛烈な勢いでのびている畑の草をとってもらうなど、盛りだくさんなステージとなりました。
今日も塾生たちを乗せたバスがやってきました。これから男子第8ステージの始まりです。まもなく2週間ぶりに男子塾生たちの元気な声がひびきます。
ステージを始めるにあたって、塾頭さんからお話がありました。
暑くなってきて畑作業も大変になってきましたが頑張りましょう。畑では野菜だけでなく、草も元気に生長しています。畑作業はつらいけど、自分の弱い心に負けないで頑張りましょう。
面接の時に将来の夢や目標について尋ねましたが、人生において目標を持つ事は大切なことです。会社でも目標を達成できたかどうかで給料が決める時代になりました。目標というものには長期のものと短期のものがあります。長期のものは大きく、短期のものは身の丈よりちょっと大きな目標を立てると頑張れます。さらに目標を決めるときに具体的な数字にしたほうが良いです。そうするとチャレンジ心も刺激されます。共同生活目標もただ決めるだけでは駄目です。自分がこの目標を達成できないのはなぜか、どうすれば達成できるのか、を考えなければ意味がありません。そして行動することが大切です。人生、目標をもって生きるようにしましょう。
土曜日の午前中は農作業です。まずはササゲの種まきを行いました。このササゲは卒塾式のお赤飯に使われる予定です。塾生たちはしっかり育ってほしいと願いをこめて、鳥よけのきらきらテープの下に種をまいていきました。
おやつの時間に農業指導の先生とひとりの塾生がわずかな日陰に並んで座っていました。なんともほのぼのとした風景でした。
ササゲの種まきのあとは、おやつをはさんでオカボの草取りを行いました。雑草がすごい勢いでのび、オカボを覆い(おおい)つくしていました。塾生たちはオカボと雑草の見分け方を教わり、畑に入ってオカボを探しました。それにしてもすごい雑草でした。
だいぶ雑草が少なくなり、オカボが見えてきました。この日は梅雨の晴れ間でとても暑かったのですが、よく頑張ってくれました。しかし、中には途中でねをあげてしまった塾生もいました。
塾舎に戻ってきた塾生の何人かが頭に水をかけだしました。今日は暑かったですからね。とっても気持ちよさそうでした。
昼休みを利用して自分が作るお皿につける模様の材料を集めてきました。葉っぱや花、中にはタケノコを拾ってきた塾生もいました。
今ステージのメインイベント、陶芸の時間がやってきました。いつもは畑で接している土ですが、今日は土(粘土)を使ってお皿を作りました。みんなのアイデアがめいっぱい表現できましたか?
まず最初に陶芸(とうげい)の先生から、お皿作りの方法や注意する点を教わりました。器用にお皿を作り上げる先生の手もとを塾生たちは食い入るように見つめていました。
いよいよお皿作りのスタートです。塾生ひとりひとりが思い思いのお皿を作り上げていきました。
塾の横にはとてもきれいなアジサイが咲いています。何人かの塾生がお皿に模様をつけるのに、アジサイの花をとってきました。見かけのきれいさとは異なり、うすいものは模様をつけにくいのですが、頑張って花の模様をつけていました。
まずお皿の原型が出来上がりました。ビー玉は窯(かま)で焼くと溶けてきれいな色になります。このあとお皿に釉薬(ゆうやく)をぬってから窯(かま)で焼きます。まずは自分の作品を持ってうれしそうでした。
2つのグループに分かれて釉薬(ゆうやく)ぬりをしました。釉薬(ゆうやく)をぬることによって、水や油がお皿にしみこまなくなります。しかし、底に釉薬(ゆうやく)をぬってしまうと窯(かま)の底板にくっついてしまいます。慎重に釉薬(ゆうやく)をぬっていました。
釉薬(ゆうやく)ぬりが終わったグループは、使った道具をきれいにしました。もう一方のグループは、釉薬(ゆうやく)ぬりを待っている間、陶芸に使った食堂の掃除をしました。それぞれ心を込めて片付けや掃除をしていました。
この日の夜はホタルの観察を行いました。まずは食堂でホタルの一生やホタルが減ってしまった原因について学びました。ホタルは子孫をふやすため光を出して飛ぶといわれますが、成虫として飛べるのは1年のうち1週間から10日ぐらいです。このあいだは食べ物を食べず幼虫のときにたくわえた栄養だけで生きて、その後死んでしまいます。
その後、ホタル観察に出かけました。ホタルを追いかけたり光を当てたりしないよう、気をつけながらホタルを観察しました。以前にホタルを見たことのある塾生もいましたが、川沿いをまうホタルに見入っていました。
このステージでは親子大会塾生企画の準備の時間がとれなかったため、それぞれのグループは休み時間などを使って準備を行っていました。自分たちでお客さんを楽しませる企画なので、時間をみつけて一生懸命準備していました。
第2ステージで種まきをしたダイコンが大きくなり、ひとり1本づつおみやげにすることにしました。今回は自分で抜いたダイコンを自分で持ち帰ることにしました。おみやげになるダイコンを掲げてうれしそうでしたが、小さいダイコンに当たってしまった塾生は残念がっていました。
収穫したダイコンは新聞紙で包装して持ち帰りました。適当にくるんでいる塾生もいましたが、きちんと包装して持って帰ってもらいました。
小さかったトウモロコシがこんなに大きく育ちました。心を込めて育てたおかげですね。
ウドンコ病という病気の対策に葉っぱに灰をまぶしていました。でもかけすぎじゃないの?光合成が出来なくなるよ、と言ったら、あわてて余計な灰を落としていました。
トマトの芽かきや誘引が十分されていなかったため、トマトが茂りすぎて、疫病(えきびょう)という病気もでていました。塾頭さんにも手伝ってもらって、芽かき、誘引、病気対策をしていました。
雨や風でこわれてしまったトマトの雨よけをなおしていました。丈夫な雨よけを作るのはなかなか難しいですね。
ステージの終わりに枝村塾頭から話がありました。
今回はとても暑かったけどみんな農作業をよく頑張りました。最後までやりきった人もいましたが、挫折した人もいました。草が多いと作物が負けます。愛情をもって作物を育てることが大切です。
目標の設定については、自分は何ができないのか、どうしたら出来るようになるのかを考え、努力しましょう。最近、全盲のピアニスト辻井さんがアメリカのピアノコンクールで優勝しました。その大会の前には準優勝をしていてその時から次回は優勝することを目標に努力したからこそ結果が出せました。目標を持つとまわりの人も支えてくれます。励ましてくれます。そして目標を成し遂げると達成感が生まれ、自信もつきます。ところで今朝の瞑想(めいそう)の時間は5分間でした。最初は1分から始まりましたが、5分まで伸び、朝食時も正座出来る人も出てきました。このように目標を決めて努力して達成することはとても大切です。学校でも家でも目標を持つようにしましょう。
今ステージも梅雨の晴れ間に恵まれ、暑いくらいの天気になりました。特にオカボを覆いつくしていた雑草はものすごく、正直塾生たちに草取りが出来るか疑問でした。しかし、彼らは雑草をきれいに取り払ってくれました。一部の塾生はねをあげてしまいましたが、彼らはこれまでのステージを通して作物に対する愛情を確実に育んでいるようです。この愛情が人や物に対しても発揮できるようになるのを望みたいと思います。このステージでは、陶芸やホタルの観察も行われました。陶芸においては、自分の作品をつくるにあたり、好奇心や創造性をめいっぱい発揮し、真剣に取り組んでいました。またホタルの観察では、ホタルの生態を理解してよく注意事項を守って観察していました。さらに親子大会塾生企画の準備の時間が取れなかったのですが、彼らは率先して自由時間に準備を進めていました。今後もそのような良い点をもっともっと伸ばして目標に向かって進んで欲しいと思います。
T.K.
ほかにもイロイロあんなこと、こんなこと。自然塾豆知識コーナー