2009年度・第8期 入塾式
2009年度・第8期 卒塾式
自然塾での食事
    自然塾レシピ集

    2009.05.29~31

    第06ステージ~男子~

    ステージテーマ:「作物の生育状態を観察し、適切な世話を考えよう!」

    共同生活の目標:「何事も心を込めて、きちんと丁寧に作業する」



     今ステージは、共同農園でこれまで植え付けてきた色々な作物の世話をする予定でした。そこでステージテーマを掲題のように定めましたが、天候不順のために結果的には数種類の作物の世話しか行えませんでした。共同生活の目標には『何事も心を込めて、きちんと丁寧に作業する』を掲げ、これまでの期間に覚えた塾での生活習慣に輪をかけて磨きをかけ、真の意味で身につけられるように作業の精度を上げることを意識して生活してもらいました。

    ■ 05月29日(金):夜の集い

    6st_b1.jpg 第6ステージを始めるにあたり、枝村塾頭からお話がありました。

     『これまで共同生活の目標で、人間として大切なことを学んできました。これらは無人島で一人で生きていくには必要ありませんが、人は他人と触れ合うことで喜びや楽しさを感じられるのです。そのためには振り返ってみて、出来なかったことは出来るように、出来たことは更に出来るように努力しましょう。今まで農作業の大変さや正しい道具の使い方など色々なことを学んできたと思いますが、これからは、ただやるのではなく、心を込めて丁寧にやりましょう。すると形に表れて気持ちも良いし、道具を大切にする気持ちが芽生えます。物を大切にできる人は他人も大切にできます。』

     この他、ステージ担当から今回の予定・テーマ・目標の説明があり、さらにマナー講座を振り返って、マナーとその心を再確認する時間もありました。

     

       

    ■ 05月30日(土):刃物研ぎ

    6st_b2.jpg 土曜日の午前は、これまで種をまいたり苗を植えたりしてきた様々な作物のその後の世話や草刈りをする予定でしたが、朝方まで雨が降っていたために、代替プログラムとして刃物研ぎと竹箸(はし)作りを行いました。これからの季節、畑では日々雑草との闘いです。そこで活躍する道具として鎌の手入れ法を身につけて欲しかったのですが、初回から鎌を研ぐのは難しいと判断し、最も扱いやすい切り出し(小刀)を(スタッフから説明を受けた後)各自で研いでもらいました。皆こういった作業に興味があるのか、熱心に時が経つのを忘れるくらい作業に没頭していました。

     

     

     

     

     

    ■ 05月30日(土):竹箸(はし)工作

    6st_b3.jpg 初めて自分の手で研いだ切り出し(小刀)の切れ味を試してみようということで竹箸(はし)を作りました。刃物はとても便利な道具ですが間違った使い方をすると怪我をしてしまいます。この機会に正しい使い方を身につけてもらうべく、最初にスタッフから工作の丁寧な説明がありました。その後、各自で思い思いの箸(はし)を作成しました。あわよくば、この後の昼食で完成品を使用する予定でしたが、まだ口に入れる段階まで至っていない塾生が多く、残念ながら実戦投入されたのは僅か(わずか)でしたね。

     

     

    ■ 05月30日(土):あしおとツアー(前編)

    6st_b4.jpg 土曜日の午後は、今まで種まきや苗植えを行なってきた野菜に自分たちの足音を聞かせ(様子を見てまわり)必要な様々な世話をする「あしおとツアー」を行なう予定でしたが、朝方まで降った雨のために地面がぬかるんでおり、畑をまわって野菜の生育状況を確認して必要最低限の作業を行なうことになりました。

     最初の畑でダイコンやキャベツの状態と害虫対策ネットを観察した後、自分たちが植えつけたレタスを見ると既に収穫に適した大きさに育っていたので、自宅への土産(みやげ)として収穫してもらうことになりました。初のお土産にみんな大喜びで、スタッフに教わりながら新聞紙で包装しました。

     

     

     

     

     

    6st_b5.jpg 今現在の作物の生育段階に応じた世話は何かを考えながら実際に野菜の状態を観察して歩いてもらいました。ぬかるんだ地面を踏み固めないように各畑の入り口付近や畝間(うねま)を巡るだけでしたが、やはり「百聞は一見に如かず」で塾生の記憶に残ったようです。

     

     

     

     

     

    6st_b6.jpg 畑を巡り歩く途中で桑の実が熟しているのを発見!みんなで競うように熟した実をもぎとってパクパクと口に運びました。こうして道草(?)を食うのも「あしおとツアー」の醍醐味(だいごみ)ですね。

     

     

     

     

     

     

    ■ 05月30日(土):あしおとツアー(後編)

    6st_b7.jpg おやつを挟んで、午後の後半は夏野菜の世話と草刈りをしました。夏野菜といっても、畑の状態が良くないために他の作物に必要な世話はできず、トマトの世話だけを行いました。

     トマトには、芽欠きといって余分な脇芽(わきめ)を欠く作業と、伸びた茎を新たに麻ヒモで誘引する作業を行ないました。

     

     

     

     

    6st_b8.jpg トマトの世話が終わると草刈り鎌の使い方が説明され、後は各人でムギワラボウシ畑の全面を草刈りしました。じっくりと時間をかけて行なったのですが、最後まで集中して作業できたのは一握りの塾生で、残りは適当な仕上がりでした。今回の共同生活目標は「何事も心を込めて、きちんと丁寧に」であるのに残念です。

     

     

     

     

     

    ■ 05月30日(土):親子大会の塾生企画

     第11ステージの親子大会では、参加する保護者や兄弟姉妹に楽しんでもらうための塾生企画を実施します。これは、普段のチームの枠を越えたメンバーで企画グループを作り新たな友人関係を築いてもらうことや、自ら計画・準備・運営を行なうことで塾生の自主性や企画実践力、他者を思いやる心などを養うために毎年行なわれてきたものです。今回はその第1回目の話し合いを土曜日の夜の塾活動の時間に行ないました。

    6st_b9.jpg 各自あらかじめ考えてきてもらった「塾生企画でやってみたいこと」を発表・説明してもらった後に、自分たちのやりたい企画ごとにグループを作りました。そして、できあがったグループごとにアイディアを出し合い、企画内容をシートに記入していきました。色々なアイディアが出ていましたので、本番がとても楽しみです。

     

     

     

     

     

    ■ 05月30日(土):リーダー会議

    6st_b10.jpg 自然塾では土曜日の夜に各チームのリーダーが集まって話し合いをしていますが、今回は運動会などの学校行事でリーダーの欠席も多く、代理でサブリーダーが出席しているチームが半数を占めました。

     今回は自由時間の過ごし方について議題が上がり、塾舎内で鬼ごっこ等をしていると夢中になってケガをする危険性があることや特定の個人を皆で追い掛け回すのは嫌な思いをさせるので止めるようにリーダーから皆へ呼びかけることになりました。

     

     

    ■ 05月31日(日):チーム農園作業

     途中におやつ休憩を挟みましたが、日曜日の活動時間は丸々チーム農園作業に充てました。

     6st_b11.jpg    6st_b12.jpg     

     今ステージは参加人数が少ないにも関わらず頑張って作業に取り組んでいるチームもありましたが、作物に必要な世話が色々と見つかったのか、事前の計画が不足していたのか、当日のリーダーシップ・メンバーシップの発揮がなされなかったためか、大幅に予定時間をオーバーして終了するチームもありました。前日に習った鎌の使い方を早速実践して真剣な態度で丁寧に草を刈る塾生もいましたし、コマツナを大量に収穫したチームもありました。

              6st_b13.jpg    6st_b15.jpg 

     以前作成したチーム農園の看板を設置するチームも多かったですし、キュウリのネットを設置したり、トマトの雨除けを設置するチームも多かったです。

    ■ 05月31日(日):ステージのまとめ

     ステージの締めくくりに枝村塾頭から話がありました。

    6st_b16.jpg 「今回の目標は前総合塾長の想いであり塾でも大事にしていることです。心を込めて丁寧に作業するとは、ステージ担当からも話があったように一つ一つを一生懸命に作業するということです。それには、しっかりと目をそこに向けないといけません。いい加減な動作をしていると、いい加減な人間にしかなれません。また今回は道具の使い方も色々と教わりましたが、道具は大切に使いましょう。大工さんの道具は大切に使われることで、大工さんが使いやすいように形が変化してくるといいます。これからも自然塾で様々な経験をすると思いますが、他人に頼らず自分から進んで心を込めてきちんと丁寧に作業するように心がけてください。」

     

    ■ 編集後記

     皆さんは「一隅を照らす」という言葉を知っていますか。「今自分がいる場所で、自分の能力を活かしベストを尽くすと、自分が成長するだけでなく、周りの人も頑張って、お互いが成長する。だから、今、自分に出来る事を一生懸命にすることが大切で、そうすると、自分も仲間も、全体が成長する」ということです。そうやって魅力ある人間に成長すると、もっともっと良い仲間や親友が増えるでしょう。今の事を一生懸命に出来ない人は、自分の夢を叶えることも出来ません。一つ一つの農作業や塾活動、掃除や食事当番などの共同生活を、心を込めてきちんと丁寧に出来ている人は、必ず成長します。今日から「一隅を照らす」という言葉を、忘れずに実行してください。

    H.T.