2009年度・第8期 入塾式
2009年度・第8期 卒塾式
自然塾での食事
    自然塾レシピ集

    2009.11.20~22

    第18ステージ~男子~

    ステージテーマ:きちんと最後の片づけをして、気持ちよく卒塾しよう!

    共同生活の目標:何事も心を込めて、きちんと丁寧に作業する。



    3月に始まった第1ステージから8ヶ月、早くも最終ステージを迎えました。この18ステージの間に塾生たちは普段とは違った仲間と共同生活をし、汗を流し、さまざまなイベントにも取り組んできました。このような活動を続けてこられたのも、第1期生から次の塾生たちへと大切に塾をつないできたからです。今度は8期生が9期生へ引き継ぐ番です。9期生が気持ちよく活動できるように、塾を、活動を始めた時やそれ以上にきれいにして、18回のステージの総まとめにしました。共同生活の目標は塾生で決めてもらいましたが、最後のステージなので、何ごとも心をこめてきちんと丁寧に作業する」と決まり、今回はこの目標を意識して過ごしました。

    ■ 11月20日(金):夕食

    18st_b1.jpg塾に着いたらまず夕食が待っています。この日の夕食は寄せ鍋でした。最終ステージにふさわしく同じ鍋を仲間とつついて食べるのは、寝食ともに過ごした締めくくりです。塾活動での食事も今回を含めてあと6回、それぞれのチームで楽しそうに箸(はし)を進めていました。

     

     

     

     

     

    ■ 11月20日(金):夜の集い

    ステージの始めにあたって塾頭さんよりお話がありました。    

    18st_b2.jpgいよいよ最後のステージです。春にみんなが種をまいた陸稲(おかぼ)を使って、明日は餅つきを行います。餅は節目、節目に食べます。めでたいときに食べるのには意味があります。粘り強い人になれるように、真っ白な心でいられるように、感謝の気持ちを持って臨むようにしてください。

    他に、チーム農園の返還や大掃除がありますが、どれも8ヶ月間お世話になったものばかりです。9期生が気持ちよく使えるように感謝の心を込めてきれいにしましょう。心は目に見えないが形に現れます。いい加減な掃除をするのはいい加減な人だと言っているようなものです。 

     

    最終ステージに当たって、入塾したときにやりたかったことを出来たかどうか、振り返りながら過ごしてください。皆で協力して怪我の無い様にしてください。 

    ■ 11月20日(金):共同生活の目標決め

    18st_b3.jpg共同生活の目標決めは、塾生たち自身で行ってもらいますが、司会進行役と書記役を行い人を募った(つのった)ところ、大勢の塾生が立候補しました。今回はその塾生の中から、司会役2名、書記役1名で進めてもらいました。

    過去にステージ担当進行で目標を決めたり、前回も塾生自身で目標決めを行ってもらったこともあり、少数意見の塾生の意見も尊重しつつ、素晴らしい進行で目標決めを行っていました。今回は目標としてあげられた、「整理・整頓・清掃・清潔」、「何ごとも心を込めてきちんと丁寧に作業する」、「時間を守る」の案を支持する塾生の間で意見が交換されて、共同生活目標が決まりました。 

    ■ 11月21日(土):チーム農園作業

    チーム農園はまた次の第9期生が使います。活動を始めた時のように、きれいにして返しました。 

    18st_b4.jpgまずは、まだ畑に残っている作物を収穫しなければなりません。最後のステージともなると収穫物も多くなり、おみやげも沢山になって、どの塾生も嬉しそうでした。収穫物を塾の食卓へプレゼントしてくれたチームもありました。 

     

     

     

     

     

    18st_b6.jpg収穫した作物はおみやげにしましたが、大量に収穫できたチームも多く、包装するのにおおわらわでした。 

     

     

     

     

     

     

     

    18st_b7.jpg鹿対策のためにチーム農園はネットで囲んでありますが、男子の分は今回取り外します。男子のチーム農園のネットをはずしても、女子のチーム農園に鹿が入ってはいけないので、女子のチーム農園との境に杭を打ちました。杭をおさえている仲間の手を打たないように、注意深く行っていました。

     

     

     

     

     

     

     

     

    18st_b10.jpg作物を収穫し、作物の残渣(ざんさ)を運び出し、使った道具、ごみや雑草などを取り払いました。このチームはとりわけ収穫物が多かったので、残渣(ざんさ)も多かったようでした。

     

     

     

     

     

     

    18st_b8.jpg最後に土をクワでしっかりと耕しました。この後、9期生に気持ちよく渡せるように、レーキという農機具で平らにならしました。

    今までいろいろな作物を育ててきたチーム農園から何もなくなるのはさみしいようですが、きれいに更地(さらち)に戻して、すがすがしい気持ちを味わったようでした。 

     

     

     

     

    ■ 11月21日(土):チーム農園返還式

    18st_b9.jpgチーム農園をきれいにしたら、塾頭さんに確認してもらっていよいよ塾に返します。塾生たちは、8ヶ月間お世話になったチーム農園に感謝の気持ちを込めてお礼のあいさつをしました。

     

     

     

     

     

     

    ■ 11月21日(土):餅つき

    日本では餅は昔から節目節目に食べられてきました。粘りのある餅は、物事に対して粘り強くあるようにという願いの表れであり、また、その白さから、混じりけのないきれいな心をあらわすものとされてきました。塾生たちも、これからも粘り強く過ごしていけるように、きれいな心を持ち続けられるように、心を込めて餅をつきました。

    餅つきは3つのグループに分かれて交替で行いました。まず1つのグループが餅つきを行い、別のグループは餅つきをしている塾生に声援を送り、残りのグループはつきあがった餅を丸める係を行いました。        

    18st_b11.jpg 18st_b30.jpg

     

     

     

    全員が順番に餅つきを行いました。杵(きね)は大小3種類あって、塾生それぞれが自分にあった重さの杵(きね)選んでつきました。腰が入っていなかったり、的が外れて餅がないところをついてしまったりする塾生もいて、もっとしっかり頑張れ!という声援もかけられましたが、餅の真ん中を力強くついて、心地よい音が響く(ひびく)と、まわりからいいぞ!という声がかかりました。

    18st_b12.jpg声だけの声援でなく、応援団さながらの威勢のよい声援を送る塾生もいて、もり上がっていました。

     

     

     

     

     

     

     

    18st_b13.jpg餅を丸める係は手を真っ白にして餅を丸めていました。同じ大きさで丸くまとめようと思っても、なかなかうまくはいきませんでしたが、一つ一つ個性的な餅だんごが出来上がり、塾生たちはそれを見て面白い、大きい、小さいなどと感想を言い合っていました。

     

     

     

     

     

    ■ 11月21日(土):おやつ

    18st_b14.jpgおやつでは、今つきあがったばかりの餅をいただきました。自然塾の畑で育てたオカボを収穫し、自分たちでついた餅は格別においしく、塾生たちは最初の餅を食べた後もおかわりを次々に食べていました(夕食もしっかり食べられるのか少し心配でしたが、大丈夫でした)。

     

     

     

     

     

    ■ 11月21日(土):タマネギの植え付け

    前回のステージの小麦と同様に次の第9期生へプレゼントするリレー作物、タマネギの植え付けをしました。これが自然塾での最後の農作業になります。

    18st_b15.jpgこの時期、午後の後半になると、日も陰りだして冷え込んできます。タマネギの植え付けは暖かかった陽射しが弱くなるなか行われました。

    苗を雑に扱ってしまったり、浅く植えて倒れてしまったり、丁寧に作業できなかったところも一部見られましたが、ほとんどの塾生は最後の農作業に熱心に取り組んでいました。

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 11月21日(土):卒塾式の歌の練習

    18st_b16.jpg卒塾式では、自然塾が心のふるさととなるように、そして、これから旅立つ決意を表すために歌を歌います。次はいよいよ本番です。塾生のひとりががピアノの伴奏をする中、精一杯歌いました。 

     

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 11月21日(土):荷造り

    18st_b18.jpg今回で、塾の衣装ケースに入れて置いてあった荷物は出し、衣装ケースは塾に返します。荷物は自分で持ち帰るか、宅急便で送り返すかします。ダンボールに入れて自宅に送り返す塾生の中には、宅急便の送り方をわからない塾生もいましたが、スタッフに聞いて荷造りを行っていました。

     

     

     

     

     

    ■ 11月21日(土):リーダー会議

    18st_b19.jpg第2ステージから行ってきたリーダー会議ですが、今回が最後のリーダー会議です。リーダーを行ってきたことに対して、各リーダーが感想を述べました。

    学校では学級代表を行っているが、寝食ともにするところでリーダーを務める大変さを感じた。ボーイスカウトを行っているが、塾でも教えたり教えられたりすることが多い。学校で行っている運動委員会長のやり方が最初はわからなかったが、塾に来ているうちにわかるようになった。行動力がついた、わからない塾生がいて、わかるように説明しないといけないことがわかった。このようなことをリーダーたちは学びました。リーダーとしての経験をこれからも生かしていってください。 

    ■ 11月22日(日):共同場所の大掃除・農機具の手入れ

    8ヶ月間塾にお世話になった塾に感謝の気持ちを込めて、塾舎まわりの大掃除や農機具の手入れを行いました。 

    18st_b20.jpgこのチームは玄関前と非常階段、かまど小屋の掃除を担当しました。玄関前には水を流す側溝があり、ボルトを使って蓋(ふた)をあけ、底にたまった落ち葉や泥を取り除きました。普段は行ったことのない掃除に塾生たちは一生懸命溜まった(たまった)汚れを取り出していました。 

     

     

     

     

    18st_b21.jpgこのチームは農機具の手入れを担当しました。普段は洗ってしまっているクワですが、今回はしっかり錆(さび)も落としました。 

     

     

     

     

     

     

    18st_b29.jpg地下倉庫入り口の排水溝は毎回農機具や長靴を洗うので、泥がたまっています。ここを担当した塾生は泥をバケツにいっぱい移して、重たいバケツを塾庭の下まで運んで捨てていました。

     

     

     

     

     

     

    ■ 11月22日(日):塾生室の大掃除

    最後の塾活動は、塾生がもっともお世話になった塾生室の大掃除です。

    毎回朝に掃除をしていますが、大掃除では普段では掃除しないところを行いました。 

    18st_b22.jpg塾生室の窓も磨き上げました。きれいになると気持ちよいのでしょう。一生懸命楽しんで作業をしていました。

     

     

     

     

     

     

     

    18st_b23.jpgエアコンにたまっている埃(ほこり)もきれいにしました。夏の一時期しか使わなかったエアコンですが、細かい埃もしっかりと取っていました。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 11月22日(日):第18ステージのまとめ

    ステージのまとめとして、塾頭からお話がありました。 

    みんな最後まで無事に来れたことに感謝を申し上げます。チーム農園の片付けや今日の大掃除も頑張ってくれました。きれいになったので、次の塾生も気持ちよく過ごせると思います。食事当番も次の仕事が何なのかを考えて動けるようになりました。これまでのステージを振り返ると、辛かったこと、楽しかったことがたくさんありました。辛くても餅のように粘り強く生きていってください。友人や仲間を大切にしてください。塾生手帳を時々読み返して3つの心と2つの力を思い出し、一生の宝物としてください。人間のもつ1番良い心、親切な心や感謝の心を忘れずに過ごしてください。  

    ■ 11月22日(日):共同生活目標の振り返り

    18st_b26.jpg最後に金曜日に立てた共同生活の目標の振り返りを塾生に行ってもらいました。

    9期生のためにしっかり耕せていた、タマネギの植え付けの作業で雑なところがあった、チーム農園の作業は良かったが、片づけが悪かった、などの意見がでました。それらについて意見を交換した結果、今回の共同生活の達成度は7点となりました。

    司会や書記が進行に困る場面もありましたが、最後まで積極的に共同生活目標の振り返りに取り組んでいました。 

     

    ■ 11月22日(日):帰宅前のあいさつ

    18st_b27.jpg毎回、帰宅前には塾生室をきれいにして、チーム全員が集まって塾頭さんに確認してもらって帰ります。これも今回が最後となります。最後にお辞儀をして、おみやげを持って帰りのバスに向かいました。 

     

     

     

     

     

     

    ■ 編集後記

    自然塾での活動も今ステージで終わりました。8期生の塾生はこの8ヶ月の間にさまざまなことを体験し、辛いことも楽しいことも仲間と一緒に行ってきました。取っても取っても生えてくる草をとり、虫に悩まされ、汗をかいて収穫をし、チーム農園作業、掃除、食事当番やチーム内での生活など、仲間と協力し、時にはぶつかったりしながら過ごしてきました。このような塾での生活の中で、自然の大切さ、命の大切さ、仲間の大切さを学んだと思います。自然塾の掲げる3つの心と2つの力、「自然を慈しむ心」「相手を思いやる心」「社会の一員として、社会の基本的なルールを守る心」、「自分のことは自分でやる力」、「安全(危険)を知る力」、そして、あらゆるものへの「感謝の心」と良い心の中でも特別な「親切」。これらを塾生は8ヶ月間の中で学んできました。これからの生涯の中でも、ずっと忘れず、実践できるよう願っています。

    T.K.