br> (市村自然塾 関東 OB会)
塾生が最初に携わった作物であるジャガイモが収穫時期を迎えました。今回のステージではそのジャガイモを収穫し、コロッケを作り収穫の喜びを味わいました。
共同生活の目標は、今まではステージ担当がそのステージに合わせて身につけてもらいたいことを目標として設定していましたが、今回のステージからは今までの目標の中から自分に足りないものを各自で選んでもらいました。
ステージを始めるにあたって塾頭からお話しがありました。
「今日から第7ステージが始まります。あっという間に1/3ステージが終わりました。今回のステージは第1ステージに植えたジャガイモを収穫します。みんなが一生懸命世話してくれたのできっと立派なジャガイモが出来ていると思います。収穫の喜びや感動を味わってください。
今日は食事について話をしたいと思います。この塾では出された食事は残さず良くかんで食べるという教えがあります。良くかんで食べると『ひきしまった口元になる』『身体が丈夫になる』『頭の働きが良くなる』『食べ物がおいしくなる』『心が安定し落ち着いた気持ちになる』など良いことがたくさんあります。嫌いなものもまんべんなく食べましょう。明日は収穫したジャガイモでコロッケを作ります。味わって食べてください。」
その後、入塾式に発表した抱負や各チームでたてた目標などを振り返りました。また今までの6つの共同生活の目標について確認し、自分が一番出来ていないものを選び今ステージの共同生活の目標に設定してもらいました。
掘ったばかりのジャガイモは皮が柔らかくとても傷つきやすいため、すぐに回収せず少しの間日に当てて乾かしてから回収します。午前中の最初の作業はジャガイモを掘って畑に広げ、乾かしておく作業です。これから食材として大切に使っていきますので傷つけないように丁寧に扱いましょう。
まず、ステージ担当がジャガイモを土の中にあるそのままの形で掘り上げて見せ、ジャガイモは土の中でどのように育っているのか、根・茎・葉どの部分が芋になっているのかという説明がありました。また、1株から収穫できる重さをみんなに予想してもらいました。最初約60グラムだった種芋が10倍以上の700グラムになりみんなびっくりしていました。
作業開始。まずは地上部(地上に出ている茎や葉など)をとってしまう作業です。地上部にはえき病という病気が出ていて、その病気を触った軍手で芋を触ってしまうと芋にまで病気がうつって長く保存できなくなってしまいます。そのためまずは地上部だけ取り除いて、軍手を他のものに変えてから芋を収穫します。
次はいよいよ芋の収穫です。傷つけないように注意しながら掘っていきます。大きな芋がごろごろでてきました。こんなに大きくて立派なジャガイモが収穫できました。
掘った芋は畑に広げ乾かします。地上部は畑に残しておくと次に育てる作物に病気が出てしまったり、連作障害(同じ畑で同じ科の作物を続けてつくると生育が悪くなってしまうこと)がでてしまうので袋に入れて塾庭に持ち帰りました。
日曜日が雨の予報だったので、土曜日にチーム農園作業を行いました。体調不良や遅刻などでメンバーがそろわないチームが多かったのですが、どのチームも少ない時間、少ない人数で協力して頑張っていました。
このチームは農業指導の先生にメロンの受粉の仕方を教えてもらい、人工授粉に挑戦していました。おいしいメロンが出来ると良いですね。
このチームはトウモロコシの追肥・土寄せをしていました。だいぶ大きくなりましたね。しっかり世話をして甘くて実のつまったトウモロコシを育てましょう!
このチームはサツマイモが鹿に食べられてしまったので植えなおしました。今度は大きく育つと良いですね。自然塾では虫や病気だけでなく鳥や獣(けもの)からも作物を守らなくてはいけません。
このチームはトマトの芽欠き・誘引をしていました。トマトは次々とわき芽が生えてしまうので定期的にこのわき芽をとって、倒れないように支柱にひもで結び付けてあげる世話が必要です。この世話をしないと風通しが悪くなり病気になりやすくなってしまうのです。今回はほとんどのチームが行っていました。
午後の最初の作業は午前中に乾かしたジャガイモの回収です。
種類ごとにトレーに入れていきます。ここでも芋を傷つけないように注意して作業していました。
芋を回収した後は、収穫量を測って仕分けの作業です。塾生にジャガイモの種類ごとに分かれてもらい、小さすぎたり、傷がついてしまった芋と保存する芋とを分けて並べました。また、お土産用のジャガイモも包んでもらいました。
みんなで収穫したジャガイモを前に記念撮影をしました。こんなにたくさん収穫できました。総量はなんと137kg!自然の恵みに感謝です。
いよいよ自分たちで育てたジャガイモを使ってコロッケ作りです。各チームには自分たちの分だけではなく日頃お世話になっているスタッフの分も作ってもらいました。まずはチームごとにジャガイモを量って洗いました。使って良いジャガイモはダンシャク・メークイン・キタアカリ・アンデスレットの4種類あり、その割合はチームごとに考えてもらいました。それぞれどんなコロッケが出来るか楽しみです。
きれいな服装に着替え食堂に移動しました。ステージ担当からコロッケ作りの説明を受けた後、ジャガイモの皮をむいてマッシャーでつぶしました。
作業を分担し、厨房ではタマネギをみじん切りにしました。タマネギが目にしみるのをぐっとこらえて頑張っていました。
タマネギがみじん切りにできたらひき肉と一緒にいため、塩・コショウで味をつけました。調理師さんにいためるコツを教えてもらいながら、やけどに注意しながら良くいためました。
次はいためたタマネギとひき肉、つぶしたジャガイモを混ぜ、コロッケの形にする作業です。チームで小判型とたわら型のどちらか好きな方を選んでもらい、どれも同じ大きさになるようにつくってもらいました。
仕上げはパン粉をつける作業です。小麦粉・溶き卵・パン粉に分かれてつけてもらいました。ここでムラがあると揚げるときに割れてしまってうまく揚がりません。ムラがないようにチェックしながら協力して手際よく作業出来ていました。
パン粉づけが終わったら、お皿に盛り付ける人と洗い物をする人に分かれてもらいました。洗い物は食事当番で経験していることもありとてもスムーズに終わりました。盛り付けはチームで工夫して盛り付けることが出来ました。
コロッケが揚げ上がり、調理師さんから総評を頂きました。「大変集中して作っていて良かったです。食べてみてください。きっとおいしいでしょう。」
それではいただきます!みんなおいしそうにコロッケをほおばっていました。
自然塾の近くを流れている中津川では6月中旬~7月上旬までホタルが舞う姿がみられます。夜の塾活動ではホタルの一生やなぜホタルが減ってしまったか説明を受けた後にみんなでホタルの観察に行きました。
日没が遅く最初は少し明るかったのですが、辺りが暗くなると次々に光が見え、塾生たちは
「あのホタルとあのホタル一緒に飛んでいるように見えるね」
「あのホタル産卵しているのかな」
など話しながら眺めていました。はかない命でも精一杯光っているホタルたちを見て、それぞれ何かを感じたことでしょう。
毎ステージ日曜日の朝は瞑想を行っていますが、今回は3分間行ってもらいました。良い姿勢を長い時間保つことが出来るようになってきました。しかし何人かは最後の方で動いてしまったり身体をかいてしまっていました。残念です。自主・自立・自律という話がありましたが、自分の弱い心を律する強い人になってください。
このチームでは今回初めて収穫したキュウリを朝食に食べました。自分たちで育てたキュウリの味は格別だったに違いありません。これから一生懸命世話をしてたくさん収穫できると良いですね。
前回に引き続き親子大会の塾生企画の話し合い・準備を行いました。前半は何ステージに何の準備をするかなど具体的な計画を立ててもらいました。企画は魚つかみ、ジェスチャー、クイズラリー、肝試し、おやつ作りが出ています。どんな企画になるか楽しみですね。
後半はどんなクイズを出すか考えたり、会場の下見に行ったりとどの企画も準備を進めていました。みんなで協力して楽しい企画にしましょう。
塾頭からステージのまとめの話がありました。
「昨日は暑い中の農作業をがんばってもらいましたが、これから熱くなって農作業はもっと大変になります。昨日ギブアップしてしまった人もいましたが、ここでの活動の中心は共同生活と農業です。自分の弱い心に負けずに出来るところまで頑張ってください。これから雑草も茂ってきますが、草に負けないように頑張ってください。
今回のステージではジャガイモを収穫し、みんなでコロッケを作って食べました。とてもおいしかったですね。ここでコロッケを作れるのも自然のおかげ、また何よりここにこれるのは両親のおかげだということを忘れないでください。いつもおかげ様の気持ちを持ってください。またジャガイモの命を絶って食べるわけですから命をいただきます、ごちそうさまという感謝の気持ちをもってほしいと思います。」
入塾してから1/3ステージがたちました。塾の生活にも慣れ、みんなの前で自分の意見を言えるようになったり、積極的に活動に参加する塾生が多くなったように感じます。しかし、けじめがなかったり、緊張感がなくなってしまったりと中だるみの傾向が見られるようになりました。今回のステージでは塾生に初心を思い出してもらおうと金曜日の夜に自然塾で何をしたいのか、何のために自然塾に入ったのかもう一度考えてもらいました。これから常に目標や向上心を持って生活して欲しいと思います。
また、今回のステージではいただきますやごちそうさま、ホタルの観察など"命の話"が何回かでてきました。人間の生活は様々な命の犠牲の上で成り立っていることを感じてもらい、感謝の気持ちを忘れずに、命や自然を大切に出来る人になって欲しいと願っています。
K.T.
ほかにもイロイロあんなこと、こんなこと。自然塾豆知識コーナー