2009年度・第8期 入塾式
2009年度・第8期 卒塾式
自然塾での食事
    自然塾レシピ集

    2009.06.05~07

    第06ステージ~女子~

    ステージテーマ:「作物の生育状態を観察し、適切な世話を考えよう!」

    共同生活の目標:「何事も心を込めて、きちんと丁寧に作業する」



    これまでのステージでは、種まきや植え付けの作業がメインとなっていました。しかし、植え付けをして水や肥料を与える以外にも欠かせない世話がいくつもあります。そこで今ステージでは、テーマを「作物の生育状況を観察し、適切な世話を考えよう!」とし、作物の様子を見ながら必要な世話について考える機会を設けました。また、今ステージではコムギの穂が黄金色に色付き収穫時期を迎えたため、コムギの収穫を行いました。共同生活の目標は「何事も心を込めて、きちんと丁寧に作業する」とし、心を落ち着かせ作業の目的をしっかり意識して行動してもらいました。

    ■ 06月05日(金):夜の集い

    ステージを始めるにあたって、枝村塾頭からお話がありました。

    6st_g1.jpg「今まで、自然塾で色々なことを経験し学んできました。農作業など辛いことがあっても、それを乗り越えてこそ感じられる喜びもあるし、道具の使い方など将来役に立つこともたくさんあるでしょう。また、道具を大切に扱える人は、人に対しても思いやりを持って接することが出来ます。壊れてしまった道具を直すことと、間違いだと気がついたことを反省し正していくことも同様です。何事も丁寧に、そして思いやりを持って行動するようにしましょう。」

    また、これまでの共同生活や塾活動を振り返って、塾ではどのようなマナーがあるか・マナーとは何かを再確認しました。

     

     

    ■ 06月06日(土):朝食後の自由時間

    6st_g2.jpg朝食後、早めに食堂に集合した塾生たちがおやつ作りを手伝ってくれました。第6ステージを迎え、最近は何でも積極的に手伝ってくれるようになりました。家や学校など、塾以外の場所ではどうなのでしょうか?塾だけを特別の場所だと考えずに、いつでもどこでも積極的にチャレンジしていきましょう。

     

     

     

     

     

    ■ 06月06日(土):親子大会塾生企画の話し合い ①

    雨が降っていたため、予定していた夏野菜(ナス・ピーマン・トマト)の世話を行わず、室内で行える作業を行いました。

    6st_g3.jpg夏休みに入った第10ステージに実施する親子大会では、塾生たち自身で企画し、参加してくれる家族に楽しんでもらうための塾生企画を行います。普段のチームの枠を越えて自分たちの行いたい企画ごとにグループを作って実施してもらうため、まずは考えてきたアイディアを出してもらいました。野菜に関するクイズラリーやジェスチャーゲーム、おやつ作りや魚のつかみどり、肝試しなど色々なアイディアが出てきて今から本番が楽しみですね。

     

     

     

    6st_g4.jpg後半は、希望する企画ごとに集まって具体的なアイディアも出し始めていました。出てきたアイディアや、親子大会の本番までにどのような準備をするのかなどをシートに記入してもらいました。どの企画グループにするか迷っている塾生も、各グループのアイディアを熱心に聴いて検討していました。

     

     

     

     

     

    ■ 06月06日(土):刃物研ぎ ~草刈り鎌の手入れ~

    暖かく雨の多い季節となり、畑では雑草もぐんぐん伸びてきています。そこで、雑草を取る時に便利な「草刈り鎌」の手入れの仕方を身につけるため、砥石(といし)を使って草刈り鎌を研(と)いでもらいました。手入れをせずに放っておくと、切れなくなって困るだけでなく余計な力がかかった勢いで自分たちの手や足を傷つけてしまいます。

    6st_g5.jpg実際に手入れをする前に、片刃(かたば)と両刃(りょうば)の違いや切れる部分などの説明を聴いたあと、研ぎ方を確認しました。

     

     

     

     

     

     

     

    6st_g6.jpg塾生たちは草刈り鎌をしっかりにぎり、集中して鎌を研いでいました。砥石の角度を一定に保ちながら動かすことに苦戦している様子が多く見られました。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 06月06日(土):共同農園作業 ~コムギの収穫・干し作業~

    7期生が昨年の11月に種まきをしてから約7ヶ月、黄金色に色付き収穫時期を迎えたコムギを収穫しました。刈り取る人・束ねる人・運ぶ人と分担して作業を進めました。

    6st_g7.jpgまずはのこぎり鎌を使って刈り取ります。無理なくにぎれる量のコムギを、のこぎり鎌のギザギザした刃を使って地面に水平に鎌を動かしました。この時、コムギを押さえる手の親指を下向きにすると束が安定してより安全に刈り取ることが出来ます。慣れない作業も集中して丁寧に作業していました。刈り取ったコムギは、次の人が束ねやすいように切り口をそろえて渡しました。ここでも次の人への思いやり「どうぞの束」ですね。

     

     

     

     

     

     

     

    6st_g8.jpg束ねる時は塾生の手で3~4つかみ分を交差させて麻ヒモでしばっていきます。干して乾燥させる時に、コムギが抜け落ちて無駄にならないようきつくしばるのにひと苦労していました。真ん中あたりでしばると干した時にコムギの束がひっくり返ってしまうので、しばる場所を切り口から20cmのところに合わせるのも苦労していました。

     

     

     

     

     

     

     

     

    6st_g9.jpgできた束は次々に軽トラックの荷台へ運んでいきました。

    いつ雨が降り出してもおかしくないような天候のもとスタートしましたが、刈り終わる頃にはすっきりと晴れ、着ていたカッパの中は汗びっしょり。暑い中でも集中して作業することが出来ました。この後、刈り残した穂や落としてしまった穂をすべて拾って塾舎に戻りました。

     

     

     

     

    6st_g10.jpg塾舎では、ベランダにコムギの束を干していく作業を行いました。長い列を作り、バケツリレーのように隣(となり)の塾生に渡していきます。コムギのもみは少しの衝撃(しょうげき)で取れて散らばってしまうので、壁(かべ)や床にぶつけて実を落とさないよう気をつけながら干していきました。干したコムギは、乾燥させ、脱穀(だっこく:穂から粒を取り外す)・風選(ふうせん:風で殻や軽い実を飛ばして取り除く)などをして製粉してからやっと食材として使うことが出来ます。収穫してから口に入るまで長い時間と手間がかかっているんですね。自然塾では素麺(そうめん)やうどん、おやつの材料として使われる予定です。

     

     

     

     

     

    ■ 06月06日(土):共同農園作業 ~レタスの収穫~

    6st_g11.jpgレタスが大きくなり、ギュッとつまって収穫に適した大きさになったので収穫をしました。のこぎり鎌で切り取ったら、根ごと引き抜いて乾燥させます。根をそのままにしておくと、残った葉が腐って周りの美味しいレタスまで腐らせてしまうので注意が必要です。

    自分たちで収穫したレタスを新聞紙で包み、一人1個ずつお土産として持って帰ってもらいました。

     

     

     

    ■ 06月06日(土):親子大会塾生企画の話し合い ②

    午前中の話し合いに続いて、夜の塾活動として塾生企画の話し合いを行いました。意見を出しあって多数決を取ったり、ルールを考えてみたり。途中参加の塾生を自分たちの企画グループに勧誘(かんゆう)する様子も見られました。

       

    6st_g12.jpg  6st_g13.jpg

    今回のステージでは、学校行事などの関係で欠席や途中参加、早退の塾生が多く、どの企画グループに入るか決まっていない塾生もいます。あせらずに次回の話し合いの時にアイディアを出し合ってどんな企画を行うか考えていきましょう。

    ■ 06月06日(土):リーダー会議

    6st_g14.jpg土曜日の夜に実施しているリーダー会議では、参加しているリーダー・サブリーダーから議題(ぎだい)を募(つの)って話し合いを行っています。今回は、消灯時間後につい話してしまうメンバーがいるがどうすればよいか、などが話し合われ、工夫の仕方などをお互いにアドバイスしていました。どのように解決していけばよいのかを考えて意見を出し合える仲間がいるのはいいことですね。

     

     

     

     

    ■ 06月06日(日):あしおとツアー ~ゴボウの観察・トマトの世話~

    今ステージでは、土曜の午前中に夏野菜など作物の世話をたっぷり行う予定でしたが、雨が降ってできなかったので時間を短縮しこの時間にあしおとツアーとしてムギワラボウシの畑に行き、作物の生育状況を観察して必要最低限の世話を行いました。

    6st_g15.jpg畑に行く途中、クワの実が美味しそうに熟していました。甘酸っぱい味でついやめられず、口の周りや指の先がむらさき色に染まってしまった塾生もいました。

     

     

     

     

     

     

    6st_g16.jpgまず畑の左奥に植わっているタマネギが半分くらい倒れているのが確認されました。何かに倒されてしまったのでしょうか... 実はタマネギは茎が倒れてくるのが収穫の目安。特に問題があるわけではありません。育てている作物を美味しくいただくためにも、どのようになったら収穫すればよいのか、目安をしっかり調べておくことが大切です。また、第2ステージで種まきをしたゴボウを観察すると、双葉が根元から無くなっているものがいくつもありました。このままでは収穫できる量が限られてしまうのでもう一度種をまき直したいですね。しかし一度失敗した方法と同じ方法で育ててもうまく育つとは考えられません。そこでどうすればうまくいくかを考えてもらいました。もしも、チーム農園で同じようなことがあったら同じように失敗した理由を考えて改善方法を考えてみましょう。

    6st_g17.jpg次に、畑の右奥でぐんぐん成長していたトマト。このまま放っておくと、枝がたくさん生い茂って風通しが悪く病気にかかりやすくなってしまいます。さらに陰になった葉に太陽の光が当たらなくなったり、枝を伸ばすことにエネルギーを使って美味しい実をたくさん作ることが出来なくなってしまいます。そこで、脇芽(わきめ)を摘(つ)み取る「芽欠き」を行いました。はさみなどで切り取ると病気にかかってしまう恐れがあるため、手で丁寧に摘み取っていきました。病気を防ぐためには切り口を乾燥させる必要があるので、芽欠きは晴れた日に行いましょう。

     

     

     

     

     

    6st_g18.jpg芽欠きの後は、ぐんぐん伸びて倒(たお)れかかったトマトの枝を支柱に誘引し支えてあしおとツアーを終了しました。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 06月06日(日):チーム農園作業

    おやつをはさんで、チーム農園作業の時間としました。今ステージは出席しているメンバーが少ない中、各チーム集中して作業に取り組んでいました。

    6st_g19.jpgあしおとツアーで行ったトマトの芽欠き・誘引を早速チーム農園で実践している様子が見られました。真ん中の枝と大きくなってしまった脇芽の見分けは付いたでしょうか?

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    6st_g20.jpg土曜日に自分たちで研いだ草刈り鎌を使って、草刈りをしているチームもありました。切れ味はどうだったでしょうか?伸びてきた草はなるべく短いうちに刈り取るようにしましょう。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    6st_g21.jpgそして出たはずの芽がいつの間にかなくなっていて、種をまき直しているチームもありました。間引きの時期が早かったのかな?追肥をあげたのが株に近すぎたのかな?と失敗した理由を一生懸命考えてからの再チャレンジです。

     

     

     

     

     

     

    6st_g22.jpgこちらでは、美味しそうなスティックブロッコリーを収穫していました。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 06月06日(日):ステージのまとめ

    ステージの締めくくりに枝村塾頭からお話がありました。

    6st_g23.jpg「第6ステージが終わりますが、何事も丁寧に、その時やるべきことに集中して取り組むことは出来ましたか?丁寧に作業するというのは、作業している物に目を向けて集中して行うということ。丁寧に行うときちんと目的を達成することができ、やり直す必要が無いので限られた時間をうまく使うことが出来ます。また、いい加減な動作をしていると何でも中途半端ないい加減な人間になってしまいます。何事も丁寧に行ってしっかりとした良い人間になってください。」

     

     

     

    ■ 編集後記

    今回の共同生活の目標は、しっかり意識できたでしょうか?今回、コムギの収穫で落ちてしまった実を一粒残さず拾ったりトマトの脇芽をじっくり探したりと、いつも以上に丁寧に作物と向き合っている姿が多く見られました。このように目に見えることだけでなく、人と接する時など目には見えにくい時も相手の気持ちを考え丁寧に接するように心がけてもらいたいと思います。また、時折「疲れた~」「私には無理~」という声も聞こえましたが、多少難しくても諦めないことが大切です。失敗を恐れず、色々なことにチャレンジしてたくさんの経験をして欲しいと思います。

    Y.S.