br> (市村自然塾 関東 OB会)
いよいよ親子大会本番のステージを迎えました。参加する家族に楽しんでもらうため何ステージにも渡って準備してきた塾生企画を実施すること、そして農作業や清掃など今まで塾活動を通して行ってきたこと・ありのままの姿を見てもらうことで、塾生たちが身に付けてきた成果を知ってもらいたいとの思いから、このようなテーマを設定し今ステージの活動を行いました。
共同生活の目標は、前回と同様に各チームごとに達成できていないものを話し合い決定しました。
ステージを始めるにあたり、枝村塾頭よりお話がありました。
「いよいよ親子大会本番を迎えます。普段とは違った活動も行いますが、遊ぶことが目的ではありません。農作業など頑張っている姿を目の前で見てもらい、塾生企画でもグループごとに協力をして力を最大限に発揮することで家族の人に楽しんでもらい成功させましょう。自分たちも楽しむところは楽しみ、しっかり作業する時は作業をしてメリハリをつけて親子大会にのぞみましょう。」
また、テーマやスケジュールの説明のあと、チームごとに共同生活目標を決め、明朝6時から行うチーム農園作業をスムーズに進めるためチーム農園作業の計画を立てました。
2日目の夜にテントの中で寝袋を使って眠る練習として、チーム担当から使い方・たたみ方の説明を聞いてから、実際に自分たちで寝袋をたたむ練習を行いました。初めて寝袋を使う塾生も多く小さくまとめるのに苦労していましたが、協力し合ってたたんでいる様子が見られたのは素晴らしいですね。
夏時間スケジュールのため、通常より1時間早い5時30分に起床して6時からチーム農園作業を行いました。
収穫が近付いても実が腐ってしまったり害獣(がいじゅう)に食べられてしまったりすることもあるので油断はできません。ふくらんできたカボチャの実が土に触れないようにワラをしいたり、サツマイモがイノシシに食べられてしまうのを防ぐため金網を張ったりと工夫していました。
また、チーム農園発表の時にキレイな畑を家族に見てもらうため、どのチームも一生懸命に草取りを行っていました。大きく成長してなかなか抜けない雑草に苦戦しているチームもありました。
チーム農園作業後の朝食の時間には、採れたばかりの作物を味わっているチームもありました。おなかがいっぱいになっても自分たちで世話をして苦労して育てた作物は別腹(べつばら)のようです。
朝食後、塾庭に張ったテント内にマットをしいて荷物を運び込みました。1泊ですが、初めてテントで寝る塾生も多くどこで寝るかを話し合ったりとドキドキしているようです。
今回、「川遊び(魚つかみ・舟レース)」「幽霊街道(きもだめし)」「市村クエストⅢ(ゲームラリー)」の3つの塾生企画が実施されます。各企画グループごとに、企画内容や実施時間、集合場所、アピールポイントなどを発表して家族への参加を呼びかけました。
続いて、実際に自分たちで世話をしている畑に移動し、育てている作物の種類や育ててみて苦労したこと・工夫したことなどを発表しました。メロンが病気になってしまいその対策のために灰をまいたこと、トマトの病気対策のために雨よけを設置したことなど、保護者からの質問にも丁寧に答えていました。
中には、収穫できたオオバを保護者に配って味わってもらっているチームや、収穫できたキュウリを参加者全員の食事の材料として提供してくれたチームもありました。
昼食後、塾舎近くの川原で魚つかみと舟レースの企画が実施されました。
魚つかみは、金網で区切った川の支流に放流したマスを、素手でつかまえてもらう企画です。ぬるっとすべる活きの良いマスを捕まえるのに苦労していました。金網の区間から逃げ出したマスもいましたが、夕食の材料になるため必死で追いかけて捕まえることができました。
舟レースでは、まずレースに参加するための舟を作っていました。材料の竹を組み合わせてヒモでしばり、旗を立ててオリジナルの舟を完成させます。親子で相談し組み合わせ方を考えながらバラエティ豊かな舟が完成していました。
完成した舟を使ってレースのスタートです。待ちきれず、合図の前にスタートしてしまいそうな雰囲気でしたが、気を取り直して一斉にスタートしました。
自分の舟を追いかけてゴールを見届けたり、レースが終わってからもう一度流してみたりと参加者は自分の舟に愛着をもっていたようです。
おやつにはスイカをいただき、野外で食べる開放感でいつもの何倍も美味しく感じられました。草むらに向かって誰が一番遠くまで種を飛ばせるかと盛り上がっている様子も見られました。
周りが暗くなった頃、塾舎前の畑に集まってキャンプファイヤーを行いました。チームリーダーの塾生が代表してトーチに点火し、塾頭がファイヤーの薪に火を点けました。マッチを使う手つきは慣れたもので、緊張している様子でしたが一回でトーチに火をつけることが出来ました。その後、火を囲んでゲームを行い、塾生・家族・スタッフの壁を越えて交流が深めることができました。
キャンプファイヤーの後は、きもだめしの塾生企画「幽霊街道」が行われました。いくつかの指令が隠されていたので、ドキドキしながら周りをよく見ながら歩いていました。
土曜に続き、5時30分に起床しました。塾庭に張ったテントでは自然の音がたくさん聞こえ、セミの声で目が覚めた塾生もいたのではないでしょうか。寝袋をたたむのも前の晩に練習した成果を出すことができたでしょうか?
早朝の農作業として、ABチームは草取り・CDチームはニンジンの種まきを行いました。
草取りはアズキの一種ササゲの畑で行いました。何ステージにも渡って草取りをしていることもあり、集中して文句一つ言わずに草取り作業をしていました。また、保護者の協力もあって予定より広い面積の畑の草取りを終えることができました。
ニンジンの畑では、まず畝たてを行いました。久しぶりにクワを使いましたが、使い方は覚えていましたか?忘れてしまった人はこれから秋の作付シーズンを迎え、チーム農園でもクワが活躍するのでしっかり思い出しておきましょう。
たて終わった畝は、板を使って叩(たた)きました。土の粒同士のすき間が小さくなり、発芽に必要な水分を保ちやすくなります。ニンジンのように乾燥に弱い種は、このようなちょっとした工夫をすると発芽しやすくなります。
その後、畝に幅1cmの溝をつけ、軽くて小さなニンジンの種を丁寧に撒いていきました。
共同農園作業の後、食事当番の家族に食材のトウモロコシを収穫してもらいました。塾生の兄弟も一生懸命お手伝いをしてくれました。写真は、ハクビシンに食べられないように被(かぶ)せていた金網をはがしている所です。
共同農園作業後、宿泊に使用したテントをかえす作業を行いました。地面に接していた部分が濡れているのでたたむ前にしっかり乾かします。道具を使う時はその道具に合った方法で手入れ・保存するようにしましょう。
日曜はゲームラリーの塾生企画「市村クエストⅢ」が行われ、市村王国を支配する悪をやっつけるため参加者が畑をまわってクイズやミニゲームにチャレンジしました。写真は最終地点の門番と門番に許しを得た参加者が中の迷路に挑戦しているところです。
塾生企画が行われている一方で、塾生のお父さん方が流しそうめんに使用する樋(とい)つくりを行いました。子どもたちや参加者のためでもありますが、皆さん夢中になって取り組まれていました。
流しそうめんを初めて体験する人も多く、夢中になって箸(はし)でそうめんを追いかけていました。ころころとミニトマトも流れてきましたが、手に入れることは出来たでしょうか。
ステージを終えるにあたって、塾頭よりお話がありました。
「塾生企画やチーム農園発表など、一生懸命取り組んで親子大会を成功させることができました。また、親子大会が成功したのは、応援し積極的に協力してくれた保護者やボランティアのおかげでもあります。感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。これからのステージも何事も一生懸命取り組んで成功させましょう。」
イスやテーブル、干していたテントなどを分担して片付けた後、通常通り塾生室の清掃をしてあいさつをして解散となりました。てきぱきと清掃を終え、最後にチーム農園のスイカを大切に収穫しているチームもありました。
親子大会にご参加・ご協力いただいたご家族の皆様、ありがとうございました。塾生活での様子を間近に見て体験していただいたことにより、こどもたちの新しい一面を感じていただけたら幸いです。また、塾生にとって、家族で同じ体験をしたことが良い思い出となり、親子大会の成功がこれからの自信につながるのではないでしょうか。
いつもとは異なるスケジュールの中、慌(あわただ)しく第11ステージを終えました。次回からは改めて気を引き締めて活動に取り組んでいきましょう。
Y.S.
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