2009年度・第8期 入塾式
2009年度・第8期 卒塾式
自然塾での食事
    自然塾レシピ集

    2009.05.08~10

    第04ステージ~女子~

    ステージテーマ:「お茶作りに挑戦し、新茶の味を楽しもう」

    共同生活の目標:「ルールを守る」

     二十四節気では「立夏」を過ぎ、暦の上では夏です。日中の日差しが強くなり、塾周辺の野山や畑の新緑がだいぶ濃くなってきました。この塾のある神奈川県足柄上郡は足柄茶という名茶の産地です。今回の活動で、塾生たちは茶摘みをして、その摘み取った茶葉を使って煎茶つくりに挑戦をしました。また、8期生の塾生が入塾してから1カ月が経ちました。塾生たちもだいぶ自然塾の生活にも慣れてきて、気が緩む時期でもあります。そこで今回の目標は、自然塾での基本的なルールについて再確認をして、何のためにルールがあるのか考えてもらうために、「ルールを守る」として活動に挑んでもらいました。

    ■ 05月08日(金):夜の集い

     ステージのはじめに枝村塾頭よりお話がありました。

    4st_g1.jpg 「5月2日に八十八夜を迎えました。お茶摘みの季節であり、農作業にも適した気候になってきました。共同農園、チーム農園共にさまざまな作業がありますので、がんばってください。今回の目標の「ルールを守る」とは、学校や交通ルールなどさまざまなところでいろいろなルールがあります。それらを守らないと、周囲の人に迷惑がかかってしまいます。時には、自分がやりたいことを我慢しなければならないこともあります。自分自身に強くなる勇気が必要な場面もあります。ルールを守って楽しい塾生活を行えるよう努力しましょう。」

     

     ルールを塾生全員で守ることによって、みんながすごしやすい環境を作ることが出来るのです。

     

    4st_g2.jpg

     ステージ担当がルールの確認を行いました。塾生達に聞くと
    「出されたものは全部食べる」
    「お風呂では体を拭いてから脱衣所にでる」
    「消灯時間を過ぎたら布団に入って静かにする」
    「時間を守る」など
    さまざまなルールが出されました。これらのことを行動に移せるように確認をして塾活動が始まりました。

     

     

     

    ■ 05月08日(金):消灯前の自由時間 ~ラッカセイの殻むき~

    4st_g3.jpg 消灯前の自由時間に次ステージで植えつけるラッカセイの殻むきを手伝ってくれました。自宅でラッカセイを食べたときのことを思い出しながら「おいしそう~」と声を漏らす塾生も...。このラッカセイは生なので食べられません。収穫まで待って調理しましょう。

     

     

     

     

     

    ■ 05月09日(土):お茶摘み

     塾庭にあるお茶の木から茶葉を摘みました。はじめに茶葉の摘み方の説明をスタッフより聞き、各チームに分かれてお茶摘みをはじめました。

    4st_g4.jpg チームごと約300g摘み取ります。はじめのうちは「これでいいの?」とスタッフに聞いてばかりでなかなか進みませんでしたが、そのうちにやり方がわかると集中して、もくもくと茶葉を摘んでいました。

     

     

     

     

     

    4st_g5.jpg 途中、摘み取ったお茶の葉を味見...。「にが~い!でも、なんとなく甘いかも?」とお茶の風味を味わっていました。

     

     

     

     

     

     

     

    ■ 05月09日(土):共同農園作業

       ~夏野菜(ナス・ピーマン・トマト)の植え付け

    4st_g6.jpg まずは畝たてを行いました。だいぶ慣れてきたようでほとんどスタッフが手を加えずに段々と形になってきました。

     

     

     

     

     

     

     

    4st_g7.jpg 仕上げは手で平らにならしました。心を込めて丁寧に行うことできっとおいしい野菜が収穫できることでしょう。

     

     

     

     

     

     

     

    4st_g8.jpg 畝たてが終わったら、苗を均等に並べ、植えつけました。前回の3ステージで雨のためにレタスとキャベツが植えつけられなかった塾生にとって、共同農園で苗を扱うのは初めてのこと。苗は野菜の赤ちゃんのようなものなので、優しく扱って植えつけました。

     

     

     

     

     

    4st_g9.jpg 特にトマトは特徴があり、実のつく方向が同じ方向になるので、植えつける方向を決め手になります。通路側に花が向くように植えつけました。

     

     

     

     

     

     

    ■ 05月09日(土):おやつ

    4st_g10.jpg 作業を中断して、いったん休憩。おやつを食べて水分を取ってエネルギー補充です。この日のおやつは「お茶蒸しパン」。塾舎前で取れたお茶を練りこんだ蒸しパンです。塾活動の中でおやつの時間を楽しみにしている塾生は少なくありません。この笑顔を見ればわかりますよね?

     

     

     

     

     

    ■ 05月09日(土):共同農園作業

       ~夏野菜(ナス・ピーマン・トマト)の植え付け ~続き~

    4st_g11.jpg 前半植えつけた苗に支柱を立てました。夏野菜は、支柱で支えてあげなければ倒れてしまいます。支柱を立てる方向も作物が影にならないように北側に立てます。1つ1つ細かいことですが、おいしい野菜を収穫するためには大切なことです。

     

     

     

     

     

     

     

     

    4st_g12.jpg 支柱を立て終わり、ヒモで誘引をしました。作物の生長の方向を調節する大切な世話の1つです。この作業は特に丁寧に行わなければ植えつけたばかりの苗を傷つけてしまい、成長の妨げになります。傷をつけないよう、十分注意して作業を行いました。

     

     

     

     

     

    4st_g13.jpg トマトに敷き藁(しきわら)をしました。これはいくつかの役割を果たすのですが、その中でも特にトマトの場合は、雨が降ったときに土中の病原菌が土と一緒に跳ね返ることを防ぐために行うのです。

     

     

     

     

     

     

    4st_g14.jpg 最後に全体に水やりを行いました。植えたばかりの苗はまだ地面に根を伸ばせていないので、効率よく水を吸収することが出来ません。根が土中にしっかりと張りめぐらされるまでのたくわえです。たっぷりと水をあげました。

     

     

     

     

     

     

    ■ 05月09日(土):お昼休み ~岩下先生のマナーのお話~

     昼食後、現代礼法研究所の岩下先生よりマナーのお話をいただきました。

    4st_g15.jpg 「マナーとは愛です。マナーとは相手に対する思いやりが表に出たものなのです。そして、相手に対する最高の礼儀なのです。昔、「LOVE」は「大切」と訳されていました。人や自然、色々なものを大切に思う気持ちです。その心を外に出し、表現をしたものが、マナーなのです。つまり、マナー=LOVE、現代で言うと『マナーは愛』となるのです。」
     このほかにも、食事中のマナーや箸の使い方、座布団の使い方などさまざまなことを教えていただきました。今後の生活で実践していけるよう努力が必要です。

     

     

    ■ 05月02日(土):お茶作り

     はじめにお茶の歴史に触れ、どのような種類のお茶があるのかなどの説明を受けて、朝、摘み取ったお茶の葉を使ってお茶つくりに挑戦です。本格的に行うと4時間かかる作業ですが、塾では簡易的にお茶つくりを体験しました。

    4st_g16.jpg 厨房で蒸した茶葉を各チーム共にホットプレートでいり始めました。はじめのうちは蒸気が上がり熱いので箸を使いました。しばらくすると、食堂中にお茶のいい香りが広がりました。その後、手を使いしっかりと葉を揉んでさらに乾燥をさせて完成です。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    4st_g17.jpg 片づけを行った後、おいしいお茶の入れ方も教わり、出来立てのお茶でお菓子をいただきました。塾生達は新茶の味を堪能(たんのう)しました。どのチームも「うちのチームが一番おいしい!」と大満足でした。

     

     

     

     

     

     

    ■ 05月09日(土):あしおとツアー

       ~ジャガイモの芽欠き・追肥・土寄せ~

    4st_g18.jpg 第1ステージに植えつけたジャガイモの世話を行いました。植えつけてから約1ヶ月経ち、ずいぶんと背丈が大きくなりました。今回は芽欠きと追肥、土寄せを行いました。これらの世話をしないと、立派なジャガイモが出来ません。とても大切な作業です。欠いた芽を良く見ると豆粒くらいのジャガイモが出来ていました。塾生から「かわいい~」「もったいない」と声が聞こえました。

     

     

     

     

    4st_g19.jpg 土寄せの作業は株元にしっかりと土を寄せることによって、ジャガイモが大きくなる空間が出来ます。土寄せがしっかり出来ていないと地表にイモが出てしまい、緑化イモとなって食べられなくなってしまいます。しかし、クワで株元に土を寄せるのはなかなか難しく、何度も往復して土寄せをしました。

     

     

     

     

     

    ■ 05月09日(土):危険生物の話

     塾周辺には、たくさんの生き物がいます。その中に人に害を及ぼす生き物に注意すべく、危険生物の話を行いました。

    4st_g20.jpg はじめに、どのような危険生物がいるかチームごとで考えて、発表してもらいました。蜂、ブヨ、蛇など、さまざまな生物の紹介とどのように危険か、そんなことに注意をすればいいかを話すと塾生達は真剣なまなざしで話を聴いていました。危険生物といっても、ほとんどの生き物は自分の身を守るために刺したり、噛み付いたりすること、不用意に近づいたり触ったりしないければ害は無いこと、そして、作業中は長袖長ズボンを着用することで塾生自分自身の身を守ることを話しました。

     

     

    ■ 05月10日(日):共同農園作業 ~オカボの種まき~

     自然塾では、田んぼが無く畑しかありません。ですから、畑で育つお米「オカボ」の種まきを行いました。オカボとは漢字で「陸稲」と書き、畑で育てられる品種なのです。今回まいたオカボは最終18ステージで餅つきをして、食べます。

    4st_g21.jpg まずは溝きりです。ジャガイモを植えつけた時と同じような方法で溝を作っていきます。ジャガイモの時と比べてクワの使い方がずいぶんうまくなりました。溝の底がしっかりと平らになるように丁寧に作業を進めています。

     

     

     

     

     

     

    4st_g22.jpg 溝が出来たら、種をまきます。種と種の間隔は約2cm。根気が必要な作業です。すぐに飽きてしまって座り込んでしまい、適当にまいている塾生もいれば、じっくりと何もしゃべらず黙々と種まきに没頭している塾生もいました。根気強さが行動に現れていました。

     

     

     

     

     

    4st_g23.jpg 種まきが終わったら、上から土をかけて終了です。土はだいたい種の大きさの3倍かけます。塾生たちは土を細かく砕きながら種の上に土をかけていました。うまく芽が出てくれるとよいですね。

     

     

     

     

     

     

    ■ 05月10日(日):チーム農園作業

     いよいよチーム農園作業です。今回のステージでは各チーム共にやるべき作業がたくさんあり、大変な様子でした。

    4st_g24.jpg さっそく、共同農園作業で学んだことを生かしてトマトに敷き藁をしています。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    4st_g25.jpg こちらのチームは前回植えつけたメロンに敷き藁をしています。隙間なく藁を敷くことによって、土からの病原菌が作物に入らずになると同時に、温度や水分も保ってくれます。

     

     

     

     

     

     

    ■ 05月10日(日):ステージのまとめ

     ステージのまとめとして、枝村塾頭よりお話がありました。

    4st_g26.jpg 「岩下先生のマナーのお話のなかで、相手への思いやりを持って接することは大事ですね。塾活動だけでなく普段の生活の中でも相手に対する思いやりを持って接してもらいたいものです。食事の時もだいぶ残さなくなりました。「いただきます」「ごちそうさま」も、作ってくれた人への感謝の表れ。そして食べ物になった物の命をいただいていることの感謝を忘れないでください。日本でも豚インフルエンザの感染者が見つかりました。予防として皆さんも、うがい手洗いをし、次回元気な姿を見せてください。」

     

     

     

     

     

     

    ■ 編集後記

     今回のステージは真夏を思わせるような暑さでした。特に日曜日のチーム農園作業中はおそらく気温が30℃近くあったことでしょう。暑さですぐに音を上げてしまい、日陰で休んでいる塾生もいれば、黙って気分が悪くなるまでがんばる塾生もいました。 暑さで体調を崩しても困りますが、これからもっと暑くなります。少しのことで音を上げずに、もう少し強くなってもらいたいものです。

     目標の「ルールを守る」は、塾生達は守ることができていました。金曜日の夜は消灯時間が過ぎても塾生室の中から話し声が聞こえたり、集合時間に遅れていたりしていましたが、日曜日にはそのようなことも無くなり、各自が意識している姿が見られました。非常によいと思います。今後の塾生活でも意識し続けて欲しいです。

     また、岩下先生のお話の中で人間の表情筋は30以上あるものの普通の人が意識して動かせるものは目、口、舌の3種類しかないそうです。その他の表情筋は心で動くそうです。つまり、いつもいやらしいことを考えている人は「いやらしい顔」つきになるし、意地悪なことを考えている人は「意地悪そうな顔」つきになるそうです。塾生活を通して塾生達にはぜひ、おおらかな、「優しい顔」つきになってもらいたいです。

    K.M.