br> (市村自然塾 関東 OB会)
13ステージの活動がお休みとなり、約1ヶ月ぶりの活動となりました。今ステージでは、自然塾の奥にあるシダンゴ山へのハイキングを通して、地域の自然を知り、自分の体力を知り、自然と人間との関係を知ってもらいたいとの思いから「自然の中の自分を知ろう!」というテーマのもと活動を行いました。
共同生活の目標は、チームごとにリーダー(サブリーダー)が話し合いの中心となって意見を出し合い、達成できていないものを設定して取り組んでもらいました。
ステージを始めるにあたって、枝村塾頭よりお話がありました。
「前回のステージはインフルエンザ対策のため活動がお休みとなりましたが、みなさんの元気な姿が見られてとても嬉しいです。今回も、インフルエンザ対策をはじめ朝晩の冷え込みなど体調管理に気をつけましょう。
明日のシダンゴ山へのハイキングには、大きな目的が2つあります。1つめは自然の素晴らしさを感じること。植物や動物など色々な生き物はどのように関わっているのか、自分はどのように関わるべきかを考えてみましょう。2つめは自分の体力や根性の限界を知ること。自分に負けず、頂上での達成感を味わってほしいと思います。
また、ハイキングに行けるのは送り出してくれた保護者のおかげということも忘れず、感謝して山に登りましょう。」
塾頭のお話の後、チームごとにリーダー(サブリーダー)が中心となり、今回の共同生活の目標にふさわしいものは何かを話し合いました。話し合いの進行に慣れない様子も見られましたが、なぜその目標がいいと思うのか、その意見に対してどう思うのか、など、チーム担当のアドバイスを受けながら工夫して話し合いを進め目標が決定しました。
服装を整え、雨具や防寒着、着替えなどの持ち物を準備して玄関前に集合しておやつとお弁当を受け取りました。調理師さんたちが朝5時から準備してくれた手作りのお弁当です。また、危険な場所に入らない・植物や生き物などをむやみに傷つけない・ゴミを捨てない(落ちていたらすすんで拾う)などステージ担当からハイキングでの注意事項を聞いたあとに出発しました。
ハイキングコースに入ると、周りの木々が落とした葉っぱを踏んだり、土の柔らかい感触を味わったりしながら山道を登っていきました。安全に登れるのは、道を整備してくれた人の努力のおかげでもありますね。
シダンゴ山への途中にある宮地山の頂上では1つめのプログラムを行いました。自然の中にあるものを題材にしたビンゴゲームです。チームで協力し、「木の実」や「トゲトゲした葉っぱ」などシートに書かれているものを探していきました。
「においのするもの」で土やシカのフン、「秋らしいもの」できのこなど色々なものに注目していました。シカのフンのにおいを嗅(か)いだチームは、思っていたほどくさくないことを発見していました。食べるものによってフンのにおいが違うことを感じたようです。
プログラムが終わると、再びシダンゴ山の頂上に向けて出発です。下り道でスピードを出しすぎてしまう場面も見られましたが、周りの植物を観察するなど、それぞれ山道を楽しみながら登っていました。ネイチャービンゴで、色々な視点を持って観察するきっかけはできたでしょうか?
中には、カメラ担当のスタッフが前半グループと後半グループの間を行ったり来たりするのに合わせ、前に行ったり後ろに行ったりと身軽に動き回っている塾生もいました。
何度か休憩をはさみながら登りましたが、最後の休憩地点から頂上まで一番乗りを目指してかけ登り、たどり着いた時の表情は達成感あふれるものでした。
全員到着した後、調理師さんたちが朝5時から作ってくれた愛情たっぷりの手作り弁当を食べました。頂上からは自分が住んでいる街やときどき出かける海辺なども確認でき、景色を堪能(たんのう)することができました。一部分ではありましたが、富士山も見ることが出来ました。
昼食後、少し下った場所で2つめのプログラムを行いました。チームで協力し、自然の物を使ったアート作品作りにチャレンジしました。「シダンゴ山」というテーマを設けましたが、各チーム工夫して力を合わせて作品を作っていました。
↑Aチーム:シダンゴ山の神様・シダンゴ様 ↑Bチーム:シダンゴ山
完成した後、何を表現したかや工夫した点などをチームごとに発表してもらいました。大きな山を表現したり、シダンゴ山に住む神様が登場したりと、他のチームの作品も見て楽しむことが出来ました。
Dチーム:シダンゴ山の森 →
チームごとに記念写真を撮り、使った素材をもとの場所に戻して終了しました。
↑Cチーム:シダンゴ山とハイキングコース
帰りは、整備された林道を通って下山し、その道の途中で林をながめながら3つめのプログラムを行いました。
話の中で、人間はどんな風に山と関わってきたのか、また山はどのような役割を持っているのか、人間と山との関わりが少なくなると山はどうなってしまうのかなどを考えました。
自然のままに見える林も人の手が加わっていて、手入れをしないと荒れてしまうことにおどろく様子が見られました。
朝、塾舎を出発してから約6時間半、無事に塾舎に帰ってくることができました。
到着後、一人ひとりハイキングの感想を発表してもらいました。「大変だったけど、頂上に着くことができて嬉しかった」「山の中を歩きながら、色んなものを観察したり拾ったりすることが出来て楽しかった」「お弁当が美味しかった」など、到着した直後の素直な感想を聴くことができました。
ハイキングから帰ってきて疲れた様子の塾生が多かったのですが、今ステージではチーム農園作業の時間が短く、種まきなどやるべき作業が多くあることから、各チーム率先(そっせん)してチーム農園作業を進めていました。チーム農園が自分たちの畑だという自覚を持ち、責任を持って作業することができたのは素晴らしいですね。
今回、俳句を考えながらハイキングにのぞんでもらいました。そこで、夜の塾活動ではハイキングに関する一句を清書し、一人ずつ発表してもらいました。空気の美味しさや、大きなミミズを見かけてびっくりしたこと、俳句を考える余裕がなかったことなどをうたった個性豊かな俳句が完成しました。卒塾記念の文集で作品を紹介する予定ですので楽しみにしていてください。
ラッカセイの実はどこにできるか知っているでしょうか?花が咲いた後、花の下から子房柄(しぼうへい)という茎のようなものが地面に向かって伸び、土の中で栄養を蓄(たくわ)えることで実ができます。そこで、土の中に実ったラッカセイを掘り出しやすいよう、まずは地上に出ている葉や茎を取り除きました。
地上部を全て取り除いたあと、土の中のラッカセイを回収しました。ラッカセイの収穫時期の目安は、カラのあみ目がしっかりしてきた頃だそうです。このラッカセイ、松田町の隣にある秦野の名産品なんですよ。
収穫したラッカセイは計量した後、分けてお土産として持ち帰ってもらいました。
ラッカセイ収穫作業の後、チーム農園作業を行いました。土曜に作業を行ったおかげで、短い時間の中でやるべき作業を終わらせることが出来ました。
前日に実施したリーダー会議で「チーム農園の境(さかい)の通路が雑草だらけなのをどうにかしよう」と提案があり、代表者を出して分担して通路の草刈りを行っていました。これで、雑草が畑の中に広がってしまう心配もなさそうです。
ハイキングの後、みんなから「大変だったけど楽しかった」など良い感想を聞くことができて嬉しいです。このようにハイキングを楽しむことが出来たのは、自然・道を整備してくれた人・今いる自分を支えてくれている人などのおかげです。感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。また、今回は山に登りましたが、山は川や海ともつながっているし色々な生き物がお互いに関わりあってつながっています。ハイキングの時だけでなく、これをきっかけにして自然を感じ慈(いつく)しむ心を持って生活してほしいと思います。
今回、シダンゴ山へハイキングに行って、普段の塾活動では触れ合えない自然とも触れ合うことができました。そこで見て、聴いて、感じてきたことを忘れず、日常生活の中でも思い出してもらえたら嬉しいです。
また、何か辛いことがあったとき、ハイキングで頂上までたどり着いて得た達成感を思い出し、辛さを乗り越える力となることを願っています。
Y.S.
ほかにもイロイロあんなこと、こんなこと。自然塾豆知識コーナー