br> (市村自然塾 関東 OB会)
3月に始まった7期生の活動も最終ステージを迎えました。そこで今ステージでの活動は、チーム農園の片付けと返却、自分の荷物の片付け・荷造り、来期への年越し作物であるタマネギの植え付け、塾舎や塾生室の大掃除、それに最後の締めとしての餅つき、といった最終ステージならではの活動となります。したがって、ステージテーマでは、上記のようなテーマを掲げて、活動を行いました。
また、共同生活の目標は、前回までのステージと同様塾生代表者主導のもと塾生全体で話し合って決めてもらいました。今回は「何ごとも心を込めて4Sもふまえて作業する」に決定しました。
はじめに木全塾頭からお話がありました。
「いよいよ最後のステージです。今回はいつもと違うことを行います。まずは餅つきです。餅つきは昔からいろいろな節目に行いました。餅の白さは心の白さを表します。餅はのびますが粘り強さを表します。この餅をつくことでお祝いしましょう。
今まで18ステージ過ごせてきたのはメンバーやスタッフのおかげだけではなくて、道具やもののおかげでもあります。そこでこれらに感謝して心を込めて大掃除しましょう。今回のステージを思い出の残るよいステージにしましょう。」
ステージの説明の後、共同生活の目標を決めてもらいました。前回までのステージと同様塾生代表者主導のもと塾生全体で話し合いました。「きちんとしたいから」「気持ちよく最終ステージを過ごしたいから」何ごとも心を込めてに丁寧に作業する、にしたい、という意見と、「しっかり掃除してきれいにしたい」「特に4Sを頑張りたい」という意見が出ました。
両方の意見を汲んで「何ごとも心を込めて4Sもふまえて作業する」に決定しました。
また、塾生からその目標を達成するために何が必要かに提案が出され、「心をそこに向けて一心不乱に頑張ることが必要です。」という、頼もしい意見が出されました。
午前中はチーム農園作業です。最後のチーム農園作業では、すべての作物を収穫し、残渣を処分し、チーム農園で使ったすべてのものを片付け、チーム農園を耕してならして1ステージの時以上にきれいにして、塾に返却しました。
最後の収穫物は、カラフルなもの、小さいもの、どっしり重いもの、などいろいろなものがとれました。中には、株ごと持ち帰って、家で植えて育てるという塾生もいました。
このチームは、とことん紫色にこだわりました。紫色のパープルフラワーやパープルコールラビがとれました(コールラビは小さかったですけれどね)。
このチームは、モロヘイヤを撤去したあとの空き地に、コマツナ、チンゲンサイ、ハツカダイコンの種を播きました。
育てる期間が短かったため、つまみ菜程度にしかなりませんでしたが、たくさんの芽をつまめました。
でも、立派なブロッコリーやダイコンも収穫していました。
このチームは、立派な白菜が収穫できました。ただ、アブラムシがついていたので洗い流して持って帰りました。
片付けでは、鹿よけネット、防虫ネット(トンネル)、看板、案山子、など、今まで使っていたものを片付けました。また、畑の中とまわりの雑草を取ったり刈ったりし、畑をよく耕した後、平らにならしてきれいにしました。
鹿よけネットを回収する作業は、チームをまたいで張ってあるところでは代表者に出てもらって、チームごと張ってあるところではチームの中で行ってもらいました。
チーム農園を見守ってくれていた案山子も、感謝の気持ちを込めて、片付けました。
最後に、チーム農園をよく耕し、レーキという農機具で、心を込めて平らにならしました。
チーム農園の片づけが全部終わったら、チェック表を確認して、塾頭さんのサインをもらいました。
そのあと、全員で8ヶ月間お世話になったチーム農園に向かって全員でお礼の挨拶をしました。
どこかの市場の風景ではありません。チーム農園作業解散後の自然塾の土間の風景です。
みんなお土産を包むのに大忙しです!!
午後からは、18ステージの終わりの節目を祝う餅つきを行いました。塾頭さんの話にあったように、白い心、粘り強さのある人をめざし、心を込めてつきましょう。もちろん、気を引き締めて、安全に気をつけて行いました。
「ヨイショ!」「ヨイショ!」のかけ声にあわせて真上に振り上げた杵を餅の真ん中に落とすようについていきました。
つきあがった餅は、丸めてこのあとのおやつ、お雑煮の餅、明日のおやつにしました。
さすが女子塾生、作業が手早くきれいです。
餅つきが終わったあと、お湯で臼と杵についた餅を落としました。
お餅は冷めると固まって落ちなくなってしまうのでお湯で落とすのです。
つきたてのお餅にきな粉とゴマ醤油をつけていただきました。おいしさはこの顔が証明済みですね!
餅つきのあとは、あらゆる塾の食材に活躍するタマネギの植え付けを行いました。
スタッフが事前に張ったマルチ(保温や保湿のためのビニール)の穴の中の土に穴を開け、タマネギの苗の根をしっかりと植えつけました。
スタッフの注意点をよく聴き、約1時間で延べ2400本のタマネギの苗をきれいに植えることが出来ました。
タマネギの植え付けが終わったあと、その足でコンポスト堆肥の散布とすきこみに向かいました。食事当番の際に交替で行ってきたコンポストですが、それがいよいよ堆肥となり、畑の土に返してあげるときとなりました。
時間がたったコンポストはもう土と見かけはそんなに変わりません。もちろん、微生物に分解されて、養分たっぷりの堆肥になっているはずです。
"プラみ"にコンポスト堆肥を入れ、収穫が済んで空いている畑に撒き、すきこみました。
第7期女子塾生にとっては、これが本当の最後の農作業となりました。
最後は、みんなで耕した方を向き、お礼の挨拶をしました。
コンポストを空にしたあと持ち帰ってきたコンポストバケツも塾生に洗ってもらいましたが、リーダー2人による、妥協を許さぬ徹底振りにただただ驚かされました。
過去何年もスタッフでさえも落とすのをあきらめていた汚れも含め、洗剤も一切使わずピカピカに磨き上げてしまいました!!
夜の塾活動では、卒塾式の説明、卒塾式の歌の練習、共同生活の目標振り返り、各自の荷物の片付け荷造りが行われました。
卒塾式の説明と、歌の練習を行った後、いつものように、共同生活の目標振り返りを塾生主導で行ってもらいました。
今回と明日の2回の振り返りは最後となるので、それぞれリーダーが司会を務めてくれました。
的確な議事進行で80%という達成度になりました。また、明日もっと達成度を上げるためには、・大掃除のチャンスも生かして声をかけ合いしっかりきれいにする。という、意見が出されました。
引き続き、荷物の片付け・荷造りを行いました。8ヶ月間お世話になった衣装ケースも名札をはがし、きれいに拭いて返しました。
自分の荷物を持ち帰る塾生はバッグやザッグへ、送る塾生はダンボールへ、それぞれ詰めました。
土曜日の夜に最後のリーダー会議がリーダーとサブリーダー(希望者)で開かれました。
塾頭さんから、参加者に今までやってみた感想を聞かれ
・人間関係のトラブルとかあったけれど、少しは相手の気持ちとかわかるようになった。
・何でも協力すれば、それだけの報いが返ってくることがわかった。
・リーダーとか苦手だったけれど、メンバーが自分のために支えてくれた。
・どうしても嫌なことでも、頑張ってやることで出来るようになった。いろいろな人に出会えた。といった感想が述べられました。
ステージテーマの「きちんと最後の片づけをして、気持ちよく卒塾しよう!」を実践するためには大掃除が欠かせません。まずは、共同場所の大掃除を行いました。男子塾生には塾舎周りと農機具の大掃除(手入れ)を行ってもらいましたので、女子塾生には塾舎内の大掃除を行ってもらいました。
このチームは、食堂掃除を担当しました。みんなで協力してエアコンのフィルターの埃を吸い取りました。
このチームは風呂場掃除を担当しました。排水溝の蓋を開けると髪の毛やら何やらぬめぬめした物体がいっぱい出てきました。
最初こそ、うゎぁ!何これ?と言っていた塾生もすぐに掃除に集中し、きれいにしてくれました。
このチームは2階と階段まわりの掃除を担当しました。
普段、掃除しない網戸やランプのかさなどの埃もしっかりきれいにしました。
窓ガラスも手の届く範囲できれいに拭いてくれました。
このチームは1階トイレ洗濯場土間と長靴棚掃除を担当しました。
特に女子は頻繁にお世話になった、洗濯機と乾燥機のフィルターもきれいにしました。
共同場所大掃除のあと、おやつをいただきました。昨日ついたお餅の入ったお汁粉です。
ぽかぽかした陽気の中、一仕事したあとの充実感が感じられますね。
このあとの塾生室大掃除に向けて、英気を蓄えてくださいね。
おやつの後は塾生室の大掃除を行いました。1週間前に男子塾生が大掃除を行っていますが、それだけでは完全にきれいにはなっていません。女子塾生の塾生室大掃除で本当に8期生に気持ちよく渡せる塾生室にしましょう。
窓ガラスをきれいに拭きました。
高いところは、仲間と協力して拭いているチームもありました。
ベランダの目地、窓のサン、サッシのレール、エアコンの室外機、など、汚れを落とせる余地はまだ沢山ありました。
昼食直前まで頑張って、それらの場所の汚れを落としてくれました。
昼食後、木全塾頭からお話がありました。
「はじめに18ステージを無事終えたこと、皆さんの協力があったこそです。みなさんにお礼を言いたいです。
リーダー会議で、人と人とのかかわりでいろいろな苦労を感じたとの意見が出ました。その中で色々なことを学んだのではないでしょうか?仕事や作業を通して、生きる力、協力することの大切さ、思いやり、我慢する力などを学んだのではないでしょうか?人生も同じです。
今まで知らなかった人と出会い、友達からも色々なことを学びました。人と出会えてすばらしい友人がいることも財産です。塾生活で心の中に素晴らしい芽が出てきたはずです。その大切な芽を大きく育てていってください。感謝の気持ち、常に良い心を持って出していけるようにしましょう。
振り返りをしていますが、今までのことを振り返り、次に生かすためです。そして自分自身を磨いていってください。
最後にもう一度幸せの3原則をお話しておきます。1. 足るを知る。2. 不平不満を言わない。3. 感謝の気持ちを持つ。これらを胸にこれからの人生を良いものにしていってください。」
引き続き、共同生活目標の振り返りを塾生代表主導で行ってもらいました。今回も最後ということでリーダーに司会役を務めてもらいました。
一部、大掃除についてマイナスの意見が出たものの、ほとんどがよく出来たという評価が多く、最後に96%という高評価で終わることが出来ました。
その後、塾生からスタッフへ、予期せぬプレゼントが渡されました。
なんと、スタッフ一人一人にあてて、塾生一人一人がコメントを色紙に書いていたのです。スタッフ一同、感激して受け取りました。
ありがとう!!
3月の入塾式、第1ステージから始まり、気がつけば18ステージが終わっていました。最初のころのステージでは、なんともひ弱でつかみ所が無いように感じた塾生もいましたが、後半に入り彼女らの生きる力と知恵は格段に向上してきたとおもいます。今ステージを見ても、彼女らの自主性・積極性は、疑いようもありません。もちろん、その中には、相手に配慮する、安全に配慮する、といった自律の精神も身についてきているようです。
いろいろな経験、仲間との出会い、悩み、それら一つ一つに塾生が真摯に向き合った結果が成長につながったのだと思います。
塾頭さんの話にあったように、ここがスタートです。卒塾生の皆さんは、塾で経験したことの何倍もいろいろなことをこれから経験していくことでしょう。塾での経験を糧に、これからの人生にスタートしてください。
T.K.
ほかにもイロイロあんなこと、こんなこと。自然塾豆知識コーナー