br> (市村自然塾 関東 OB会)
今ステージは、味噌作りを体験します。味噌は縄文時代から作られ、人から人へ作り方が伝えられてきた、日本の食事には欠かせない食材です。また、味噌は今日作って明日食べられるものではありません。半年間熟成させ、秋頃にやっと食べられるようになるのです。今回塾生たちが作った味噌の出来栄えが分かるのは半年後です。よい味噌を作るために無駄のないようにしっかり一つ一つの作業を丁寧に行うことが必要です。
共同生活の目標では、そろそろ塾生活にも慣れてきて衣装ケースや部屋が散らかっているチームもあるようです。みんなが気持ちよく安全に過ごせるように、身の周りの整理整頓を心がけるようと呼びかけました。
まずはじめに、塾頭さんの話からはじまります。
「何事もきちんと丁寧にやること。そうすればおのずと体で覚える。言われたら自分たちで進んでしっかりやる。また、相手の嫌がることをやらない、時間に遅れない、挨拶をする。今までいろいろなことを目標としましたが、これからも引き続き行動してください。自主性、自立心、自分を律することを心がけてください。人に言われること無く、自分から進んで作業しましょう。」
土曜日はチーム農園作業があるために寝る前にチームのメンバー全員が集まって作業の相談していました。きっと翌日スムーズに農作業が進められることでしょう。自ら工夫し、実践していました。
この日は天気もよく、少し汗ばむ気候となりましたが、畝をしっかりと立て、丁寧に作業を行いました。
サツマイモの苗は今までの苗とは異なり、茎を畑に植えます。サツマイモは丈夫で肥料分の少ない土地でも立派に育ちます。葉っぱは植えずに茎をしっかりと地面の中に植えるよう1本1本丁寧に植えていきました。
チーム農園作業では各チーム共に作業がたくさんありました。
前回植えつけたメロンに追肥をしました。農業指導の先生の話をしっかりと実行していました。
共同農園でも作業をしたサツマイモの苗の植え付けをしています。共同農園同様に丁寧に植えつけられたようです。
今回、各チームからリーダーが集まり、チーム間を越え協力して鹿よけネットで畑を囲いました。
今回のステージテーマでもある味噌つくりに挑戦をしました。先人の知恵でもある味噌つくりにはいろいろな作業があります。塾生たちには一つ一つの作業に集中しました。
まずは味噌つくりの先生から、味噌の歴史や、これからどのような作業を行うか説明を受けてから作業を開始しました。
はじめにダイズの煮汁と麹を混ぜ合わせて麹をやわらかくし、ダイズとあわせよくかき混ぜます。この時塩分が手にしみる塾生もいました。それを我慢してしっかりと混ぜ合わせるとおいしい味噌ができるのです。
よく混ぜたらミンチ機にかけ、細かく砕きます。チームメンバー全員が協力して作業に取り掛かりました。ダイズを1粒もこぼさないよう、丁寧に作業を進めました。が、なかなかうまくいかないようでした。
砕いたダイズと麹を樽に詰めました。このとき空気をしっかりと抜きながらつめていきます。しっかりと満遍なく力を込めて作業していました。
樽の中に全部の材料が納まったら、ラップでしっかりと封をしました。ここでの作業も丁寧にやらなければカビだらけの味噌になってしまいます。
最後に塾頭室の床下に貯蔵しました。床下は夏でも涼しく、味噌を発酵させるには最適な場所です。ここで約半年の間ゆっくりを発酵しておいしい味噌になります。塾生たちはおいしくなるよう願いを込めて味噌を貯蔵しました。
この日はさらに共同農園作業でコンニャクイモの植え付けと第3ステージで植えつけたキャベツとレタスの世話を行いました。
コンニャクイモはこの時期に植えて、秋に収穫をし、塾活動でコンニャク作りをします。今回は1年?3年の種イモを植え付けました。この種イモが収穫時にどのくらい大きくなるか楽しみですね。
植えつけたときには小さかったキャベツとレタスですが、順調に大きくなってきました。さらに大きく、おいしくするために追肥と土寄せを行いました。
栄養を吸収するのは根の先端です。地上部からは地上部からは根の先端が見えないので地下にどのように根が伸びているか想像しながら肥料を上げていきました。
追肥の後はしっかりと土寄せを行いました。肥料と土が混ざるように、土がしっかりと株元に寄せられるように気をつけました。
夜の活動ではさまざまな作物の原産地を知り、どのような環境で育ちやすいか学びました。
いまみんなが育てている作物がもともとどこで育っていたか、その育ったところがどのような環境だったか学びました。そのことから今、このチーム農園でどのような環境を作ってあげるとそれらの作物が元気に育っていくかを考えてもらいました。
毎回日曜日の朝食に行っている瞑想もだいぶ慣れてきた様子でした。ただし、数名はまだまだ集中が続かずに姿勢が悪くなってきたり、ふらふらと動いたりしていました。ピシッとできている塾生と差が大きくなる前に、自分自身で「自律」してください。
ラッカセイはここ自然塾がある隣町の秦野市が名産です。1粒ずつ丁寧にまきました。
鳥はラッカセイの種が大好物です。塾生の代表者に鳥よけの糸を張ってもらいました。この1手間を行うことによって、鳥の被害にあわなくなります。これも先人の知恵のひとつです。
オカボとは「陸稲」と書いて、畑で育てる米です。市村自然塾関東では、毎年オカボを育てて、最終の18ステージで餅つきを行います。
オカボの種まきでも、1粒ずつ丁寧にまいていきます。これだけきれいに種をまくと発芽も楽しみでしょう。
ステージを振り返って塾頭さんから話をしてもらいました。
「金曜日に、いろいろなことを自分から進んで行ってほしいと話をしました。なぜならば、それらは将来、きっとみんなの力となって活きてくるからです。塾ではいろいろな道具も使います。それらの道具をどのように使うとうまくいくか考える。工夫や知恵を身につけてほしい。」
塾生活でいろいろなことを体験して、さまざまなことを身につけてください。
今回は天気もよく、十分に農作業もできました。気候もだんだんと暑くなり、ちょっとした農作業でも汗ばむようになりました。塾頭さんの話にもありましたが「楽」と「楽しい」事は同じ字を使っていてもまったく異なることです。本当の「楽しさ」は汗をかいて、努力して、苦労を乗り越えてこそ手に入るものです。自然塾の生活の中で本当の「楽しさ」を体験してもらいたいと思います。また、共同生活の目標にある「整理整頓」ですが、得意な塾生とそうではない塾生といました。整理整頓をすることによって、部屋が広く使えたり、危険を回避できたり、探す時間を少なくすることができます。自分の身の回りのものはしっかりと自分で、いるものといらないものを分け、いつでも使いやすいようにしてください。そして、塾だけではなく自宅や学校でも実践をしてもらいたいものです。
K.M.
ほかにもイロイロあんなこと、こんなこと。自然塾豆知識コーナー