br> (市村自然塾 関東 OB会)
第1ステージから1ヶ月が過ぎました。活動を開始してちょうど1ヶ月にあたる今回のステージは、ここまでの活動を振り返り、さまざまな場面での基本をしっかり身につけていこうというテーマのもと、活動を行いました。また、共同生活において時間を守ることは、全員がスムースに動くためにとても大切なことです。時間を守ることは信頼を守ることであり、また、今この時を大切にしていこうという面からも、時間を守る!ことを共同生活目標として活動しました。
第3ステージを始めるにあたり、木全塾頭から話がありました。
早くも第3ステージになりました。皆さんはご飯もよく食べるし、農作業もしっかりしてきましたが、だらだらしてきたところもあります。何事もけじめが大切です。自然塾での農作業や仲間との生活はどれも大切なことで、それらを通していろいろなことを学んでほしいと思います。ステージテーマにあるように、基本的なことが当たり前にできるように、してください。
また、時間を守ることは、信頼や信用されることです。たかが1分2分といいますが、その1分2分が守れない人に重要なことはまかせられません。
土曜朝食、土曜夕食、日曜朝食の準備・片付けは、各チームが順番に食事当番を行います。
今ステージはCチームが担当でした。きちんと丁寧に、しかしてきぱきと作業を進める必要があります。自分たちで使った食器は自分たちで洗う、これも基本的なことです。
野菜を育てるにあったって必要な基礎知識を知ってもらうべく、1.今まで植えつけた作物の農作業の復習、2. 種と苗で育てる作物の違い、3.畝の形や幅、株間などについて、4.植えた後収穫までにどのような世話をしていくか、5.作物によって肥料のやり方に違いがあること、6.収穫までに出会う可能性の高い障害、について、話をし、その後、各チームであらためてチーム農園の作付け計画を見直しました。
昼食準備のため、11時30分に解散した後も、塾生室でチーム農園計画の練り直しをしている熱心なチームもありました。
弟が今期塾生というOBと両親が来塾し、後輩たちにエールを送ってくれました。皆さんがここにこうしていられるのは、家族の方々のおかげです。感謝の気持ちを忘れずに18ステージ過ごしてください。なかなか堂々と話をしてくれました。塾生の皆さんも頑張って、自然塾での体験を有意義なものにしてください。
午後の前半はチーム農園作業・あるいはチーム農園の看板作りをチームごとにとりかかってもらいました。本格的なチーム農園の作付けは次のステージ以降になりますが、どのチームも、チーム農園に対する意気込みが高まっているのを感じることができました。
このチームでは、さっそく春植えブロッコリーの苗を植えつける作業に取りかかりました。
こちらのチームはゴーヤとトウモロコシの種をポット播種(育苗用のビニール製のポットに専用の土を入れ、種を播く)を行っていました。次のステージに来たときに芽が出ているとよいですね。
作物ごとの看板作りにも熱が入ります。
このチームはチーム名を描いた看板をさっそく自分たちの畑に立てていました。
市村自然塾関東では、自分たちの植えた作物の様子を観察し、必要な世話があったらしてあげる、そのような活動を"あしおとツアー"と呼んでいます。畑に足しげく通い、作物の出しているサインを見逃さず、作物と会話ができ、必要な世話をしてあげられる、すなわち、作物にあしおとを聞かせれば聞かせるほど、作物が元気に生長することから名前をとっています。
しかし、木曜日、金曜日に降った雨の影響で、畑の土はかなり湿っていました。そのような状態で畑に入ると土を固く踏み固めてしまって、作物の生長によい結果をもたらしません。
しかし、2週間に1度しか来ない塾生には自分たちが植えた作物の様子をぜひと見てもらいたいところです。そのため、畑の土を踏み固めないよう細心の注意をはらって作物の様子を見、できる世話をしてあげました。
まず、第1ステージで植え付けたジャガイモの観察をしました。畑の中でなく畦を歩いて土の中から顔を出したジャガイモのスケッチを描いてもらったり、感想を書いてもらいました。
次にゴボウを播いたところです。畝の上にきれいに双葉を開いたゴボウの芽が並んでいました。
ゴボウの芽はネキリムシという芋虫に根元を噛み切られやすいので、双葉のまわりに卵の殻を細かく砕いたものを撒きます。こうすることで、ネキリムシは卵の殻がチクチクして、近寄れなくする効果があります。
ジャガイモ→ゴボウ→ダイコンと観察や世話をした後、食事当番(Cチーム)、チーム農園計画の話し合い続き(Dチーム)、ハツカダイコンの間引き・洗い(A・Bチームの希望者)、落花生の殻むき(A・Bチームの希望者)に分かれました。こちらはハツカダイコンの間引きの様子。赤く太っておいしそうです。
こちらは落花生の殻むきの様子。硬い殻から中の種を取り出し、種まきに備えました。
第2ステージでは、どのようなところ、どのような場所、どのような状態の時に危険があるかを学び、安全(危険)について学びましたが、自然の豊かな自然塾ならではの、危険生物による危険もあります。夜の活動では、どのような危険生物がいて、その被害を避ける(最小限にする)ためにはどうしたらよいか学びました。
最初に自然塾で活動するにあたり、どのような危険生物がいるか考えてもらった後、ハチ、ブユ・アブ、ヘビ、ムカデ、毛虫、ヒル、毒グモ、カエル、イノシシ、野犬、毒のある植物、微生物(ツツガムシ病、破傷風菌、食中毒菌、風邪の菌・ウイルス)について、その危険と対処法をイラスト・写真・クイズをまじえて説明しました。決められた農作業着で作業をし、肌を露出しないこと、大人の話をよく聴いて行動すること、正しい知識を持って行動すること、手洗い・うがいといった当たり前のことが食中毒や風邪を防ぐことなど、安全に活動するためには、やはり基本が大切です。
第2ステージから、土曜夜に、リーダー(・サブリーダー)、塾頭、ステージ担当が参加してリーダー会議が開かれています。チームの中心であり、年長者であるリーダー同士が集まって、さまざまな問題について話し合い、チームを超えたつながりを促すとともに、リーダーとしての素質も伸ばしていくための機会としています。
今回のリーダー会議では、就寝時間を過ぎてもうるさくて眠れない、といった意見が出されました。ひとつには初めてこのような共同生活をする中で、もめごとが絶えないこともあるようです。それに関して、もめごとの多いチームはなぜもめるのか、といった質問が塾頭さんから投げかけられました。
お互い、お前が悪い、とすべて相手のせいにしてしまっているようです。しかし、そうなると正しいことでも、正しくなくなります。
一歩引いて相手のことを思いやることも大切です。ぜひ、行動で示してください。
雨が上がってから約1日たち、ようやく畑の土も落ち着いてきました。今日は共同農園で初めて苗を植えつけます。植えるのはキャベツとレタス(玉レタス、サンチュ、サニーレタス)です。
農作業に出る前にまずストレッチをして、体をほぐしてから出発です。
自分たちで目安ひも(畝たてなどの目安となるひも)の間に土を盛ります。クワ使いもだんだん慣れてきたようですね。
おやつには手作りのものがでます。畑作業の手をいっとき止めて、休憩します。
いよいよ苗の植え付けです。レタスは70cmの平畝に30cm間隔で2条に植えつけました。
苗になるまで、大切に育てられてきましたが、まだデリケートなものです。植え付けも心をこめて正しいやり方で行うことが大切です。
キャベツの苗はネキリムシの大好物です。株元をかじられて倒されないため、卵の殻をまきました。農薬を使わず、虫を寄せ付けないひとつの知恵です。
キャベツにはさらにネットをかけました。虫だけでなく、鳥も葉を食べにくるので、その被害を防ぐためです。協力して畝の両サイドでネットを広げ、苗を傷つけないよう、トンネル状にかぶせました。
第3ステージを終了するに当たり、木全塾頭から話がありました。
食事をする際に「いただきます」「ごちそうさま」と言います。みなさんは当たり前のように食べ物を食べていますが、食べるというのは大切なことです。作ってくれた人・命を提供してくれた食材に感謝の気持ちを持ってください。命あるものから命をいただくという意識を持ってください。
家でも、料理を作ってくれたお母さんなどに感謝の気持ちを忘れないでください。
また、時間を守る、について、結果的に時間が守れたのだけではなく、1日1日今このときを大切にすることが大切です時間を守れるようになるとほかのこともできるようになりますよ。
活動開始から1ヶ月、今回はその節目において、共同生活でも農作業でも、何事においても基本を大切にしようと考え、それをステージテーマに掲げて活動を行いました。また、共同生活の目標は、"時間を守る"こと、これは第1ステージの"あいさつをする"、第2ステージの"人の話を聴く"と同様、基本的かつとても大切なことです。ステージの開始時に、基本を大切にしよう、そして時間を大切にし、守ろう、という呼びかけに対し、塾生の元気な返事をもらい、スタートしましたが、たがが外れると自分が見えなくなり、遊びながら危険な行動をついついしていたり、決められた時間に間に合わなかったりといったことも見られました。土曜日夜と日曜日帰宅前には、共同生活の目標がどのくらい達成できたかを塾生に自己評価してもらっているのですが、今回のステージではかなり高い数字を出してきた塾生が多くいて、彼らなりに時間を意識していたのではないかと思います。しかし、反面自分が見えておらず、甘い評価をしている塾生もまた多かったのではないかと思います。自然塾では、何より自主・自立・自律の精神を大切にしています。大人がこうしなさいというから行うのではなく、彼ら自身が気づき、行動していってほしいです。これからもわれわれスタッフはその手助けをしていきたいと思います。 T.K.
ほかにもイロイロあんなこと、こんなこと。自然塾豆知識コーナー