2008年度 ・第7期 入塾式
2008年度 ・第7期 卒塾式

第15ステージ?男子?

第15ステージ?男子?

ステージテーマ:「地域に感謝して清掃ボランティアをしよう!」

共同生活の目標:「これまでの共同生活目標の中から、塾生全体で一つの目標を選ぶ」



塾生たちは約6ヶ月間、自然塾に通いました。その間に色々な事を学んできました。それらのことは自然塾のあるこの寄(やどりき)地域でさまざまな体験をしたからです。そこで今回、さまざまな体験をさせていただいたこの土地、この地域に感謝の気持ちを持って清掃をするので、上記のテーマを掲げました。共同生活の目標は、今回も前回同様に塾生全体で話し合って決めてもらいました。前回はステージ担当が、司会をして話を進めましたが、今回は塾生の中から代表者が出てきて決めてもらいました。その結果、『何事も心を込めて丁寧に作業する』という目標に決まりました。

■ 10月10日:夜の集い

ステージを始めるにあたり、木全塾頭からお話をいただきました。

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「前回の帰りの電車の中がうるさく、他のお客さんから注意を受けたそうですね。覚えていますか?この時期になって情けない。今だにすぐ悪ふざけをする人、一緒になって騒ぐ人、これは悪いことはもちろんのこと。しかし、注意しない人、これも同じように悪い。非常に残念。自律心が欠けている。何度も言っていますが、人に迷惑を掛けない、思いやりの心を持つことが大切です。今まで学んできたと思っていたことが全然出来ていなかったようです。

残り4ステージ、今さらだが、やって良いこと悪いことを考えてください。『人の振り見て我が振り直せ』、悪いことはマネをしない、良いことは見習う。マナー、ルールを守ること。それが自分にとってどういうことか改めてよく考えてください。」

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次に共同生活の目標を決めました。Cチームのリーダーとサブリーダーが自ら前に出てみんなの意見をまとめてくれました。意見としては、清掃ボランティアがあるので「整理整頓清掃清潔」が適している、前回の電車の中のことがあるので「ルールを守る」、地域に感謝の気持ちを込め作業するから「何事も心を込めてきちんと丁寧に作業する」、と意見が分かれました。

24人全員が1つの意見にすることは難しく、時間ばかりが過ぎてしましました。最終的に「何事も心を込めてきちんと丁寧に作業する」がステージを通して必要であろうということで、目標が決まりました。

■ 10月11日:塾活動 ?清掃ボランティア前の集合?

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この日は小雨が降っていて、カッパを着て集合することを再三伝えたのにもかかわらず、着てこない塾生がいて、さらにほとんどの塾生が集合時間に遅れるような有様でした。このことから、スタッフは「塾生のやる気がない」と判断して、このままでは清掃ボランティアをやる意味が無いこと、やりたければ全員で話をして意見をまとめて、スタッフが納得のいく答えを出すよう塾生全員に伝えました。

しかし、塾生たちは黙って座って一向に話が進みません。20分近くもそのままでいるので塾頭が間に入り、年長者がみんなの意見を聞き話をまとめるようにアドバイスし、ようやく話し始め、まとまりました。結果、「気づいた人が注意し合い、頑張ってやる」という答えを出しました。この後の活動で挽回を期待し作業に取り掛かりました。

■ 10月11日:塾活動 ?清掃ボランティア?

話がまとまり、ようやく地域の清掃を開始しました。男子塾生には夏に水遊びをした中津川周辺のゴミ拾いを行いました。

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川へ出る前の道路にタバコの吸殻がたくさん落ちていました。1つ残らず丁寧に拾い集めました。











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川に落ちないよう慎重にしっかりとゴミを拾い集めます。きれいに見える川ですが、よく見るとずいぶんとゴミが落ちていました。








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斜面にも上がりよく探して集めました。人がなかなか入らないところ、気がつかないところに意識を向けることで、思わぬところからゴミを拾うことが出来ました。この地域がよりきれいになりますね。









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塾舎に戻り、集めたゴミを分別し重さを量りました。全部で9.1kgも拾えました。大半の塾生はこんなに落ちているのかと驚いていました。

みんなのおかげでこの地域がきれいになったことでしょう。お疲れ様でした。






■ 10月11日:チーム農園作業

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昼食をはさんでチーム農園作業を行いました。各チーム共に前回植え付けをした秋野菜の世話が主な作業となりました。










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うまくいっているチームばかりではありません。どうやらこのチームは前回種まきをした葉物野菜の芽が出てこなかったようです。何が原因だったのでしょうか?よく調べてみてください。







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このチームはサツマイモを収穫しました。買い物カゴにたくさんイモが入っていますね!家族へのいいお土産になりましたね。








■ 10月11日:共同農園作業 ?オカボの収穫?

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第5ステージに種まきをしたオカボが実り、収穫時期を迎えました。1粒も無駄にしないように心を込めて丁寧に刈り取りました。










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以前、ムギ刈りをした要領と同じで、刈り取る人、束ねて縛る人、運ぶ人に分かれて作業しました。











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さすがに経験をつんでいるためか、スムーズに作業が進み、無駄が無く刈り取ることが出来ました。丁寧に心を込めて作業している様子が伺えました。










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塾舎に戻って干す作業の様子です。何も言わなくとも地下倉庫の入り口から干し場まで1列になって、刈り取ったオカボを干しました。次に行う作業を理解して、自ら行動に移していました。成長しましたね。






■ 10月11日:夕食前の休み時間

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スタッフが収穫したゴマを、扇風機を使って風選しているところを手伝ってくれました。以前、ムギを風選した唐箕(とうみ)を使わなくても簡単に出来るのです。










■ 10月11日:塾活動 ?卒塾アルバムチームのページつくり?

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卒塾まであと4ステージ。卒塾式で配られる「卒塾アルバム」のチームのページを今回と次回で作ってもらいます。アルバムの中から自分たちが写っている写真を選び、切り取ってレイアウトしていきます。今回は写真選びから始めました。今年はチームのページがどのようにになるか楽しみです。





■ 10月11日:目標の振り返り

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各チームのリーダーが前に出て全員の意見をまとめました。

「ゴミをちゃんと拾った。」「農作業オカボの収穫の時まじめにやっていた。」「集合時間に遅れた。」「オカボの穂を落としている人がいた」などさまざまな意見が出てきました。最終的には55%という結果になりました。しかし、この数字を出すことが目的ではありません。この結果を明日もっと良くするために明日の指針を「みんなで注意し合う」として、振り返りを終わりました。






■ 10月12日:共同農園作業 ?サツマイモの収穫?

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まずはツルを片付けました。ノコギリ鎌で株元を切って、畑の脇に移動させました。ツルもまとまると結構な重さです。この日は曇っていて涼しかったのですが塾生たちは額に汗をにじませていました。







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塾生たちの多くはサツマイモ掘りを体験したことがあるそうですが、おそらくすでにツルは農家の方が片付けて、イモを掘るだけの体験だったと思います。塾ではツルをどかす作業から行い、イモが出来るためにこれだけ多くの葉が栄養を集めていることを感じ取ってもらいました。









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立派なサツマイモが収穫できました。いい笑顔です。








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収穫したサツマイモは、畑から道路にある軽トラックまで、塾生が力をあわせて運びました。総量95kg。1カゴ約10kg。重いものは20kg近くありました。1人では持ってあがれませんが、力をあわせれば何の問題もありませんでしたね。






■ 10月12日:おやつ

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塾舎に戻っておやつは蒸かしイモ。採りたてサツマイモのおやつにみんな大満足!








■ 10月12日:共同農園作業 ?夏野菜の片付け?

おやつを食べて、もう一働き。夏の間たくさん食べたキュウリとトマトがもう実をつけなくなりましたので、感謝の気持ちを持って片付けました。

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トマトは支柱に誘引をしていたので、まずは紐をほどき、支柱を抜きました。紐は畑に1つも残さないように1本1本回収しました。支柱も来年度の塾活動で使うために曲げないように気をつけて抜きました。









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次に茎を抜きました。思いのほか根が広く張っていて、抜くのにも一苦労。











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トマトはナス科の植物なので、来年病気が出ないように塾庭まで運びました。これも、大切な作業です。








■ 10月12日:ステージのまとめ ?塾頭の話?

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「2日間見ていて、金曜日の夜に話したことをしっかりと受け止めていた人が多くいた。特に感心をしたことがある。ある塾生が正座が苦手で『いつも自分は注意をされているので、日曜日の朝食は1食完全に正座を目指します。』と言い、見事にやり遂げた。努力すれば出来る。みんな出来るだけの力を持っているのです。頑張ってください。

また、目標にあった心を込めることで『心』は人の目で見ることは出来ないのだが、形となって現れるのです。心を込めて掃除をすると物への愛着がわいてくる。そして物を大切にする。物を大切に出来る人は人も大切に出来る。」

残り少ないステージですが、しっかりと心に刻んで行動してください。

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目標の振り返りも塾生だけでまとめてもらいました。今回はサブリーダーが前に出てきて全員の意見をまとめてくれました。「心を込めて作業した」「サツマイモを包む作業を何もいわずに手伝ってくれた」などの良い意見の反面「農作業中何もやらずに座っていた人がいた」「夏野菜の片付けの時遊んでいる人がいた」などの悪い意見も出ました。最終的には65%くらいでまとまりました。今後、良い意見のほうが多く出るような全員の行動を期待しています。



■ 編集後記

今回のステージはひどいスタートでした。活動始めに前回の電車内のことを覚えている塾生は7割程度で、騒いでいたことの意識の低さから始まり、清掃ボランティア前の集合でも時間までに集まったのは7名。後から来た塾生は平然と集団に混ざり、挙句の果てには遊び始めている。集合とはその場にいるだけで意識は常に遊びのことを考えているように思えました。

そもそもボランティアとは「自発的に」行動を起こすことであって、このまま作業してもただやらされているだけで全然意義をなさないために話し合いをさせました。しかし、スタッフが助言するまで一部の塾生だけがその場で話をするだけで、誰が前に出るわけでもなく、ただただ時間が過ぎるのを待っている有様でした。とても残念でした。

また、土曜夜に行った全体の話し合いが行われているさなか、まるで自分は関係が無いかのように塾生手帳に落書きをしたり、意見を言わなかったり、聞いているのか、いないのかもわからない塾生もいました。人から言われてから行動を起こしていては、自分で考えることを放棄しているのです。普段の生活から自ら行動し、苦労し、発見出来たら素晴らしい体験となることを気がついてもらえるよう、これからも働きかけて行きます。

K.M.