br> (市村自然塾 関東 OB会)
自然塾で塾生の皆さんが野菜を育てたり、活動をすることが出来るのは多くの人やものに支えられているからです。その1つに地域があります。自然塾の畑は地元の方からお借りしているものですし、t地域の方々は皆さんがここに活動に来ることを快く受け入れてくださっています。今回のステージでは普段からお世話になっている寄(やどりぎ)の地域に感謝の気持ちを込め、全員で清掃ボランティアをしよう!ということでこのステージテーマになりました。
共同生活の目標は、塾生全体で話し合って決めてもらいました。今回から塾生が司会進行役を務め皆の意見をまとめました。慣れないうちはステージ担当の手助けを借りながら進行しますが、いずれは塾生だけで行えるようになってもらいます。話し合いの結果、「今ステ?ジのメインイベントは清掃ボランティアであり、心を込めてするべきである。またステージテーマに1番合っている」という理由で『何事も心を込めて丁寧に作業する』という目標に決まりました。
ステージを始めるにあたり、木全塾頭からお話をいただきました。
「ここでは農業を通じて我慢する心・思いやりの心などを学んでいる。将来自分ひとりで生活できるようになって欲しい。世の中には、いつまでたっても自立できていない大人がたくさんいる。ここでの生活で皆さんは自分で色々なことが出来るようになってきた。しかし、まだ言われないとやらない人、好きなことしかやらない人がいる。人の心を成長させるには面倒くさい、億劫な事をやることが大切。今までとは違う1歩成長した自分を目指し、残り4ステージ、悔いのないようにすごして欲しい。」
続いて、ステージテーマについての説明があった後、共同生活目標を決めました。今まではステージ担当が司会進行役を務めていましたが、今ステージから塾生が司会進行役をし皆の意見をまとめました。
立候補した2人が前に出て、どうすれば皆が納得できるか考えながら頑張って進行してくれました。
ボランティアに行く前に塾庭で『スタンド・アップ テイク・アクション』の写真撮影をしました。『スタンド・アップ テイク・アクション』とは、2008年10月17・18・19日の3日間で世界中の人々が、貧困問題解消のための意志表示として立ち上がり、行動を起こそうという国連ミレニアムキャンペーンが協力して行っている世界同時アクションです。自然塾でもこのアクションに賛同し行動を起こす意思表示をしました。
前半は塾周辺と、畑の周辺の掃除をしました。
こちらのチームは塾庭を掃除しました。栗のイガが沢山落ちており、拾うのに苦労をしていました。
集め終わってみると、イガは大きなゴミ袋3杯分もありました。
こちらのチームはムギワラへ登る道を掃除しました。竹箒を使って落ち葉を道の端に寄せています。普段良く使うこの道も感謝の気持ちを込めて綺麗にしましょう。
おやつを挟んで後半は、寄地域と田代周辺の道路のゴミ拾いをしました。
このチームは虫沢川という、自然塾の近くを流れている川の周辺のゴミを拾いました。川原にはカンやビンプラスチックなど様々なゴミが落ちており、草をかき分けながらゴミを拾っていました。
こちらのチームはバス停のある県道周辺のゴミを拾いました。お菓子の袋やタバコの吸殻など小さなゴミも多く、皆で協力して拾っていました。
塾へ戻った後、種類ごとにゴミを分別し全部で何キロのゴミを拾ったのかゴミの重さを量ってみました。結果はなんと20.9キロ!寄地域のような比較的自然に近い場所でもこんなに多くのゴミが落ちているのですね。残念です。
午後の最初の作業はチーム農園です。どのチームとも限られた時間を有効に使い、計画通り作業を進めていました。
このチームはラッカセイを収穫していました。前ステージに共同農園で経験したこともあり、手際よく作業していました。1つ1つ実が大きく、とても立派なラッカセイが収穫できました。
こちらのチームは、待ちに待ったイチョウイモを収穫しました。
計画を立てる際、目的を「とろろにして食べる!」にしましたが、おいしいとろろは食べられたでしょうか?
こちらのチームは、オータムポエムという作物の種まきをしていました。
12ステージに1度種をまいたのですが芽がでませんでした。失敗した原因は何か、どうすればいいかをチームで考え、今回再挑戦することになりました。土に石灰を混ぜる、ポットと畑の両方に種をまくなど改善策を考え実行していました。リベンジともあり、とても真剣な表情で種をまいていました。
こちらのチームも、ハツカダイコンの種まきをしました。時間ぎりぎりまで頑張って作業していました。
ハツカダイコンでも"カラフルファイブ"といってただのハツカダイコンではないようですが・・・。収穫が楽しみです。
第5ステージにまいたオカボが実り、収穫の時期を迎えました。コムギの収穫の時と同様に3人組をつくり、稲を刈る人、束ねる人、運ぶ人に分かれて作業しました。
1粒も無駄にしないように心を込めて丁寧に作業しました。コムギの収穫を経験しているためのこぎり鎌の使い方も慣れており、作業がスムーズに進みました。
切り口をそろえてから束ねます。
ここでも共同生活目標をしっかり意識できていました。
すべて刈り終えたら、落穂を拾いました。その後、束ねた稲を軽トラックまで運びました。両手いっぱいに抱えて頑張っている塾生もいました。落とさないように慎重に運びました。
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塾舎に戻り、ベランダで干す作業をしました。
1列になり、バケツリレーのように運びます。皆で声を掛け合い協力することが出来ました。
自然塾では卒塾するに当たり、アルバムを作ります。その中にチームで見開き1ページを自由に使うチームのページがあり、今回の塾活動ではチームのページに使う写真を選び、レイアウトを考えました。
アルバムを見ながらチームで使いたい写真に印をつけているところです。過去の卒塾アルバムも参考として見てもらい、イメージを膨らましてもらいました。
写真も決まり、下書きの紙にレイアウトを描きました。
どこにチーム名や皆の写真を入れるかそれぞれ工夫していました。完成が楽しみです。
午前中最初の作業は秋野菜の草取りです。
12ステージに植えつけた秋野菜はずいぶん大きくなりました。しかし虫除けネットの中には小さな雑草が沢山生えています。雑草に栄養をとられる前に抜いてしまいましょう。
第5ステージに植えつけたサツマイモが収穫の時期を迎えました。すばらしい秋晴れの中、塾生たちはどんな大きい芋になっているか楽しみに畑に向かっていました。
ツルがあると作業の邪魔になるので、まずは根元の部分を鎌で切り、ツルを畑の外に出します。ツルとツルとが絡まってなかなか取れません。力を合わせて「ヨイショ」。
サツマイモはジャガイモと同様に周りから少しずつ掘っていきます。大きな芋はもう顔を覗かせています。どれだけ大きくなっているかな。
一度にこんなに掘りあげることが出来ました。
このように、1つのツルからいくつもの芋がつながって次々と収穫できる様子から"イモヅル式"という言葉が生まれました。
収穫したイモを運びます。ここは4人がかりで運んでいました。今年は沢山のサツマイモを収穫することが出来ました。運ぶのも一苦労、うれしい悲鳴です。
収穫したサツマイモを計量しました。95kgも収穫することが出来ました。
収穫した一部はお土産に。
どうやって食べたかな?
ステージを終えるにあたり、木全塾頭からお話をいただきました。
「今回のステージは全体を見ていてもダラダラしている印象を受けた。ここまできていてもわかっていない人が多い。
昨日は清掃ボランティアありがとう。近所の人に会った時にもお礼を言われた。
スタンドアップ・テイクアクションについてお話ししたが、世界には1日100円以下で生活している人が沢山いる。皆さんは恵まれている。日本は何でも手に入る、使い捨ての社会になり、必要ないもの、無駄なものまで買っている人が多い。
『整理・整頓・清掃・清潔』がきちんとできると無駄がなくゴミが減る。日頃から意識して実行出来るように。それを実行するためには、目をそこにむけそのことしか考えない。ものを大切に出来る人は人も大切に出来る。残り3ステージ頑張ってもらいたい。」
今ステージのメインのイベントは清掃ボランティアでした。身近である塾や畑周辺、地域にも良く見ると沢山のゴミがあり驚いたことと思います。
今回はゴミ拾いや掃除をするという形で地域への感謝の気持ちを表しましたが、これを良い機会とし普段の生活中でも常に感謝の気持ちを持つことが出来るようになって欲しいと思います。
また、今ステージから塾生が司会進行を勤め、みんなの意見をまとめてもらいました。『何事も心を込めて丁寧に作業する』という目標を達成するには意識することが大切になってきますが、"意識する"と言うことはとても難しいことです。しかし、今回の話し合いの中で目標を達成するにはどのような具体策をすればよいかという質問に対し「自分が何をしているのか常に考える」「常に手元を見て集中する」などの今までの話し合いには出なかった意見がいくつも出ました。これは塾生たちが日ごろの塾での生活や活動の中から自分から学び取ったものだと思います。
日本では「無償で」という意味で使われることが多い『ボランティア』という言葉ですが、世界的には『自発的・自分から?する」という意味で使われています。塾生たちには残りのステージを常に自発的に行動して欲しいと思います。
K.T.
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