br> (市村自然塾 関東 OB会)
今回のステージのメインイベントは収穫祭でした。収穫祭では第5ステージに仕込んだ味噌の開封式を行い、その味噌と自分たちで収穫した野菜を使ってごった煮汁を作り各チームの味を味わいました。共同生活の目標は今回のステージも塾生が司会進行を務め決めてもらいました。話し合いの結果『ルールを守って、安全に心がける」に決まりました。
ステージを始めるにあたり、塾頭からお話をいただきました。
「いよいよ17ステージ。3月から毎ステージお話ししていますが、皆さんの顔立ちが変わってきました。最初は自信のないような顔でしたが、今は目の輝きが違います。明日は収穫祭です。ここでは40種くらいの野菜を作っていますが、皆さんの努力だけでは出来ません。太陽・土などがあるおかげで野菜を育てることが出来るのです。その大地・自然の恵みに感謝の気持ちを表し収穫祭を行います。
今は何でも手に入りますが、自分が元気でいられ、おいしいものが食べられるのはいろんなものに支えられているからだということをもう一度考えて欲しいと思います。見えるものもそうですが、見えないものに支えられていることが大きいのです。こうして元気でいられることに感謝の気持ちを持ってください。明日は奉納相撲もありますが、大切なことは勝った負けたではなく精一杯全力でやることです。いつも言っていることですが「何事もきちんと丁寧にやる」「一生懸命にやる」その積み重ねがこれからの人生につながっていくのです。
共同生活の目標は今回も塾生が司会進行を務め、全員で話し合って決めてもらいました。普段出来ていない「整理・整頓・清掃・清潔」が良いのではないかという意見や、収穫祭では火や刃物などを使うので「安全に気をつける」が良いという意見、収穫祭は説明を良く聞いて、真面目な気持ちで取り組むよう「ルールを守る」が良いという意見が出ました。話し合いの結果、せっかくの収穫祭も怪我をしてしまっては台無しになってしまう。皆でルールを守り、安全に気をつけて良い収穫祭にしたいということで「ルールを守って安全に心がける」に決まりました。
最初に塾頭さんから、収穫祭の開催の言葉をいただきました。 「収穫祭は昔は新嘗祭という収穫に対する感謝の気持ちを表す行事でした。自然の恵みがないと元気に生きていけなかったため、お祭りという形で自然の恵みに感謝を表していました。皆さんも大地・自然の恵みへの感謝の気持ちを持って挑んでもらいたいと思います。」
今回もボランティアの先生にお越しいただき味噌開封式を行いました。
第5ステージで仕込んだ味噌をいよいよ開封します。5月からゆっくり時間を掛けて熟成しています。どのような味噌が仕上がっているか楽しみです。
ふたを開けると味噌の良い香りが広がりました。表面に生えたカビを取り除き、チームごとに収穫祭に使う分の味噌をお皿に取りました。
さっそく自分たちの味噌を味見してみました。塾生たちは自分のチームの味噌と他のチームの味噌との味を見比べていました。また先生の持ってきてくださった2年ものの味噌とも味を見比べました。その後、ラップを交換しもう一度消毒をして蓋をしました。残りの味噌はさらに寝かせて塾の食事で使われます。お土産として持ち帰った味噌の味はどうでしたか?
味噌開封式の後はチームごとに畑で野菜を収穫しました。
雨の中合羽を着て作業しました。この畑ではレタス・ハクサイ・キャベツを収穫しました。
塾舎に帰り、収穫した野菜を洗いました。泥や虫がついていないように丁寧に洗いました。冷え込む中、手が冷たくなりながらも頑張って洗ってくれました。
塾の玄関前に畑で収穫してきた野菜が供えられました。普段塾で食べている食材は、ステージ前にスタッフが収穫していることが多く、奉納台に並べられた野菜の多さに皆びっくりしていました。塾生たちはあらためて自然の恵みを感じることができたのではないのでしょうか。
塾生の代表4人から、いつもおいしい料理を作っていただいている調理師さんへ、「よろしくお願いします」という言葉と共に野菜が渡されました。
いよいよ塾生が収穫してきた野菜を使ってごった煮汁を作ります。今まで食事当番で身に着けた調理の技術を発揮し、おいしいごった煮汁を作りましょう!
チーム内で役割を分担して調理開始です。火の係、野菜を切る係、おにぎりを作る係、焼き芋準備の係に分かれて作業します。
こちらは野菜を切る係。ゴボウのささがきに挑戦してます。説明をしっかり聞き、安全に取り組んでいました。食事当番で使い慣れているせいか、包丁さばきもなかなかのものです。
こちらはおやつの焼き芋を準備しています。濡れた新聞紙で包んでからアルミホイルに包むと、真っ黒焦げにならずにおいしい焼き芋が出来ます。
塾庭で調理をするはずでしたが、あいにくの雨のため、玄関横にブルーシートの屋根を張りその下で調理をしました。
ついに塾の野菜と自分たちの味噌で作ったごった煮汁が完成!冷えた身体にできたての温かい料理、しかも自分たちで作ったのですからおいしくないはずがありません。どのチームもほとんどたいらげてしまいました。チームによってニンジンの葉を入れたり、サツマイモを入れたりと味に特徴がでていました。どのチームもおいしく出来ました。
予定では奉納相撲を行うはずでしたが、雨ということと時間がおしてしまったために卒塾アルバムのチームのページを仕上げる時間にしました。
時間内に仕上げるために協力して作業していました。チームごとに工夫のあるページが出来上がりました。この卒塾アルバム作りも良い思い出となったのではないでしょうか。
ダッチオーブンで使った火を利用し、焼き芋をつくりおやつにいただきました。皆おいしそうに頬張っていました。
夜の塾活動を行う前に塾頭から収穫祭を振り返ってお話しを頂きました。「あいにくの雨で相撲が出来ませんでしたが、いつも育てている野菜を使い料理をすることができ、みんなおいしく出来ていました。日頃の成果が出ていたと思います。しかし、ルールを守るという点で残念なことがありました。それは食事の時間が1時間20分もオーバーしてしまったことです。12時から食事という予定でしたが、それを目標とし遅れているから急ごうと努力している人がいませんでした。反省して欲しいと思います。感謝の気持ちを持って取り組めたことは良かったです。」
卒塾式に向けて歌の練習を行いました。
歌は「故郷」と「今日の日はさようなら」です。まずステージ担当より歌う時の姿勢のポイントについて話があり、その後伴奏に合わせて歌いました。本番では皆さんのすばらしい歌声が聞けることを楽しみにしています。
第9ステージにも2分の1ステージを終えてということで作文を書きましたが、今回は今までのステージを振り返り「市村自然塾でいろいろなことを体験してどのように感じ、どんなことを学んだか。また将来の夢は。」というテーマで作文を書きました。皆真剣に取り組んでいました。塾生の作文からは塾での活動や生活の中で様々なことを学び取ったことが伝わってきました。
日曜日の朝は瞑想の時間です。このときは窓を全部開けて外の空気を感じます。立冬も過ぎ窓からはピリリとした冷たい空気が入ってきて、徐々に冬の訪れを感じられる季節になりました。
さすが、17ステージということもあり約5分間集中して瞑想を続けられるようになりました。ここで培われた集中力を普段の生活や農作業でも発揮して欲しいと思います。
最初の作業はコムギの種まきです。第7ステージ収穫したコムギは6期生がまいてくれたものです。また今回まくコムギは次の8期生が収穫します。このようにコムギは第1期生からリレーのバトンのように代々受け継がれてきたリレー作物なのです。次の塾生への贈り物として心を込めて丁寧にまきましょう。
まず、鍬を使って溝を掘ります。溝がでこぼこだと種をまきにくいし、きれいに芽が出そろわないため、底が平らになるように溝を掘ります。
続いて種まきです。
自分の担当する列を決め一人一人まいていきます。等間隔になるように一粒一粒丁寧にまきました。
写真からも皆が真剣にまいている様子が伝わってきますね。
この後丁寧に土をかぶせました。きれいに芽が出そろうと良いですね。
チーム農園作業は今回のステージを入れて残り2回。18ステージには畑を何もない更地の状態にして返さなければなりません。計画的に進めましょう!今回のチーム農園作業ではどのチームも沢山のお土産を収穫することが出来ました。自分たちで計画していちから育てた作物ですから喜びはひとしおでしょう。
こちらのチームはサトイモを収穫しました。沢山の芋を収穫することが出来ました。お土産で持って帰った芋はどのように食べたのでしょうか?
こちらのチームはレタスを収穫しました。カゴからあふれるほどの立派なレタスですね。おいしそうです。
ステージを振り返って塾頭からお話をいただきました。
「このステージでは収穫祭をやってもらいましたが、あいにくの雨で室内でしたり、相撲が出来ませんでした。
なぜ収穫祭をするのでしょうか。今はイベントのようになっていますが日本人は昔から農耕民族で米・麦・野菜などを食べてきました。医療も普及しておらず寿命も長くありませんでした。そんな中で元気に生きていけることを神様に感謝の気持ちを表して行ったのだと思います。
自然塾でもおかげさまという気持ちを学んでもらっています。お天道様に感謝、大地・自然に感謝、ご両親に感謝する気持ちをこれからどんな場面でも忘れないでいてください。次は最後のステージです。身体を壊さないように気をつけてください。」
今回のメインイベントは収穫祭でした。この収穫祭には大地・自然の恵みに感謝することはもちろん、日頃食事当番で研いている調理の技術を十分に発揮し今までの集大成として協力してごった煮汁を作ること、普段お世話になっているボランティアや調理師の方々などに感謝の心を持ってもてなすという目的があります。あいにくの雨でしたが、塾生たちは収穫祭を通し収穫の喜びを感じ、感謝の気持ちを表すことができたと思います。また調理に関しても協力して行い集大成という言葉にふさわしいものが出来たと思います。
共同生活目標は『ルールを守り、安全に心がける』ですが、収穫祭ということで刃物や火を扱い普段よりも安全に気をつけなくてはならないと自分たちで気付き、新しい目標をたてることが出来ました。また、実際に収穫祭でも安全に心がけて取り組むことができました。しかし休み時間にふざけてしまい、その結果達成度13%と低いものになってしまいましたが、これも自分たちの行動を冷静に判断し反省することが出来るようになったためだと思います。残り1ステージですが、最後のステージはくいのないように、そして最後のステージにふさわしいように過ごして欲しいと思います。
K.T.
ほかにもイロイロあんなこと、こんなこと。自然塾豆知識コーナー