br> (市村自然塾 関東 OB会)
初めての活動から2週間がたちました。第1ステージでは緊張していた塾生たちも、第2ステージには仲良くなり、塾生活にも慣れてきて浮ついてくる頃だと思います。事故や大怪我は慣れてきて油断した時に起こります。今回は危険を予知し回避する力を塾生に身につけてもらうために「安全(危険)を知る」ということをテーマに掲げて活動に取り組んでもらいました。また、危険を回避するために人の話を聴くことも重要なことなので目標として掲げました。このステージでは、地震や火事が起こったことを想定して避難訓練も行いました。
活動を始めるにあたって塾頭さんからお話をいただきました。
「第1ステージを振り返ってみて気がついたことがあります。部屋があまりきれいではなかった。整理整頓をして自分の使ったもの、道具を大切にすることが大事。整理されていると必要なときにすぐ使える。何より安全。散らかっているとつまずいたり危険です。今回の目標は「人の話を聴く」です。話を聴くだけでなく行動に移す。良い行いをまねして、悪い行いには注意するだけでななく、まねをしないことが大切です。」
チームみんなが協力して、すばやく布団を敷いていました。
「早くお風呂に入るんだもん!」
一番風呂を狙っているようです。
消灯までの時間を使ってチーム農園の計画を進めていました。土曜日の夜の時間に発表するために各チーム共に発表用の模造紙を作成していました。
活動中に地震が起こり火事が発生したことを想定して、避難訓練を行いました。避難するときの注意点を塾生たちに聞いたところ「おかしもち!」と塾生たちが言い出しました。「おさない」・「かけない」・「しゃべらない」・「もどらない」・「ちかづかない」の頭文字をとったものだそうです。
「地震発生!」
事務スタッフの掛け声と共に窓ガラスから離れ、柱の多い塾生室入り口に集まり、防災頭巾をかぶって逃げる準備をしました。すばやい動きです。続いて厨房から火事が発生した想定でスモークマシンの煙に巻かれながら避難をはじめました。
無事、塾庭に避難完了しました。避難開始から全員が避難するまでに約2分程度でした。塾頭からも非常にまじめに取り組んでいたとほめられました。
消火器を使う訓練も行いました。大きな声で「火事だー!」と周りに知らせることが重要なポイントです。あるチームは全員で声を合わせて周りに知らせていました。
実際に消火器を使う場面に出くわさない事が一番良いのですが、体験として実施しました。
危険と安全は相反するものです。安全を知るには危険なことを知り、その危険から自らの身を遠ざければよいのです。イラストを見て危険な行為や物を探してもらいました。そのイラストから何が危険か、どのようにすれば安全になるかを考えてもらいました。
わかりやすいイラストだけでなく、実際に塾舎内を見て危険が隠れている場所を探してもらいました。塾舎内にさまざまな危険が隠れていることが各自わかったようでした。
しかし、このときは危険な場所を探そうという気持ちでいるから見つけられるのですが、遊びに夢中になっているとわからなくなってしまうかもしれません。そんなときにはお互いに注意をし合って、みんなで安全を確認しようと呼びかけました。
市村自然塾一大イベント、ゴボウの作付けを行いました。長いゴボウを収穫するためにスコップで深く耕しました。しかも、前日までの雨で土が湿り気を帯びていて土が重く、乾燥しているときよりも重労働になりました。
作業開始!
一列に並びいっせいに掘り始めます。膝くらいの深さまでは割りと簡単に掘り進みましたが、そのあたりになると硬い地層の「マサ」にぶつかり苦労していました。
各自休憩を挟みながら、だいぶ深く穴を堀り耕せました。これで約80cmぐらいでしょうか?
スタッフから疲れた人から休憩をとってもいいよといわれても掘り続ける塾生たち。場所が狭くなってきて隣の塾生と交代しながら掘り続けていました。それにしても楽しそうです。
おやつ休憩後に掘った穴の埋め戻しです。塾生から「掘る作業より埋める作業のほうがキツイ...」と。やはり土が湿っていて重い様でした。
しっかり埋め戻してからクワを使って畝を立てました。まだぎこちない使い方ですが、しっかりと土を盛り上げ、最後は手を使って丁寧に平らな畝を仕上げました。
ようやく種まき。塾生たちのイメージでは掘った穴の底に種をまいて育てるものだと思っていたようです。ゴボウは地表に種をまいて、塾生たちの耕したやわらかい地下深く根を伸ばして行くのです。
入塾式にまいたハツカダイコンがだいぶ大きくなりました。今回は間引き収穫として、大き目のハツカダイコンを収穫して食材としました。
厨房にいる調理師さんに渡して晩ごはんのおかずにしてもらいました。
休み時間を使って完成させた模造紙を前に張り発表しました。
どのチームもしっかりとまとめてよい発表でした。発表後は指摘のあったところを各チームで見直して、より実践的な計画になりました。
毎ステージ土曜日、夜の時間を使ってリーダーたちが集まり、塾頭の話を聴いたり、リーダー同士の話し合いの場を設けます。今回は初めてなのでリーダー、サブリーダーが出席しました。今回の塾頭さんの話では「リーダー、サブリーダーはみんなから頼りにされる存在になりなさい。」
日曜日の朝食前は毎回、瞑想の時間を設けています。今回は約2分間瞑想を行いました。ほとんどの塾生が動きがなく、しっかりと心落ち着けることができていたようです。
この日はあいにくの雨。しかしそれも自然の摂理です。天候がよければダイコンの種まきとチーム農園土作りの作業でしたが、予定を変更して、自分たちのチーム農園に立てる看板を作りました。
各チームにチーム名の看板とチーム農園で育てる作物の看板を作ってもらいました。板や角材をノコギリで切る作業からはじめました。
なかなか手際よく作業が進みます。チーム名を書く看板にどのように書くか頭をつき合わせて相談していました。世界でひとつだけのチーム看板の完成です。
みんな元気に帰っていきました。しかし、送迎に付き添ったスタッフの話によると、電車の中でみんな寝てしまったようです。なれない農作業で体はくたくただったようですね。
次回も元気な塾生に会えることを楽しみにしていますよ!
今回のステージでは雨が降り予定していた農作業ができませんでした。しかしこれも自然の摂理で、人間の都合のよいように雨が降ったり、天気よく晴れたりすることはありません。昔の農家の方々も天候に合わせ、晴れた日は畑仕事をして、雨が降ったら室内作業をする「晴耕雨読」を行っていました。塾生たちもチーム農園作業をやりたいと思っていたのですが、このような天気のときに畑の土作りをすると、逆に土が固まってしまい作物にとって悪条件となってしまいます。人間がかなわない自然の摂理と、それにあわせた作業「晴耕雨読」を知ったことでしょう。また、共同農園のゴボウの耕運では、大変な作業をしていたのになぜかみんな笑顔でした。苦しい思いをしてみんなで掘り、あの深く長い穴が出来上がったことの達成感が表情として出ていたのではないでしょうか?また、収穫のときに達成感と同時においしいゴボウを味わえると良いですね。
共同生活の目標として人の話を聴くことに重点を置いて生活してもらいました。帰る前に振り返ってもらったところ、大体の塾生が70%以上の評価をしていました。とてもよいことだと思います。しかし、話を聴くだけでなく、聞いたことを理解して行動に移して本当に聴くことができることの現われだと思います。これからの活動でも、しっかりと人の話を聴いて行動に移してほしいと思います。
K.M.
ほかにもイロイロあんなこと、こんなこと。自然塾豆知識コーナー