塾の活動　～男子第１６ステージ～

編集後記:
「市村自然塾での一瞬一瞬を大切にしよう」
このステージテーマで取り組んだところ、とても嬉しい結果も得られました。いつもは何事にも興味を示さなかった子が進んで仕事をやろうとしたり、自分のことが終われば知らん顔して遊んでいた子が、他の子の仕事を手伝っていたり。
しかし、今ステージの様子が、塾生たちの限界だとは思っていません。まだまだできるはずだと信じ、期待しています。残り２ステージ。どうか、この貴重な時間を精一杯楽しんでください。限りある塾生活の中で、仲間とできる限りきずなを深めてください。そして、１２月７日には「塾でやり残したことはひとつもない」と、胸をはって卒塾してくれることを願っています。

ご意見、ご感想等ございましたらこちらまでおよせください。
E-Mail：isk@szj.jp

ビデオレターに、身をのりだして見入る塾生たち。
「関東では気候が合わなくて作れなかったサトウキビが、九州では作れて良いな～」
「九州で作っているゴマは、自分たちのチーム農園のより３倍もあってすごい！」
「オクラの種を次の塾生にプレゼントするのは同じだな。」
と、遠く離れた場所ですが、同じ市村自然塾の塾生として、心をかよわせることが出来ました。

畑やその周辺の風景は、このようにすっかり秋の色になりました。みんながオカボをいっせいに刈りはじめると、かくれていたバッタやカマキリ、コオロギなどがあわてて逃げ出します。そんな虫たちをつかまえたり観察したりしながらですが、十分に穂をたらしたオカボを収穫することが出しました。

刈る人、束ねる人、運ぶ人、いつの間にか塾生たちの間でそんな役割分担が出来ていました。男子塾生はカマを使ったこのような収穫が初めてだったせいか、とても楽しそうに作業していました。

６月下旬に種まきをしたダイズとアズキ。ネットで畑全体をおおっていたにもかかわらず、少しずつ鹿に食べられてしまい、結局残ったのはボロボロにやぶかれたネットと、作物の茎だけでした。このようになってしまった畑を前に、塾生に今の気持ちを聞いたところ、「悔しい」「残念だ」といったものや、「もっと手をかけてやればよかった。種をまいたときも、僕たちはやる気がなくて怒られながらだったから。」といった感想がありました。自然の中の畑では、手間をおしんでいては作物を収穫することはできないんだね。

「人間は、穀物と野菜を食べずには生きられません。様々な食べ物が健康にいいといわれていますが、一番良いのは多くの種類を食べることなのです。だからみんなは自然塾で①残さず全部②よくかんで、食べることを必ず身につけてください。」
最近ではほとんどの塾生が、嫌いなものも残さずに食べることができるようになりました。卒塾までには②の、よくかんで食べることを身につけよう。

緑肥は冬の間畑をおおい、雑草が生えたり、土壌養分が流れ出すのを防ぎます。また、春先に土にすきこむことで、有機養分を補給し、マメ科のものでは窒素養分も補給することができます。

卒塾アルバムの中の、チームのページを作っています。入塾のころの写真を見ていると、今のみんなは少し背が伸び、表情もきりっと締まったように見えました。

みんなが塾で食べている食事を作るときには、必ず野菜くずが出ます。塾スタッフは毎週塾生が帰った後、これを使って液肥を作り畑にまいたり、分解の進んだ野菜くずを土に返すという作業をやっています。この作業をやることにより、ゴミが去年の４分の１の量になったそうです。ただ捨てればゴミになってしまう野菜くずを、土に返すということは、決して楽な作業ではありませんが、今回はこれを塾生たちも体験してもらいました。

３個のバケツからとれた液肥は、それぞれ色やにおいが違っていました。農業指導の先生のお話によると、入っていた野菜の種類や水分量、EM菌がうまく働いたかによって微妙に変わるそうです。塾生はその３種類のにおいをかいで、「臭い」や「すっぱい」など言いながらも、チーム農園の作物にたっぷりとやりました。

２７㎏もあるカボチャ（アトランティックジャイアント）を収穫しました。小学４年生ひとりの体重くらいある実なので、チームのみんなで力を合わせて塾舎まで運びました。雨ばかりで太陽を見ることが少なかった今年の夏、どうなることかと思ったけど大きな実がとれてよかったね。

おみやげ用のコマツナの収穫と、次週の女子ステージで使うサトイモを代表者に掘ってもらいました。サトイモは掘りだしてすぐには食べられないからです。
塾活動の中で、女子塾生たちと直接かかわることはなかったけれど、こんなふうに助け合ってきたんですね。

長いように思えた全１８ステージも、残り３ステージとなりました。この市村自然塾という場所で、ここの仲間たちと一緒に、農作業など日常ではやれないことが経験出来る時間はあと少し。その貴重な時間をただなんとなく過ごすのではなく、精一杯過ごして欲しいという思いから、このステージテーマで活動しました。
具体的には、
①自分は今、自分のできることを精一杯やっているか。
②自分の行動は、こうかいするものではないか。
という２つのことを、塾生には常に意識して行動してもらいました。