塾の活動　～女子第１１ステージ～

ステージテーマ　「感覚を研ぎ澄まそう」

　今回のステージは、「人間が本来もっている五感を研ぎ澄ますことで、危険を予知する第六感や自己を表現するための感性が養われる。自然塾のある寄（やどりき）地域は良好な自然環境に恵まれているので、四季おりおりの自然を感じて生活をしてほしい。」との考え（＝願い）から表題のテーマになりました。
　その実践として、暑くて農作業のできない時間のプログラムに『「五感」を育むゲーム』を企画・実践しました。

塾生たちはいつもどおり5：30に早起きして部屋の掃除もすませました。
今日は一日中外で活動するので、大地の生命力を補給しておきましょう。

初めのうちは半分寝ぼけていた塾生たちも、おいしいトマトを丸かじりすることで、やっと目覚めたようでした。

今まで育ててきた作物はそろそろ収穫を終え、これからその土地をどう使うのかを考える時期に差し掛かっています。
卒塾までに収穫できる野菜を植えるのか、来年の塾生に渡せる作物を植えるのか、畑の環境をよくするための作物を植えるのか、思案のしどころです。

◇五感を育むゲーム

　五感を育むゲームとして、ブラインドウォーク（目隠し歩行）とガイドヘルプ（手引き歩行）、カモフラージュ、ネイチャービンゴ（兼クラフトの材料拾い）を体験しました。
ブラインドウォークとは、２人でペアを組み、１人が目かくしをし、もう１人がその人を一定時間、案内して歩くこと。お互いの信し合う心、思いやりの心を養う意味と、視覚以外の感覚をとぎすます意味があります。
　カモフラージュは、林の中の道に沿って置かれたいくつかの人工物を探し出して、何個置かれたのかを数えようというゲームです。このゲームのねらいは、五感のうち「視覚」を特に働かせて注意深い観察力を養う事と自然界の擬態がどのような事なのかを実際に体験してみる事です。
　ネイチャービンゴとは、ビンゴカードのマスに書いてあるお題（虫や、木や、花などの自然のもの）を、そこの自然の中から探していくゲームです。縦・横・斜めの列（ビンゴ）が何本そろうかを競うのですが、ビンゴの数よりも、どんなものを見つけたか、子どもの反応や発見を大切にして感性を伸ばしてあげます。普段何気なく見過ごしている自然に注目させるのも狙いです。

塾周辺の竹を使って台を作り、水とソーメンを流して、暑い夏にひんやり気分で美味しくいただきました。

◇共同農園作業

共同農園で、ソバやゴボウの追肥・土寄せとサツマイモの草取り、そして収穫が終わったトウモロコシの後片付けを行ないました。
もともと体調の悪かった子どもが多かったこともあり、また長かった炎天下の一日の疲れで、不調を訴えリタイヤする塾生が続出。そんな中、最後まで残って作業した数人。よく頑張ったね。

巷では熱射病で運ばれる人もいたという真夏日でしたが、まだ日の高くなる前（早朝）の涼しいうちに農作業をすることができました。先日ポットに播種した秋野菜の苗を植える準備として、広大な元ジャガイモ畑の土づくりを行ないました。しかし畑の状態は雑草が伸び放題の最悪なコンディションで、牛糞堆肥を鋤きこむ前に皆で草取りに精を出しました。その後、塾生たちは重い堆肥を畑に運び入れ、満遍なく撒くところまで頑張ったのですが、時間切れとなってしまいました。

◇クラフト（ネイチャーアート）

「みんなが塾でやってきた活動や夏休みの思い出を、昨日のゲーム中（および今日）に採取してきた草花を貼り合わせて、作品を創ってみよう」という指導の下、いっせいにクラフト作りが始まりました。奮起した塾生の中にはツユクサの汁を使って絵を描くなどという手法も見られました。

塾庭の野花や葉を使って、お絵描き。
想像力・感性はフル回転！

できあがり。夏休みの宿題はこれでＯＫ！？

編集後記：
　「五感」とは「「嗅ぐ」「触る」「味わう」「聴く」「見る」という五つの感覚です。私たちが社会的なコミュニケーションを行う土台として、感覚の発達と統合が大切な要素となっていますが、今、子どもたちは、外部から得たいろいろな情報や感覚を統合する機能自体が衰えているのではないか、という危惧があります。
　自分の身体をじっくり使い、感じる環境自体がとても少ない現代。便利で快適な社会を大人たちが求めすぎた結果として、子どもにとって必要な身体や感覚の発達を育てるチャンスまでも奪っているのではないでしょうか。
　これまで愛情や心の問題として語ってきたことも、身体や五感の変化の中で起こったことかもしれないのです。心理的な面ばかりを重視して、身体や感覚を大事なものとしてとらえることが、私たちの社会では足りなくなったという感じがします。親子や家庭を巡る社会問題もこういうところから起きてくるのではないか、と考えています。子どもたちの「五感」を育むことは、五感を通しての人間相互のコミュニケーションを深めていくことにもなり、より良い教育、人間関係づくりを可能にするヒントがあるようです。
　大人は子どもに対し、五感を研ぎ澄ますチャンスは、その気になりさえすれば、実はいろいろなところにあるんだよ、と教えてあげることが非常に大切です。そうした経験を重ねていけば、豊かな「感性」は、必ず育っていくと思います･･････。
　その実践として、今回は「ブラインドウォーク（目隠し歩行）とガイドヘルプ（手引き歩行）」「カモフラージュ」「ネイチャービンゴ」「ネイチャーアート」を子どもたちに体験してもらいました。どれも、ご家庭でも散歩をしながら楽しくできるのではないでしょうか？　ぜひ、（子どもたちから教わって）試してみてください。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｈ．Ｔ．
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◇朝つみトマト＆チーム農園

◇共同農園作業