7月1日(日) 
◇ムギの脱穀・風選
第6ステージに収穫し天日干ししていたムギが十分乾燥しました。穂に付いた実だけを取り出す「脱穀」という作業と。取り出したものからゴミや埃を取り除く「風選」という作業を行いました。
脱穀機の中では刃の付いたローラーがものすごいスピードで回っていて、ムギの粒を落としていきます。便利な機械も一歩間違えれば大変危険なものになります。塾生たちは始めは塾頭に手を添えてもらって恐る恐る作業していましたが、最後には1人でも自信を持って脱穀が行えるようになりました。
脱穀機の中を開けるとムギの粒がたくさん出てきました。一粒も無駄にしないように、丁寧に丁寧に集めます。
次は「唐箕(とうみ)」という道具を使ってゴミを取り除きます。ハンドルを回して風を送りながら少しずつムギ粒を落としていくと、軽いワラやゴミは遠くに飛ばされ、実りの良い粒は手前に落ち、実りの悪い粒はまた別の所から出てきます。ここでも昔の人の知恵に感心させられました。
◇キャベツお土産収穫
第3ステージに植え付けたキャベツが収穫の時期を迎え、お土産として持ち帰ることになりました。塾生たちの顔の大きさの2倍もありそうなキャベツです。育てる苦労ももちろんありましたが、持ち帰る苦労も相当なものだったのではないでしょうか!?
キャベツを収穫する前にキャベツについている青虫を手で取りました。1つキャベツに300匹以上の青虫が付くこともあります。我々はキャベツの命を頂いていると同時に、その300匹の虫の命も頂いていることも忘れてはいけませんね。  
こうしてみんなが自然塾でのびのびと活動できるのは、理解ある家族がいてくれるお陰ということも忘れてはいけません。キャベツは日頃のお礼の気持ちも込めて手渡し、自然塾のお土産話と共にみんなで美味しく食べてくださいね。

 編集後記:
 今ステージの共同生活の目標は塾生たち自身で決めた「何事も心を込めてきちんと丁寧に行う」でした。入塾からはや3ヶ月がたちましたが楽しい陶芸などだけではなく、大変な農作業や毎日の掃除などを途中で投げ出すことなく最後までしっかりと行えるようになってきました。特に日曜日の朝食前に行っている5分間の瞑想では、殆どの塾生が姿勢を崩すことなく動かず正座で座っていられるようになりました。嫌なことや大変なことから楽な方へ逃げるのではなく目の前のことに真剣に取り組む力、またそれを持続させる集中力が付いてきたように感じました。
 今回持ち帰ったキャベツは鳥や虫に食べられないようネットを被せて育てたものです。ネットは今年になって初めて使用し、昨年まではネット無しで付いた虫は塾生たちに一匹ずつ取ってもらって育てていました。美味しいキャベツに付く虫の勢いはものすごく、取っても取っても虫は減らずにキャベツの葉っぱは葉脈だけにされ、真ん中で申し訳なさそうにキャベツが付いているのが例年でした。今年は少しまともなキャベツが収穫できましたが、その反面「虫を取る」という作業を塾生たちが十分経験できなかったことが残念です。キャベツの命と同時にたくさんの虫の命も我々は頂いている、だからこそ食べられることに感謝しなければいけないということを、今回のキャベツの収穫を通して覚えていて欲しいと思います。

M.K.
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