4月8日(日)
◇食事当番 〜後片付け〜
 ごちそうさまをした後、食事当番は全員分の食器やお米を炊いた釜を洗います。
 この時間、他の塾生は自由な時間となりますが、食事当番はみんなの分を代表して頑張ってくれます。このような体験をすることで、お互いを思いやる心が育つと信じます。
◇共同農園作業 〜ダイコンの種まき〜
 この日はまずダイコンの種まきを行いました。
 一日の最初の農作業の前には入念なストレッチをして体をほぐします。昨日ゴボウの種まきのために慣れない力仕事をしたので、特にしっかり行おう。  
 ゴボウの種まきは幅90cmの平らな畝を立てて2列(2条)の種まきをしましたが、ダイコンは幅50cmのかまぼこ型の畝(真ん中が丸く盛り上がった畝)に1列(1条)播きにします。このように作物にあった畝をたて、種まきをします。

 塾生はスタッフに教えてもらいながら、慣れない手つきながらも、土を寄せ畝を立てていきました。
 畝がたったら種まきです。ダイコンの種は芽を出すとき光を嫌うので、穴は深めにします。また、間引きをして育て、その間引き菜もおいしくいただくので、缶底を使って穴を作り、その穴に正三角形になるよう3粒の種を播きました。
◇共同農園作物シール貼り 
 市村自然塾関東の土間の壁には共同農園作物(塾生が作付けを行う作物)の年間作付け表があります。作業を行ったら、その作物のシールを貼っていきます。
 今はまだ一部ですが、この先5月頃からはとてもたくさんの作物を作付けしなければなりません。また、表を見ただけでも収穫までにはいろいろな作業があり、長い時間がかかります。
 後に、このような作付け表を振り返ることで、行ってきた仕事を振り返ってみることが出来ます。
◇チーム農園作業 〜土作り〜
 いよいよチーム農園作業です。まずは土作りが大切です。作物によって手入れは違いますが、どの作物にとっても基礎となるよい土とは、適度に湿り気を含むこと、栄養分を適度に保ってくれること、さまざまな生き物(ミミズや小昆虫や微生物も含め)がたくさんいることです。そのような土にするために、腐葉土、牛糞堆肥をまいてよく耕します。
 牛糞堆肥は積んである小屋から協力してチーム農園まで運びます。
 牛糞堆肥は、牛糞を発酵させて作ったもので、土を良くしてくれると同時に長い間少しずつ養分を出してくれます。
 塾庭の片隅には自然塾周辺の山の落ち葉を1年ほど寝かせて作った腐葉土の山があります。ほどよく分解されている腐葉土を畑に入れるとさまざまな生き物の餌となり、作物にとってよい土をつくるもととなります。
 
 塾生はプラミ(写真オレンジ色の道具)にいっぱい腐葉土を乗せて自分達の畑に運びました。
 
 牛糞堆肥、腐葉土を自分たちの区画に運んできたら、プラミにあけて満遍なくまきます。
 堆肥と腐葉土をまき終わったら、横一線に並び、見事なチームワークで耕し始めたチームもありました。
 チームのカラーがいろいろ出る場面です。
 耕し終えたら、クワあるいはレーキという道具を使って平らにならします。単に見栄えを良くするだけでなく、へこんだところに水がたまったり、そこから水が流れて畑の土も流してしまわないようにするための大切な作業です。

 編集後記:
 今回はステージテーマ「安全(危険)を知る」に関連して、避難訓練・危険予知トレーニングを行いましたが、これらは一度行えばよいものではなく、塾生に意識してもらうためのきっかけに過ぎません。室内・屋外で危険箇所探しを行いましたが、帰りのバスに乗るために、走ると危ない、といっていた坂を走って下りる塾生が早速見られました。また、ゴボウの穴掘りやチーム農園の土作りなども一歩間違えば危険が潜んでいる作業です。しかし、危険があるといって避けてしまっては、いつまでたっても安全と危険の意識は育ちません。安全のためには、正しい使い方をする、周囲に注意する、常に整理整頓をする、といった心構えが必要です。塾生にとっては、まず大人の話をよく聴き、きちんと丁寧に行うこと、それをこれからの活動でも心に留め、身に着けていくことが安全に過ごすために第一に必要なことと考えます。

 共同生活の目標に掲げた「人の話を聴く」ことは、塾生にとってそのまま安全につながります。また、第1ステージの共同生活目標「あいさつをする」に引き続き、人間関係を良くするための大切な心構えです。なぜなら、「聞いて」いても「聴いて」いなければ、相手のことを知ろうとしませんし、コミュニケーションがそれだけ希薄なものになるからです。ともすれば人間関係が薄っぺらなものといわれがちな今日この頃、お互い「人の話を聴く」ことを心がければ、違う世界が広がってくるかもしれません。

 なお、今回のステージでの農作業では、ゴボウの種まきやチーム農園の土作りを行いました。作物を育てるには愛情を注いであげる必要があります。しかし、その愛情とは、ゴボウを播く場所を深く掘ってやわらかくすることだったり、チーム農園の土を、作物が育つのに適した土にすることだったりします。すなわち、愛情を注ぐとは、作物そのものに対してではなく、作物が育ちやすいような環境を作ってあげることなのです。そして、あとは作物自身の生命力で育っていくでしょう。これは決して作物に限ったことではないでしょう。我々人間にも当てはまることではないでしょうか。

T.K.

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