ステージテーマ：「安全（危険）を知る」
　共同生活の目標：「人の話を聴く」

　市村自然塾関東の周囲の山々でもすっかり春の気配が濃くなってきました。木々が芽吹きだし、さえずる鳥の声も日増しに増えてきています。前回初めて仲間と一緒に２泊３日の活動を行った塾生が再び集まりました。もう、すっかり打ち解けた様子です。
　今回のステージで行ったことは、ステージテーマにもとづいた避難訓練・危険予知訓練と、ゴボウの種まきとそのための穴掘り（穴埋め）作業、ダイコンの種まき、およびチームとチーム農園計画の発表、チーム農園の土作りです。
　今回のステージテーマ「安全（危険）を知る」は、市村自然塾が塾生に身につけて欲しい3つの心と2つの力の１つであり、誰もが一生考えていかなければいかないテーマです。また、共同生活の目標に掲げた「人の話を聴く」は人間関係の基本であり、安全ものごとに取り組むためにも注意深く「人の話を聴く」ことがとても大切なことです。

４月６日（金）
◇夜のつどい
第２ステージを始めるにあたり、塾頭さんからお話がありました。
塾頭さんから、まずは何事も急がずきちんと丁寧に行って身に着けることを心がけること、第１ステージの目標「あいさつをする」ことを心がけると気持ちよく過ごせること、前回の活動中整理整頓が出来ていない人がいましたが、整理整頓は安全につながること、また、使ったものはきれいにもとどおりにしておくことは、次に使う人のことを考えた思いやりであること、前回集合時間に続けて遅れたチームがありましたが、今この時間は２度と巡ってこないのですから、同じ事を２度繰り返さずに時間を大切にしましょう、とのお話がありました。
塾頭さんの話に引き続き、ステージ担当より”聞く”と”聴く”の違いについて話を行い、今ステージでは、特に話を聴くことを心がけて過ごしましょう、と呼びかけました。
４月７日（土）
◇避難訓練（・消火器訓練・避難経路確認）
災害時の避難経路を知り、安全に速やかに避難できるようになるために、避難訓練を行いました。塾生が２階の塾生室にいる時に大きな地震が発生し、厨房から火災が発生したという想定で、訓練を実施しました。実際にスモークマシーンで煙を焚き、緊迫感を持って避難してもらいました。
	地震発生の声を同時に、塾生たちは窓ガラスから離れ柱の多い入口付近に集まりました。その後スタッフの指示の元、速やかに塾庭へ避難しました。 　火災の際は何よりも煙を吸わないことが命を救うのに大切です。そのため、塾生たちは姿勢を低くし、ハンカチを口に当てて避難しました。
塾庭に避難した後、まず塾頭さんからお話がありました。このように訓練を行っておくことで、いざというとき落ち着いて行動することが出来ます。また、普段から身の回りをきれいに片付けておくことがいざというときの安全につながることもお話されました。 　塾頭さんのお話の後、ステージ担当が、避難時のお・か・し・も（押さない・かけない・しゃべらない・戻らない）の原則の話をしました。
	引き続き、訓練用の消火器で消火訓練を行いました。 「火事だ！」と大きな声を出して周囲に知らせることがまずは大切です。周囲の大人が消火を行い、消防署にも連絡してくれるはずです。 　実際の場面では、子供たちが消火に当たる場面はほとんどないと思いますが、これを機に家庭でも消火器の使い方やいざというときのことを再確認できるとよいですね。
この後煙の抜けた塾舎に戻り、火元と想定される場所ごとに避難する経路を確認しました。また、１０時のおやつの時間には、もしここで地震が起きたらどうするかや、いよいよ逃げ場所がなくなったときの方法について触れました。そのようなことが無いことが一番ですが、万が一の際知っていれば助かるかも知れません。
◇危険予知訓練
塾生たちに自分自身で安全と危険を知る力をつけてもらう第一歩として、危険予知訓練を行いました。
危険予知訓練の前半では、室内でイラストをもとにチームごとに危険だと思われる場所を探し出し、それがなぜ危険なのか、それがどのような事故につながるのか、その危険を避けるためにどのようなことをすればいいかを考えました。 　この作業によって、まず危険を見極める目を養います。
	危険予知訓練の後半では、実際に塾庭で危険だと思われるところを探してもらいました。前半にイラストをもとに危険を探しているので、危ない場所を次々と見つけ出していきました。
各チームで見つけた危険を発表し、みんなで確認しました。 　発表で指摘された場所で指摘されたことをしてみたい人？と聞いたら、かなりの塾生が手を上げていました。塾生にとってはきわめて自然な気持ちかもしれません。 　危険を避けるということは、結局一人一人の心がけにかかっています。危険なものを取り払えば危険はなくなりますが、それでは、一人一人の危険を予知する能力は育ちません。