6月26日(日)  
◇麦の脱穀・風選
麦の刈り入れは女子第6ステージ、男子第7ステージで行いましたが、今ステージではその脱穀・風選作業を行いました。脱穀機は市村自然塾関東が開塾した際寄贈された昭和26年製電気モーター式、風選は先人の知恵の詰まった”とうみ”で行います。
麦は前年度の塾生からの贈り物、そしてこうして脱穀・風選された麦は、さらに小麦粉となり、さまざまな塾の食材として活躍するのです。
また、脱穀後のムギワラは、主に敷き藁として、塾の畑の各所で作物の生長に役立ち、さらには畑の土を豊かにしてくれるのです。
脱穀機を前に、説明と注意を受けます。脱穀機は立派な”機械”。一つ間違えれば大怪我につながりかねません。塾で塾生に身に付けてもらいたい、安全(危険)を知る、を肝に銘じて、真剣に取り組もう。
スタッフのアドバイスを受けながら、脱穀機に麦の穂を押し込んでいきます。最初は恐る恐るですが、2束目、3束目となると大分様子がわかってきて、スムースに脱穀できるようになってきます。でも、最後まで気を抜かずに!
麦の束を脱穀機にかけても、束の根元の方についている穂は残ってしまいます。そうした穂の一つ一つも無駄にしないよう、脱穀後の麦の束から、剪定ばさみで切り取って集め、それらも脱穀します。
穂を落とし終わった麦の束は束ねてワラ置き場に運びます。
脱穀が終わった籾は、”とうみ”で風選します。
取っ手を回して羽根車を回し、風を起こしたところに籾を落とし、重い実と軽い籾殻を分ける仕組みです。

塾生たちは、先人の知恵のつまった”とうみ”での作業を興味津々で行いました。
◇チーム農園作業
今ステージのチーム農園作業は、脱穀・風選作業と平行して、チームごと交替で行いました。
チーム農園ファイルを見直して、チーム農園で行う作業を確認しています。チーム農園に植えてある作物に今必要なことを確認して、しっかり世話をしてあげよう。
いくつかのチームは、チーム農園でキュウリを育てています。キュウリはこの時期、次々に実をつけ、ぐんぐんと大きくなります。このチームはすごい量のキュウリが収穫でき、運ぶのも大変そうですね。自分たちの育てた野菜がこんなに実をつけるのを目にするのは、うれしい驚きに違いありません。

ほかにも、ミニトマトやミズナなどを収穫したチームがありました。

編集後記:
 
 今ステージでは、ステージテーマに取り上げた陶芸をはじめ、ホタル観察、麦の脱穀・風選といったさまざまなイベントを行いました。市村自然塾の活動の柱は農作業と共同生活ですが、それに加えてこのようなさまざまなイベントを行っております。陶芸では、心を込めて丁寧に作ったお皿で、塾で育てた野菜料理を感謝の気持ちを込めていただく。ホタル観察では、人間と自然の共生を考え、自然を慈しむ心をはぐくむ。麦の脱穀・風選は農作業の一環として、先人の知恵に学ぶ。といったそれぞれの意味合いはあるのですが、より大きくは、そのようなさまざまな体験をすることにより、人間としての器を大きくし、可能性を広げることにつながると考えて行っております。塾生たちが体験したそれらの活動が、将来どこかで生きてくることを信じております。

 また、今ステージでは、共同生活の目標を、塾生各自で今までの塾生活を振り返って立ててもらいました。ステージ中に何回か、自分の立てた目標を意識しているかどうか聞いてみました。いつもとはいかないまでも、時に触れ振り返り、反省し、次に生かす。その繰り返しが成長につながると考えるからです。おりしも、共同農園では塾生が力を合わせて深い穴を掘り、種を播いたゴボウの元気が無く、いわば一種の失敗体験を塾生とスタッフが共有することになりました。失敗も一つの教訓として、振り返り明日への糧としていきたいものです。過去のステージで学んだことを、これからは自ら問題意識を持ち、自ら挑戦していけるように成長していってもらうことを願っております。
                                                              T.K.
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