ステージテーマ:「色々な種類の作物の世話を知る」
共同生活の目標:「色々な人の中で自分の役割を果たす」

 暖かくなり、塾周辺の木々の緑が日々色濃くなっていきます。自然塾の畑も、いよいよ農繁期を迎えました。今ステージは、共同農園でもチーム農園でもいろいろな種類の夏野菜の植え付けをします。苗は野菜の赤ちゃんです。植え付けの直後にも、それぞれの個性に合わせた世話が必要です。
 また、自然塾のある神奈川県足柄上郡は「足柄茶」という名茶の産地で、いたるところにお茶畑が広がっています。「八十八夜」のこの時期、お茶作りを通して季節を味わう喜びを体験してもらいました。

 共同生活の目標では、塾生同士が様々な個性を認めあい、一人一人がチームや仲間の一員として役割を果たすことで、全体が楽しく正しく過ごせるように心がけよう!と呼びかけました。

5月6日(金)
◇夜のつどい
 今ステージを始めるにあたって、塾頭からお話がありました。
「人」という字を例に他の人の協力があって今の自分があること、ステージテーマに絡めて何事にも愛情を込めてキチンと丁寧に作業すること、などの話がありました。大変良い姿勢で話を聴いている塾生やお話の中で感銘を受けた部分を塾生手帳にメモしている塾生の姿が印象的でした。
5月7日(土)
◇お茶摘み
♪夏も近づく八十八夜♪♪
 塾舎の前にある茶畑でお茶摘みをし、お茶作りを通して季節を味わう喜びを体験してもらいました。また、普段暮らしの中で飲んでいるお茶がどのようにして作られているのかを学びました。
この日の午前中は生憎の雨が降っていたので、雨合羽を着ての茶摘みとなりました。色とりどりのレインウェアを着込んで、雨が鬱陶しいどころか却って少し楽しそうです。
スタッフからお茶の歴史や摘み方についての説明を受けてから、いよいよ黄緑色の新芽を1本1本摘み取る作業を体験しました。塾生たちは、「ポキッ、ポキッ」と新芽が折れる感触をとても楽しんでいて、規定量の茶葉が収穫できても手が止まらないほどでした。
◇チームワークを高めるゲーム
 この時間は本来、夏野菜の代表であるトマト、ナス、ピーマン、キュウリの植え付けを予定していましたが、雨天のためチームワークを高めるゲームをしました。毎年この時期になると、特に女子塾生の間で、人間関係が問題となってきます。上級生と下級生、気の合う子と合わない子、コミュニケーションの不足や行き違いなどで、チーム内の人間関係がギクシャクしてくる時期なのです。現代の子ども達に不足している異年齢・異文化(習慣)との交流体験を補う意味でも、是非ともギャップを乗り越えて、器の大きな人間に成長してもらいたいものです。
これは段々と数を減らされていく座布団の上にチーム全員(+担当スタッフ)が載るチャレンジです。最終的には座布団1枚を半分に折った上に載るまで挑戦してもらいました。
これらのゲームの際、塾生から「集中しよう」「工夫」「協力」「意見を聞く」などのキーワードが聞かれました。そういう発言の見られるチームは、やはり良い成績を出せていたようです。反対に「マネされた」「ずるいよ」「もうあきた」などと発言をするメンバーがいると、チームのモチベーション(意気込み)が下がってしまう…ということを塾生たちは身を持って感じたことでしょう。
これはチームの全員に番号を振り、その順番通りに如何に早くボールを回すか、というチャレンジです。誰かのアイデア発案により全く新しい手法が取り入れられ、タイムが大幅に短縮していくことによって、ブレイクスルー(壁を突破)する快感と興奮を味わう事ができます。
ここからは、バラバラに入手してくるヒントを元に、ある順番を推理するチャレンジです。
十数種のヒントは個別に封筒に入れられ、別室に並べてあります。それを各チームから1名ずつ順番に派遣されたメンバーが読み、暗記して戻ります。重複して同じヒントを開けたり、順位には関係のない情報が記されていたりと無駄足を踏んでばかりの塾生もいました。
今回のお題は、駆けっこで競争したスタッフの順位。情報を整理して正しく解析しないと、複雑に入り組んだ順位を推理することはできません。メモを書き記す人のセンスも勝敗の要因になったのかもしれません。
最後に種明かしをして答え合わせをしました。さらに、早く正解に辿り着いたチームからは、成功の秘訣を聞きました。その内容は「リーダーが正しい指示を出したから」「役割分担をしたから」「みんなの協力と推理のため」でした。

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