本文へ移動

第20期(2021年度)

7月4日 女子第6ステージ

2021-07-09
カテゴリ:女子ステージ
お久しぶりです。
第1ステージを終えてから2か月半が経ちましたね。みなさん元気でしたか?第6ステージは大雨の影響で活動が中止となってしまい、大変残念でしたね。各地で大雨の被害が報告されていますが、みなさんのお家の周りは大丈夫でしたか?年々自然災害の規模が大きくなり、防災への備えが重要になってきました。万が一を想定して、非常食の準備や避難場所の確認をしておきましょう。
さて、今回の活動報告では、今ステージに予定していた、”コムギの脱穀(だっこく)・風選(ふうせん)”の紹介をさせていただきます。

コムギの脱穀(だっこく)
19期生が種をまき、スタッフが6月に収穫したコムギを脱穀(だっこく)します。
脱穀は穂(ほ)から実を離(はな)し、殻(から)をむく工程です。自然塾では、脱穀機という機械を使って脱穀します。脱穀機はローラーに櫛(くし)状の刃がついて、ワラ束に刃がくいこみ、バリバリと穂を飲み込みながら実を離していきます。ワラをつかむ手も脱穀機に飲み込まれそうになるので、少しヒヤヒヤしますが、塾生の中には「楽しい!」と喜んで作業してくれる人もいます。
コムギの穂先です。殻(から)の先端から細長いトゲのようなものが伸びているのがわかりますか?これを”芒(のぎ)”といいます。靴下に刺さるととても痛いです!
塾で使っている脱穀機です。歴史を感じる見た目をしていますよね。この機会は昭和26年製で、人間の年齢だと70歳になります!まだまだ現役のご長寿脱穀機です。
脱穀機の入り口はこんなかんじになっています。尖(とが)った刃がいくつかついているのがわかるかな?これでコムギの束をバリバリ飲み込んで、穂から実を離してくれます。
レッツ、脱穀!ものすごい勢いで穂から実が落ちていきます。間違って手を入れたら大変‼機械は便利ですが、正しく安全に使ってこそ、意味があります。
脱穀したコムギは茎や葉、殻が付いたままの実、塵などがごちゃ混ぜの状態になっています。このままではコムギ粉にできないので、実とそれ以外を分ける必要があります。
ここで閑話休題(かんわきゅうだい)。江戸時代には”千歯扱き(せんばこき)”という道具を使い、人力で脱穀をしていました。のこぎり状の刃の隙間(すきま)に穂先を入れて引き抜(ぬ)くと、実だけが落ちる、とても画期的な道具でした。千歯扱きが発明される前は、”扱き箸(こきばし)”と言う道具が使われていて、1日で脱穀できるのはせいぜい10束前後だったそうです。
農業と道具の歴史って面白いですね。苦労を経験すると、便利なものをつくるひらめきを得ることができるのだと思います。みなさんも、大変なことにも進んでチャレンジできるようになると、新たな発見やひらめき、出会いに恵まれるかもしれません。
さて、脱穀が終わったら、次は風選(ふうせん)です。
コムギの風選(ふうせん)
風選(ふうせん)は風の力を使って、コムギの実と茎や葉、塵(ちり)などを選別する工程です。葉や塵は軽いので、葉や塵は風に飛ばされますが、実は重いので風に飛ばされずに落ちてきます。また、しっかり中身が詰まった実とスカスカの実も選別することができます。似たような選別方法に”塩水選”というものがあります。これは、発芽しやすい種を選ぶ時に使われる方法です。特に、イネの種籾(たねもみ)を選別するときに利用されます。しっかり中身が詰まっている種籾は重いので沈みますが、スカスカの種籾は軽いので浮かびます。どちらも自然の力や身近なものを使っていますね。
これが”唐箕(とうみ)”と呼ばれる道具です。写真正面の四角い口から葉や塵などが出てきます。
中身がしっかり入っている実は、写真中央の緑色の箕(み)のところに落ちてきます。小石や殻付きの実なども一緒に落ちてきます。
「ストップ」の合図があるまでハンドルを回し続けます。男子塾生からは「腕が熱い!」「まだ?疲れた!」といった言葉が良く出ていました。
最後は人の目と手で、実とそれ以外を選別します。殻が付きの実は手で殻を外して実を取り出します。
風選が終わったコムギの実です。中身のしっかり入っている実だけになっているのがわかりますか?
コムギ一粒のサイズは約6mmくらいです。この一粒が来年のコムギの種になります。
それでは、コムギの話に戻ります。
風選は、”唐箕(とうみ)”という道具を使って行います。塾の唐箕は自動ではなく、手動でハンドルを回して風をおこします。そのため、同じ速さで動かさないと実と葉、塵が混ざったまま出てきてしまうので要注意です。コムギが全部下に落ちるまでハンドルを回し続けなければいけないので、塾生からは「腕が熱い!」「疲れた!まだ?!」の声がよくあがります。みんなにも体験してほしかったな…。
編集後記
女子塾生にはコムギの脱穀・風選の体験をしてもらうことはできませんでしたが、男子塾生が脱穀・風選をしてくれました。そのコムギを使った冷や麦がいずれ昼食で登場すると思いますので、その時は是非、味わって食べてください。
東京都に4度目の緊急事態宣言が発出され、塾に来られる日がまた遠のいてしまいました...。女子塾生は入塾式と第1ステージしか塾に来ていませんね。気持ちが切れないように、できる限りのことはしていきたいと思っておりますので、ご案内差し上げた際は、参加していただけると幸いです。
                                                                                                                                        M.T
TOPへ戻る