◇ハイキング
５月２８日（金）　　５月２９日（土）５月３０日（日）
この日は、夏のような力強い太陽が輝く中、不思議な形をした雲が空にポッカリと浮かんでいました。地震雲ではないか？と、塾生もスタッフもしばし騒然となりました。しかし、それも杞憂でした。いま思い返すに、あれは素晴らしい一日を暗示していたのではないでしょうか。
	ＡＭ9:00出発。まず最初に目指すのは、塾舎から歩いて約40分程のところにある宮地山（標高512m）の頂上です。
住宅地を抜け、森に入って早々、朽ちた木の中から小さなクワガタを見つけ出した塾生。さすがに目ざといですね。
	宮地山山頂のチェックポイントに着いたチームは、しばし休憩。おやつとお茶でホッと一息です。
ここで、自然と親しむためのプログラム①として、森を使った鬼ごっこ（鬼の引いたカードの絵と同じものを森から探してみる）をしました。
	この時のお題は「人工物」。心無いハイカーの捨てた空き缶のプルトップを発見して誇らしげです。勿論、道中見つけたゴミは自分たちのゴミと共に持ち帰りました。
休憩の後は再び歩き始めます。この辺りから道や脇の斜面が急になってきました。気を引き締めて、次のチェックポイントを目指します。
	自然塾名物（？）「峠の茶屋」にて。例年ここで弁当を受け取るのですが、なんと今年はラムネの配給もありました。一息に飲み干した後、現在のプラ容器では容易に取り出すことが出来てしまうビー玉を何人かの塾生が集めていました。
さぁ、再出発だ！目指すは、シダンゴ山の山頂(758m)。
	残すところは、あと少し。この心臓破りの急階段を上りきるだけ！自分の限界を知るためにも、休まず一気に登ってみよう。
山頂手前の森林を抜けると唐突に開ける展望。山頂を囲む馬酔木（アセビ）の林は丈が低いために頭上の見晴らしがよく、空の青さに感動しました。
	山頂には山名由来が石に彫られていました。シダンゴ山はもともと『震旦郷』と書かれ、『震旦』とは中国の旧異称だそうです。また昔仏教を当地に伝えた仙人がこの山に住んでいて、その仙人のことをシダゴンと呼んだことからシダンゴ山と呼ぶようになったともいわれているそうです。ちなみにシダゴンとは梵語で羅漢(仏教の修行を積みさとりに達した人)を意味するとのことです。

	弁当を食べてゆっくり過ごした後、自然と親しむためのプログラム②（頂上手前の森の中の様々なもので芸術を作ってみる）をしました。
各チーム、思い思いに、お題の「シダンゴ山」についてイメージを膨らませて、立体的な造形を完成させていきました。
	制限時間が過ぎると、自信のあるチームから順番に作品名や工夫した点を発表していきました。（森の芸術家たちが作品を囲んだ写真は各チームのページをご覧ください）
プログラムが終わったあとは材料を元あった所に戻してから下山を開始しました。帰りは皆の足並みが揃い、列が前後に長く伸びずに一塊の集団として動いていました（前半だけでしたが…）。
	下りの休憩ポイントで、ヒノキを例にして、季節で変わる木の生態について、ボランティアスタッフさんから解説がありました。
この時期は木が水をたくさん吸っているので数ヶ月前に落下した枝に比べ、枝の皮を剥がし易い、ということを実際に体験して学びました。
	再び塾への路を急ぎ歩いていると…あれ？よーく見ると茂みの中に幾つかの野イチゴがなっていました。オレンジ色に輝く野イチゴは、とっても美味しそうでした。
ということで、さっそく口の中へ。酸味があるけど、とても奥深い味わいでした。やっぱり野の食材は採ったらすぐに食べるのが一番ですね。
	「ただいま！！」塾舎と畑に向かって、大きな声で帰還を告げる塾生たち。予定よりも随分と早く到着してしまいました。
解散する前にハイキングを振り返って、塾生一人一人に感想を述べてもらいました。「疲れたけど楽しかった」という意見が最も多かったようです。
◇その後
	夕食まで余った時間を各チームで有効活用するように申し渡したところ、そのままの姿で（中には荷物を背負ったまま）チーム農園作業に取り掛かる塾生が続出しました。疲れた体にムチ打って、急を要する作業（シカ除けのネットを張るチームが多かったようです）に熱心に打ち込む姿には感心させられました。

この日、食事当番はチーム農園ができなくて残念でしたが、早めの風呂に浸かってサッパリしてから、気分一新カレーつくりに精を出しました。きっと、お腹が空きすぎて、よだれを落とさないように調理するのは大変だったのじゃないかと思います。
	夜の塾活動では、道具を使う上で必ず必要になってくる「刃物の手入れ」に挑戦しました。といっても、「研ぐ」のは先の話。塾生たちには、日頃お世話になっている鋸や剪定ばさみに刃物油を注油して磨いたり、スチールウールで鍬の錆を落としてもらいました。思いのほかピカピカにしてくれましたよ。