2018.10.12~14
第15ステージ ~女子~
ステージテーマ:「全身でハイキングを楽しもう!たくさんの発見をしよう!」
共同生活の目標:「ルール・マナーを守る」
このステージでは、自然塾の西にある高松山にハイキングに行きます。いつもは農作業を通じて自然に接している塾生たちですが、今回はいつもとは違った自然の中を歩き、あらゆる感覚を使って自然を感じ接してほしい、いろいろな発見をしてほしいという思いから、「全身でハイキングを楽しもう!たくさんの発見をしよう!」というテーマを掲げました。共同生活の目標は、山でも共同生活でも大切な「ルール・マナーを守る」とし、ポイントは塾生全員で決めました。
■ 10月12日(金) 夜の集い
活動を始めるにあたって塾頭より話がありました。
「明日は高松山という山に登ります。自然塾からは約500mの登りです。途中、山や集落の中を歩きます。ハイキングの目的は2つあります。①たくさん自然を楽しむこと、②山と人との関係を考えること。そのために、よく観て、よく話を聴いてください。
ぜひ、自分の気力・体力を試してください。そして、全員で助け合い、一緒に頂上に立ちましょう。また、山のルール・マナーを守って歩くようにしてください。
共同生活目標も全体で一つ決めます。助け合って全員で取り組んでください。連携感のあるステージにしましょう。」
■ 10月13日(土) ~高松山ハイキングへ出発~
いよいよ高松山へ出発です。お弁当やおやつ、飲み物をリュックに詰めて、しっかり準備体操をしたら、Let's Go!
←って、何やってんの??
■ 10月13日(土) ~高松山ハイキング~「登山口まで」
自然塾を出発してからしばらくは、集落の中の道、そして林道を歩いて登山口に向かいます。
登山口の案内板を見つけて。
昔、峠の両側の村から花嫁さんが行き来した道です。地元の有志の方々が整備してくれました。
車も通れる道ですが、もうさまざまなものを見つけましたね。
道のわきには、清冽(せいれつ)な渓流が流れています。
■ 10月13日(土) ~高松山ハイキング~「登山口にて」
車道を歩いて登山口に到着しました。
荷物からさっそくおやつを出す塾生たち。ハイキングならではのお楽しみだね。
休憩を取った後、感覚を研ぎ澄ますために「五感の体操」を行いました。
目を閉じたまま、光や音や匂いを感じます。この日は曇りだったため、明るいと思う方向を見て目を開けたとき各自の向いている方角はバラバラでしたが、各々木漏れ日の方向を向いていました。
登山口には丸い鐘が設置されています。山歩きの安全を祈って鳴らして、いざスタート。これからは人の世界を離れ、自然の中に入っていきます。
■ 10月13日(土) 高松山ハイキング~「人工林の中を登る」
林道を離れ、山道へ。細い山道の登りが続きます。
よし、行くよ!余裕の笑顔。
倒木も乗り越え、
見事な人工林の中につけられた道を登っていきます。
斜面が急な場所にはロープが張られているところもあります。
何を指さしているの?
(ちなみに、横に生えている木は、昔紙を作るのに使われた「ミツマタ」の木です。)
昔このあたりの人たちは花嫁さんのことを「はなじょろう」と言ったそうです。道沿いにはいくつもの動物たちのアートが作ってあり、みんなを応援してくれます。
■ 10月13日(土) ~高松山ハイキング~「生き物たちの跡」
山道を歩いていると、いろいろな生き物たちの痕跡(こんせき)に出会うことができます。
(左上)イノシシのヌタ場(お風呂)イノシシが泥で体についた虫などを落とす場所です。
(左下)何かの獣の足跡
(上)白くふわふわの鳥の羽
■ 10月13日(土) ~高松山ハイキング~「炭焼き窯跡にて」
山道の途中に、昔使われていた炭焼き窯跡があります。昔の人はここで炭を焼き、小学校高学年では45㎏もの炭を背負ってふもとの村まで運んでいたそうです。
今まで通ってきた人工林の世話の話や、山が荒れたらどうなるか、といった話もしました。
■ 10月13日(土) ~高松山ハイキング~「峠までもう少し」
炭焼き窯跡を過ぎると空が近づいてきます。峠までもう少し、頑張りましょう!
滑らないよう気をつけて、木の橋を渡ります。結構高さがあり、みな真剣な表情です。
このあたり、根元からたくさんの幹が出ている独特な姿の木、「アブラチャン」がたくさん生えています。油分が多く、薪としてもよく燃えるほか、この実からとれる油は昔は灯かりの原料に使われました。
■ 10月13日(土) ~高松山ハイキング~「峠にて」
あたりがぱっと明るくなりました。ようやく峠に着きました。
ここは人里離れた場所です。自然の中で、自分自身と自然に向き合う時間を持ちました。
登りついたみんなには、まず自分の心臓の鼓動を感じてもらい、その後「瞑想」を行ってもらいました。
人工的な物音の何一つしないこの場所で、目を閉じ、静かに心を落ち着かせ、自然の音や風に耳を傾けました。
深まる秋の中で鳴く鳥の声が響いていました。
■ 10月13日(土) ~高松山ハイキング~「峠から頂上へ」
峠を後にし、いよいよ山頂を目指します。
すぐにまた登り。しかし、まわりが明るく開けているせいか、皆の足取りは心なしか軽く感じられました。
数メートル下るちょっとした岩場が出現。ロープに沿って慎重に下ります。
頂上までもう少し。ここからは危険な所もないので、走りたい塾生はよーいドン、で競争です。
やったぁ!頂上に着いた~!
いきなり目の前に大展望が開けました。
■ 10月13日(土) ~高松山ハイキング~「山頂でお昼ご飯(お弁当)」
大変な思いをして登り切った後、開けた山頂でいただくお弁当は最高!
どちらを向いても、おいし~い、という笑顔。
スタッフが持ってきた袋の中から現れたのは!?
特大ポテトチップス!
まわりから歓声が上がりました。
何が見える?よく見える?
持ってきた双眼鏡で遠くを見ています。
この日は高曇りで青空こそありませんでしたが、遠くの景色までよく見えました。
頂上の一角にある木に登り始める塾生も。塾のまわりの木とはまたちょっと違うかな?
■ 10月13日(土) ~高松山ハイキング~「山頂で記念撮影」
全員で記念写真を撮りました(後ろに見えているのは箱根山です)
みんなが手を振る先には?
ドローンでも記念写真を撮ってもらいました。
チームごとでも記念写真を撮ってもらいました。
台風で倒れた大きな倒木の上で。
箱根山をバックに。
このチームはちょっと工夫しました。でも、この構図、普通のデジカメで撮るのはむつかしい。ドローンでの撮影をお願いしました。
■ 10月13日(土) ~高松山ハイキング~「下山~塾へ」
楽しく過ごした山頂に別れを告げ、山を下ります。自然塾までまだ道のりは長いです。
登りのつらさはどこへやら。どんどん下る塾生たち。
自然塾の見えるポイントで。
どんどん下ります。
ここのアブラチャンの林の根元には、毒草のトリカブトがたくさん生えています。これがトリカブトだよ、と話を聞き、恐る恐るのぞき込む塾生たち。
再び車道に出てしばらく下ったところで、獣除けネットに角が絡まって暴れまわる雄シカがいました。
塾生たちからは、「可哀そう」の声が。
再び集落に戻ってきました。チームごとに分かれて、昔の人の暮らしを思い今の人たちの暮らしを考えたり、今日のハイキングで発見したことを振り返ったりしながら塾を目指しました。
塾までもう少し。小さな沢の上にかかる木の橋の上で。
車に轢(ひ)かれたのでしょうか?小さなヤマカガシの死骸がありました。
■ 10月13日(土) ~高松山ハイキング~「ハイキングの感想」
丸1日かけたハイキングを終えて、自然塾に戻ってきました。全員一言ずつ感想を伝え合いました。
「初めて山に登ったけれど、山頂からの景色が素晴らしかった。」
「登りは大変だったけど、頂上に着いた時の達成感があった。」
「登りは大変で話すこともできなかったけど、下りではおしゃべりしながら下りてこられて楽しかった。」
「頂上で食べたお弁当がとてもおいしかった。」
「初めて鹿を見れたけれど、ネットに絡まっていて可哀そうだった。」
それぞれ、感じたものがあったようですね。
■ 10月13日(土) 夜の塾活動 ~俳句(ハイキングを振り返って~
今日のハイキングを振り返って、一人一句俳句を作り、発表してもらいました(自然塾ルールでは、季語はなくても大丈夫です)。
「塾出発 テンション高いの 最初だけ」「上り坂 会話は弾むが 行き絶え絶え」
登るのは、本当に大変だよね。

「てっぺんが 見える見えない 話し合う」
着きそうでなかなか着かない頂上。じれったいね。

「はだざむい 風もいつしか 熱意へと」
秋のひんやりとした空気の中でも、気持ちが徐々に熱くなっていった様子が伝わります。

「山頂の 景色とともに 達成感」「登頂し 待っていました この景色」
頂上に着いた時の、達成感と充実感、開放感、最高だね。

「山道で 耳に聞こえる 鳥の声」「川の音が かすかに聞こえ 耳をかす」「風の声 ススキが聞いて 舞を舞う」
自然の中の音や気配、いろいろなものを感じられたね。

「キレイだな 私が見つけた 毒キノコ」「トリカブト きれいな花には 裏がある」
自然の中には、危険なものも潜んでる。そんなことも発見したね。
■ 10月13日(土) ハイキングの振り返り「昔の暮らしと今の暮らし」「出会った命」
最後に今日のハイキングで見ることのできた、昔の人たちが使っていたものを確認し、それがどのように使われていたか、今はどんなものに置き換わっているかをスライドを見ながら振り返りました。
また、ハイキング中、どんな命に出会ったかについても振り返りました。
■ 10月14日(日) チーム農園作業
台風で飛ばされてきた杉の小枝が畑中に散らかっていました。雑草取りなるぬ、小枝集めで一仕事。
オクラの収穫もいよいよ終わり。この後片づけました。
見て見て、こーんな立派な小松菜がとれたよ!
空いた場所に種をまいています。
あと3ステージ、育てられるのは葉ものくらいですが、自分たちのチーム農園を有効に使おうと頑張りました。
■ 10月14日(日) 卒塾アルバムのチームページ作り
チーム農園作業を終了したチームは、卒塾アルバムのチームページ作りを行いました。イメージもほぼ出来上がり、完成に向けてラストスパート!
■ 10月14日(日) 帰りの集い
活動の終わりにあたって、塾頭より話がありました。
「ハイキングでは頂上での達成感を感じてもらえました。山に登るといろいろなことを感じられます。苦労して登りましたが、自分自身に自信を持ってほしい。
登山ができたのは、たくさんの人のおかげです。①大自然、②山道を作り整備してくれている人たち、③お父さん・お母さん・調理師さんといった、みんなを支えてくれている人たち、人々の助けに感謝をしましょう。おかげ様の心を忘れないようにしましょう。
山と海とはつながっています。山から流れ込むきれいな水のおかげで、海の生物は生きていけます。そのためにも思いやりの心をもってルール・マナーを守り、山を大切にしましょう。」
■ 編集後記
ハイキング当日、すっきりしない曇り空でしたが、事前の雨予報は消えて無事ハイキングへ行くことができました。涼しくなったせいかヤマヒルも少なく、落ち着いて山歩きができました。高曇りの空は青空こそ見せてくれませんでしたが、山頂からは遠くまで見渡せ、秋の爽やかな風が吹き、思う存分充実した時間を過ごすことができました。そして何より、スタートからゴールまで、全員で歩き切ることができ、大変な思いの中にもたくさんの発見や、いろいろなものを感じ取ってくれました。
自然の中で感じたこの感動をいつまでも大切に、またこれからも生かしていってほしいと思います。
T.K.

■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・新ショウガと秋刀魚の炊き込みご飯(新ショウガ、ゴボウ、青じそ)
・豆乳鍋(新ショウガ、ゴボウ、白菜、間引き菜)
・茹で落花生(落花生)

土曜朝食 ・五目炊き込みご飯(ゴボウ、コンニャク)
・おでん(新ショウガ、コンニャク、ジャガイモ、里芋、ゴボウ)メニュー(塾で取れた野菜)
・メニュー(塾で取れた野菜)
・メニュー(塾で取れた野菜)

土曜昼食 ・ハイキング弁当(タマネギ、ニンジン、ピーマン、パプリカ、ショウガ、ゴボウ、空芯菜、間引き菜、梅干し)

土曜夕食 ・カレーライス(タマネギ、ニンジン、ナス、ピーマン、パプリカ、ナス、しし唐、ジャガイモ、カボチャ)
・サラダ(玉レタス、サニーレタス、タマネギ、パプリカ)
・ポテトサラダ(ジャガイモ、タマネギ)
・果物(みかん)

日曜朝食 ・釜炊きご飯
・味噌汁(味噌、タマネギ、冬瓜、四角豆I)
・すきやき煮(タマネギ、ゴボウ、コンニャク)
・落花生豆腐(落花生)

日曜昼食 ・あんかけご飯(タマネギ、ピーマン、パウリか、ゴボウ、四角豆、玉レタス)
・ゴボウサンド(ゴボウ、リーフレタス、タマネギ)
・茹で落花生(落花生)
果物(みかん)