2018.04.13~15
第03ステージ ~男子~
ステージテーマ:「農作業の基本、畝たて植え付けを行おう!」
共同生活の目標:「時間を守る」
市村自然塾から見る景色は新緑に包まれ、すがすがしい季節を迎えています。
今回は、キャベツ、レタスの苗を植え付けました。クワで畝をたてる動作は、作物を育てる上で繰り返し使う動作です。塾生たちにとっては初めての経験。丁寧に行ってもらいました。
自然塾の活動も、今回で3回目。だいぶ活動に慣れてきたので、共同生活を送るにあたって大切な『時間を守る』ことを意識しながら、すごしてもらいました。
■ 04月13日(金) 夜の集い ~塾頭の話~
活動の始めに塾頭からお話がありました。
「季節が移り変わって新緑が美しいですね。この期間は短いです。外で遊んで季節を感じてください。
テーマにある、畝たて植え付けは基本通りに体験して覚えてください。今回の作業ではキャベツ、レタスの苗を植えつけます。苗は野菜の赤ちゃんのようなものです。愛情を持ってやさしく扱ってください。野菜は愛情にこたえて育ちます。人に対しても同じ、相手を思いやりながらすごしてください。
共同生活の目標は「時間を守る」ことです。一人が遅れるとチームが遅れ、全体も遅れてしまいます。時間を意識してテキパキした行動を心がけることと、早く終わった人は他のメンバーを手伝ったり、助けたりしてください。
塾で初めてチームで協力して取り組む、味噌つくりでは、協力し、助け合いながら楽しく作りましょう。」
■ 04月13日(金) 夜の集い ~大豆の観察~
「2つの豆の違いは何でしょう?」
問いかけに対して、
「種類が違う!」
「枝豆と大豆の違い!」
など、いろいろな意見が出ました。
大きさの違いはみんなわかるようです。正解は、実はどちらも同じ大豆。ただ、大きいほうは10時間くらい水につけてふやかした大豆。もう10時間くらい水に浸し、3~4時間煮る作業があります。すでに味噌つくりが始まっているのです。
■ 04月13日(金) 就寝前
お風呂上りに有志が卵の殻(から)を砕いてくれました。
大きすぎず、小さすぎず…。
「何に使うの?」
それは、明日のお楽しみ!
■ 04月14日(土) 共同農園作業
 ~キャベツ、レタスの植え付け~
キャベツ、レタスの植え付け。道具を畑に運び、スタッフからの説明を聞いて早速スタート!
まずは畝(うね)たて。クワを扱う手つきはまだまだですが、それでも土を盛り上げ、形ができてきました。
土が盛りあがったら、クワを置いて畝を手で平らにします。よく見て、デコボコがないか、土の塊(かたまり)がないか丁寧(ていねい)に作業を行いました。
畝の形ができたら、苗を並べました。
「その向こうから5番目の苗、もうチョイ右ー!」
まっすぐに並んでいるかチェック!
まっすぐ並んでいるのを確認したら、いよいよ植え付け。このとき、植えつける穴の深さはポットの土の高さと同じくらいの深さの穴を掘り、葉が折れないようポットから出し、気をつけてやさしく苗を扱いました。
植えつけたら終わりではなく、肥料をあげます。このときにも注意がありました。葉に肥料がかからないように、しっかりと土の中に隠れるように行いました。
ここで卵の殻の登場。
キャベツの苗は「ネキリムシ」という害虫の被害があります。市村自然塾では農薬を使わないため、卵の殻で苗を守ります。
細かすぎず荒すぎない殻の大きさを、虫が嫌がるそうです。
そして水やり。植えつけた直後はたくさんの水が必要です。しかし、畝の土が流れないように注意が必要。
「お代わりあるー?」
畝と水タンクの間を何往復もして水をたっぷりあげました。
最後にひと作業。青虫から身を守るために防虫ネットをかけます。ネットかけのコツもスタッフから教わりました。
これで、一通りの作業が終わり。これからチーム農園でも生かしてください!
■ 04月14日(土) あしおとツアー
畑の様子を見に行くことも作物を育てるにあたって重要なことです。頻繁(ひんぱん)に畑の作物を見に行き、様子を知り、必要な世話を逃さないことが作物を上手に育てるコツです。
「あー!芽が出てる!!」
第1ステージに植えつけたジャガイモ、第2ステージに種まきをしたゴボウが共に芽を出しました。順調ですね。塾生たちには芽の違いを観察してもらい、今後どんな世話が必要か考えてもらいました。
次のステージでジャガイモの世話を行いますよ。
■ 04月14日(土) チーム農園作業
チームごとに、チーム農園作業を行いました。畑に出て作業をするチーム、室内で計画を練るチームとさまざまでしたが、集中して行いました。
「次は60cmのところ!」
畑の計画図から、実際の畑のどこに何を植えるか、竹で目印をたててます。
「あれ?通路が狭い??」
もう一度確認してたて直し…。
「ジャガイモが、カラスにやられている!!カラスのバカヤロー!」
なんと、前回植えつけたジャガイモの種芋をカラスがほじくり返して食べていました。
「ここは大丈夫!」
一つ一つ確認して、やられてしまったところには再度、種芋を植え付けました。
このチームは、計画を進めています。
「キュウリ植えたい人、何人いる?」
何を育てるか、畑図を見ながら相談中。
午前中行った畝たてを早速実践し、トウモロコシの種をまきました。
目安棒を参考に種をまく場所を確認。
チーム農園にゴボウの穴掘りが終わり、前回からかけていたブルーシートをデッキブラシでごしごし。
「なんか、カーリングみたい。」
楽しく協力して作業を進めていました。
このチームは3種類のヤマイモを植え付けました。
「急げ!時間がない!!」
少ない時間の中、がんばって植えつけ終了!芽が出るのが楽しみですね。
■ 04月14日(土) 塾活動 ~チーム農園作付け計画発表~
どのようなチーム農園にするか、何を育てるか、そのために何をがんばるかをそれぞれ発表してもらいました。
「みんなで協力して、楽しく、美味しい野菜を作る。」
「自然塾ギネスをとる」
「サッカーボールくらい大きなスイカを作る」
「20個以上作る」
「ここにはトウモロコシを植えつけます。」
チームの思いが詰まった発表です。
チーム農園で自分ががんばることを発表してもらいました。
「声をかけ合い、協力できるようにする。」「自分の子どものように愛情を注ぐ。」「面倒なこともがんばる。」「ギネスが取れるように世話をしっかりやる。」
最初の気持ちが大切です。忘れないように一所懸命がんばってください!
■ 04月14日(土) リーダー会議
「塾の活動を安全で楽しいものにするため、どんなことをしていくか、みんなに知ってもらいたい問題はないか、伝え合おう。そして、話し合い対策を考えよう。」
塾頭より、リーダーの役割と会議について説明がありました。
早速戻ってメンバーたちに会議の内容を伝えました。
塾の活動をみんなで楽しいものにしたいですね。
■ 04月15日(日) 塾活動 ~味噌つくり~
まずは、麹(こうじ)を大豆の煮汁とあわせて柔らかくします。
「なんだか味噌っぽいにおいがする。」
部屋に麹の香りがひろがります。そのうち…
「手がかゆい!しみる!!」
塩きりをした麹は皮膚が弱い人にはしみるようです。手についた麹を落として洗面台へ急ぐ塾生もいました。
麹をやわらかくしている間に、味噌のお話をしました。歴史、効能作り方など。
「1300年もの歴史があるのか?!」
「健康にいいんだ!」
普段、何気なく食べている味噌をより深く知ることができたようです。
説明を聞いて、作業再開!
大豆と麹を混ぜます。この作業を雑に行うと大豆や麹がこぼれてしまいます。
「一粒も無駄にしないように…」
丁寧に、しっかりと混ぜました。
しっかり混ぜることができたらミンチ機に入れてつぶす作業。材料を入れる係り、押し出す係り、丸める係りと、チームで役割分担して作業が進みます。
つぶれた材料を味見…。
「しょっぱ!…でも、おいしい!」
まだ熟成されていない味噌は塩味が強いようです。これがあの味噌になるのか半信半疑です。
雑菌が入らないように、アルコールでまわりを拭き、ラップで空気も入らないようにして、封印!
最後は塾頭室の床下にみんなで運びました。
ここが一年通して気温差が少なくて、味噌がうまく醗酵(はっこう)するのです。みんな頭を突っ込んで、
「涼しい~!」
後は11月まで熟成させます。
「美味しい味噌になりますように!」
みんなで願いをこめました。」
■ 04月15日(日) 帰りの集い
活動のまとめとして塾頭からお話がありました。
「共同農園作業の畝たて、丁寧にできていたと思います。一つ一つの作業の内容の意味を考えて、わからなければ質問しましょう。味噌つくりは大変。大豆を作ってくれた人、麹を作ってくれた人、味噌の作り方を研究してくれた人、さまざまな先人の知恵が詰まっています。どんなことをしたのか家族に話してみましょう。6ヵ月後の味噌の開封、そして新しい味噌の味を楽しみにしてください。
チーム農園発表、みんなよくまとまっていました。みんなで協力してまとめ上げることが大切です。これからもチームでの協力を大切にしてください。チーム農園作業もよくできていた。これからよく見て、観察して、何が必要か読み取ってください。思いやり、愛情を持って育ててください。
共同生活目標の時間を守ること。できていない人は対策を考えましょう。自分に厳しくなって直していきましょう。時間を守れると人から信頼されるようになります。今後もがんばってください。」
■ 編集後記
今回、チーム名、チーム農園で育てる作物が決まりました。このチームはただの人の集まりではなく、目標を持ち、そこに向かってみんなが力を出し、協力し達成へ向かう人の集まりなのです。これから、目標に向けてチーム一丸となってがんばってもらいたいです。
味噌つくりの時、作り方を教えてくれた先生のお話をみんなに話しました。「味噌はまわりの野菜のうまみを引き出す。みんなも味噌のようにまわりの人のよいところを引き出せるような人になってください。」これから、味噌の開封が17ステージ。それまでに、みんなが味噌のような人になれるか楽しみです。
K.M.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・ご飯
・コンソメスープ(ほうれん草、キャベツ、ネギ)
・味噌串カツ(味噌、ネギ、ジャガイモ)
・千切りキャベツ(キャベツ)
・ほうれん草のソテー(ほうれん草)
・土佐文旦

土曜朝食 ・大豆食品17種類を使用した献立(ネギ、里芋、味噌)

土曜昼食 ・チキンライス(ネギ、パクチー、キャベツ、ほうれん草)
・冷やし坦々麺(ネギ、パクチー)
・土佐文旦

おやつ ・蒸し芋(シルクスイート)

土曜夕食 ・タケノコご飯(タケノコ、山椒)
・すまし汁(タケノコ、ネギ、キャベツ)
・かき揚げ(サツマイモ、ネギ)
・天ぷら(タケノコ、こごみ)
・キャベツのおひたし(キャベツ)
・こごみのゴマ和え(こごみ)
・ノビルの酢味噌和え(ノビル)

日曜朝食 ・釜炊きご飯
・味噌汁(ネギ、ジャガイモ、カブの葉)
・煮物(里芋、タケノコ、山椒)
・タケノコのそぼろ煮(タケノコ)
・芋けんぴ(サツマイモ)
・芋もち(ジャガイモ)
・やみつきキャベツ(キャベツ)
・だし取り後昆布鰹節の佃煮

日曜昼食 ・あんかけ炒飯(ネギ、チンゲン菜、カブの葉)
・肉まん(ネギ、タケノコ)