2017.03.05
2017年度 入塾式
おだやかな陽気の中、16回目の入塾式が行われました。今年も男女合わせて56名の塾生が入塾しました。
■近藤会長ご挨拶(あいさつ)
はじめに自然塾の活動を支援してくださっている、株式会社リコーの近藤会長より、ご挨拶(あいさつ)をいただきました。
「先日、大手進学塾の経営者の話を聞く機会がありました。有名大学に入ることが、人づくりや教育だといった話でしたが、私はそうは思っていません。社会の人の役に立てる場所を見つけること、またその基礎を作ることが人づくりであり、教育だと思うのです。
自然塾へお子さんを送り出してくださったご家族のみなさんは大変勇気がありますね。
子ども達はこの場所で、さまざまな事を学びます。チームワーク、自分の役割を果たす事、集団で行動する事を学びます。自然塾での経験は一生の宝になるでしょう。そして、『自分が人のためにしてあげられることは何だろう』と考えられる人になって欲しいです。ぜひ9ヶ月間、頑張ってください。」
■代表理事の辞
次に、加藤代表理事よりお言葉をいただきました。
「みなさん、ようこそ市村自然塾へ。自然塾の名前の由来を知っていますか。この市村はリコー創業者の市村清(きよし)から付けました。今日は、みなさんに市村清が掲(かか)げた『三愛(さんあい)』という言葉を贈(おく)ります。市村清は「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」という言葉を説(と)きました。人を大切に思うことが『人』を愛するということです。『国』とは、皆さんがいるその場所が国となります。ここ自然塾の地である寄(やどりき)、日本、そして地球の大切さを学んでください。その経験をもとに、この地球を救う大人になってほしいと願っています。
『勤め』は自分で何をするか考えることです。自然塾では、仲間と取り組む農作業や共同生活がありますね。いっしょうけんめい取り組んでください。
この3つの愛を育めるようスタッフがサポートしていきます。
今日はみなさん緊張(きんちょう)した顔つきですが、卒塾の時にどう変わっているか楽しみです。9ヶ月間一緒に頑張っていきましょう。」
■顧問(こもん)の辞
次に、西野顧問よりお言葉をいただきました。
「みなさん、入塾おめでとうございます。これからいよいよ塾の活動が始まります。次の3つの中から、今のみなさんの気持ちを教えてください。
1、楽しみに待ってた、早く行きたい
2、ふつう、どちらでもいいかな
3、最悪、本当は行きたくなかった
今年は1番の人が多くいました。けれど中にはちょっと…という人もいますね。正直な気持ちをありがとうございます。今までの先輩たちの中にも、初めは塾に来ることが消極的な子がいました。けれど卒塾の時には「もっとやりたい」という子が多いです。むずかしく考えず、気楽な気持ちで通ってきてください。
9ヶ月間の活動中、いろいろな出来事があるはずです。時には問題が起こるかもしれません。その時は仲間同士で知恵を出し合って、解決して欲しいです。そう切磋琢磨(せっさたくま)しながら生きる力を身につけてください。」
■塾生の抱負(ほうふ)
新しく塾生となったみなさんから「自然塾でやってみたいこと、今思っていること、目標など抱負(ほうふ)」を発表して貰(もら)いました。
「私は自然塾の活動を通して、他の塾生との仲を深めたり、楽しんでいきたいです。貴重(きちょう)なものが得(え)られたらいいと思っています。よろしくお願いします。」
「いっぱい友達を作っていろんな野菜を育ててみたいです。」
「塾で楽しみなことは野菜作りと川遊びです。また、小学生最後の年なので、自然塾でいろんな思い出を作りたいです。そして友達と協力して、自分のことは自分でしっかりできるようにしたいです。」
「一番楽しみにしていることはお茶摘(つ)みです。みんなでおいしいお茶を作りたいです。」
「自分で実際に野菜を作って、収穫することが楽しみです。あと、リーダーになると思うので、みんなをまとめられるようになりたいです。」
「自然塾でがんばりたいことは、友達をたくさん作っておいしい野菜をつくりたいです。」
「自然塾で一番やりたいことは、畑から野菜を収穫して、その野菜でカレーを作ることです。」
「ここでがんばりたいことは、みんなで一緒に友達を作って、ちゃんと生活したいです。」
■塾頭挨拶(あいさつ)
高津戸塾頭より挨拶(あいさつ)がありました。
「16期生のみなさん、入塾おめでとうございます。今、みなさん一人ひとりからたくさんの目標や願いを聞きました。
その願いを叶(かな)えてあげたいと私たちスタッフは思っています。
また、みなさんの願いだけを叶えるのではなく、自然塾の活動を通して『3つの心と2つの力』を身につけて欲しいと思っています。
・自然を慈(いつく)しむ心
・相手を思いやる心
・社会の一員として社会の基本的ルールを守る心
・自分のことは自分でやる力
・安全、危険を知る力
自然塾では「自分で進んで行動すること」を大切にしています。そのためスタッフは「○○しなさい」という指示ではなく、サポートや後押しをします。
18ステージが終わる頃に、身に付いたと思えるようになってください。活動中は積極的に行動することや自分で考えることを忘れずに、今年塾生になれなかった人の分まで頑張ってください。」
■記念撮影
どことなく緊張気味(きんちょうぎみ)の塾生たち。これからの活動を通して、顔つきも少しずつ変わっていくことでしょう。
■フィールド見学
グループに分かれ、家族の方も一緒に畑を回りながら、これからどんなところで活動するのかを見学しました。
「これなんだと思う?」「…ネギ?」
「けものに負けないように野菜を育てていきましょう。」
「コンポストの中を初めてみたよ。」
今育てている野菜を見たり、これから育てる野菜を知り、活動への興味が増(ま)した様子でした。
■昼食
塾生にとって初めて仲間と共に食べる塾ご飯。塾野菜と農業指導の柳川先生よりいただいた野菜がふんだんに使われています。
塾野菜は去年の塾生が育てたものや、冬の間スタッフが育てたものです。
「野菜ってこんなに甘くておいしいんだ!」
「このフライ、何の野菜かな?」
たくさんのおかずを前に、箸が進みます。
■入塾オリエンテーション
入塾するにあたって、必要な道具や通塾に関する話がありました。
塾生の皆さん、活動に必要な荷物は自分でまとめて『自分のことは自分でやる力』を高めていってくださいね。
■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜と手作り食品、【 】内は農業指導の柳川先生からいただいた野菜です。

昼食 ・野菜たっぷりのお弁当
・豚汁
・ポトフ
(サトイモ、ジャガイモ、ゴボウ、ダイコン、ニンジン、芽キャベツ、プチベール、切り干し大根、味噌、梅干、コンニャク、よもぎ)
【ネギ、キャベツ、ブロッコリー、サツマイモ、みかん、オレンジ、ショウガ】