2017.09.29~10.01 | |
第15ステージ ~男子~ | |
ステージテーマ:「ハイキングを通して、人と山との関わりを知ろう!」 共同生活の目標:「ルール・マナーを守る」 |
|
今回は自然塾の西にある「高松山」のハイキングを行いました。ハイキングでは体力・気力を試すことはもちろん、自然塾周辺とは違う自然を観察したり、山や森と人々の生活の関わりを考えて歩いてもらいました。 共同生活の目標は「ルール・マナーを守る」、山を歩く時のルール・マナーがあり、それを知って守り、気持ち良いハイキングにしてほしいことから、掲げました。 |
|
■ 09月29日(金) 夜の集い | |
活動を始めるにあたって塾頭より話がありました。 「明日は高松山という山に登ります。自然塾のまわりとは違った自然を感じてほしい。ハイキングの目的は2つ。①生き物、植物、沢、空気、、、いろいろな自然を観察し、感じてほしい。②山と人間の関わり、人はどのように山に頼ってきたかを学んでください。ただ登るのではなく、よく観察をしてください。山を見て、林を見て、人間とどういう関わりがあるのか、自分はどのように関わっていけばよいのか、ハイキングを通じて考えてみてください。 同時に、自分の体力と気力を試してほしい。気力を振り絞り、つらい時にはお互い助け合ってください。山のルール・マナーも守ってほしい。危ないことはしない、大声をしたり植物を踏むなどして生き物の生活を乱したり、自然を傷つけたりしない、あいさつをする、ごみは捨てない、などです。 共同生活目標も、山登りも、チーム、そして全員で連帯感をもって過ごしてほしいです。今日は早く寝て明日に備えましょう。」 |
|
■ 09月29日(金) 夜の集い ~共同生活目標ポイント決め~ | |
共同生活目標のポイントは、塾生から意見を出してもらい、決めました。 「山のルールを守る」をポイントにしよう、という意見と、「山のルール」では大まかすぎて守れない、という意見が分かれ、「山のルール」の中でも特に心掛けてほしい、・危ないことはしない、・ごみを捨てない、・騒がない、自然を傷つけない、に絞って「山のルールを守る」をポイントにすることが決まりました。 |
|
ほかに、「寝る時間を守る」「スタッフの話を聴く」がポイントになりました。また、日曜日は「山のルールを守る」のかわりに「塾舎内で走らない」をポイントにすることが決まりました。 | |
■ 09月29日(金) 夜の自由時間 | |
ハイキングコースの地形図を使って、読図(どくず)に挑戦。山頂まで、それぞれの区間ごとにどのくらい登るかがわかる、比高図(ひこうず)を作りました。 | |
■ 09月30日(土) 塾活動「高松山ハイキング」 ~出発~ | |
今日は1日かけてハイキング。支度(したく)を整えて、いざ出発! 気合入っていますね。 |
|
■ 09月30日(土) 塾活動「高松山ハイキング」 ~感性の体操~ | |
林道からいよいよ登山道に入るところで、五感を研(と)ぎ澄まします。目を閉じて、音に耳を傾け、風を感じ、光を感じ、、、この先はいよいよ山の中、自然塾のまわりとは違う自然が待っています。全身で自然を感じよう! | |
■ 09月30日(土) 塾活動「高松山ハイキング」 ~はなじょろ道を登る~ | |
今日登る「高松山」、「はなじょろ道」という道を登っていきます。「はなじょろ」とは昔の花嫁さんからきた言葉。昔、この山の両側の村の人が結婚した時、花嫁さんがこの道を通って山の向こうへ嫁(とつ)いだことから名前がつきました。 長年廃道となっていましたが、昔の道を復活させようという地元の人たちの努力で2011年に復活しました。山道を作り、整備してくれている人たちに感謝しながら、歩きましょう。 |
|
はなじょろ道登り口にある鐘。山道の安全を祈って、鳴らして登ろう! | |
何やら、木の実と変な形の枝を拾った様子。 | |
木の葉が透(す)けて向こうが見える。 | |
切り株の窪(くぼ)みにいたヒキガエル。みんなが通り過ぎるまで見守ってくれました。 | |
杉やヒノキの人工林の中の道ですが、いろいろな生き物や植物にも出会えます。スタッフの持っている写真を見て、出会ったもの、見つけたものを確認しながら登りました。 | |
途中には「炭焼き窯(かま)跡」があります。村の人はここまで登ってきて炭を焼き、生計の足しとしていたのです。今では炭や薪といった昔の燃料は、ガスや石油、電気などになっています。 昔の人の生活と山との関わりと今の生活の違いについて話を聴きました。 |
|
沢にかかった木の橋もあり、慎重に渡ります。真剣な表情で一歩一歩進んでいますね。 | |
峠につきました。昔の人は、ここまで登ってきて、反対側の村へ降りて行ったのですね。人工的な音は何もない場所です。 ここで瞑想を行いました。 鳥の声や、風を感じることができましたか? |
|
■ 09月30日(土) 塾活動「高松山ハイキング」 ~頂上へ~ | |
峠からは「はなじょろ道」を離れ、山頂へ向かいます。あと高さにして100メートルほど。疲れた~、という声もちらほら聞えましたが、頑張れ~! | |
山頂まであと少し、ここから頂上までは競争!我はと思うものは、というと皆前に出て、よーいドン!のかけ声を待っています。やる気十分。 | |
次々と頂上に駆(か)け上がってきました。 | |
視界が開け、その先には雲の上から富士山が顔を出していました! | |
■ 09月30日(土) 塾活動「高松山ハイキング」 ~山頂にて~ | |
見晴らしがよく気持ちの良い山頂。お弁当を食べ、しばらく思い思いの時間を過ごしました。 | |
気持ちの良い山頂で、食べるお弁当は最高! | |
なんでみんな手を上げてるの??そう、たくさんの赤とんぼが飛んでいたのです。じっとしていると、指先にとまってくれます! | |
全員で記念撮影。箱根山、相模湾、小田原の街、酒匂川(さかわがわ)が見渡せる気持ちの良い場所で、みな笑顔です! | |
■ 09月30日(土) 塾活動「高松山ハイキング」 ~下山路にて①~ | |
山頂から降りてしばらく進んだところで、なにやらみんな見ています。視線の先には自然塾と自然塾のある寄(やどりき)が。 | |
■ 09月30日(土) 塾活動「高松山ハイキング」 ~チームの基地づくり~ | |
尾根(おね)が少し広がったところ、「アブラチャン」という木がたくさん生えている場所がありました。ここで、チームごと好きな木を選んで、自分たちの基地づくりをしてもらいました。 | |
落ちている枝を組んで立木に乗せたり、立てかけたり、いろいろ工夫していますね! | |
チームごとに写真を撮りました。ちょっとした屋根をかけたり柱を立てたり、簡単なものですが、お気に入りのものが出来たようです。時間をかけたら結構本格的なものになったかもしれないですね。自分たちなりに山のものを楽しんで利用する、これも山の楽しみ、親しむ方法の一つです! | |
■ 09月30日(土) 塾活動「高松山ハイキング」 ~下山路にて②~ | |
途中、山頂で見えたものより大きい富士山が見送ってくれました。 | |
もう一つの峠に出ました。ここから自然塾までは車道を下っていきます。とはいえ、山の中。いろいろな発見がありそうです。 ここで「ミッションカード」が配られました。「10㎝以上の葉っぱを見つけよう」「自然の中から赤・青・黄を探そう」「自然の中の顔を見つけてみよう」など、いろいろな問題を探したり考えたりしながら歩きます! |
|
お、見つけましたね。自然の中の顔。葉っぱの穴からカメラを見ています。 | |
しばらく下りると、人里(ひとざと)に入っていきます。茶畑、畑、山里に住む人々の家、それらを取り囲む山と木々、今の里山の様子を実際に観察しながら歩みを進めます。 今の里山に住む人々の暮らしを考えながら、そして今日のハイキングを振り返りながら、自然塾へ向かいました! |
|
■ 09月30日(土) 塾活動「高松山ハイキング」 ~ハイキングの振り返り~ | |
自然塾に戻ってきました。 塾庭に集まり、今日のハイキングの感想をひとりひとり伝え合いました。 「800mて大したことない山だと思っていたけれど、結構大変だった。」 「登り切ったとき達成感があった。」 「頂上で食べたお弁当がとてもおいしかった。」「今まで見た富士山の中で一番きれいだった。」 |
|
大変なこともあったけれど、楽しい一日だったようですね。 | |
■ 09月30日(土) 塾活動 ~俳句~ | |
夜の時間は、今日のハイキングを振り返り、俳句を作って発表しました。 | |
「つかれても、あきらめないで、すすもうぜ」 大変だったけど、頑張って登った様子が思い浮かびますね。 「登山中、ヘビがうろうろ、調査中」 「切りかぶに、でっかいかえるが、もぐってた」 「頂上で、みんなが手を出し、トンボ山」 いろいろな生きものにも出会えましたね。頂上でのトンボにはこの指とまれと、みんな熱中していました。 「色々な、おやつ交かん、楽しいな」 ハイキングの楽しみのひとつ! 「本物だ、頂上から見た、富士の山」 富士山、見えてよかったね! 「山の中、静かに流れる、沢の音」 沢音を聴きながら登るのは心地よいものでしたね。 「楽しさと、せっせと働き、基地づくり」 基地づくり、一生懸命だったね。 「ハイキング、惜しくも行けず、残念だ」 実は、今日は学校の運動会と重なった塾生が何人もいました。夕方からの参加で、ハイキングへ行けなかった塾生は、その気持ちや運動会のことを俳句にしていました。 |
|
■ 10月01日(日) チーム農園作業 | |
日曜日は、チーム農園作業に取り組みました。 | |
大根のネットを外して世話の準備。 今日は、卒塾生がお手伝いに参加してくれました。 |
|
立派なショウガ! | むかご。ヤマイモの種。 |
一抱えもあるハクサイ! | 大きなカブ! |
今回は、チーム農園でもいろいろな野菜が収穫できました。ハクサイや大カブは秋野菜として植えたもの。こんなに早く大きく育てたのは立派です! | |
ゴボウ収穫中 | |
空いた場所にミニハクサイの苗を植えています。18ステージまで短い期間だけれど、頑張って育てよう! | |
今育てている野菜の草取り、追肥、土寄せも、しっかり行っていました。 | |
■ 10月01日(日) 帰りの集い | |
活動を終えるにあたって、塾頭より話がありました。 | |
「昨日はみんなで高松山に登りました。800mの山に登り達成感を得られた人も多かったと思います。富士山も見え、空気もおいしく、お弁当もおいしく、たくさんの赤とんぼも飛んでいました。振り返りや俳句でも、いろいろな経験をしたことがわかりました。 人と山との関わりについてもたくさん学びました。山や自然に感謝しなければならないことを学んでくれたと信じています。 |
|
3つ感謝して欲しいことがあります。①自然への感謝、②山道を作ってくれた人たちへの感謝、③ハイキングの準備をしてくれたり、みんなを支えてくれている人たちへの感謝、「おかげさまの心」を忘れないようにしてください。 今回、山の大切さを学びましたが、山、川、海はつながっています。山が荒れてしまうとおいしい水も途絶え、栄養が海に運ばれなくなり、海の生き物にも影響し、魚がいなくなります。山を大切にすることはとても大事です。ごみを捨てたり、動物たちの邪魔をしたり、木の枝を折ったりしない、そうしたことを守ることが、山を守ることにつながります。自然を破壊するのはほとんど人間ですが、みんなは、自然を保存する、環境を守っていく、そういうことをしていってほしい。」 |
|
■ 10月01日(日) おまけ ~バスへ~ | |
チーム農園でとれたハクサイを入れ、ふくれあがったリュックを前後にかけて帰りのバスへ向かっています。転ばないよう、気を付けて! | |
■ 編集後記 | |
今回は、土曜日一日かけて高松山ハイキングを行いました。高松山をハイキングコースにしたのは、今年が初めてです。スタッフで下見をして、去年まで登っていた、宮地山~シダンゴ山コースに比べ、雑木林が少ない、というデメリットがありましたが、きれいに整備された人工林、炭焼き窯跡など里山の利用跡、土地の人々が行き来していた峠道、展望が良く心地よい草原の広がる山頂、山里の中を下りてくる下山道、など、魅力がいっぱい詰まっていました。ハイキング本番では、カエル、ヘビ、トンボ、クモ、さまざまな植物、といろいろな自然にも接することが出来ました。 塾生たちは、そのような自然に出会うことによって、山道を登りきることによって、山頂で雄大な景色に接することによって、いろいろな感動や達成感を得ていたように思います。 ステージテーマの、『山と人との関わり』、山の楽しさ、からは少し距離のあることですが、「山や森林の大切さがよく分かった」という感想を話してくれた塾生もいました。良く整備されたきれいな人工林を見上げて、きれいだなぁ、と感動していた思い出は、いずれ山を自然を大切にしよう、と思う心に変わってくれると信じています。 T.K.
|
■ 食事メニュー | ||
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。 | ||
|
||
金曜夕食 | ・タコライス(リーフレタス、タマネギ、キュウリ) ・ナスのクリームスープ(ナス、タマネギ、カボチャ) |
|
|
||
土曜朝食 | ・目玉焼き丼 ・豚汁(味噌、ネギ、ゴボウ、ナス、ジャガイモ) |
|
|
||
土曜昼食 | ・ハイキング弁当(タマネギ、ピーマン、栗、マイクロトマト) |
|
|
||
|
||
土曜夕食 | ・夏野菜フライカレー(ナス、ピーマン、パプリカ、オクラ、しし唐、タマネギ) ・オムレツサラダ(リーフレタス、キュウリ) |
|
|
||
日曜朝食 | ・釜炊きご飯 ・味噌汁(味噌、ネギ、ナス、タマネギ) ・茶碗蒸し(間引き菜、栗) ・落花生豆腐(落花生) ・落花生おからの炒り煮(落花生、ゴボウ) ・ゴボウの甘辛煮(ゴボウ) ・間引き菜のソテー(間引き菜) ・空芯菜の炒め物(空芯菜) ・四角豆の和え物(四角豆) ・ゴーヤ料理2品(ゴーヤ) |
|
|
||
日曜昼食 | ・夏野菜のミートスパゲティ(ナス、ピーマン、パプリカ、タマネギ) ・ゆでピー(落花生) ・モンブラン(栗) |
|
|