2017.04.21~23
第04ステージ ~男子~
ステージテーマ:「思いやりの心で夏野菜を植え付けよう!」
共同生活の目標:「物を大切にする」
ステージが始まる前、塾生に「ステージテーマにある『思いやりの心』って何だろう?」と問いかけました。作業を丁寧にすると、畑や作物に表れます。塾生が答えてくれた、『人を手伝うこと、苗や土を優しく扱うこと』を意識して農作業を行いました。
共同生活の目標は『物を大切にする』です。塾生たちに物を大切にする理由を聞いてみました。「使えなくなるとみんなが困る、くれた人のことを考えて大切にする」など、たくさんの答えがありました。物を大切にすることは人への思いやりにつながります。次に使う人のことを考えて、『物を大切にする』という目標に取り組みました。
第4ステージは『思いやりの心』をキーワードに活動を行いました。
■ 04月21日(金) 夜の集い ~塾頭の話~
活動を始めるにあたり、塾頭からお話がありました。
「今回は夏野菜の植え付けをします。ひとつひとつ、心を込めて丁寧に作業をしてください。そして、共同農園の作業は全員で協力してください。自然塾には小学校4年生から中学生までいます。それぞれ個性があり、能力も違います。自分の作業が終わったら、終わっていない人の手伝いをしてください。それが協力するということです。
共同生活の目標は『物を大切にする』です。慣れてくると物を乱暴に扱ったり、間違った使い方をすることがあります。それはケガにつながります。
また、人間がここまで進歩できたのは道具を使えるからです。道具を大切にしてください。物を大切にする心は思いやりの心です。優しい心が持てる人になってください。
今ステージは、野菜、物、人に対しての思いやりを持つことを意識して過ごしましょう。」
■ 04月21日(金) 夜の集い ~節目の振り返り~
塾活動が始まってもう4ステージ。塾ではみんなに身に付けてほしい『3つの心、2つの力』があります。それがどれだけ身に付いているか、確認しました。
自分が得意なのはどれだろう?
苦手なのはどれだろう?

自分の行動を振り返ります。
次に振り返りを行うのは第8ステージ。
それまでにみんなはどう成長していくでしょうか?
最後に書いた『8ステージまでにがんばること』の結果が出るといいですね。
■ 04月21日(金) 自由時間 ~ちょう結びの練習~
今ステージの農作業ではちょう結びを使います。
苦手な人は一生懸命に練習中…
得意な人は結び終わるまでの時間を計って、タイムアタック!
「スタッフより早く結んでやる!」
とグングン上達しました。
■ 04月22日(土) 共同農園作業 ~ジャガイモの世話~
第1ステージに植え付けたジャガイモが大きくなりました。これからおいしいジャガイモをたくさん収穫するために、世話が必要です。
まずは『芽欠き』という作業をしました。元気な芽を3本残し、残りは間引きます。
このままにしておくと、できるイモの数は多くなりますが1つ1つが小さくなってしまいます。
大きなイモを収穫するには必要な作業です。

「どれが元気かな?」と残す芽を選んでいます。その目は真剣(しんけん)そのもの。
「きれいに抜けた!」と抜いた芽を持って誇(ほこ)らしげ。
中には「途中で切れちゃった…」とやり直しをしている塾生も。
芽欠きが終わったら、成長に必要な肥料をあげます。
「葉にかからないように…」と丁寧な手つきです。
肥料が隠れるように土をかけます。
クワの使い方も慣れてきた様子。
時折顔を上げて、「腰が痛い!」とストレッチしている塾生もいました。
仕上げとして、手で株元まで土を寄せて作業終了!
とても立派な畝になりました。
欠いた芽は塾庭の残渣穴(ざんさあな)に捨てます。
芽を畑に置いておくと腐り、そこから病気が広がってしまうためです。
おいしい野菜を収穫するためには、作業以外にも注意することがたくさんありますね。
■ 04月22日(土) 塾活動 ~マナー講座~
マナーサポート協会の岩下宣子先生と岩下美和子先生をお迎えして、マナー講座を行いました。
「みなさんは愛という言葉は好きですか?マナーは愛です。『LOVE』という言葉が入ってきた時、昔の人は『ご大切』と訳しました。
愛とは自分を大切にするように、人を大切にする心のことです。」
まずはあいさつの仕方から。
きれいな礼をするポイントを教わりました。
背中はピンと伸びているか、手の位置は合っているか、塾生同士でチェックしました。
マナーについてのクイズにも挑戦!
・箸(はし)先を汚していいのは何センチまで?
・手に持っていい器はどれ?
「これじゃない?」「え、でも…」
ペアになって、食事の時間を思い出しながら相談していました。
和室でのマナー、座布団への座り方・降り方、上着の畳み方…たくさんのマナーを教わりました。塾生は興味津々(きょうみしんしん)といった様子で聞き入っていました。
マナー講座が終わった後から、学んだマナーをさっそく実践していました。これからも続けていきましょう。
■ 04月22日(土) 共同農園作業 ~夏野菜の植え付け~
午後は夏野菜の植え付けです。男子塾生はトマト、ナス、ピーマンを植え付けました。これからの食卓を彩(いろど)ってくれる野菜です。
まずは畝立てからスタート!
「どうやるんだっけ?」と忘れていた塾生も、作業しているうちにどんどんさまになってきました。
手で均したら、立派な畝が完成!

「次は、苗を並べよう!」
「苗持ってきてもいい?」
と積極的(せっきょくてき)な声も聞こえてきました。
苗は野菜の赤ちゃん。丁寧に扱います。
「まっすぐ並んでいるかな?」
「ポットから出す前に穴を掘って…」
「土は被(かぶ)せすぎないように。」
『植え付け』という作業の中だけでもたくさんのポイントがありました。1つ1つ、確認しながら丁寧に取り組みました。
風で苗が倒(たお)れてしまわないように、支柱を立てます。

土が硬(かた)くて支柱が刺(さ)さらない…
「誰か手伝ってー!」
の声に仲間が駆(か)けつけました。

みんなの力を合わせると簡単だね。
支柱に苗を誘引(ゆういん)します。
ここで昨夜練習したちょう結びを使います。
最初は眉間(みけん)にしわを寄せていた塾生たち。数をこなすうちに「もうできた!」と表情も変わっていきました。
乾燥や雨による土のはねかえり、雑草を防ぐために『しきワラ』をしました。
ワラが苗の上に乗ると、苗が折れてしまいます。
優しく畝の上に乗せてあげました。
最後に水やりをします。
食卓に並ぶまでには、まだまだお世話が必要です。
これからも今日の気持ちを忘れず、丁寧にお世話しよう!
ウリ科の野菜は『ホットキャップ』を使って害虫から苗を守ります。
どのチームもチーム農園でウリ科の野菜を育てるので、スタッフからその方法を説明しました。
ぜひチーム農園で生かしてくださいね。
■ 04月22日(土) 共同農園作業 ~オカボの種まき~
「“オカボ”は陸に稲という漢字を書くんだよ!」と調べてきてくれた塾生が教えてくれました。みんなが知っている田んぼとは違って、お米を畑で育てる方法です。塾ではもち米を育て、18ステージに餅つきをします。
まずは種をまくための溝(みぞ)切りから。溝の底を平らにするのはなかなか難しい様子。何度もやり直ししていました。
溝ができたらいよいよ種まき。
「えー!こんなに小さいの?」と驚きの声。
小さな種を同じ間隔(かんかく)で、一粒一粒並べていきます。
集中するあまり、地面と顔が近くなってしまいます。
疲れたら「ふぅ…」と深呼吸。

種まきの作業中、塾生がいるとは思えないほど畑はシン…と静まり返っていました。

自分が並べた列を見て、
「…ちょっと直そう」
とやり直しをしている塾生もいました。

仕上がりはみんな見事なもの。
あきらめず、最後まで丁寧に作業しました。
最後に土をかけて鳥対策のネットをかけます。
芽が出たらみんなの丁寧な作業の結果が見られます。楽しみにしていましょう。
■ 04月22日(土) 塾活動 ~通塾の話し合い~
「塾生だけで通塾することになったらどうしよう?」
そろそろ通塾に慣れてきた頃(ころ)。改めて、通塾について考えてもらう時間を設けました。
『乗るとき・降りるときに気をつけることは?』
『もしもハプニングが起きたらどうする?』
さまざまな場面で、安全やマナーについて気をつけることを考えました。
予想外の出来事が起こった場合の基本対策を確認しました。
1.あわてない・安全第一
2.情報を集める
3.自然塾へ連絡する

これからこの時間に話し合った安全・マナーについて、ひとりひとりが意識しながら通塾しましょう。
■ 04月23日(日) 瞑想
日曜の朝は瞑想(めいそう)です。今回は2分半に挑戦しました。
マナー講座で教わった、『きれいな姿勢』を意識しました。
背筋はピンと、おへそは縦(たて)に…
これまでと比べて、一際(ひときわ)姿勢がよくなりました。
動いている塾生もほとんどいませんでした。姿勢と一緒に、気持ちも落ち着いているようです。
■ 04月23日(日) チーム農園作業
今回はどのチームも植え付けるものがたくさん!一晩降り続いた雨が止み、太陽が顔を出しました。天気もみんなの味方をしてくれたようです。
計画を確認してから作業開始!
作業の手順や、役割分担もバッチリです。
まずはどのチームも畝立てからスタート。何もなかったチーム農園にどんどん畝が立っていきます。
できた畝にさっそく種まき。
「スイスチャードの種はカブの種より大きいからまくのが楽だね。」
前ステージの種まきを思い出したようです。
穴を掘っているチームもありました。
「まさかゴボウ!?」と聞いてみると、
「イチョウイモ。ヤマイモの種類だよ。」と教えてくれました。
ヤマイモは植え付ける前に土をやわらかくするんだって。
夏野菜の植え付けで学んだことを実践(じっせん)中!
「南ってどっち?」「次はしきワラだ!」「ヒモ持ってくるね!」
スタッフがいなくても、作業がどんどん進みます。
前回まいたハツカダイコンが芽を出しました。
大きく育てるために、元気のいい芽を残して間引きをします。

「間引き菜も食べられるんだって!」
と、みんなで持ち帰りました。
初収穫物、味はどうだった?
■ 04月23日(日) 帰りの集い ~塾頭の話~
活動のまとめとして、塾頭からお話がありました。
「農作業は、みなさんとても集中して丁寧にできていました。
今は基本的なことを一つ一つ覚えている段階なので、忘れないでください。覚えたことを今後に生かしましょう。
農作業は面倒と思うことがたくさんあります。ですが、面倒なことをしないと作物は育ちません。面倒なことをできるようになると、何でもできる人になります。面倒なこと、大変なことを自分からできる人になってください。
今ステージはマナー講座がありました。人を大切にすること、物を大切にすること、マナーはすべてつながっています。通塾の話し合いでもマナーについて考えました。今日から実践してください。思っているだけでなく、行動に移せる人になりましょう。」
■ 04月22日~23日 自由時間
集合時間前にチーム農園へダッシュ!
「カブの間引き菜で料理を作るんだ!」
ところが、芽を見てみるとまだ小さいみたい。
間引き菜料理は次ステージに持ち越しです。
元気な歌声が塾舎に響きました。
食堂をのぞいてみると、みんなで楽器を持って演奏中。ウクレレ、カスタネット、トライアングル…
いろいろな楽器と歌声で音楽会です。
寝る前なのに、「いただきまーす!」の声…
サトイモの天ぷらを作ってみんなにふるまっているチームがありました。
「おいしい!」「もう一個食べたい!」
あっという間に売り切れるほどの大人気でした。
■ 編集後記
そろそろ塾生活にも慣れてきた頃。忘れがちな『思いやりの心』を今ステージのテーマに掲げました。農作業、共同生活、自由時間…28人が一緒に生活をする自然塾では大切にしてほしい心です。
特に農作業の場面で思いやりの心が見られました。丁寧に作業をしている姿、終わった後に次の作業を探している姿、作業がわからない子に教えてあげる姿を目にし、嬉しいと同時に頼もしいと感じました。一方で、まだまだ思いやりが足りないと感じる場面もあり、これから続く塾生活の中で一緒に考えていけたらと思います。
今ステージはたくさん農作業をしました。ものすごい集中力を見せてくれた塾生たち。作業後はなんだか誇らしげでした。自分の力となったことでしょう。今はまだ「楽しい」という声が多く聞こえてきます。これから暑くなり農作業が大変な時期になりますが、引き続き「楽しい!」という声が聞こえてくることを願っています。
S.A.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・クリームオムライス&ロールキャベツ(キャベツ、ニンジン、ほうれん草)
・サラダ(新タマネギ)

土曜朝食 ・釜炊きご飯
・味噌汁(味噌、ネギ、キャベツ、ジャガイモ)
・おでん(新タマネギ、ジャガイモ、キャベツ、間引きニンジン、ゴボウ、ネギ)

土曜昼食 ・ご飯
・すまし汁(ネギ、椎茸、小松菜)
・鯖の味噌煮(味噌)
・ジャガイモの煮物(ジャガイモ)
・だし巻き玉子
・五目豆(ニンジン、椎茸)
・お浸し(小松菜)
・刺身筍(筍)

おやつ ・オレンジピールチョコがけ&オレンジピールクッキー(オレンジピール)

土曜夕食 ・筍ご飯(筍)
・すまし汁(筍、間引きニンジン、ネギ、キャベツ)
・肉じゃが(ジャガイモ)
・天ぷら(筍、サツマイモ)
・ゴマ和え(小松菜)

日曜朝食 ・釜炊きご飯
・味噌汁(味噌、ツクシ、ネギ、キャベツ、サツマイモ)
・ハタハタの塩焼き
・筍料理2品(筍)
・ネギ味噌(ネギ、味噌)
・だし取り後昆布鰹節の佃煮

日曜昼食 ・ジャージャー丼(筍、キャベツ、ネギ、小松菜、チンゲン菜)
・杏仁豆腐(苺ジャム)