2017.04.07~09
第03ステージ ~男子~
ステージテーマ:
「味噌(みそ)作りに挑戦し、先人の知恵を学ぼう!」
共同生活の目標:「時間を守る」
今回は味噌作りに挑戦しました。味噌は日本に昔からある調味料です。どのように作られているのかを知り、普段何気なく食べている物に対して工夫と手間がかかっていることを知ってもらいました。
また、農作業ではキャベツ、レタスの植付けを行いました。今までは種を扱いましたが、今回は苗を扱いました。丁寧に作業をすることに注意して進めました。
市村自然塾では塾生28名全員で共同生活を行います。決められた時間を守ることによって、共同で作業ができるのです。一人が遅れるとチームが遅れてしまい、全体が遅れてします。1、2ステージを過ごし、塾の活動にも慣れてきたところで、共同生活目標を『時間を守る』としました。
■ 04月07日(金) 夜の集い
活動の始めに塾頭からお話がありました。
「みんな新しい学級になったと思います。今まで塾の活動で取り組んだ共同生活目標の「あいさつをする」「人の話を聴く」を意識していますか?ぜひ、実践し、新しい友達を作って楽しく過ごしてください。
今回の共同生活目標は「時間を守る」です。共同で作業をするには時間を決めて行うとみんなが気持ちよく作業できます。この時間を守らないと、みんなで行動が出来なくなり、やりたいことが出来なくなってしまいます。
そして、時間を守ることは安全にもつながります。普段より意識をして、守るようにしましょう。
今回、味噌(みそ)作りを行います。味噌、醤油(しょうゆ)は先人が色々試してうまれたものです。たくさんの知恵が詰まっています。味噌作りを通じてその知恵を知り、分からないことは調べてみましょう。
今回の農作業はキャベツ、レタスを植えつけます。みんなは初めて苗を扱いますね。チーム農園でもたくさん使います。話をよく聴いて、基本に沿って行いましょう。野菜は正直です。植えつけるときや、世話をする時のみんなの気持ちに答えてくれます。慎重に作業しましょう。」
■ 04月07日(金) 大豆の観察
味噌の材料の大豆を観察。一つは乾燥している大豆。もう一つは水に1日水につけた大豆です。その大きさの違いに塾生たちは驚(おどろ)いていました。
「こんなに大きくなるんだ!」

この後、一晩水につけて、4時間煮ます。味噌作りにはたくさんの準備が必要なのです。
■ 04月08日(土) 土曜日朝食
18種類もの大豆食品を使った朝食です。どんな大豆食品が使われたか、この写真から思い出せるでしょうか?
■ 04月08日(土) チーム農園計画、発表準備
この日はあいにくの雨模様。室内で第1ステージより進めているチーム農園の計画、そして夜みんなの前で発表するために準備を進めました。
「う~ん…」
悩みながら、作付け図を作成中。自分たちが育てたい作物を限られた畑の中にどのように配置するか、なかなか難しいです。
チーム7人で目指す畑に対して、ひとり一人がどのように行動をするか、その意気込みを書いてもらっています。
「これからCチームの発表を始めます!」
こちらはプロジェクターを使い、本番さながらのリハーサル。気合十分!
■ 04月08日(土) あしおとツアー ~ジャガイモの観察~
市村自然塾では作物の様子を見に行く時には「あしおとツアー」と呼びます。由来は、農家の方々はよい作物を育てるのに「作物にたくさんあしおとを聞かせなさい」と言います。つまり、頻繁(ひんぱん)に畑へ行き、作物の様子を見て、適切な世話をするので、よく育つということです。塾生たちにも畑に行き、作物の様子を観察して、どのような世話が必要なのか考えました。
第1ステージに植えつけたジャガイモの様子。ところどころ芽が出ていました。
それと同時に、いくつかじられた種イモが畑に転がっていました。この食べ跡から、おそらくカラスに食べらたようです。
この後、カラス除けの糸を張りました。
■ 04月08日(土) あしおとツアー ~ゴボウの観察~
畑を移動して、第2ステージに種まきをしたゴボウの様子。
小さな双葉が顔を出しています。
畑の土が濡れているので畑に入ると耕した土が固くなってしまいます。そこで一歩だけ近づき観察してもらいました。
「おお~」「出てる出てる!」
小さな芽に感心。
ジャガイモの芽とゴボウも芽の違いを塾生に聞くと「ゴボウは双葉が出ているけれど、ジャガイモは双葉は出ていなかった。」と回答をもらいました。なぜでしょうか?不思議に思ったことは調べてみましょう。
■ 04月08日(土) 味噌作り ~準備~
「暇だから、なんか手伝うよ~」
塾生数人が声をかけてくれました。うれしい限りです。
早速、大豆をつぶすミンチ機の準備や、道具をそろえることを手伝ってもらいました。
■ 04月08日(土) 塾活動 ~味噌作り~
いよいよ待ちに待った味噌作り。手を洗って、頭にバンダナを巻いて準備万端!
味噌の元となる麹(こうじ)をダイズの煮汁でやわらかくします。
満遍(まんべん)なく煮汁がいきわたるようにしっかりと混ぜます。すると…。
「しみる!手がひりひりする!」
塩が手にしみるようで、全体的に混ざったら急いで洗面台へ駆け込む塾生も…。
麹をふやかしているあいだに、味噌の話を聴きました。味噌は体にいいことや、歴史深い事。味噌の『噌』と言う漢字は味噌にしか使われていないこと。そして、味噌の先生からのメッセージとして「味噌汁の味噌のように、周りの人のいい味を引き出せる人になってください」。
塾生たちは興味深く話を聴いていました。
味噌の歴史、作り方を聴いて、作業開始!
4時間煮てやわらかくなった大豆を麹に混ぜて、つぶす作業。ミンチ機に入れ、押し出し、丸めて空気を抜き、たるにつめる。役割分担をして、一粒もこぼさないように丁寧に作業を進めました。
ちょっと、味見…。
「しょっぱい!」
たるにつめている味噌の元はずいぶんとしょっぱかった様子。

これが半年後どんな味になっているか?!楽しみですね。
できるだけ空気が入らないようにラップをかけて封印!
この作業を丁寧に行うことがカビが少なく、おいしい味噌ができます。塾生たち慎重な手つきです。
なんだか怖い顔をしていますが、おいしくなるおまじないだそうです。
封印した味噌は塾頭室の床下に運び熟成させます。この場所が夏でも涼しく、おいしい味噌ができる場所なのです。足を入れると確かに少し涼しい風が通ります。
まとめとして、みんなが見つけた「先人の知恵」をきいてみました。
「空気が入らないように封印する。」
「唐辛子でカビ対策。」
「涼しいところで保管。」
たくさんの知恵に気づきました。さあ、10月の開封が楽しみですね。
■ 04月08日(土) おやつ
味噌作りの後に去年の塾生が作った味噌と、おととしの塾生が作った味噌をキャベツやニンジンにつけて食べました。
「去年の方がおいしい!」
「いや、おととしの方が…!」
みんなに聞いてみると半々くらい。好みが分かれたようでした。
■ 04月08日(土) 共同農園作業 ~キャベツレタスの植付け~
雨のやみ間を狙って、農作業を進めました。今回は全員で畝立(うねた)てからはじめました。みんなクワ使い方がなかなか上手。
土が盛り付けられたら、手で平らにならします。隣同士声を掛け合い、でこぼこがないように確認しながら丁寧な作業です。
平らな畝ができたら、苗を並べます。
「そこ、もう少し右にして」
声を掛け合い、畝の真ん中にまっすぐ一列に並べました。
いよいよ植付け。苗はいわば野菜の赤ちゃん。傷をつけないようにやさしく扱います。
キャベツは「ネキリムシ」と言う害虫の被害にあいます。そこで苗を守ってくれるのはみんなが持ってきてくれた卵の殻を苗の根元にまきました。殻のとがったところを嫌がるそうです。
最後はネットかけてモンシロチョウと風から苗を守ります。これで、一通りの作業が終わりました。塾生から「色々な作業があって大変だった。」と感想をもらいました。今後の成長が楽しみですね。
■ 04月08日(土) 夜の集い ~チーム農園発表~
どのチームも堂々とハキハキ発表をしてくれました。
「いつも楽しく野菜を育てる!」
「作物を家族のように大切に育てる。」
「全力で野菜作りをして楽しむ!」
「メンバー6人を全力でサポートして、最高の7人にする!」
一人ひとりの宣言も素敵なものばかり。
他のチームメンバーやスタッフからの質問やアドバイスももらいました。

いよいよ、明日から植付けが始まります。アドバイスを参考に、もう一度計画を見直しました。
■ 04月08日(土) リーダー会議
リーダーが決まり、土曜日の夜にリーダー会議を行いました。
リーダー会議はリーダーを中心に活動をよりよくするために開催されます。今回は塾頭より、リーダー、サブリーダーの役割や心得を話してもらいました。
■ 04月09日(日) 瞑想(めいそう)
今回は2分間。
心を落ち着け、姿勢よく、動かないことに集中して過ごしました。
数人、背筋が曲がったり、顔をかいてしまう塾生がいましたが、ピタッと動かない塾生もいました。
きっと心も落ち着いているのでしょう。
■ 04月09日(日) チーム農園作業
みんなの願いが届いたのか、明け方まで降っていた雨がやみ、チーム農園作業ができそうです。早速、農作業着を着て作業開始!
始める前に、この時間で行う作業と役割を再確認。
「畑の区わけとラディッシュの種まき!」「よーしやるぞ!」
「もう少し、引っ張って!」
畑にかかっている雨避けのブルーシートをはがします。雨水を畑の中に入れないように声を掛け合い、丁寧に作業を進めます。
畑の土の状態を見て、ポットに種まきを行いました。次回には芽が出て、その次には畑に植えられるかな?
「次は80cmね。」
畑の計画通りに目印を立てています。
できるところは畝立てまで進めました。共同農園で行った作業を思い出しながら、上手に畝を立てていました。
「チーム農園でゴボウを育てる!」
と、早速穴掘り開始!時間が短い中、前日までの雨でぬれた重たい土を掘るのは一苦労。メンバーが交代しながら掘り進めました。
時間、目一杯まで掘って埋め戻し、無事に種まき。終わったとたん雨が降り出す。まるでドラマですね。
このチームは、畑の区分けも終わり、チームの看板作りに挑戦。
「ノコギリつかったことあるよ!」
と、自信を持って作業を進めました。
畑にかかっていたブルーシートを洗っています。みんなでやればあっという間!
■ 04月09日(日) 帰りの集い
活動のまとめとして塾頭からお話がありました。
「雨が多かったのですが、予定していた作業が出来ました。味噌作り、味噌のような人になってください。味噌の歴史は約1300年前、中国から朝鮮半島を渡り、日本に伝わってきました。日本には歴史深い調味料です。味噌、醤油、酒も「麹(こうじ)」がすごく働いて、熟成して、おいしくしてくれます。また、豆腐(とうふ)、納豆(なっとう)についても興味がある人はぜひ調べてみてください。先人の知恵が詰まっています。
チーム農園発表、チーム農園作業、みんなよく出来ていました。きっと7人が協力したからだと思います。これからも野菜、仲間に対して思いやりを持ってすすめてください。そして、思いやりだけでなく、よく観察して、変化を見つけて、考えて、行動してください。
共同生活目標の「時間を守る」こと、よく守れていたと思います。遊んでいる時にそれをやめることは、勇気が必要です。強い意志、強い心を持つことで、やりたい事をやめ、時間を守ることが出来るのです。時間を守ると信頼されます。作業も進みます。これからも心がけてください。
次回マナー講座。話を聴いて学んでください。そして、チーム農園も本格的に始まります。どうするかを考え、忘れずに調べてきてください。」
■ 04月07~09日(金~日) おまけ
前回のステージから「作りたい!」言っていた塾生が、3日間の休み時間を使って、コンニャクを作りました。
なんと、日曜日の起床前に準備して、朝食に出してくれました。
大いに楽しんでいるね!
そして、おいしかったよ!ありがとう!
■ 編集後記
天気に悩まされましたが、何とか予定していた作業が出来ました。予定変更に対して、塾生たちは、共同生活目標の「時間を守る」を意識して、みんなが声を掛け合って、協力してくれたおかげです。うれしく思います。
味噌作りで楽しく、そして、丁寧に心をこめて作業できたと思います。また、味噌作りを通じて先人の知恵に触れることができたと思います。味噌作りだけでなく、普段何気ないところにも先人の知恵があること、そして、その先人の知恵があるからこそ、今、みんなが快適に過ごせることを忘れないでほしいと思います。
K.M.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食

・奄美大島のご当地料理゛鶏飯゛(ネギ、ニンジン、ほうれん草)
・鹿児島県のご当地料理゛さつま揚げ゛(ネギ)
・佐賀県のご当地料理゛いかシュウマイ゛(生姜)
・大分県の郷土料理゛鶏天゛(生姜)
・果物(頂きものオレンジ)

土曜朝食 ・大豆食品18種類を使った料理(味噌、ネギ、生姜)
(大豆食品:煮豆、枝豆、味噌、大豆もやし、油揚げ、豆腐、焼き豆腐、高野豆腐、厚揚げ、がんもどき、湯葉、おから、大豆油、しょう油、納豆、豆乳、きな粉、炒り豆)

土曜昼食 ・焼きそば(キャベツ、ニンジン)

おやつ ・サラダ(1年味噌と2年味噌、キャベツ、ニンジン)

土曜夕食 ・釜炊きご飯
・コンソメスープ(ニンジン、キャベツ、大根、カブ)
・里芋コロッケ(里芋)
・繊キャベツ(キャベツ)
・チンゲン菜の炒め物(チンゲン菜)
・果物(頂きものオレンジ)

日曜朝食 ・菜飯(大根の葉)
・味噌汁(味噌、大根、キャベツ、カブ)
・田楽コンニャク(塾生手作りコンニャク、味噌)
・温泉卵
・焼魚
・里芋の煮物(里芋)
・小松菜の白和え(小松菜)
・漬物(大根、カブ)
・だし取り後昆布鰹節の佃煮

日曜昼食

・お花見ご飯(菜花、生姜、エディブルフラワー、塾生手作りつぶあん、頂きものオレンジ)