2016.11.27
2016年度 卒塾式
11月27日、平成28年度 市村自然塾関東 卒塾式が開催されました。
寒空の中、第15期生男子28名、女子27名とその保護者の方々が参加して、卒塾式が行われました。
■ 受付
「おはようございます。」
到着するとスタッフに大きな声で挨拶していました。入塾式で緊張していた様子と比べると、ずいぶん頼もしくなりました。
■ 総合塾長の辞
桜井総合塾長よりご挨拶(あいさつ)をいただきました。
「みなさんと会って、入塾式のときと変わったな、顔つきが違うなと感じます。入塾式では緊張していた様子でしたが、いまは元気いっぱいなようですね。市村自然塾はどうでしたか?自然塾では、農作業を通じ、自然の厳しさや優しさを実際に体験して、自然の変化に対応していく力を身に付けてほしいと願っています。自然塾で感じたそれぞれの思いを大切してください。
また9ヶ月間の活動を通してたくさんの友達ができたと思います。チームで協力してものごとを行い、目標を達成するということを経験してきました。一人がどんなに頑張っても、出来ることは限られています。会社も同じで、社長一人では会社は成り立ちません。社員の協力があって成功するものです。ここで出会った人との絆を大切にして、これから先もさまざまな場面で協力やチームワークを大切にする人になってください。」
■ 副代表理事の辞
次に阿部副代表理事よりご挨拶(あいさつ)をいただきました。
「みなさん卒塾おめでとうございます。9ヶ月間の活動、よく頑張りました。学校や習い事と自然塾の生活を両立させることは、とても大変だったと思います。それを成し遂(と)げたことに自信を持ってください。自然塾ではかけがえのない仲間と、ここでしかできない経験をしてきたと思います。それを活かして、さらに成長してください。
ご家族のみなさん、自然塾の活動にご理解とご支援いただきましてありがとうございます。今後も引き続きご協力をお願い申し上げます。」
■ 記念品(15期生の活動記録DVD)授与
その後、記念品の目録が塾生の代表に授与されました。
記念品は、塾での活動を記録したDVDです。卒塾式の様子も収めて、後日塾生の自宅に送ります。楽しみにしていて下さい。
■ 西野顧問(こもん)の辞
次に、西野顧問よりお話をいただきました。
「みなさん、この9ヶ月間いろいろな経験を積まれてきました。そして自然塾の理念である『生きる力』を学んできたと思います。中には実感がまだない人もいるかもしれません。しかし、さまざまな人と関わりを持って、協力して問題を解決してきたということは、『生きる力』が身についてきているということです。雨で作業ができなかったり、イノシシに畑を荒されてしまったりしたけれど、みんなで協力し、工夫して活動してきましたね 。そのように協力・感謝の気持ち・思いやりを学んだと思います。
ここで、感謝の気持ちを拍手で表したいと思います。まず、活動を金銭的な面で支援していただいた株式会社リコーに表したいと思います。次に毎回、家庭から送り出していただいた保護者の方々に感謝したいと思います。長い間ありがとうございました。
塾生のみなさんには、これからも感謝の気持ちと思いやりの心を持って過ごしてほしいです。」
■ 塾頭の辞
続いて高津戸塾頭よりお話がありました。
「卒塾おめでとうございます。大きな怪我や事故無く無事に活動を終えることができたことに御礼を申し上げます。自然塾の活動を振り返ってみると、本当にたくさんの活動を行ってきましたね。みんなの作文には、ゴボウのこと、チーム農園のこと、ホタルや川遊びのこと、さまざまなことが思い出になって書かれていました。今年は天気が悪く作物の生長がいまいちだったり、イノシシの被害があったりしました。自然の脅威(きょうい)や恵み、私たちは自然に生かされているということを実感して貰えたと思います。そして野菜は簡単には手に入らないことを学びました。自然塾の共同生活では、嫌だなと思うこともあったと思います。自分の思い通りにいかない中で、我慢すること、人を思いやることに気づいたのではないでしょうか。
成長したみんなの顔はとても輝いています。これからも塾で学んだ3つの心と2つの力を大切にしてください。」
■ 修了証の授与
引き続き、卒塾の証として一人一人に修了証を手渡されました。
「雨にも負けず、風にも負けず、疲れにも夏の暑さにも負けない強い意思を持ち、自然を慈しみ、作物を育み、友と仲良く協力し、この西丹沢の寄の地、市村自然塾で生活した体験は、これからのあなたの成長にとって必ずや大きな糧となることと確信します。 この度の卒塾にあたり、修了証を交付し、ここに修了したことを証します。」
緊張した様子をみせた塾生もいましたが、みんな誇らしく受け取っていました。
■ 塾生の辞
卒塾にあたって、ひとことを述べてもらいました。自分の素直な気持ちを表してくれました。
「私の目標は『畑に虫を寄らせないこと』と『協力』でした。虫はついちゃったけど、協力できました。楽しかったことはスタッフの畑から野菜をドロボーしたことです。」
「今までの18ステージ、とても楽しかったです。なぜならお茶摘みや山登り、ゴボウ掘りなどはじめてのことがあって、とてもいい思い出になりました。スタッフ、チームのみんな、塾生のみんな、本当に今までありがとうございました。」
「最初はいやいや行っていたけれど、何度も通ううちに楽しみになるようになりました。苦手だったトウモロコシもおいしく食べることができました。18ステージ楽しかったです。ありがとうございました。」
「私は18ステージを通してそれぞれの個性を大切にしないと、何事もつまらなくなってしまうなと思いました。Dチームはおもしろいぐらいに一人の個性の差が激しくて、どうやったらみんなをまとめられるかなと常に考えていました。その時、サブリーダーも助けてくれてみんなの考えを詳しく知ることで、みんなをまとめることができると分かりました。その工夫のおかげで、18ステージとても楽しかったです。ありがとうございました。」
「僕が自然塾に来て学んだことや楽しかったこと、嬉しかったこと、悲しかったこととかたくさんあったけど、一番良かったことはたくさん友達ができたことです。」
「僕はこの市村自然塾で『友情』というものを学びました。何事にも友達と協力してやってきたので、自然塾を卒塾しても、何事も友達と協力してがんばっていきたいです。18ステージありがとうございました。」
「Cチームは基本的にうるさいので18ステージの時に桃太郎の劇をやったり、チーム農園の場所に長いもがあってシンボルにしようとか言ったり、いろいろと変な発想が生まれるので、楽しかったなと思いました。18ステージありがとうございました。」
「僕はDチームのリーダーをやったんですが、チームがまず頑固で、掃除の分担を決めるときも誰も譲らなくて時間が掛かりました。自然塾では、友達とたくさん遊べて楽しかったです。」
■ 塾生に贈る言葉
世話人代表より、塾生に贈る言葉を述べました。
「卒塾おめでとう。スタッフは最初、不安と我慢の連続でした。役割分担や何か決め事のときに早い者勝ちで決まっていて、納得していない様子があったからです。分担を決めてあげたり、すべてを教えてしまうことは簡単です。けれども、みんな自身にいろいろなことを考え欲しいと思い接してきました。そして9ヶ月間一緒に過ごす内に、少しずつみんな自身が出来ることが増えてきました。それは相談しあうことや、相手の話を聴くことです。今日卒塾するみんなには『人から信頼される力』があります。家族の方にお願いです。ご家庭でも塾生たちにぜひ相談をしてください。塾生のみんなは、いまから力を発揮するときです。そして今まで出会ってきた人、これから出会う人、たくさんの人の信頼を得て、大きくなって塾に戻ってきてくれることを楽しみにしています。」
■ 保護者から記念品寄贈(きぞう)
保護者の方から、塾にまき割り機と時計を贈呈(ぞうてい)していただきました。
今後の活動で大切に使わせていただきます。ありがとうございました。
■ 斉唱
式の最後は、斉唱で締めくくりました。

9ヶ月間過ごした自然塾のことを第2の故郷のように思いながら「ふるさと」を、ここで出会った仲間とまた会おうという気持ちを込めて、「今日の日はさようなら」を歌いました。

伴奏は、女子塾生の代表が弾きました。
■ 記念撮影
式典終了後は、塾生全員で記念撮影!みんなよく頑張りました。卒塾おめでとう!!
塾庭では、保護者の方々も含め写真撮影をしました。総勢200名以上です。
今までたくさんのご支援本当にありがとうございました。
■ 食事
「カンパ~イ!」
「これからは、こうしてチームのみんなで食べられないのが残念だな。」
「どれもとてもおいしいよ!」
昼食はみんなが育ててきた秋野菜がたっぷり入ったオードブルと豚汁でした。
入塾式ではなかなか食べることができなかった苦手な野菜も、もう食べられるようになったと、喜んでいる塾生もいました。どのテーブルも話が弾み、自然塾で食べる最後の食事を思い思いに楽しんでいました。
■ 15期生の活動の記録DVD上映
記念品として贈られるDVDが、一足早く上映されました。
第1ステージから第18ステージを振り返った映像が流れると、あちらこちらで懐かしむ声や歓声が上がっていました。
■ 大地の会入会案内
市村自然塾関東のOB・OG会組織「大地の会」についての案内が、会長の来住さんより行われました。
大地の会は卒塾生同士の交流や、卒塾後も互いに切磋琢磨(せっさたくま)し続ける場となることを願い発足されました。
自然塾に一泊して農作業や川遊びをする『夏キャンプ』や、塾舎周辺の環境を活かして行う『運動会』、年に一度、活動や役員について話し合いをする『総会』などの年次活動をはじめ、社会性を育む体験プログラムも活発に開催されています。
スライドを使って行われた説明に、塾生たちは興味津々(きょうみしんしん)といった様子で聞き入っていました。
■ お別れ
バス出発までの間、スタッフや友人との語らいが、あちらこちらで行われていました。
さぁ、ここから新たな始まりです。自然塾での経験を活かし、大きく羽ばたいていってください。
■ 編集後記
15期生のみなさん、卒塾おめでとうございます。
本年も無事に15期生の活動を終えることができました。塾生を支えていただいた保護者の方々、活動を支えていただいた方々へ感謝いたします。ありがとうございました。
塾生のみなさんは9ヶ月間さまざまなことを経験してきました。自分では気づいていなくても、この9ヶ月間はみなさんの力になっているはずです。
その自分の力を信じて、これから何事にも真っ直ぐ向き合ってください。
S.D.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

日曜昼食 【卒塾式献立】※()内は塾産のもの
・豚汁
・塾産野菜を使ったオードブル(コマツナ、ホウレンソウ、カブ、チンゲンサイ、ダイコン、ニンジン、サトイモ、ネギ、ハクサイ、カリフラワー、ブロッコリー、レタス、ショウガ)