2016.04.15~17
第3ステージ ~女子~
ステージテーマ:「味噌作りに挑戦し、先人の知恵を学ぼう」
共同生活の目標:「時間を守る」
塾での生活にも慣れてきた第3ステージ。緊張もほぐれ、自然塾を楽しみにしている塾生が増えてきたかと思います。
『味噌作り』は1期生から続いている活動です。味噌作りには先人の知恵がたくさんつまっています。どんな知恵があるでしょうか。
共同生活の目標は『時間を守る』です。塾という共同生活を送る場でみんなが気持ちよく活動するため、時間を守ること、メリハリをつけて活動することを意識しながら、3日間過ごしました。
■ 04月15日(金) 夜の集い ~塾頭の話~
活動を始めるにあたり、塾頭よりお話がありました。
「今ステージは味噌作りをします。初代塾頭を勤めた箕輪(みのわ)さんが味噌の仕込みを教えてくれます。仕込みをしながら昔の人の知恵を学んでほしいと思います。
そして、共同農園ではキャベツとレタスを植え付けます。野菜はみんなが愛情を持って育てていけば、大きく、立派に育ちます。明日は最初の植え付けです。ぜひみんな、心を込めて丁寧(ていねい)に作業してほしいと思います。
共同生活の目標は『時間を守る』です。もう第3ステージになりました。塾での生活に慣れてきたと思います。これからは時間を守れるように心がけてください。チームの中で1人遅れたら7人が待つことになります。7人が遅れたら28人が待つことになります。時間を守るようにしてほしいと思います。
前回のKYT(危険予知トレーニング)を忘れないでください。ケガをしないよう、今ステージもKYTを思い出して安全に過ごしてください。
自然塾はみんなの住んでいるところよりも山の中にあって、少し季節がずれています。ぜひ、季節の変化、寄(やどりき)の自然を感じてください。?
■ 04月15日(金) 大豆の観察
味噌作りに使うため、大豆を前日から水に浸(つ)けてあります。
「大きくなってる」「これ大豆?」
初めて見る大豆の姿に興味津々(きょうみしんしん)です。
■ 04月15日(金) 害虫対策の準備
ペットボトルと卵の殻(から)を加工中。共同農園のキャベツ、ゴボウの害虫対策(たいさく)で使います。
「切りにくい…」と苦戦していたペットボトルも何とか準備完了!
これでみんなの野菜が守られます。
■ 04月16日(土) 共同農園作業
          ~キャベツ・レタスの植え付け~
キャベツとレタスの植え付けで、塾生は初めて苗を扱(あつか)います。種よりもさらに丁寧(ていねい)に扱わなければいけません。
野菜が大きく育つよう、ふかふかの畝(うね)を立てるところから作業は始まります。
クワを使って、ひもの外側から内側に土を何度も運びました。
「土が固くて大変。」「腰が痛くなっちゃう。」
辛そうな声が聞こえてきますが、途中で投げ出す塾生はいません。
畝ができたら、苗を並べます。
畝の中心に並んでいるかな?まっすぐかな?
確認しながら作業していました。
苗は野菜の赤ちゃん。傷つけないように、優しく扱います。
ポットから取り出してびっくり!根がびっしり詰まっていました。
根を傷つけないよう、そっと植えてあげます。
これから大きく育つよう、元肥(もとひ)をあげます。
野菜の成長に必要な肥料ですが、葉にかかると病気になってしまいます。慎重(しんちょう)に作業していました。
葉についてしまい、優しくはらってあげている塾生もいました。
『ネキリムシ』はキャベツが大好物。ネキリムシに茎を食べられてしまうと、キャベツは枯れてしまいます。
卵の殻(から)を使って害虫対策をしました。
植え付けたばかりの苗には水が必要です。
この日は良い天気。土が流れないように気をつけながら、たっぷりの水をあげました。
キャベツはモンシロチョウなどに卵を産み付けられないよう、レタスは強風で弱ってしまわないよう、ネットで守ってあげる必要があります。
ネットをかける時のポイントをしっかり聴き、取り組んでいました。
チーム農園でも使えそうですね。
■ 04月16日(土) 共同農園作業
          ~ゴボウの芽の観察、害虫対策~
長いゴボウからは想像できない、小さな芽が出ています。
キャベツと同様に、ネキリムシの大好物です。ゴボウはまだ小さいので、輪切りにしたペットボトルで守ってあげました。
「これはゴボウ?」「形が違うから雑草?」
周りの人と相談しながら、よく観察していましたね。
■ 04月16日(土) 昼食 ~大豆食品たっぷり弁当~
大豆食品たくさんのお弁当。
なんと、17種類もの大豆食品が使われています。
豆腐、ゆば、枝豆、しょうゆ…
一品ずつ探しながら、楽しみながらいただきました。
■ 04月16日(土) 自由時間
今まであまり天気に恵まれなかった女子ステージ。
今ステージは太陽の下、自由時間を外で過ごす塾生がたくさんいました。ドッジボールをしたり、野草を採(と)りに行ったり…
塾の周りに元気な声が響(ひび)きました。
■ 04月16日(土) 塾活動 ~味噌作り~
ステージテーマにもある味噌作り。先人の知恵がたくさんつまっています。どんな知恵があるのか考えながら作業しました。
初代塾頭を勤めた箕輪(みのわ)さんご夫妻から味噌作りをご指導いただきました。箕輪さんには1期生から味噌作りに携(たずさ)わっていただいています。
始めに、箕輪ご夫妻より味噌作りの心がけについてお話をいただきました。
「大豆、こうじ、塩を作ってくれた人がいるから味噌作りができます。作ってくれた人に感謝しましょう。
大豆一つ、こうじ一つをこぼさない。そういう心がけで取り組んで感謝の気持ちを表してほしいと思います。
味噌作りの中にはいろいろな作業工程(こうてい)があります。独り占めせず、みんなで仲よく交代して体験してください。?
さっそく作業開始!
米こうじ、麦こうじ、塩が混ざったものと大豆の煮汁を混ぜます。柔(やわ)らかくして、つぶしやすくするためです。
乾いているところがないように、下からこうじを持ち上げるようにして混ぜます。
ここから『ひとつぶを大切に』を合言葉に、丁寧に取り組んでいきます。
次に茹(ゆ)でた大豆と混ぜ合わせます。食堂内に大豆の良い香りが広がりました。
作業の合間に味見タイム。
熟成前のみんなの味噌と、箕輪さんが仕込んだ『3年味噌』を味比べ。
「しょっぱーい!」「おいしい!」
「3年味噌はまろやか!」
何度も味見している塾生がいました。みんなの味噌はどんな味になるんだろう?
材料をミンチ機でつぶして、タルに詰めます。
役割分担して、全員がいろいろな作業をできるように交代しながら進めました。
「交代だよ!」「味噌が落ちそう!」
食堂内にはたくさんの声が飛び交い(とびかい)ました。
味噌にとって空気は天敵。空気が入るとそこから雑菌(ざっきん)が広がってしまいます。なのでお団子にして空気を抜いてから、タルに(つ)詰めていきました。
全部詰めたら味噌を封印。
タルの内側やフタをお酒で殺菌します。
「お酒で殺菌できるの!?」「トウガラシを入れるの!?」
封印という一つの作業の中でも驚きの連続です。
味噌は塾頭室の床下で6ヶ月間熟成(じゅくせい)させます。
床下は気温の変化が少なく、味噌にとっては良い環境。
11月に開封するのが楽しみですね。
味噌作りを終え、箕輪さんへ質問をしました。
「味噌は何年寝かせるのが一番おいしいの?」
「ミンチ機がない昔はどうやって材料をつぶしていたの?」
味噌作りの中で生まれた、たくさんの疑問に答えてもらいました。
最後に、どんな先人の知恵を見つけたか聞いてみました。
「酒で消毒をする」「トウガラシでカビを抑(おさ)える」「塩でこうじの発酵(はっこう)を止める」「こうじをやわらかくするために大豆の煮汁を入れる」などなど…
普段何気なく食べていた味噌は、たくさんの先人の知恵によってできていたことがわかりましたね。
■ 04月16日(土) 共同農園作業 ~ジャガイモの芽の観察~
ジャガイモ畑に入ってびっくり!たくさん芽が出ています。
よーく見ると2種類の芽が…
去年ここはソバ畑。去年落ちた種が芽を出したみたいです。
「小さなキャベツみたい」
「ゴボウと形が違う」
よーく観察するといろいろな発見があります。
芽を観察するのと同時に、雑草も抜きました。
これから収穫までどんな成長をしていくのか、楽しみですね。
■ 04月16日(土) チーム農園作業
第2ステージに土作りをしたチーム農園。さっそく種を蒔(ま)いたチームもありました。
畑の長さを測り、畝を立てるところに目印の竹を立てます。
計算が合わず、何度もやり直しているチームもありました。
袋を開けて「え!?」とびっくり。白トウモロコシのはずなのに赤い種!?
「虫から守るため?消毒(しょうどく)?」
「トウモロコシにもジャガイモみたいに“ヘソ”があったらおもしろいね!」
種についていろいろ考えながら蒔(ま)きました。
ながーい畝を立てているチームもありました。
「畝の立て方はもうバッチリだよ!」と得意気です。
畑に種をまいたチームは、水をあげていました。
「土が水をあまり吸わなくなった。」「もうそろそろいいかも。」
共同農園で教わった水のあげ方、しっかり覚えていましたね。
■ 04月16日(土) 自由時間
昼に採ってきたヨモギで草団子を作っているチームがありました。
今しか味わえない春の味。食事のデザートに食べる予定です。
■ 04月16日(土) 夜の塾活動 ~チーム農園計画発表準備~
発表前の最後の準備時間。
計画の内容は大丈夫?誰がどこを発表する?
確認中です。
計画がすべて完成したチームは最後にリハーサル。
本番を想定して、時間も計っています。
昼間のチーム農園作業の振り返りをしているチームもありました。
今回作業をして気付いたことを次のステージに活かせたらいいね。
■ 04月17日(日) 塾活動 ~チーム農園計画発表~
第1ステージから取り組んできたチーム農園の計画。ついに発表の時間です。
・チーム名とメンバーの紹介
・チーム農園で7人で叶えたい『夢』
・育てる作物とその目標
・個人の『宣言』

チーム全員で分担して発表しました。
7人で叶えたい夢のため、自分が何をできるか『宣言』します。
「ずっと元気な畑にするためにさぼらず、しっかりお世話する」
「苦手な野菜を食べられるように愛情を込める」
「作物の様子を見てみんなで協力して育てる」
これから始まるチーム農園に対する意気込みが伝わってきました。
発表後、もらった質問やアドバイスをふまえ、計画を見直しました。
植え方を変える?通路を増やす?

実際に畑で作業している様子を想像しながら、植え付け前、最後の相談をしました。
■ 04月17日(日) 塾活動 ~チーム農園看板作り~
外はあいにくの雨。
チーム農園作業ができないので、チーム農園に立てる看板作りをしました。
チーム名と同じように看板にもチームらしさが出るよう、みんなで意見を出し合っていました。
材料の切り出しも自分たちの手で行います。
どのチームも「できたよ!」と誇(ほこ)らしげに看板を見せてくれました。
畑に立てるのが楽しみですね。
■ 04月17日(日) 帰りの集い ~塾頭の話~
活動のまとめとして、塾頭よりお話がありました。
「九州、南米の方で大きな地震がありました。普段何気なく飲んでいる水、食事を大切にしなくてはいけないと思いました。
キャベツとレタスの植え付けは、丁寧に思いやりをもって取り組んでくれました。これからも優しい気持ち、思いやりを持って野菜を育ててください。
味噌は11月に開封します。その時にまた、箕輪さんがいろいろなお話をしてくれます。楽しみにしていてください。味噌作りの中でいろいろな先人の知恵に気付いたと思います。箕輪さんもいろいろと工夫をされていましたよね。そういう知恵が積み重なって味噌作りができるようになりました。箕輪さんのアイディア、先人の知恵に感謝しましょう。
チーム農園作業、きちんと丁寧にやってくれました。発表もよくまとまっていました。これから、発表してくれた目標を達成できるようにみんなで協力して頑張ってください。
柳川先生が「よく野菜を観察して、結果を記録してください」とおっしゃっていたことを覚えていますか?葉の色や角度をよく見て、野菜の状態に気付いてください。対策を考えて実行してください。それを続ければ、野菜が立派に育つと思います。そして、みんなの目標が達成できると思います。
共同生活の目標の『時間を守る』がよく守れていました。ぜひこれを続けてください。時間を守れる人は強い心を持っている人です。いろんな人から信頼されます。強い心を持ち続けて、信頼される人になってほしいと思います。
また、第1,2ステージの目標だった『あいさつをする』『人の話を聴く』こともこれから続けていってください。
次のステージは夏野菜の植え付けと、マナー講座があります。ぜひ次のステージも元気に来てください。?
■ 編集後記
あっという間にもう第3ステージが終わってしまいました。
塾生のみんなは塾の生活にも慣れ、休み時間には外で活動していたり、おやつ作りをしていたり、部屋でおしゃべりをしていたり、それぞれ満喫(まんきつ)している様子が見られました。
共同生活目標だった時間を守ることがよく出来ていて、みんなが気持ちよく過ごせたステージだったと感じます。
ある塾生が「農作業も、道具を洗うのも、皿洗いも、自由時間も、全部が楽しい!」と言っていました。ひとりひとり、活動の中に違った楽しみを見出しているのかな?それってステキだな。と感じました。これからのステージでもいろいろなことを経験していきます。その経験を通して、みんなの楽しみが少しずつ増えていってくれたらうれしいです。

S.A.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・岡山県の郷土料理「デミカツ丼」(キャベツ、プチベール、芽キャベツ)
・キャベツとトマト煮(キャベツ、タマネギ、ニンジン)

土曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、大根、ネギ)
・キャベツの巣ごもり玉子(キャベツ)
・サツマイモの金平(サツマイモ)
・切干大根の炒り煮(切干大根)
・水菜の炒め物(水菜)
・ほうれん草のお浸し(ほうれん草)
・小松菜のゴマ和え(小松菜)
・キャベツの浅漬け(キャベツ、ニンジン)

土曜昼食 【今日は味噌作りの日・大豆食品について学ぼう】
~大豆食品17品目を使った献立~
・味噌汁(味噌、ネギ)
・大豆食品重(ネギ)
・豆乳プリン

土曜夕食 ・筍ご飯(筍、木の芽)
・すまし汁(筍、椎茸、ネギ)
・筍の天ぷら(筍)
・プチベールの天ぷら(プチベール)
・かき揚げ(タマネギ、ニンジン)
・サラダ(キャベツ、ニンジン、水菜)
・小松菜のソテー(小松菜)

日曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、サツマイモ、ネギ)
・筍の土佐煮(筍、木の芽)
・筍のソテー(筍)
・筍の和え物(筍)
・里芋の煮物(里芋)
・ツクシの佃煮(ツクシ)
・紅白なます(大根、ニンジン)
・カブの漬物(カブ)
・だし取り後昆布鰹節の佃煮

日曜昼食 ・中華丼(筍、キャベツ、チンゲン菜、タマネギ、ニンジン)
・広島風つけ麺(塾生がよく踏んだ手打ち麺、ネギ)