2015.04.17~19
第03ステージ ~女子~
ステージテーマ:「味噌作りに挑戦し、先人の知恵を学ぼう!」
共同生活の目標:「時間を守る」
古くから日本食を支えてきた調味料の味噌(みそ)。その味噌作りには、先人達の知恵がたくさんつまっています。味噌を作りながらその知恵にふれていきます。
共同生活目標の「時間を守る」では、①集合時間を守る②就寝時間を守る③食事の目安の時間を守る、この3つを中心に、共同生活で欠かせない時間意識をもてるように今ステージを過ごしました。
■ 04月17日(金) 夜の集い ~塾頭の話、大豆の観察~
活動を始めるにあたって、塾頭よりお話がありました。
「新学期も始まり、新しい環境での生活が始まった人もいると思います。第1、第2ステージの共同生活目標の『あいさつをする』と『人の話を聴く』は実践(じっせん)していますか?ぜひ、これからも取り組み続けてください。
今回は『時間を守る』です。1人が時間を守らないと、チームが時間を守れなくなります。チームが時間に遅れると、全体の進行に影響(えいきょう)がでます。時間を守ることは、全員が楽しく過ごすためでもあります。同じ作業をしていても、人それぞれ年齢も体格も違うので進み具合に差がでてきますね。早く終わった人が他の人の手伝いをしましょう。手伝ってもらうととても助かりますね。同じことを他の人にもしてあげられるようになってください。
味噌作りでは、市村自然塾初代塾頭の箕輪(みのわ)さんがいらっしゃいます。味噌のことの他にもいろんなお話をしてくれると思います。楽しみにしていてください。
今ステージは苗の植え付けもありますね。『野菜は人の心に正直だ』と言われています。愛情を込めて育てるとそれに応(こた)えて、たくさんの実がなります。野菜への思いやりの心と、そして人への思いやりの心を大切にしながら、今ステージも楽しく過ごしていきましょう。」
味噌作りに使う大豆を観察しました。やわらかく煮るために20時間ものあいだ水につけます。
水につける前の大豆と見比べながら観察しました。
「大豆の形が変わってる。」
「すっごく大きくなってる。」
いろんな感想が出ていました。
■ 04月18日(土) 危険生物、危険植物の話 ~野草~
塾周辺はたくさんの自然であふれています。それは豊かな環境であると同時に、危険がひそんでいることでもあります。
自然と共存していくため、そして安全を知る力を養うために、少しずつ安全と危険を学んできます。
今回は『野草』について学びました。
塾の周りにはおいしい野草がたくさん生えています。危険な野草ももちろん生えています。
野草をつむ時は、1人で判断せずにスタッフに確認することを確かめ合いました。
■ 04月18日(土) 共同農園作業
~キャベツ・レタスの植え付け~
塾生にとって初めて苗をあつかいます。野菜にとってはまだ赤ちゃんのように小さく、弱い苗。丁寧にあつかっていきましょう。
まずは畝(うね)立てからです。これからぐんぐん根を伸ばしていけるように、ふかふかの畝を立てます。

うまく土を寄せられず、ジャガイモの時の溝きりとは違う難しさを感じているようでした。
土を充分に寄せたら、平らにならしていきます。
大きな土のかたまりは細かくくだきながら畝を作っていました。
苗を並べます。
見た目そっくりのキャベツとレタスですが、『○○科』で分けると仲間ではありません。
それを知った塾生からは
「えーー!?」との声。
野菜ごとに違う植え付け方を知りながら、苗を並べていきました。
さぁいよいよポットから取り出し、植え付けます。
びっしり根がはってある苗を見て
「おぉー!」
と目を丸くしている塾生がいました。
野菜が育つためには肥料は欠かせません。
『一番栄養を吸収するのは、根のどこだろう?』
肥料をまくポイントを考えながら野菜に『お弁当』をあげました。
キャベツにはネキリムシという天敵がいます。大切な野菜を守るために、くきの周りに卵のからをまきました。
味噌作りとは違う『先人の知恵』がここにも隠(かく)れていました。
水やりのコツは『たっぷり』です。
たくさん水をあげたい、けれども畝の土はくずさない。水やりにも大切なポイントがありました。
最後に虫よけ、風よけのためにネットを張(は)りました。
すき間があっては野菜に卵を産み付けられたり、食べられたりしてしまいます。
これからのチーム農園でも活用できるようにと、コツを聞きながら張っていました。
これで植え付け作業はおしまい。これからもお世話を続けて、収穫は1ヶ月~2ヶ月後。楽しみですね。
■ 04月18日(土) 共同農園作業
~ジャガイモとゴボウの観察~
第1ステージに植えたジャガイモと、第2ステージで植えたゴボウの芽が出ていました。

『ジャガイモの芽ってどういうのかな?』普段見ることのない姿を、じっくり観察しました。

「かたいし、ざらざらしてる。」
芽をさわってみた塾生から声があがっていました。
ジャガイモとは全然違うとても小さいゴボウの芽。
「かわいー!」なんて声が聞こえてきました。
ゴボウの芽にもネキリムシ対策が必要です。小さな芽が埋(う)もれてしまわないように、少しずつまきました。
■ 04月18日(土) 塾活動 ~味噌作り~
ステージテーマにもある味噌作りの開始です。
まずは麹(こうじ)をふやかす作業から始めました。
自然塾の味噌は米麹と麦麹を使っています。その麹に塩を混ぜたものに、大豆のゆで汁を加えます。
ムラのないように底からしっかりと混ぜていきました。
麹をふやかしている間、市村自然塾第1期生のころから味噌作りにたずさわっていただいている箕輪(みのわ)さんご夫妻から、味噌作りを行うにあたってのお話がありました。
「みなさん味噌は好きですか?味噌は調味料としてとても歴史が長く、古くから病気の予防にも役立っています。
今回みなさんにお願いしたいことは、『味噌のような人』になってほしいということです。おいしい味噌の味噌汁は、他の具のうまさを引き出しています。これにちなんで、みなさんには周りの人の良さを引き出してください。お互いの良さを引き出し合うことで、チームワークが生まれていきます。するといろんなアイディアが出てきます。これから人の良いところを見つけ合えるようになってください。」
柔らかくゆでた大豆とふやかした麹を混ぜ合わせます。味にかたよりがでないように均一に混ぜなくてはいけません。
『1つぶを大切に』の気持ちをもって進めていきました。
ここからは分担して進めていきます。
混ぜ合わせた材料をミンチ機に入れる人。
ミンチ機に押し込む人。
ミンチされた材料を丸める人。
樽(たる)につめる人。
どの工程も大切なポイントがそれぞれあります。役割を交代しながら全ての工程を体験しました。
材料をミンチ機に入れる時はポロポロとこぼしやすくて大変です。
少しずつ入れる塾生、両手いっぱいすくって入れる塾生と、やりながらどうやればいいのか工夫している姿がありました。
樽につめやすい大きさに丸めています。ミンチされて柔らかくなった感触を感じていました。
樽につめていく時は空気に要注意。空気が入るとそこからカビが発生してしまいます。
「手がイタイ…」と力を込めて樽につめていました。
味噌になる前はどんな味でしょうか。
口に入れたとたん顔をしかめる塾生たち。
「しょっぱい!!」
たくさんの塩も味噌の熟成には欠かせない材料です。
全ての材料を樽につめ終ったら封印をします。カビが少なく、うまく熟成されるかはこの工程が一番左右します。
ラップをかけてながら、うまく空気を抜くコツを聞き、何度も何度も表面をなでて空気を抜いていました。
最後は塾頭室の地下室に運びます。
涼しく、湿度も変わりにくい熟成にぴったりの場所で、このまま6ヶ月後の開封を待ちます。
味噌作りを終えるにあたって、箕輪さんよりお話がありました。
「1つぶを大切にするというのは、農家の方が大切に育てた大豆や麹、お米をみなさんも大切にしてほしいということです。材料を無駄にしないということは感謝をすることにつながります。これからも材料を使うときには、粗末(そまつ)にしないようにしてください。
味噌作りで周りの人の良いところを見つけられた人はいますか?味噌作りのときだけではなく、これからの活動でも、どんどん周りの人の良いところを引き出していってください。」
■ 04月18日(土) 休み時間
休み時間には石うすを使って、お茶の葉で抹茶(まっちゃ)を作っていました。
「(回すのが)重い~」なんて言いながもなんだか楽しそう。
この抹茶を使って、塾生がおやつを作りました。甘さひかえめ、抹茶の香りが広がる抹茶ババロア。ごちそうさま。
■ 04月18日(土) チーム農園計画・発表準備
チーム農園計画最後の時間。
夜の発表に向けて、リハーサルをしているチームもいました。
夜は自信をもって発表できるでしょうか。
■ 04月18日(土) 塾活動 ~チーム農園計画発表~
チーム農園計画の総まとめの発表の時が来ました。
ここでは、チーム名、メンバー、どんなチーム農園にしたいか、畑の作付け予定図、そして最後に1人ずつチーム農園作業をするにあたって頑張りたいこと【宣言】を発表しました。
発表の最後には質問やアドバイスの時間を設(もう)け、塾生とスタッフが一緒になって発表を聞いてみての疑問を投げかけたり、より良くするためのアドバイスをしました。
宣言では、
「おいしい野菜をいっぱい作るために、丁寧に育てます。」
「みんなに優しくしたいです。」
「友達が困っていたら助けてあげたいです。」
これから本格的にチーム農園作業にのぞむ意気込みが感じられました。
■ 04月18日(土) チームリーダー会議
塾では土曜日の夜に、チームリーダー、サブリーダー、塾頭、ステージ担当でチームリーダー会議を行います。チームで起きた嬉しかったことや、今抱えている問題など、塾生活をより良くしていくための意見交換を行っています。
第1回目の今回は、リーダー会議の目的とリーダー、サブリーダーとしての心構えを確認しました。
心構えとしては①自分から進んでやる②自らが手本を示す③人の話に耳をかたむける④チームの方向性を決断する。この4つです。
これからチームを率いていくリーダー、サブリーダーの活躍を期待しています。
■ 04月19日(日) チーム農園作業
この日は1日チーム農園作業。
夜に行ったチーム農園発表の時にアドバイスをもとに、計画の再検討から始まりました。
柳川先生にもアドバイスをもらいに行く姿も多く見られ、いよいよ始まる植え付け作業の最終チェックです。
再検討を終えたチームから、農作業が始まりました。
このチームは、ニンジンの種まき。
とても小さいニンジンの種を1つぶ1つぶまいていました。
このチームはトウモロコシの種まきです。
種をまく前に種のにおいをかいだり、手のひらで転がしてみたり、じっくり観察していました。
「ここがメロン。」
「ここがトマトだね。」
計画の時に考えた畑の作付図をもとに、実際に畑の区画分けをしています。
次のステージに予定している野菜の植え付けを、今か今かと待ち望んでいるようにも見えました。
■ 04月19日(日) 帰りの集い ~塾頭の話~
ステージを終えるにあたって、塾頭よりお話がありました。
「チーム農園発表では、協力して計画を進めていたことがとてもよく伝わりました。これから目標を達成するために、よく野菜の観察をしてください。葉やつぼみを見て必要な世話をチームみんなで考えながら愛情をもって元気に育ててください。
共同生活目標は『時間を守る』でしたね。私は集合時間や、活動を終わる時間がまだ守れていないように思いました。時間を守るためには強い心が必要です。強い心を持つ人は、人から信じてもらえる人であり、いろんなことができる人でもあります。
今後のステージでも時間を守ることをぜひ続けてください。
次のステージは夏野菜の植え付けがたくさんありますので、周りの人の良いところを引き出せる『味噌のような人』を思い出しながら、愛情をもって植え付けをしましょう。次回も健康に気を付けて、元気に来てください。」
■ 編集後記
休み時間には思い思いに過ごす塾生の姿が多く見られました。チームメンバーでおやつ作り、ボランティアの方と一緒に野草つみ、チームを越えてのトランプ遊びなど、遊びから人とのつながりが広がっているようでした。自然塾に来ているからこそのこのつながりを大切に、これからもどんどん人との輪を広げていってほしいと願っています。
共同生活をしているからこそ意識してほしい『時間』や『話を聴く』こと、これから塾生同士で意識し合える関係にもなっていけるといいですね。
S.O.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・天津飯(長ネギ、人参、切干大根)
・中華スープ(長ネギ、人参、ほうれん草)
・チンゲン菜の中華サラダ(チンゲン菜、人参)
・ざく切りキャベツ(キャベツ、自然塾九州の味噌)
・中華風漬物(大根、人参)

土曜朝食 ・菜飯
・だんご汁(大根、人参、小松菜、長ネギ)
・タケノコの土佐煮(タケノコ、山椒)
・里芋のネギ味噌和え(里芋、長ネギ、味噌)
・ほうれん草の玉子炒め(ほうれん草)
・チンゲン菜の炒め物(チンゲン菜)
・小松菜の
・人参の葉のゴマ和え(人参の葉)
・漬物(大根)
・だし取り後のかつお節と昆布の佃煮

土曜昼食 【大豆食品18品目を使った献立】
・豆ご飯
・納豆汁(長ネギ)
・大豆食品3種類の煮物
・焼豆腐の湯葉のせ
・おからの炒り煮(人参、小松菜)
・豆もやしの炒め物
・豆乳プリンの黒蜜きな粉かけ
・炒り豆

おやつ 【塾生手作りおやつ】
・抹茶ババロア(塾生が石臼をひいて作った抹茶)

土曜夕食 ・ご飯
・コンソメスープ(大根、人参、小松菜)
・タケノコハンバーグおろしポン酢かけ(タケノコ、大根)
・繊キャベツ(キャベツ)
・人参グラッセ(人参)
・大学里芋(里芋)
・ほうれん草のソテー(ほうれん草)

日曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、大根、長ネギ、里芋)
・ネギオムレツ(長ネギ)
・野菜炒め(キャベツ、人参)
・人参の葉のツナ和え(人参の葉)
・キャベツの梅和え(キャベツ、梅干し)
・キャベツの浅漬け(キャベツ、人参)
・だし取り後のかつお節と昆布の佃煮

日曜昼食 ・キャベツのぺペロンチーノ(キャベツ)
・コンソメスープ(キャベツ、人参、ほうれん草)
・サラダ(キャベツ、人参)