2015.10.02~04
第15ステージ ~男子~
ステージテーマ:「里山ハイキングを通して自然と人間について考えよう!!」
共同生活の目標:「全員で1つ選ぶ」
今回は塾の裏側にあるシダンゴ山にハイキングに行き、日頃の自然塾とは少し違う自然の中で過ごしました。五感を使って自然を感じ、山と人とのつながりについて考え、体力と気力を振り絞って山を歩きました。
共同生活の目標は、全員で一つの目標を話し合って決め、取り組みました。
■ 10月02日(金) 夜の集い ~塾頭の話~
活動のはじめに塾頭より話がありました。
「台風の影響でチーム農園も被害を受けました。自然の力にはかないません。しかし恵みももたらしてくれます。明日はハイキングに行きますが、狙(ねら)いと目的があります。①自然の素晴らしさを感じ、自然を慈(いつく)しむ心を育てて欲しいです。②自然と人間(山と人の生活)との関わりについて考えて欲しい。③体力・集中力を試して欲しい、全員で一緒に登り、達成感を味わって欲しい。ぜひこの3つを意識して登ってください。
山をあなどってはいけません。自分の身は自分で守ることを意識して行動してください。共同生活の目標も全員でひとつ決めますが、全員で目標を達成するという気持ちでのぞんでください。」
■ 10月02日(金) 夜の集い ~共同生活の目標決め~
今回の共同生活の目標は全員でひとつ決めました。
「ハイキングなので、時間を守って行動した方がいい」
「しっかりと話を聴いていないと危険なので、人の話を聴くがいい」
「荷物が多いので散らかってしまいそう。整理整頓清掃清潔を心がけたい」
「ルールを守らないと危ない。ルールを守るがいい」
など、いろいろ意見を出し合って話し合った結果、
共同生活の目標は「ルールを守る」
それを守るためのポイントとして、①時間を守る、②人の話を聴く、③山と農作業のルールを守る、に決まり、意識して取り組むことにしました。
■ 10月02日(金) ハイキング前のスライドショー
明日のハイキングが楽しくなるように、スタッフが見つけた樹木(じゅもく)、生きもの、生きものの跡(あと)、葉っぱ、山道の様子などのスライドを見ました。
どんな出会いや発見があるか楽しみですね。
■ 10月03日(土) 塾活動
「シダンゴ山ハイキング」 ~出発~
調理師さんの作ってくれたお弁当、事務スタッフの用意してくれたおやつをつめていざ出発!塾の前の坂道を登っていきます。
■ 10月03日(土) 塾活動
「シダンゴ山ハイキング」 ~登山道入り口~
山道に入る前に感覚を研ぎ澄ませます。
目を閉じ、五感を働かせて、聴こえてくる音、周囲のにおい、肌に感じる風、陽(ひ)のひかりなどを感じました。
■ 10月03日(土) 塾活動
「シダンゴ山ハイキング」 ~カモフラージュ~
最初の山頂「宮地山(みやじやま)」でゲームを行いました。林の中の広場になっている山頂に「塾にあるもの」が隠してあり、それを探し出します。
けん玉、移植ごて、マジック、たわし、洗濯ばさみなど、自然の風景に溶け込んでいるものを探し出しました。
■ 10月03日(土) 塾活動
「シダンゴ山ハイキング」 ~フィールドビンゴ~
カモフラージュで視野(しや)を広げたところで、次のプログラム「フィールドビンゴ」を行いました。自然の音やにおい、いろいろな木の実、生きもの、木の赤ちゃん、人が山に入った跡(あと)など、いろいろなものを探しながら、さらに山の奥に入っていきます。
途中の休憩ポイントで見つけたものの発表。とても爽(さわ)やかな香りのする花、ドングリに見えるけど違う木の実、など見つけたものを見せたり発表しました。
■ 10月03日(土) 塾活動 「シダンゴ山ハイキング」
~見つけたもの・出会ったもの(登山中)~
その後の山道でも、いろいろなものに出会いました。

何人も手をつながないと囲めない、「森の主」の木。
大きな葉っぱを拾いましたね。帽子につけています。
アオダイショウの子ども。スタッフがつかまえて触(さわ)らせてくれました。
ザトウムシ。千と千尋の神隠し(せんとちひろのかみかくし)の釜爺(かまじい)のモデルにもなったクモの仲間です。たくさん見かけましたね。
■ 10月03日(土) 塾活動
「シダンゴ山ハイキング」 ~山道にて~
足元には鮮(あざ)やかな木の枝がたくさん落ちていました。見上げると林の中から木漏れ日がまぶしく差し込んでいます。
見晴らしのよいところで立ち止まって、ヤッホー!みんな手に手に相棒(途中で拾った木の枝:杖代わり)を持っていますね。
倒れている木をまたいで進むところもありました。
■ 10月03日(土) 塾活動
「シダンゴ山ハイキング」 ~頂上へ~
頂上まであと300メートルのところから全員で一斉スタート。200段以上の階段の続く急坂です。
我先に頂上を目指す塾生、一歩一歩確実に登る塾生、頂上まであと少し、頑張れ!
今年の1位、2位、3位。
その後も次々頂上へ。やっと着いた~!辛かったけれどその分喜びも倍増。

力を出し切って倒れこむ塾生も→
■ 10月03日(土) 塾活動
「シダンゴ山ハイキング」 ~山頂で~
お待ちかねの昼食タイム。頂上で食べるお弁当は格別に美味しいですね。
昼食後に双眼鏡で景色を眺める塾生。天気が良くて遠くの町や海や山も見えたけど、なぜか一番人気は眼下に見えるゴルフ場。山の上からゴルファーを応援していました。
■ 10月03日(土) 塾活動
「シダンゴ山ハイキング」 ~記念撮影~
全員で記念撮影(上)。チームでも思い思いの場所で写真を撮(と)りました(下)。
■ 10月03日(土) 塾活動
「シダンゴ山ハイキング」 ~森の芸術家~
下山途中の林の中で、そこにあるものや集めてきたものを使って、シダンゴ山の何かを作ろう、というプログラムを行いました。想像力を発揮して何が出来るか楽しみです。
Aチーム。丸太をいろいろ運んでいると思ったら、シーソーが。他にもベンチや休憩所が出来上がりました。お題は「シダンゴ山の公園」
Bチーム。「秘密基地+丸太をつなげたフィールドアスレチック」が出来上がりました。みんなで丸太を渡って大人気でした。
Cチーム。「シダンゴ山の宮殿」。発表時宮殿を破壊する悪魔の演出付き??
Dチーム。「虹色(にじいろ)のシダンゴ山」。枝と葉を組み合わせてきれいな作品が出来上がりました。
塾頭作品。「シダンゴ山の再生」。荒れた森と緑あふれる山の対比が鮮やかで、みな見入っていました。
■ 10月03日(土) 塾活動  「シダンゴ山ハイキング」
~見つけたもの(下山時)~
山から下りる途中でもいろいろなものに出会いました。


きれいな鳥の羽を見つけました。
女郎蜘蛛(ジョロウグモ)の鮮(あざ)やかな模様に見とれています。手の平にのせてもぜんぜん平気。
林道脇で見つけた鹿の骨。この鹿に何があったのでしょうか?
■ 10月03日(土) 塾活動
「シダンゴ山ハイキング」 ~里山の話~
塾へ戻る途中の道で、里山の話をしました。
人が植えた人工林と様々な木が生えている雑木林(ぞうきばやし)との比較、そのどちらも人間が利用してきたこと。人が手入れや利用をしないと山はどんどん荒れていってしまうこと。荒れた山は生きものが少なくなり、災害にも弱くなってしまうこと。
現在の里山が直面している問題を今日歩いてきた場面を思い出しながら考えました。
■ 10月03日(土) 塾活動
「シダンゴ山ハイキング」 ~下山後の振り返り~
全員が下山した後、塾庭に集合して今日一日の感想を振り返り発表しました。

「山頂から見た景色が素晴らしかった」
「お弁当がおいしかった」
「みんなと登って達成感が得られた」
「疲れて下りてきたところに鹿の骨があってびっくりした」

振り返るといろいろなことがありましたね。
■ 10月03日(土) 塾活動 「森の句会」
夜の時間にはハイキングで感じたことや発見を俳句にしてもらいました。

「頂上は おいしい空気が 流れてる」
「ハイキング 頂上までが 超つらい」
「山の中 葉っぱの音が ひびいてる」
「影光り 鳥のさえずり ひびきたり」
「女郎蜘蛛(ジョロウグモ) いろとりどりな 柄が好き」
「アオダイショウ ぷにぷにしたけど くさかった」

いろいろな発見と思い出に残った場面を、素直に表現してくれました。
■ 10月04日(日) 共同農園作業 ~秋野菜・ダイコンの世話~
この日の共同農園作業は2チームごとに分かれ、秋野菜(ブロッコリー)の世話とダイコンの世話を行いました。
ブロッコリーの畝(うね)に生えた草を抜き、追肥土寄せをしました。
ダイコンの畝も雑草で覆(おお)われていました。草取りをして、追肥・土寄せをしました。
■ 10月04日(日) チーム農園作業
今日のチーム農園作業。短時間でしたが必要な作業をてきぱきこなしていました。
ホウレンソウの間引きをし、芽の出ていないところへの植えなおしをしています。丁寧(ていねい)に作業していますね。芽がたくさん出たので、出なかったほかのチームにも分けていました。
アーチの片付け。キュウリやヒョウタン用のアーチですが、夏野菜は終わったので片付けています。
たくさん芽が出ているカブを間引き、追肥と土寄せをしました。
落花生を収穫した後に牛糞堆肥(ぎゅうふんたいひ)をまいて耕(たがや)し、中国ダイコンの種を播きました。
■ 10月04日(日) 活動のまとめ
活動を終えるにあたって塾頭より話がありました。
「シダンゴ山ハイキングは天気に恵まれ、とてもよい景色が見られました。山道を登って自分の力がわかったと思います。ぜひ自信につなげてください。山に登れたことについて3つの感謝の心を考えてください。①大地自然への感謝、②皆さんを送り出してくれたお父さんお母さんへの感謝、③山道を苦労して作り整備してくれた人たち、お弁当を作ってくれた調理師さん、ハイキングをサポートしてくれたスタッフなど多くの人への感謝。
自然塾ではおかげさまの心を大事にしています。忘れずにいてください。
里山の話がありましたが、山は美味しい空気、水を与えてくれます。林・森を大切にすれば恵みを与えてくれます。山は水を蓄(たくわ)え、田んぼを潤(うるお)してくれます。山が豊かだとその恵みを受けて海の生き物も豊かになります。山の自然はすべてにつながります。木を切ったりごみを捨てたりせず、自然を大切にするよう心がけてください。」
■ 編集後記
今ステージのメインイベント「シダンゴ山ハイキング」。天気にも恵まれ、今までの塾活動とは違う場で一日思う存分活動しました。山登りがはじめてという塾生もいましたが、全員が一丸となって全行程を終えることが出来ました。塾生ひとりひとりがのびのびとそれぞれの興味や感性のアンテナを存分に伸ばしてハイキングを楽しんでいた様子がとても印象的でした。記憶に残った場面は違っても、それぞれに深い思い出が刻まれたと信じています。里山とそれをめぐる話は奥が深く、難しい問題です。里山の話もしっかり聴いてくれましたが、何よりもその里山の自然をハイキングを通じて全身で感じ取ってくれました。それが彼らの原風景の一部になり、そこから何かが芽生えることをぜひ期待したいと思います。
T.K.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・冷やしうどん(手打ちうどん、長ネギ、スダチ、ショウガ)
・ゴボウ稲荷寿司(ゴボウ)
・肉巻きおにぎり(ショウガ)
・冬瓜パイ(冬瓜)

土曜朝食 ・ご飯
・豚汁(味噌、大根、サトイモ、ジャガイモ、ゴボウ、長ネギ、女子塾生が作ったコンニャク、柚子胡椒)
・ベーコンエッグ
・納豆(長ネギ)

土曜昼食 【ハイキング弁当】
・日の丸弁当(梅干し)
・ハンバーグ(タマネギ)
・コロッケ(ジャガイモ、タマネギ)
・スパソテー(タマネギ、ピーマン、パプリカ)
・金平ゴボウ(ゴボウ)
・鶏のから揚げ(ショウガ)
・タコさんウインナー
・茹で栗(栗)
・茹で落花生(落花生)

土曜夕食 ・ドライカレー(タマネギ、ナス、ピーマン、パプリカ、冬瓜、ショウガ)
・サラダ(冬瓜、赤タマネギ、ピーマン、パプリカ、人参の葉)
・冬瓜スープ(冬瓜、タマネギ)
・手焼きナン(小麦粉、冬瓜ジャム)

日曜朝食 ・菜飯(大根の葉)
・味噌汁(味噌、長ネギ、ナス)
・ベジタブルオムレツ(ピーマン、パプリカ、ジャガイモ)
・夏野菜の甘酢炒め(ナス、ピーマン、パプリカ)
・大根の葉のゴマ和え(大根の葉)
・漬物(大根の葉)
・だし取り後昆布鰹節の佃煮

日曜昼食 ・人参の葉ピラフ(人参の葉)
・かぼちゃスープ(カボチャ、タマネギ、人参の葉)
・かぼちゃコロッケ(カボチャ、タマネギ)
・グリーントマトのはさみ焼き(緑トマト)
・しし唐の素揚げ(しし唐)
・サラダ(冬瓜、赤タマネギ、ピーマン、パプリカ)