2015.05.08~10
第05ステージ ~男子~
ステージテーマ:「お茶作りに挑戦し、新茶の味を楽しもう!」
共同生活の目標:「整理整頓を心がける」
今回のステージテーマは「お茶作りに挑戦し、新茶の味を楽しもう!」。塾の周りは新緑に包まれています。お茶畑の緑も鮮やかです。今回は季節の移ろいの中で日本人が大切にしてきた季節感の一つ、新茶の季節を全身で味わってもらいました。共同生活の目標は「整理整頓を心がける」。整理整頓をするといろいろな良いことがあります。それを考えながらステージを過ごしてもらいました。
■ 05月08日(金) 塾活動 ~包丁の使い方~
食事当番や塾活動で使う包丁の使い方を、あらためて教わりました。
まず、危険な使い方の写真を見てなぜ危ないか確認。その後、調理師さんに見本を見せてもらい、実際に塾生も実践(じっせん)しました。
「包丁はまっすぐ立てて、少し押して切る」「切る野菜は安定させて」「野菜をおさえる手は指を立てて(猫の手で)しっかりおさえる」
包丁の安全な置き方、洗い方なども確認しました。
包丁は調理には欠かせない道具です。安全に使うコツを覚えて仲良くなっていきましょう。
■ 05月08日(金) 夜の集い
活動を始めるにあたり、塾頭より話がありました。
「今、包丁の使い方を教わりました。ほかにもいろいろなことをやってきましたが、もう一度原点に戻って、基本に忠実に行い、事故のないようにしましょう。
農作業も一通りできるようになりました。これからはリーダー・サブリーダー中心に自分たちで協力して行ってください。
この塾では、自主・自立・自律を大切にしています。進んでやること、ひとり立ちすること、みんなのことを考えて行動することを実践(じっせん)してください。
今回の共同生活目標は整理整頓をするです。整理整頓はなぜ必要なのか、いろいろ考えながら過ごしてください。」
■ 05月09日(土) 塾活動 ~お茶摘(つ)み~
八十八夜も過ぎ、塾周辺は目にも鮮やかなお茶の新緑が広がっています。
今年は去年から地元の農家さんからお借りした塾舎正面のお茶畑でお茶の葉を摘みました。もっともおいしいお茶は新芽、「一芯三葉」(いっしんさんよう)を選んで摘んで作ります。今年は暖かく、芯が開いて葉になっているものも多かったですが、真剣な表情で柔らかい葉を集めていました。
葉を摘みながら、ときどきパクリ。
「苦い?」「それほどでもないよ?」
お茶を作る前に、葉そのものを味わっておくことも、良いことですね。
お茶の葉を摘み終わったら洗って蒸し、うちわで荒熱(あらねつ)をとりました。お茶の葉がいい具合にしおれ、あたりはお茶の良い香りに包まれました。
荒熱をとったお茶の葉は、チームごとにザルに広げて夕方のお茶作りの時間を待ちます。
■ 05月09日(土) 共同農園作業 ~オカボの種まき~
オカボとは畑で育てる米のことです。自然塾ではもち米をまき、収穫して18ステージで餅(もち)つきをしています。
オカボの種まきは少々根気のいる作業です。浅くて平らな溝をクワで掘り、種を2cm間隔で丁寧にまいていきます。1粒づつ丁寧にまく塾生もいる一方、中には途中で飽(あ)きてしまったのか、ばらまきしてやりなおししていた塾生もいました。
また、オカボの種は鳥の大好物。キラキラしたテープは鳥除(よ)けなのですが、塾近くに住むカラスは慣れてしまったのか、人がいなくなったら畑にやってきてついばむ始末。この後スタッフで追加の鳥よけをしました。
■ 05月09日(土) 昼食・リコー株主見学会
この日はリコーの株主様の見学会が行われ、昼時には塾生と一緒に昼食を楽しまれました。
■ 05月09日(土) 共同農園作業 ~サツマイモの植え付け~
春の共同農園の作付けも最終段階。まずはサツマイモの植え付けです。いろいろ食べる機会も多いサツマイモ。チーム農園で育てるところもあります。昔から人々を飢(う)えから救ってきた作物でもあります。しっかり植えつけましょう。
サツマイモの畝(うね)はかまぼこ型。畝の真ん中を高くして立てます。晴天が続きカラカラの土でしたが、塾生もクワの扱いに慣れ、しっかり畝が立ちました。
サツマイモの苗は、根の生えていない茎と葉だけのもの。これを土に挿(さ)して苗として使うなんて不思議ですね。
まずは、株間と向きをそろえて並べるところから開始。
根の出る位置、イモの出来る位置がしっかり土に埋まるよう、また、少々土が乾いてもすぐに苗が枯れないように、しっかり苗を植えます。塾特製の三角定規を使って畝の上にしっかり植えつけていきました。
水を吸う根すら出ていないサツマイモの苗。植えた後はたっぷり水をあげて根付くまでの水分を補給してあげました。
■ 05月09日(土) 共同農園作業 ~落花生の種まき~
続いて落花生の種を播(ま)きました。
落花生の種は大きく、播くときには向きに注意が必要です。種のしくみを理解して、1粒ずつ向きを確かめて播きました。
落花生は野生動物の大好きな作物の1つです。今回は実を播いたので鳥がねらっています。作業後、畝(うね)にネットをかけて鳥に種が食べられないようにしました。また実がなった頃、獣たちが食べに来ます。人間と獣の知恵比べです。しっかり収穫できるよう、手を打っていこうと思います。
■ 05月09日(土) 塾活動 ~お茶作り~ 
午前中に摘んで蒸し、干しておいたお茶の葉からいよいよお茶作りをします。
本格的な手もみ茶は低温(50℃くらい)で6時間くらいかけますが、今回はその工程をぎゅっと詰め込んで1時間ほどで作りましょう!
まずはホットプレートにお茶の葉を入れてかき混ぜながらあたためます。
部屋の中にお茶の爽(さわ)やかな香りが立ち込めます。
葉があたたまって少し湯気が出たらバットに移して手で揉(も)みます。乾いていたと思ったお茶の葉から水分が出てきて、手の平がしっとり。それをまたホットプレートに戻し、あたたまったらバットに出して揉むことを繰り返し、しだいに細長く針状にしていきます。
途中でもお茶の葉を味見。
だいぶお茶っぽくなったね。最後の仕上げかな~。

揉(も)むときに粉になったものは粉茶として別の入れ物に分けました。
お茶作り開始から約1時間でどのチームも完成。完成したお茶は、摘んだ時の葉の30%くらいの重さになりました。そのまま片付け、掃除、夕食の食器の配膳(はいぜん)を行って終了しました。
■ 05月09日(土) 夕食 ~お茶を味わう~
先ほど作ったお茶を各チームでさっそく味わいました。濃さが同じになるよう、回しいれました。味のしっかり出ていたチーム、味は薄めながら香りの素晴らしいチームなど、チームごとに独特のお茶が出来上がりました。
どのチームも、自分たちのチームのお茶が一番美味しい!と言っていました。良かったね!
夕食で味わったお茶の残りはお土産として、分けて持ち帰りました。お家で家族と美味しく味わったかな?
■ 05月09日(土) 塾活動 ~通塾の話し合い~
第5ステージになって、通塾にも慣れてきました。
しかし、いつどんなトラブルが起きるかわかりません。今後、もしスタッフと一緒でなくても、塾生だけで安全に通塾できるよう考えました。
基本の対策方法【①あわてない。安全第一。②情報を集める。③塾に連絡】を学んだ後、チームも乗る駅も違う塾生同士がグループになり、通塾時に気をつけることを話し合い、発表してもらいました。
「集合場所では、全員いるか確認し塾に連絡する。」
「乗車時には乗る電車、位置を確認する。」
「車内では、ほかのお客さんの迷惑にならないようにする」
「降りる駅が近づいたら声をかけ合う。寝ている塾生がいたら起こす。」
「荷物を棚(たな)からおろして準備する。あわてずまとまって降りる。ホームでは黄色い線の内側を歩く。」
どれも大切なことばかり、たくさん意見が出ました。
今回の話し合いを活かし、何か起きても、また普段でも安全な通塾を心がけてください。
■ 05月09日(土) チーム会議
いつも行っているリーダー会議に代わり、今回は各チームでチーム会議を行ってもらいました。
チームによって、議題はそれぞれ。
寝る場所をどうする?チームでひとりひとりがやりたいことって?仲間同士の声のかけ方はそれでいいの?何かと言うとすぐ脱線して遊びになってなかなか進まない、なぜ?

共同生活をしているといろいろなことが起きてくるものですね。お互いの意見を言える場をたくさん作って、気持ちよいチームを作っていってください。
■ 05月10日(日) 朝の瞑想(めいそう)
二十四節気では、立夏(りっか)。夏の始まり。
窓の外には目映(まばゆ)いばかりの陽射(ひざ)しと燃える緑。
爽(さわ)やかな朝の空気の中での瞑想。
■ 05月10日(日) チーム農園作業
待ちに待ったチーム農園作業の時間。今回植え付けを逃(のが)すと夏野菜の多くはうまく育ちません。空は見事に晴れわたっています。どのチームも気合い十分です。
作業前の計画にも意欲十分。計画を立ててしっかり作業に取り組もうという姿勢が伝わってきますね。
いざ作業開始。軽快なクワさばきで畝を立てていきます。
苗の植え付け、敷きわら、ホットキャップがけ、いろいろな作業を行っていきます。
こちらはメロンに直接雨が当たらないよう、ビニールの屋根をかけてあげています。いろいろ調べたね。 昨日行ったサツマイモの植え付けを思い出して、さっそく実践(じっせん)していました。
こちらのチームでは、ポマト〔ジャガイモにトマトを接木(つぎき)する〕に挑戦しています。農業指導の先生に教えてもらいながら、真剣そのもの。うまく接木(つぎき)が成功するといいね。
■ 05月10日(日) 活動のまとめ
活動を終えるにあたり、塾頭より話がありました。
「包丁の使い方を調理師さんに教わりましたが、何事も基本に戻って行いましょう。
農作業は一通りのことが出来るようになりましたが、まだ頑張りきれない人がいます。少なくても自分に与えられた役割は丁寧に確実にやるようにしてください。
チーム農園作業では、自分たちで良く出来ていました。これからもリーダー・サブリーダー中心に協力して行っていってください。
整理整頓はこれからも心がけてほしいと思います。いざ避難!というときに必要なものを探さなくても良いし、危険も減ります。探しものが減って時間が有効に使えます。置く場所を決めておくのは整理整頓のポイントです。
昨日は美味しいお茶が出来ました。農家の方が手間ひまかけて育てていただいたお茶の葉を使わせていただいたことに感謝しましょう。お茶の作り方も工夫し、皆さんも丁寧にお茶を作ってくれました。工夫することの大切さを改めて感じました。皆さんもいろいろな努力・工夫を重ねていってください。」
■ 05月10日(日) 3日間の振り返り
この3日間を過ごして、感じたこと、考えたことをひとりひとり振り返って塾生手帳に書いてもらいました。
その後、チーム内で発表し合いました。
いろいろな気付きが、みんなの将来の力になってくれるはずです。
■ 編集後記
なかなか盛りだくさんのステージでしたが、それぞれの活動(特にチームごとで活動したチーム農園作業、お茶作りなど)で各チームが力を発揮していたのが印象的なステージでした。様々な作業や、整理整頓といった共同生活目標においても、チームごと、またはチーム内のメンバー間でばらつきはあります。しかし、確実にチームの意識は高まってきていると思います。これからも、仲間と意見や考え方がぶつかることはあるかもしれませんが、いろいろな仲間がいるチームを自分たちのチームとして意識して、何事にも前向きに取り組んでいってほしいと思います。
T.K.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・ハヤシライス(新タマネギ)
・コンソメスープ(新タマネギ、ニンジン、ほうれん草)
・丸ごとタマネギのホイル焼き(新タマネギ)
・オニオンスライス(新タマネギ、タマネギドレッシング)
・福神漬け風漬物(大根、ニンジン)

土曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、長ネギ、大根、小松菜)
・丸ごとタマネギのそぼろあんかけ(タマネギ、長ネギ)
・おろし納豆(大根、長ネギ)
・小松菜の炒め物(小松菜)
・きゃらぶき(フキ)
・フキの葉の酢味噌和え(味噌、フキの葉)
・漬物(大根、ニンジン)
・だし取り後のかつお節と昆布の佃煮

土曜昼食 ・タマネギご飯(タマネギ、スナップエンドウ)
・豚汁(味噌、大根、ニンジン、長ネギ、わら灰コンニャク)
・かき揚げ(タマネギ、ニンジン)
・野草の天ぷら(こごみ、野ゼリ)
・お茶の葉の天ぷら(お茶の葉)
・おろし天つゆ(大根)
・サラダ(サニーレタス、タマネギ、スナップエンドウ)
・漬物(大根、ニンジン)

おやつ 夕食時に手作り茶のお茶請けとして
・夏みかんピール(先ステージに食べた夏みかんの皮で作ったもの)
・かりんとう※自然塾がある地域で昔から作られてきた手作りおやつ

土曜夕食 ・ご飯
・すまし汁(タマネギ、ニンジン、大根)
・鯖の味噌煮(味噌、長ネギ)
・生野菜(サニーレタス)
・茶碗蒸し(ほうれん草、ミツバ)
・漬物(大根、ニンジン)

日曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、間引き大根、長ネギ)
・残り物巾着煮(ニンジン、チンゲン菜)
・チンゲン菜のソテー(チンゲン菜)
・大根の葉の和え物(大根の葉)
・切干大根の炒り煮(切り干し大根、ニンジン)
・切り干し大根の漬物(切り干し大根、ニンジン)
・お茶の葉の佃煮(前日に作ったお茶の出がらし)
・だし取り後のかつお節と昆布の佃煮

日曜昼食 ・チキンライス(タマネギ、ニンジン)
・コンソメスープ(タマネギ、ニンジン)
・スコッチエッグ(タマネギ)
・スパソテー(タマネギ、ニンジン)
・マカロニサラダ(タマネギ、ニンジン)
・ゆで野菜(スナップエンドウ)