2014.10.10〜12
第15ステージ 〜女子〜
ステージテーマ
「里山ハイキングを通して、自然と人間について考えよう!」
共同生活の目標:「個人で1つ選ぶ(2回目)」
今回のステージは、自然塾の裏手にあるシダンゴ山にハイキングに行きました。日頃の自然塾とは少し雰囲気の異なる自然にふれました。このハイキングを通して、自然と人間の関係について考えてもらいました。
共同生活目標は、個人で設定して取り組みました。次のステージからは全体で1つ設定するため、個人で設定する最後のステージです。
■ 10月10日(金) 夜の集い 〜塾頭の話〜
活動を始めるにあたって、塾頭からのお話がありました。
「すっかり涼しくなりました。秋が深まっていると感じますね。
今ステージはシダンゴ山ハイキングがありますが、その目的は2つあります。
1つ目は、自然の素晴らしさ、大切さを感じることです。木々が生み出してくれたおいしい空気が吸えると思います。体いっぱい自然を感じてください。そして山にはたくさんの生物がいます。観察しながら、自然を慈(いつく)しむ心が、どういうものか考えながら登ってほしいと思います。
2つ目は、自分の体力と気力を試すことです。これまでのステージで鍛(きた)えた力で最後まで登ってください。きっと頂上で素晴らしい景色が待っているはずです。楽しみにしていてください。
明日はルールを守り、安全に気を付けて登りましょう。」
■ 10月10日(金) 夜の集い 〜共同生活目標の設定〜
共同生活目標を個人で取り組む最後のステージ。
今までの自分の生活を振り返り、足りないところ、まだ伸ばしたいところを見つめなおし、今ステージの目標を設定しました。
■ 10月10日(金) 夜の集い 〜シダンゴ山写真のスライドショー〜
スタッフが下見で登った時の様子を、写真を使って紹介しました。
動物がいた痕跡(こんせき)や、不思議な形をしたもの(木や葉など)を見ました。

ハイキング当日は、見られるでしょうか?
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
出発!
暑くもなく寒くもなく調度良い天気。
お弁当におやつ、飲み物も準備万端。

頂上目指し、いざ出発!

これからどんな出会いがあるでしょうか。
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
登山道入り口 -感覚の体操-
塾舎を出発して約15分。
歩く道がガラッとかわり、コンクリートから土や木々でいっぱいの登山道になります。
ここからは、動物たちの棲(す)む世界です。

胸いっぱいに森の空気を吸ったり、目を閉じてじっと耳をすませたり・・・
感覚の体操をして、5感を研(と)ぎ澄(す)ませてから、「お邪魔(じゃま)する気持ち」で森に入っていきました。
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
道中 -小さな発見、大きな発見-
登山道を歩き始めてすぐに、
「涼しい!」
と、肌に感じる空気の違いに気付いたり、足元を見て
「カマジイだ!」
と、前日のスライドショーで見た小さな生物(正式名ザトウムシ)を見つけたりと、次々発見がありました。
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
宮地山山頂 -同じもの探し-
シダンゴ山山頂までには、他に2つの山を越えていかなければなりません。
その1つ目の宮地山山頂では、「同じもの探し」というプログラムをしました。
スタッフが事前に同じ場所で見つけた木の実や葉っぱと同じものを見つけます。

お題となる10種類の自然物を覚えてスタート!
「たしか、こんなのだった」
「こっちの方が似てるんじゃない?」
と、記憶を頼りにチームで探していました。

それをみんなで持ち寄って答え合わせ。
「なんかちょっと違ったね」

同じと思っても、よーーく見るとどれもちょっとずつ違う。
「意識して見る」ことにふれた時間でした。
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
タコチバへの道のり -ネイチャービンゴ-
シダンゴ山への2つ目の山は「タコチバ」。
そこまでの道中、「ネイチャービンゴ」をしました。
9つのお題に合ったものを見つけながら進みます。
【2人以上じゃないと囲めない木】 【顔よりも大きい葉っぱ】
他にも発見したものを、チームで紹介し合いました。
その中からチームのイチオシを発表してもらいました。
『いろんな双子シリーズ』
『オレンジの香りがする木の実』

同じお題でも見つけたものはそれぞれ違う。なんだか不思議でおもしろい発表となりました。
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
休憩 -行動食-
道中、何度か休憩をとりました。そこではいつもはおやつとして食べているものを、今回は最後まで元気に歩くためのエネルギー、『行動食』として食べました。

一口食べた塾生からはホっと笑顔がこぼれ、疲れたときにとる甘いものはまた格別だったようです。
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
道中 -相棒(あいぼう)を片手にあと少し-
道中で見つけた『相棒』を片手に進んでいきます。よく見ると、両手に持っている塾生があっちにも、こっちにも。
全身を使って登っているようです。
「リスいないね」
と、動物に会いたくて周りを見渡す塾生もいました。

さぁ、頂上までもう少しだ!
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
シダンゴ山頂上へ -最後の関門-
シダンゴ山頂上まであと300メートル。
しかし、最後の最後に急な階段が立ちはだかります。
全員そろったところで、
「よーい、スタート!」

気力、体力を振り絞(しぼ)って、登っていく塾生たち。
座ってしまったり、「まだか〜」と弱音が出たり・・・
それでも、頂上目指して歩んでいきます。
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
頂上到着! -富士山向かって「ヤッホー!」
シダンゴ山頂上到着やったね!

倒れこむように着いた塾生や、まだまだ元気な塾生など様々。
一度頂上に着きましたが、途中で足を痛めた塾生を迎えに引き返した塾生もいました。

全員、頂上到着おめでとう!
事前に渡しておいた「シダンゴ山頂上指令カード」
【チーム全員で富士山に向かって「ヤッホー」とさけび、写真をとってもらおう!】

嬉しさがいっぱい含まれた「ヤッホー」が響きわたっていました。
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
昼食 -山頂でお弁当-
調理師さんと事務スタッフが朝早くから作ってくださったお弁当。
大切に思いながら「いただきます!」

一面に広がった大空のもと、パンやおにぎり、コロッケなど盛りだくさん。栗やサツマイモなどの秋の味覚も一緒にいただきました。
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
頂上にて -初めての「味」と「双眼鏡」-
ボランティアスタッフが道中、アケビを見つけたようです。
「食べてみたい人?」
の声で次々と差し出される手。

一口食べると、
「なんか変な感じ・・・」
と、初めてアケビの食感と味に出会っていました。
こちらは双眼鏡を使って山頂からの景色を観察。
「なんだかぼやける・・・」
と、使い方に苦労していましたが、コツが分かると
「見えた!よく見える!オレンジ屋根の建物あった」
双眼鏡を通して見える世界に出会いました。
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
記念撮影 
お腹は満腹。
体力回復。
天気もまだまだ大丈夫。

記念撮影をして、これから下山です。
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
下山途中 -めだまっち-
『見えないものを見つける』

ハイキング開始から意識して見ることに取り組んできました。
ここでは目玉シールを使って何気ない森の中から、見えないもの「めだまっち」を見つけてみることにしました。
想像力を働かせてみると、あちらこちらからめだまっちが現れてきました。

何て言ってるの?と聞いてみると
『私なんにも知らないよ〜』
ですって。
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
里山の話 -自然と人間のかかわり-
登山道から出る前に、里山の話がありました。

かつて人間は、山の恵みを存分に受けて暮らしていたこと

生活を便利にするために、次第に山とのかかわり方が変わってきたこと

かかわりが薄れた山には少しずつ不具合が起きていること

今、その不具合に目を背けずにいる人々の取り組みがあること
これまでの人間と自然のかかわり方をもとに、これから自分が自然とどのようにかかわっていきたいかを考えました。
目を閉じ、自然の中で自分との対話をしました。
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
下山 -塾舎到着-
「ただいま〜!」と元気な声。
「おかえりー」の帰りを待っていたスタッフの声。

到着してから「ふ〜」と大きく吐く息が、ハイキングで得た経験の豊かさを表していました。
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
森の芸術家 -○○なシダンゴ山-
下山途中に拾ったものを使い、『○○なシダンゴ山』というテーマで、今日登ったシダンゴ山を表現してもらいました。
Aチーム
【秋のシダンゴ山】
Bチーム
【生命の力を思い知らされるシダンゴ山】
Cチーム
【秋のシダンゴ山】
Dチーム
【秋のグラデーションシダンゴ山】
■ 10月11日(土) 塾活動 〜シダンゴ山ハイキング〜
シダンゴ山ハイキングを通して -感想-
1日かけてシダンゴ山を登ってみて、どんな思いを抱いたか、何を感じたか、円になって座り1人一言ずつ感想を言いました。

「自然の中にいるって気持ちいい」
「空気の違いを感じた」
「景色が良くてまた登りたい」
「人と協力して無事に登れてよかった」
■ 10月11日(土) 夜の塾活動 〜森の句会〜
シダンゴ山ハイキングを通して感じたこと、思ったことを、俳句に表して発表しました。
「大自然 緑がきれいな ハイキング」
「山の上 自然のちがい びっくりだ」
「みんなでね 力いっぱい のぼったよ」
「坂道よ どこまでつづく? 先見えぬ」
「みんながね おみやげくれた 秋のもの」

嬉しかった気持ち、大変だった気持ち、いろんな気持ちがあふれた句会になりました。
■ 10月12日(日) スタンドアップ・テイクアクション
10月17日の世界貧困デーでは、各地でスタンドアップ・テイクアクションが行われています。これは「世界の貧困と飢餓(きが)を撲滅(ぼくめつ)しよう!」という意志を各国のリーダーに届けるというものです。
この日、「世界には1日100円未満で暮らしている人がいること」「小学校に通えない子どもがいること」「小さい子どもが命を落としてしまっていること」などを聞き、自分たちでできることから始めようという決意をして写真をとりました。
■ 10月12日(日) チーム農園活動・卒塾アルバム制作
早速、「とったー!」の声が聞こえてきました。
『春京赤長水』(しゅんきょうあかながみず)なんて呪文(じゅもん)のような名前の野菜。中国の赤いダイコンです。

「すぐ育つからもう1回植えるの!」
と、このあと早速種まきしていました。
収穫までもう少しの野菜たち。大きなものを育てるためには「間引き」や「芽かき」の作業が欠かせません。
その作業の中でまだ小さな野菜たちがとれました。
ちょっと味見したり、じーっとよく観察して大切そうにポケットに入れたり。
いろんな発見がありますね。
クワの使い方はもうバッチリ。
大きな虫除けネットも自分たちで張れるようになってきました。
スタッフから教わったコツを思い出しながら、キレイに張れるように何度も何度もやり直して、大切な野菜たちを守っていました。
なんだか楽しそうな声が聞こえてきました。

こちらは使ったネットの片付けの最中。
道具を大切にして、長く使っていけるように、土を洗い流します。

足並みをそろえて、端(はじ)から端までタワシでこすっていました。
片付けもみんなでやると楽しいものですね。
卒塾アルバム制作も同じ時間に行いました。
「どっちの案が良いかな・・・」

思い出に残るアルバムができると良いですね。
■ 10月12日(日) 帰りの集い 〜塾頭の話〜
活動を終えるにあたっての塾頭の話がありました。
「チーム農園作業では、収穫している時のみなさんの笑顔が素晴らしかったです。その笑顔に、今日いらした見学者の方も喜んでいました。
昨日のシダンゴ山ハイキングでは、協力して登っている姿が見られました。一所懸命頑張っていたと思います。
最後に3つの感謝について伝えたいと思います。
『自然に対する感謝』
『登山道を造(つく)ってくれた人に対する感謝』
『支えてくれた周りの人、送り出してくれた家族に対する感謝』
この3つの感謝を忘れずに、おかげさまの心をもって過ごしてください。
里山の話もありました。山の栄養は川に流れ、海へたどり着きます。全ての自然は繋(つな)がっています。これからも自然を守っていってください。
残りもあと3ステージです。体調を万全にして来てください。
■ 編集後記
今回、初めて山に登ったという塾生もいました。『山登り』と聞くと『つらいもの』なんて思ってしまう人もいることでしょう。でも、少し立ち止まって周りに目を向けてみたり、一緒にいる人と思い思いに歩いてみたり、山の楽しみ方は人それぞれ。自分が「なんだか気持ち良いなぁ」と感じるポイントがどこかにあると思っています。今回のハイキングで、塾生がそんなポイントに触れられていたら良いなと願っています。
里山の話は、少し難しい話だったかもしれません。それでも、このハイキングでいろんな思いを抱かせてくれた山に対して、関心を持ち続けてほしいと願って話しました。塾生たちは、これからも自然に触れる機会が多くあるでしょう。その時「自分は自然とどうありたいか」を、頭の片隅(かたすみ)に置いていてくれたらと思います。
楽しいと思えるハイキングをさせていただいた、たくさんの方々の支えに感謝いたします。
S.O.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・クリームシチュー(タマネギ、ジャガイモ、Aチームのチーム農園でとれた赤カボチャ)
・ピラフ(タマネギ、ピーマン、パプリカ)
・果物(いただき物のミカン)

土曜朝食 ・ゴボウと豚肉の玉子とじ丼(ゴボウ、タマネギ)
・具沢山の豚汁(味噌、ゴボウ、里芋、ジャガイモ、長ネギ、群馬県のコンニャクパークに行ったスタッフのお土産コンニャク)
・漬物(間引き大根)

土曜昼食 【山の頂上でお弁当】                        ・俵型おにぎり
・ゴボウの混ぜご飯入りいなり寿司(ゴボウ)
・鶏のから揚げ
・ホットドッグ(手焼きパン、キャベツ)
・栗クリームパン(手焼きパン、栗)
・さつまいもチップス(さつまいも)
・さつまいもグラタン(さつまいも、タマネギ)
・一口ハンバーグ(タマネギ)
・いがぐりコロッケ(ジャガイモ、タマネギ、自然塾小麦粉で製麺したそうめん)
・スパソテー(タマネギ、ピーマン、パプリカ)
・ゆで卵
・野菜の爪楊枝さし焼き(オクラ、ミニトマト)
・ミカン(いただき物のミカン)

土曜夕食 ・みんなが山登りしている間、炭火でコトコト煮込んだカレー(タマネギ、ジャガイモ)
・チキンカツ※カツカレーにして食べましょう
・繊キャベツ(キャベツ)
・スパサラダ(タマネギ、ピーマン、パプリカ)
・飾り野菜(ミニトマト)
・塾生の保護者からいただいたピザ釜を使って七輪で焼いたピザ(ピザ生地、タマネギ、ピーマン、トマト)※チーズとピザソースもいただきました!

日曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、タマネギ、ジャガイモ)
・里芋の煮物(里芋)
・赤カボチャのソテー(Aチームのチーム農園でとれた赤カボチャ)
・四角豆の玉子炒め(四角豆、タマネギ)
・小松菜のお浸し(小松菜)
・ゴーヤの酢の物(ゴーヤ)
・だし取り後昆布かつお節の佃煮

日曜昼食 ・あんかけ固焼きそば(タマネギ、ピーマン、パプリカ、四角豆)
・チンジャオロース丼(ピーマン、パプリカ)
・果物(いただき物のミカン)