2014.05.16〜18
第5ステージ 〜女子〜
ステージテーマ:「お茶作りに挑戦し、新茶の味を楽しもう!」
共同生活の目標:「物を大切にする」
今しかない新茶の季節。塾庭のお茶の木には色鮮やかな新芽が、茶摘(ちゃつみ)の時を今か今かと待っていました。そこでこのステージでは、普段飲んでいるお茶を自分たちの手で作りました。味噌作り同様、先人の知恵に五感でふれ、市販の物とは一味違う手作りのお茶を楽しみました。
共同生活目標では、物の大切さを今一度確認し、「正しく丁寧(ていねい)に扱(あつか)う」「きれいに洗う」「有意義に使う、無駄にしない」「人も大切にする」の4つをポイントに掲げて取り組みました。
■ 05月16日(金) 通塾
第1ステージでは自然塾に着いたらすでに真っ暗だった空。しかし今ではこの通り明るくなりました。
これからバスの道中は周りがよく見えます。新しい発見があるかもしれませんね。
■ 05月16日(金) 塾頭の話
活動を始めるにあたって、塾頭からのお話です。
「今回の第5ステージで、掃除や食事当番の担当が1周し、色んなことを覚えました。これからはリーダー、サブリーダー中心に、自分たちの力でできるように考えながら行動してください。
この塾で大切にしていることは「自主・自立・自律」です。自主は自分からすすんでやる。自立は自分で考えて行動すること。自律は悪い心を抑えて良い行いをすることです。この3つをこれからも意識して出来るようになってください。
共同生活目標は「物を大切にする」です。
人は道具と共に大きく進歩して、今のように快適に生活できるようになりました。そして、1つの物をみんなで仲良く使うと効率よく作業ができます。そこには次の人への思いやりがあります。だからこそ、物を大切にする人は、人も大切にできます。ありとあらゆるものを大切にしてください。」
■ 05月16日(金) 包丁の使い方
食事当番を全チーム一通り担当したところで、今一度安全な包丁の使い方と洗い方を学びました。

まずは危険な切り方をしている写真を見て、どこが危険か、どうして危険なのか考えました。
写真を見るやすぐに、

「この包丁の持ち方キケン!」
「猫の手でおさえてない!」

と、どんどん見つけていきました。
次に、調理師の方に野菜を切るポイントを塾生のすぐ目の前で教えていただきました。

「利き手と同じ側の足を半歩引く」
「おさえる手は指先をそっとたてる」

など、プロの包丁捌(さば)きをじっくり見て学びました。
使い方を教わったらいよいよ実践。塾生の中から代表者を選び、今学んだことに挑戦します。
ひとつひとつポイントを確認しながら慎重に切っていきました。

最後に包丁とまな板の洗い方を教わり、終了しました。

調理には欠かせない包丁。正しく使うととても便利な道具です。これからたくさん実践しながら、包丁と仲良くなっていきましょう。
■ 05月17日(土) 塾活動 〜お茶摘み〜
今ステージのメイン活動、お茶作り。まずはお茶摘みです。
塾庭を鮮やかに彩(いろど)る茶葉の新芽を、ひとつひとつ摘み取っていきます。
やわらかく、おいしそうな茶葉を選ぶ塾生。新芽の中でも、先端だけを選(よ)りすぐって摘んでいる塾生もいました。基本は「一芯三葉」ですが、こんなゼイタクができるのも自然塾ならではですね。
時々パクッと味見。お茶の生葉なんて初めて食べます。

「うわっ、ニガッ!」
「え?こっちはそうでもないよ」

と、初体験の味に興味津々でした。
摘み取ったら、次は「蒸らし」です。
蒸らされた茶葉の香りの良いこと!
荒熱(あらねつ)をとるためにうちわで扇(あお)ぎながらも、顔を近づけてその豊かな香りを楽しんでいました。


お茶作り前半はここまで。
農作業と昼食をはさみ、後半にはお茶の味を左右する「煎(せん)じる」工程が待っています。
■ 05月17日(土) 共同農園活動 〜ラッカセイの種まき〜
畝(うね)作りをどんどん進める塾生たち。ステージを追うごとに、少ない指示で作業を進められるようになってきました。自信を持って作業を進める塾生の姿が見られました。
ラッカセイの種は、いつも目にするピーナッツと同じ。ただ違うのは、熱を加えられていない生だということ。

ラッカセイの種まきは、種の「向き」が重要です。
割れ目を上に向けるため、種をじっくり観察しながらまいていきます。

時々、
「食べたい・・・」
なんて声がもれていました。
連日の晴天によって、土はカラッカラ。
発芽には水分が欠かせません。
たっぷりの水をまきました。
種まきの後、野生生物との共存についての話を聞きました。
「作物を育てる中で、ケモノ対策、虫対策をしますよね。しかし、今みんなが畑をしているこの場所は、もともと野生生物の住みかだったところです。この場所以外も同じです。人はそんな虫や動物の住みかに『おじゃま』をしています。そのおじゃましているという気持ち、感謝の気持ちを忘れないでください。」
■ 05月17日(土) 昼休み
この日の昼休みはいつもより少し長く時間をとることができました。塾生たちは思い思いに昼休みを満喫。
食堂ではきれいな布を使ってお手玉作り。Cチームは再び茶葉を摘み、「お茶団子」を作りました。塾生室のベランダからは、ウクレレの音色と歌声が響き、塾庭には太陽を身体(からだ)いっぱいに浴びて走り回っている姿がありました。
本当に豊かな時間。心も身体も気持ちの良いひとときでした。
■ 05月17日(土) 塾活動 〜お茶作り〜
始めに、お茶の歴史と特徴について学びました。
同じ材料であっても、作る工程によってお茶の種類が異なること。なぜ新茶がおいしいのかなどの説明を聴きました。
さぁ、お茶作り後半の始まりです。
これからの工程のポイントは、「茶葉をもむ」「しっかり煎じる」こと。
いざ作業が始まると、チームごとに少しずつ作り方に工夫がされていました。
このチームは茶葉が乾きやすいように、茎(くき)と葉を分け、
このチームは少しずつ量を分けながら乾かしていました。


ポイントをおさえながらも、効率良く、そしておいしく作るための工夫が見られました。

しっかり乾いたら完成です。
出来たてのお茶は、ふわっといい香り。その香りをかいだ塾生の顔が自然とほころんでいました。
■ 05月17日(土) おやつ 〜出来たての新茶を楽しむ〜
いよいよお茶を味わうときがやってきました!
せっかくの出来たての新茶。お茶を入れる時も、おいしくいれるポイントをおさえます。

「お湯は冷ましてから入れる」
「少しずつ、均等に注ぐ」

自分たちで作ったお茶を入れる瞬間は、みんなの視線が一点に集まりました。
昼休みにCチームが作ったお茶団子も並び、いただきます!

一口飲むたびに、

「はぁ〜」

と、おいしいため息がこぼれました。
お茶団子との相性もバツグン!

格別な新茶の味を堪能(たんのう)しました。
■ 05月17日(土) 共同農園作業 〜サツマイモの植え付け〜
新茶を楽しんだ後は、再び農作業です。
ここでもまずは畝立てから。
初めて「かまぼこ型」の畝を立てました。今までの平畝とは違い、寄せる土の量も多くなります。
サラサラでやりにくい土に苦戦しました。
初めて見るサツマイモの苗。
ナス・キャベツなどの苗や、ラッカセイ・オカボなどの種と全く違います。

今までとは違う初めての植え付け方法を実践しました。
移植ゴテと特製の三角定規を使って45度の角度に植え付けます。
サツマイモが実る部分の説明を聴いて、しっかりと土が被(かぶ)るようにします。
コツをつかんだ塾生は手早く植え付けを行っていました。

この後はラッカセイと同様、たっぷりと水やり。
植えられたサツマイモを見て、
「焼き芋したい・・・」
と収穫を待ち望む塾生がいました。
■ 05月17日(土) 夜の塾活動 〜通塾の話し合い〜
第5ステージとなり、通塾に慣れてきたこの時期。
「もしも思いがけないハプニングが起こったら・・・」
「もしも塾生たちだけで通塾することになったら・・・」
と想定して、安全に通塾するための方法を考えました。
ハプニングが起きた場合の基本対策、「あわてない・安全第一」「情報を集める」「自然塾へ連絡」の3つを確認しました。その後、塾生だけで通塾する時に気を付けることを場面ごとに分けて考え、発表しました。

「自分たちで人数を確認する」
「人が多いからみんなでかたまる」
「マナーを守る」
「みんなで声をかけ合う」

スタッフがいないケースでは「確認」が大切であること、自然塾への連絡こまめにすることを確かめました。

いつでもハプニングに対応できるように、日頃から安全に通塾することを意識していきましょう。
■ 05月17日(土) チーム会議
いつもはチームリーダー会議をしている時間を、今回は「チーム会議」の時間としました。
お互いのことが少しずつ分かってきたからこそ起きた問題、自分の気持ち、チームとしてこれからどうしていきたいかを、チームごとに話し合いました。

結束を深めたいからこそ、本音をぶつけて話し合う姿が見られ、ポスターに自分たちで決めたチームのルールを書いて貼ろうというチームもいて、充実した時間を送っていました。
■ 05月18日(日) 共同農園作業 〜ゴボウの草取り〜
この日はゴボウのお世話から始まりました。
第2ステージに頑張って大きな穴を掘り、種をまいたゴボウの芽が、今は5センチほどに成長しています。これから雑草が生い茂る季節。小さい雑草を今のうちから抜いておきます。
まだまだ小さいゴボウの芽を傷つけないよう、慎重に抜いていきました。
■ 05月18日(日) 共同農園作業 〜サニーレタスの収穫・包装〜
第3ステージで植え付けたサニーレタスは、ツヤツヤのおいしそうな葉をこれでもかと言うほどたくさん付けていました。
塾生にとって初めての野菜収穫。

おいしそうなレタスを1人1つ選び、収穫します。
葉がバラバラにならないよう丁寧に根元を切り、そのずっしりとした実りを両手に感じました。



みんなで集まり、収穫したサニーレタスを手に

ハイ・チーズ!!
自分の顔の何倍もあるこんなサニーレタスは、お店には売ってないですね。

この後、お土産で持って帰るために、新聞でしっかり包装をしました。
これからの収穫も楽しみですね!
■ 05月18日(日) チーム農園作業
今ステージでチーム農園に植え付けたい野菜がたくさんある各チーム。チームでスムーズな作業を進めるには計画が欠かせません。
1人ひとりの動きと、必要な道具を念入りに確認し、作業が始まりました。
第4ステージで行った苗の植え付け手順を思い出しながら、お互いに確認しつつ苗を植え付けているチーム。前日のサツマイモの植え付けを習って、チーム農園でもサツマイモを植え付けるチームがいました。
ここでは初めてのプッチーニ(カボチャの仲間)の種まきを、農業指導の柳川先生に教わっていました。
野菜によって、植え付け方法も種まき方法も違いますね。
作業を終えた畑を見ると、色んな野菜が植え付けられていて、とてもにぎやかになってきました。

これから野菜ごとにいろんなお世話が待っています。愛情を込めながら、実りを楽しみにしながらお世話をしていきましょう。
■ 05月18日(日) 帰りの集い 〜塾頭の話〜
活動を終えるにあたって、塾頭からのお話です。
「このステージで行ったお茶作り。昔はお茶を飲むことが一大イベントでした。みなさんも体験できて良かったですね。
農作業では、みんなの頑張っている姿が見られて嬉しく思います。らくして生きることと、楽しく生きることは違います。「楽(らく)」はいいかげんにすること、逃げることです。その中では生きている楽しさは得られません。汗を流して頑張る中に楽しさがあります。
共同生活の目標は「物を大切にする」ことでした。物を共同で使い、キレイにして片付ける。すると物に愛着がわきます。それが長持ちすることに繋(つな)がります。ぜひ物を大事にするようにしてください。」
■ 編集後記
塾生たちの農作業にも余裕が見られるようになってきました。土の中に小さな虫を発見したり、前回とは違うカラカラの土で農作業する難しさを実感したりと、すぐに汗ばむ気温を感じたりと、身体の隅々(すみずみ)まで「自然」を感じ取っているようです。
チームのこと、1人ひとりのメンバーのことを考えたチーム会議の時間。「どうにかしたいんだ!」との思いで話し合おうとしていた気持ちが、私にはとても嬉しく届きました。不安な気持ちを伝えるってとてもドキドキしますよね。それを相手が聴いてくれるのか、どんな言葉が返ってくるのか・・・。そんな気持ちがするからこそ、相手の言葉にやさしく寄り添ってほしいと思っています。話をしっかり聴いてくれる人ってなんだか安心しませんか?
相手の話に寄り添ってあげて、安心してもらえる人がこれからどんどん増えたらいいですね。
S.O.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・親子丼(長ネギ、タマネギ、野草のミツバ)・小松菜のお浸し(小松菜)・すまし汁(タマネギ、ニンジン、長ネギ)

土曜朝食 ・ご飯・味噌汁(味噌、里芋、タマネギ)
・タマネギの炒り卵(タマネギ)
・間引きニンジンのお浸し(間引きニンジン)
・茹で野菜(スナップエンドウ)
・里芋の白煮(里芋)
・タマネギの和え物(タマネギ)
・サツマイモの金平(サツマイモ)
・だし取り後昆布かつお節の佃煮

土曜昼食 ・ご飯
・中華スープ(タマネギ、ニンジン、スナップエンドウ)
・八宝菜(チンゲン菜、タマネギ、ニンジン、長ネギ、スナップエンドウ)

おやつ ・塾生の子ども達の手作り茶(お茶の葉)
・塾生の子ども達の手作りお茶団子(お茶の葉)
・大学芋(サツマイモ)

土曜夕食 ・ご飯
・コンソメスープ(タマネギ、ニンジン、スナップエンドウ)
・さつまいもコロッケ(サツマイモ、タマネギ)
・サラダ(サニーレタス、タマネギ、スナップエンドウ、イチゴ)
・スパソテー(タマネギ、ニンジン)

日曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、タマネギ、長ネギ)
・スナップエンドウ玉子焼き(スナップエンドウ)
・スナップエンドウのソテー(スナップエンドウ)
・タマネギと間引きニンジンの炒め物(タマネギ、間引きニンジン)
・サツマイモの甘辛煮(サツマイモ)
・納豆(長ネギ)
・だし取り後昆布かつお節の佃煮

日曜昼食 ・クリームスパゲティ(タマネギ、ニンジン)
・さつまいもサラダ(サツマイモ、タマネギ、ニンジン、サニーレタス、スナップエンドウ)