2014.04.18~20
第3ステージ ~女子~
ステージテーマ:「味噌作りに挑戦し、先人の知恵を学ぼう!」
共同生活の目標:「時間を守る」
今ステージでは、味噌作りに挑戦します。和食には欠かせない、自然塾でも毎ステージ味噌汁などに使われている味噌を、各チーム1樽(たる)ずつ作ります。日本伝統の調味料を自分の手で作ることで、先人の知恵の素晴らしさを学びます。
共同生活においてみんなの時間を無駄にしないために、また、これから本格的にチーム農園活動も始まるため、時間の使い方や見通しをもって行動が出来るように、時間を守ることを共同生活の目標に掲(かか)げました。
■ 04月18日(金) 夜の集い
活動を始めるにあたって塾頭からのお話です。
「今までの共同生活の目標を覚えていますか?あいさつすることも人の話を聴くことも、共同生活において大切なことです。ぜひとも少しずつでも意識して、今まで以上にできるようになってください。このステージの共同生活の目標は『時間を守る』ことです。自然塾では活動の時間は決まっています。ひとりの作業が遅れたり、チームの作業が遅れてしまうと全体が遅れてしまい、予定していた活動が出来なくなってしまいます。そのようにならないためには、与えられた作業をテキパキやることが大切です。身体(からだ)の大きさも、与えられた作業も一人ひとり少しずつ違いますので、自分の作業が終わったら、他の人を手伝うようにしてください。
時間を守るようになると他のこともきちんとできるようになると思います。そして、時間を守れると人から信頼を得られます。友達の間でも時間を守るようにしてください。
明日は味噌作りがあります。味噌作りを通して、作り方以外にも色んな事を学べるでしょう。味噌の作り方を知ることは、日本の歴史そのものを知ることに繋(つな)がるかもしれません。楽しみにしていてください。
そして、農作業ではキャベツ・レタスの植え付けがあります。『野菜は人の心に正直だ』と言われています。愛情をもって育てると、大きく美味しい野菜ができます。愛情をもって接することは人に対しても同じです。相手のことを考えながら行動することが大切です。ぜひそのような人になってほしいと思います。」
■ 04月18日(金) 自由時間
新学期が始まって2週間ほどが経(た)ち、学校の宿題も本格的に出始めたようです。自然塾では、夜に客間を開放し、静かな環境で勉強に取り組めるようにしています。この日も宿題に向かっている塾生の姿がありました。
■ 04月19日(土) 朝食
朝食には、18種類の大豆加工食品が並びました。全ての種類を見つけながら食べ進めたり、「これも大豆?」と不思議に思ったりと、いつも以上に食に関心を向けながらの食事となりました。
また、この日の味噌汁には、味噌作りを教えてくださる初代塾頭、塾母の箕輪夫妻から頂いた3年物の自家製味噌を使いました。
「色が濃いね」と違いに気付く塾生がいました。
■ 04月19日(土) 共同農園作業 ~キャベツ・レタスの植え付け~
まずは畝(うね)立てを行いました。ジャガイモの植え付けや、耕運(こううん)の時とは違ったクワの使い方に苦戦しながらも、少しずつ、着実に畝を立てていきました。
畝を立てたら次は畝をならします。デコボコにならないように、左右を見ながら手で平らにならしていきました。また、大きな土の塊(かたまり)は作物の成長を妨(さまた)げるので、1つ1つ粉々にしていきました。

「硬(かた)ーい!」
「いっぱいありすぎ!」
と言いながらも、最後には立派な畝が出来ました。
目安棒(めやすぼう)を使いながら、苗を同じ間隔(かんかく)で並べたらいよいよ植え付けです。
野菜の赤ちゃんにあたる苗、その根を傷つけないよう、優しくポットから取り出します。ビッシリ詰まった根を見て「おぉー」と声が上がっていました。
植えている時の塾生の目は真剣そのもの。苗を大切に扱う姿が見られました。
次は、植えた苗に肥料(ひりょう)をあげます。作物にとってのご飯です。
苗に直接肥料がかかってしまうと、そこから病気になってしまうため、そっと土にまいていきます。
苗を食べてしまうヨトウムシ対策のために、キャベツの苗の周りには卵の殻(から)をまきました。ステージが始まる4日前に発芽(はつが)したばかりの小さなゴボウの芽にもまきました。
水やりは「たっぷり」と。

特に苗は乾(かわ)きが禁物です。どんどん水を吸う畝に何度も何度も水をやりました。
最後は害虫対策のためのネットを張りました。スタッフから張り方のコツを聞いた後、各チームから2名ずつ、実際にネットを張りました。

これで植え付け作業はおしまい。今後いろんな世話をして、収穫を迎えます。
収穫は約2ヶ月後。楽しみですね!
■ 04月19日(土) あしおとツアー ~ジャガイモの観察~
第1ステージに植え付けたジャガイモの芽が出たので観察に行きました。ゴボウの芽との違いや、同じジャガイモでも品種による葉の色の違いなどを見ました。
顔を近づけながらじっくり観察していました。
■ 04月19日(土) 味噌作り
いよいよ今ステージのメイン活動、味噌作りです。塾生が手作業で進めていく中で、いつも口にしている味噌がどのように作られているのか、そしてそれを通して先人たちの知恵を感じ、学んでいきます。
始めに、麦麹(むぎこうじ)と米麹(こめこうじ)を合わせた麹に、大豆の煮汁(にじる)を混ぜてふやかします。底の方からゆっくりと返しながら、一粒も無駄にしないように丁寧に混ぜていきます。
麹をふやかしている間に、味噌作りの先生である初代塾頭の箕輪(みのわ)さんより味噌についてお話がありました。
「味噌は1000年以上前からあり、その頃から日本の食生活に欠かせないものとなっています。味噌は海外でも体に良いと注目されていて、よく輸出もされています。
今日はみなさんに『味噌』のような人になってもらいたいと思います。味噌汁の味噌は、具の野菜のうまみを引き出してくれます。そして味噌が美味しいほど、より野菜のうまみも引き出してくれます。みなさんも周りの人の良いところを見つけて、認めてあげてください。そしてどんどん人の良いところを引き出していってください。
最後に、大豆や米、麦を作ってくれた人に感謝の気持ちをもちながら、材料をこぼさず、無駄にしないように作ってください。感謝の気持ちで作ると味噌は美味しくなりますよ。」
事前に煮ていた大豆とふやかした麹を合わせます。ここでも全体が良く混ざるようにしっかりと、こぼさないように慎重に作業を進めていきます。
よく混ざったら機械を使ってミンチ状にしていきます。
チーム全員が全ての工程を体験できるよう、交代しながら行っていました。
ミンチしたものを、ダンゴ状に丸め、樽(たる)に詰めていきます。ここで空気が入ってしまうと、カビが発生する原因となってしまうので、しっかりと空気を抜きながら詰めていきました。

「やわらかーい」
と、感触を楽しむ声が聞こえてきました。
作業の途中に、パクリと味見。
麹と混ざった大豆や、ミンチにしたものなど、熟成(じゅくせい)前の味を確かめました。

「しょっぱい!」
「ミンチになった方がおいしいかも」
と、味の違いを感じたようです。
ミンチ機に残った味噌も無駄にはしません。串を使いながら取り除きました。
詰め終わったらラップでしっかりと封印(ふういん)をします。箕輪さんの奥様より「空気を抜くときには、真ん中からゆっくり外側に」と教わりながら、なるべく空気が入らないように丁寧に作業します。忘れずに虫対策のトウガラシを散りばめたら、樽に日付とチーム名を書いて出来上がりです。
使った道具はきれいに洗いました。
最後に、塾頭室の床下に保管するために、チーム全員で協力して運びます。
床下は夏でも涼しく、熟成するにはぴったりの場所です。

半年後、どんな味噌になっているか待ち遠しいですね。
最後に箕輪さんよりまとめのお話がありました。
「『味噌のような人』を理解してもらえましたか?自然塾ではチームで活動したり、全体で活動しています。そこでは人の良いところに気付いてあげる、それを伝えてあげることが大切です。それができると、周りも自分の良いところに気付いてくれたり、人から学ぶことができます。そのためにも、この味噌作りを通して『味噌のような人』になることを覚えておいてください。」
■ 04月19日(土) 塾活動 ~チームの農園計画検討と発表準備~
夜のチーム農園計画発表に向けて最後の追い込み。入念に自分たちの計画を確認していきます。
■ 04月19日(土) 夜の塾活動 ~チーム農園計画発表~
チームごとに、メンバー、チーム農園で叶えたい夢、育てたい野菜、作付け計画、そして一人ひとりチーム農園にかける思いを発表しました。

「家族においしいといってもらえる野菜を作りたい。」
「みんなで仲良く協力し合って、楽しい1年にする。」
「愛情をもって野菜を育てます。」

その熱意を大切にしながら活動に取り組めるといいですね。
■ 04月19日(土) 共同生活目標の振り返り
土曜日の夜と日曜日の帰る前には、共同生活目標がどの程度達成できたか、自分で振り返ります。
今ステージは時間を守るですが、この時の振り返りでは、集合時間に遅れてしまったり、朝起きるのが遅くなってしまったりとあまり達成できていなかったようです。

「集合前にトイレに行っておく。」
「時計をよく見る。意識する。」
次はどうしたら達成できるか対策まで考えている塾生もいました。
■ 04月19日(土) チームリーダー会議
市村自然塾関東では活動日の土曜日の夜「リーダー会議」を行います。リーダーが集まり、塾活動がより良い活動になるためにリーダー同士、塾頭、スタッフとも話し合い、意見が交換できる場としています。
第1回目のチームリーダー会議では、リーダー会議の目的とリーダーとしての心得を確認しました。「積極的に行動する」「ルールを守る」「みんなの意見に耳を傾ける」「意見をまとめてチームの方向を決断する」この4つのポイントをを意識して、チームをまとめていきます。
■ 04月20日(日) 季節の話・瞑想
ちょうどこの日から二十四節気の1つ「穀雨」が始まりました。しとしとと雨が降る、作物にとって大切な時期です。
夏とは違った春の雨の香りや、まだ少し冷える朝の空気を感じながら、2分間自分と向き合いました。
■ 04月20日(日) 朝の自由時間
朝の活動が始まる前の自由時間。ピアノの音色が響いたり、塾庭には塾生とスタッフが一緒になって気持ちよさそうに走る姿がありました。
中にはこの後種まきをするために、前日に雨対策として敷(し)いたブルーシートを外しているチームもいました。自由時間を有効に使えていますね。
■ 04月20日(日) チーム活動 ~チーム農園計画再検討~
チーム農園計画発表の時に受けた質問やアドバイスをもとに、作付け計画を再検討しました。

作付け場所を変えたり、栽培時期を再確認しました。農業指導の柳川先生に栽培のコツなどを質問をしているチームもいました。
■ 04月20日(日) チーム農園作業
計画した作付け図をもとに、いよいよ自分たちの畑を作っていきます。
もう一度土を耕(たがや)したり、雑草を取ったり、どこに畝を立てるのか目印の竹を立てたりと、やることはたくさん。
分担しながら作業を進めていました。
今ステージですでに種をまいているチームもいました。
畝(うね)たてから種まき、水やりまで自分たちで行います。

野菜を育てるときは、「愛情をもって、丁寧に」

芽が出るのが楽しみですね。
■ 04月20日(日) ステージのまとめ・振り返り
第3ステージを終えるあたって、塾頭からお話がありました。
「このステージでは初めて苗の植え付けを行いましたね。その中で丁寧に作業をしていくことが何度もありました。愛情をもってできましたか?飼っている動物にはよく声をかけますよね。声をかけて育てることは愛情があることです。野菜に対しても、そして人に対しても愛情をもって声をかけ、相手のことを考えて接してください。
味噌作りでは、『味噌のような人』になるという話がありました。相手の良いところを引き出せるようになることは、チームでも大切なことです。チーム農園活動ではぜひ協力して、目標が達成できるように頑張ってください。
共同生活目標は『時間を守る』でした。これからも時間を守り、そして相手の時間を大切にできるようになってください。時間を守ることは、自分に勇気や強さがあることです。その強さがあると、人からも信頼と信用が得られるようになります。心がけて行動ができるようになってほしいと思います。
いよいよチーム農園の作付けも始まります。体調を整えて、また元気に自然塾に来てください。」
■ 編集後記
味噌作りも苗の植え付けも、塾生の活き活きとした眼差しが見ることができてとても嬉しく思います。また、チーム農園活動も本格的な作業がいよいよ始まりました。今まで以上に成功や失敗、課題と出会っていくことでしょう。初めての体験を行うことの楽しさ、学び、感動をこれからも存分に味わってもらえたらと思います。
ステージも3回目になり、チームのメンバー同士だけではなく、他のメンバーとの交流も活発に見られるようになってきました。それと同時に、お互いの思いのぶつかり合いも起きています。自分の気持ちを伝えることはとても大切なこと。その思いの中に、「相手を大切にする気持ち」が含まれていてほしいと思っています。
同じ活動をするかけがえのない仲間との時間を、これからも心地よい気持ちで送れたらいいですね。
S.O.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・野菜天重(ニンジン、ゴボウ、タケノコ、山椒)
・すましうどん(ニンジンの練りこんだ手打ちうどん、タケノコ、長ネギ、ミツバ)
・漬物(キャベツ、ニンジン、長ネギ)
※タケノコは前日にスタッフが静岡県で掘ってきたものです。

土曜朝食 【大豆食品18種類を使った献立】
・タケノコご飯(タケノコ、山椒)
・味噌汁(味噌、手作り豆腐、長ネギ)
・焼豆腐の冷奴(長ネギ)
・高野豆腐の煮物
・がんもどきの煮物
・刺身湯葉
・煮豆(ニンジン)
・おからの炒り煮(おから、ニンジン、長ネギ)
・豆もやしの炒め物
・枝豆
・炒り豆
・納豆(長ネギ)
・豆乳豆腐のきな粉かけ(豆乳豆腐)

土曜昼食 ・ホットドッグ(手作りパン、手作りソーセージ、キャベツ)
・梅サイダー(梅シロップ)

おやつ ・にんじんチップス(ニンジン)
・手作りアップルティー

土曜夕食 ・ご飯
・中華スープ(ニンジン、長ネギ、間引き菜)
・ホイコーロー(キャベツ、ニンジン、長ネギ、タケノコ)
・紅白サラダ(大根、ニンジン、食事当番が作ったドレッシング)

日曜朝食 ・菜飯(大根の葉)
・タケノコの土佐煮(タケノコ、山椒)
・ミツバの玉子とじ(野草のミツバ)
・里芋のソテー(里芋)
・ニンジンの葉の和え物(ニンジンの葉)
・オニオンスライス(新タマネギ)
・大根の皮と人参の皮の佃煮(大根と人参の皮)
・だし取り後昆布かつお節の佃煮

日曜昼食 ・里芋グラタン(里芋の親芋)
・紅白サラダ(大根、ニンジン、食事当番が作ったドレッシング)