2014.06.06~08
第07ステージ ~男子~
ステージテーマ:「収穫したジャガイモを使って、チームで協力してコロッケを作ろう!」
共同生活の目標:「何事も心を込めてきちんと丁寧に作業する」
塾生が初めて携(たずさ)わった作物であるジャガイモが収穫時期を迎えました。今回のステージはそのジャガイモを収穫し、コロッケをつくり、収穫の喜びを感じました。
共同生活の目標は「何事も心をこめてきちんと丁寧に作業する」を掲げ、取り組みました。今回は特に「丁寧に作業する」ということに力をいれ、「食事」「掃除」「農作業」「塾活動」を丁寧に行うように心がけました。
■ 06月06日(金) 布団引き
この日、小田急線で人身事後が起こり、電車が遅れて約2時間遅れで活動がスタートしました。塾生たちは少し疲れた様子でしたが、無事に全員到着し安心しました。
各場所で第5ステージに行った「通塾の話合い」で確認したことを守り、落ち着いて、安全に行動できたようでした。
早く到着した塾生たちで、全員分の布団を敷いて待ちました。少ない人数でしたが、チームを越えて協力し、素早く敷き終わりました。
■ 06月06日(金) 夜の集い
ステージを始めるにあたり、塾頭よりお話がありました。
「今日は、大変遅れましたが皆が冷静に行動して、安全に来ることができてよかったと思います。これをいい教訓としていろんな行動ができるようになってほしいと思います。
ステージの3分の1が終わってしまいました。今一度、入塾したときのことを思い出してください。自分は何のためにきたのか、何をしようとしたのか思い出し、初心に帰ってこれから過ごしてほしいと思います。
今までいろんなことを覚えて、ひととおりのことができるようになったと思います。これからはいろんな作業が丁寧にできるようになってほしいと思います。
明日は第1ステージに植えたジャガイモを収穫しコロッケにします。どんなふうに生長したかよく観察をしてください。そしてとりたての野菜をみんなでおいしく調理していただきます。収穫の喜びを感じてほしいと思います。」
■ 06月07日(土) 塾活動~3分の1振り返り~
ステージ全体の3分の1が終わりました。何気なく過ごしているとあっという間に18ステージが終わってしまいます。これからの1ステージ、1ステージを大切に過ごしてほしいと、いままでの共同生活の目標がどれだけ身についているか振り返りました。
今までの6つの目標(「あいさつをする」「人の話を聴く」「時間を守る」「ルールを守る」「物を大切にする」「整理・整頓・清掃・清潔」)が普段どれだけできているか10点満点で考え、できていることと、できていないことを振り返りました。
普段の行動を振り返るのはなかなか難しかったようで、じっくり考えて記入したり、チーム担当と相談しながら振り返っていました。
■ 06月07日(土) チーム農園作業
金曜日から降り続いた雨で、チーム農園は水たまりができている状態でした。作物の世話をしたいのですが、この状態で無理に畑に入ってしまうと、土を固めてしまい、作物が生育しにくい状態になってしまいます。そのため今回のチーム農園作業は畑の外から作物の様子を観察し、必要な世話を考えました。どうしても今回しないと生育に関わる世話については「お助けチケット」を使いスタッフにお願いしました。
まずは、傘をさしてチーム農園の様子を観察しに行きました。2週間のうちにぐんと生長した作物と雑草の様子にびっくりしていました。そして、チームみんなで、今の作物の状態や必要な世話を確認し合いました。
室内に戻り、今度は本で調べながら、お願いする作業をまとめたり、今後の計画を立てたりしました。
■ 06月07日(土) チーム活動~チーム農園看板作り~
午前中の後半は、チーム農園に立てる看板づくりをしました。
まず、スタッフより道具の使い方や注意点の説明をききました。初めて使う道具もあるので、どの塾生も真剣に話をきいていました。
各チームに分かれて看板作りを開始しました。作物の名前と、チームの名前の2種類の看板をつくりました。のこぎりを使って作物看板用の板を切り、文字や絵を書き込んでいきます。どのチームも集中して取り組み、あっという間に時間がたってしまいました。今回の時間は途中までで終わってしまいましたが、どのチームも工夫が見られ、出来上がりが楽しみです。
このチームは、昼食後や夜の休み時間を使って看板作りの続きをしていました。
すばらしい集中力と、チームの団結で今回のステージでほぼ仕上がっていました。
■ 06月07日(土) 共同農園作業~ジャガイモの収穫~
午後になってもまだ雨が降り続いていたため、合羽を着てジャガイモの収穫に出かけました。ジャガイモは収穫後に皮を乾(かわ)かして保存をし、少しずつ食材として使い、長くもてば来年のはじめまで使えます。しかしこの雨だと、皮を乾かすことができないため、今回はコロッケで使う分と、塾生が持ち帰るお土産分だけ収穫をしました。
まずは茎や葉などの地上の部分をとります。3月末に植え付けをし、短い時間で大きく生長したジャガイモを見て、塾生たちから驚きの声が聞こえました。
地上部が片付いたら、いよいよ芋をほりあげます。
ほりたてのジャガイモは皮がとても柔らかく、指でこすっただけでもすぐに皮がむけてしまいます。ジャガイモを傷つけないようにまわりから優しくほりました。
今年も大収穫!大きな芋がごろごろでてきて、塾生たちは自分のほりあげた芋を自慢げに見せてくれました。
収穫したジャガイモを傷つけないように慎重(しんちょう)に道路まで運びました。
■ 06月07日(土) 野菜の保存のはなし
塾舎へ帰り、農業指導の先生より、野菜の保存方法のお話をしていただきました。野菜は種類によって適した環境が違い、その野菜にあった保存の仕方をすることが大切なことを話していただきました。そして今回はその中でもジャガイモとタマネギの保存の方法について教えていただきました。
■ 06月07日(土) 塾活動~コロッケ作り~
収穫したジャガイモを使いコロッケを作りました。自然の恵みに感謝して、チームで協力して調理しました。
きれいな服装に着替えて、コロッケ作り開始!
まずは、ジャガイモを蒸すための準備です。火が均等(きんとう)に通るように同じくらいの大きさになるように包丁で切りました。
コロッケの作り方の説明を受けた後、チーム内で役割分担し、「タマネギを切る係」、「ひき肉をいためる係」「ジャガイモの皮をむく係」の3つに分かれて作業をしました。
ジャガイモをつぶして、炒めたタマネギとひき肉を加え味付けをしました。
みんなで味見をして、「もうちょっと塩コショウいれよう」などと、チームごとに味を決めました。
同じ大きさになるように成形して、仕上げに衣づけの作業をしました。
小麦粉、卵、パン粉の順につけていきますが、ここでむらができてしまうと、コロッケが破裂してしまい、上手に揚がらなくなってしまいます。チームで協力しながら、むらがないように丁寧に作業しました。
調理師さんにコロッケを揚げてもらっている間、おかずを盛り付け、配膳をしました。そして最後に揚げたてのコロッケをお皿に盛って出来上がり!
早く終わったCチームは全チーム分のホットプレートを洗ってくれました。
全てのチームの盛り付けが終わったところで調理師さんよりみんなのコロッケ作りを見ての総評をいただきました。
「各チームの良かったところ、こうするともっとよくなるというところについて」、「食事をつくる大変さがわかったと思うので、これから感謝して残さず食べてほしい」というお話をしていただきました。
また、ステージ担当より、「いただきます」の意味について話がありました。
「いただきますは『食材の命』『食事にたずさわっている方々へ』の感謝の気持ちがこもった言葉です。」
全員で感謝の気持ちを込めて「いただきます」を言って、食事をいただきました。
自分たちでつくったコロッケをほお張ってパシャリ!みんな言い顔をしています。
各チームのコロッケが配られ、みんなで全チームのコロッケを食べ比べました。食感や味が少しずつ違い、ほとんどの塾生は「自分たちのチームのコロッケが一番おいしい!」と言っていました。やはり、自分たちでつくったものは格別なのですね。
■ 06月07日(土) 夜の塾活動~親子大会・塾生企画の話し合い~
夜の塾活動は前ステージに引き続き、親子大会塾生企画の話し合いをしました。
今回は実施する時間帯とキーワードごとに集まり、グループごとに「参加する人にどんなことを感じてもらいたいか」「どうすれば感じてもらえるか」などを意見を出し合いました。また、最後にそれぞれのグループでどんなことを話し合ったのかを報告し合いました。
■ 06月07日(土) チーム会議
土曜日の入浴後の時間に毎ステージ、リーダー会議を開いていますが、今回のステージはその時間にチーム会議を行いました。
それぞれのチームで「普段なかなか言えないことや、問題点」「チームがよりよくなるための約束事」などを話しました。
今までの自分たちを振り返り、これからどんなチームになりたいか考える良いきっかけになったようで、チームごとに新たな気づきが生まれていました。
■ 06月08日(日) 共同農園作業~コムギの収穫~
日曜日はムギワラボウシ畑のコムギを刈り取りました。このコムギは昨年12期生がまいたものです。収穫したものは小麦粉にし、うどんやおやつとして塾の食事に使われます。そして11月には13期生も次の塾生のために種まきをし、リレーのバトンのように毎年受け継がれていきます。一粒も無駄にしないように心をこめて作業しました。
3人組になり、鎌で刈る人、束をそろえる人、しばる人と役割を交代しながら作業しました。
しっかり束ねないと、運んでいる途中や、干しているときに穂が落ちてしまいます。うまくしばるにはコツがいるので、慣れないうちは大変そうでしたが、スタッフに教えてもらいながら少しずつ上手にしばれるようになっていました。
後半はしばるのが得意な人と刈るのが得意な人とうまく分担して作業していました。
ムギが刈り終わったところに落ちた穂がないか確認しながら拾いました。みんなで拾った穂を集めると、束ができるくらいになりました。
丁寧に作業したおかげで、いつもより落ちてふまれてしまう穂が少なかったように感じました。
最後に、有志の塾生たちで力を合わせ、ムギの束を軽トラックまで運びました。
帰り道にちょっと寄り道。
ムギワラボウシ畑へ登る道の途中に桑の木があり、ちょうど実が熟していたのでみんなでつまみ食いをしながら帰りました。
■ 06月08日(日) 共同農園作業~コムギ干し~
塾舎についたら一列に並び、ベランダまでコムギをバケツリレーのようにして運びました。
背の高い上級生たちは、干し場にかけるところを担当しました。
このムギはこれから約1ヵ月間、天日に干して乾燥させ、第9ステージに脱穀(だっこく)をし製粉所に持っていき小麦粉にしてもらいます。
みんなの口に入るまで、もうひと手間もふた手間もかかるのです。楽しみにしていてください。
コムギを干している間に、代表者で全員分のお土産のジャガイモを包みました。
今回はキタアカリという品種をひとり1kg持ち帰りました。
家族で収穫のときの話、コロッケ作りの話をしながらおいしく食べてもらえるとうれしいです。
■ 06月08日(日) 活動のまとめ
活動のまとめとして、事務局長よりお話をいただきました。
「今ステージはあいにくの天気でしたが、ジャガイモの収穫ができ、コロッケとしておいしく食べることができました。
3月に植えたジャガイモは50gくらいで、収穫できたジャガイモは1kg近くに生長しました。皆が心を込めて世話をしたこと、そして大地自然があって成長しました。
こうしておいしいジャガイモを食べられたのは、大地、自然のお陰、ここにこられるようにしてくれた両親のお陰です。「お陰さまの心」を忘れないようにしてください。
また、いただきますの話がありましたが、「いただきます」は命をいただきます、命を「ごちそうさま」という意味でした。ジャガイモは土の中で一所懸命生きてきました。そしてその命を私たちはコロッケにしていただきました。
他の野菜も、肉も魚も皆生きていてその命を私たちにくれていることを知ってほしいと思います。だからこそ、命を粗末にせず、感謝の気持ちをもってほしいと思います。
今回の目標「何事も心を込めて、きちんと丁寧に作業する」はこの塾を設立された浜田前塾長がとても大切にしていることです。きちんと丁寧に行うということは、一つ一つの作業を一所懸命やることでもあります。心は見えないけれど、結果に現われます。いいかげんな動作が身につくと、いいかげんな人間にしかなりません。これからも、何事も丁寧にやるように心がけてください。」
■ 編集後記
このステージは、恵みの雨、ジャガイモの収穫、コムギの収穫と自然の恵みを感じることができたステージでした。また、自分たちで育て、収穫したジャガイモでコロッケを作る体験は、普段何気なくとっている食事について考える良いきっかけとなったのではと思います。野菜を育てる大変さ、命をいただくということ、食事を作ってくれる人たちの手間など、これからもたくさんの命や人に支えられて生きていることを忘れずに、感謝の気持ちをもって過してもらいたいと思います。
K.T.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・幅広うどん(手打ちうどん、長ネギ、タマネギ)
・キュウリの軍艦巻き(キュウリ、タマネギ)
・ナスの照り焼き寿司(ナス)
・肉巻きおにぎり(ニンニク)
・茹で野菜(空豆、スナップエンドウ、人参)
※幅広うどんは埼玉県のご当地料理で幅が広い生地が特徴です。
・肉巻きおにぎりは宮崎県のご当地料理です。

土曜朝食 ・タマネギの炊き込みご飯(タマネギ)
・味噌汁(味噌、タマネギ、長ネギ)
・スタミナ納豆(長ネギ)
・空豆の丸焼き(空豆)
・タマネギ目玉焼き(タマネギ)
・サニーレタスの炒め物
(サニーレタスの外側の固い部分)
・漬物(キャベツ)


土曜昼食 【塾生からのリクエストメニュー】
・お好み焼き(キャベツ、タマネギ)


土曜夕食 ・ご飯
・キャベツスープ(キャベツ、タマネギ、ニンニク)
・塾生の手作りコロッケ(掘りたてのジャガイモ、タマネギ)
・サラダ(サニーレタス、キュウリ)
・スパソテー(タマネギ、人参)
・茹で野菜(空豆、スナップエンドウ)

日曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、ジャガイモ、タマネギ)
・ズッキーニの炒め物(ズッキーニ、ジャガイモ、タマネギ)
・サニーレタスの玉子とじ(サニーレタスの外側の固い部分)・サニーレタスの中華炒め(サニーレタスの外側の固い部分)
・サツマイモの金平(サツマイモ)
・漬物(キュウリ)
・だし取り後昆布かつお節の佃煮

日曜昼食 ・盛岡冷麺(手打ち麺、長ネギ、キュウリ、大根)
・蒸かし芋
(前日に塾生が掘ったキタアカリという品種のジャガイモ)
・オリオンリングタワー(新タマネギ)
※盛岡冷麺は岩手県のご当地料理です。