2013.10.18~20
第15ステージ ~女子~
ステージテーマ:
「里山ハイキングを通して自然と人間について考えよう!」
共同生活の目標:「ルールを守る(リーダー会議で決定)」
 今回は、自然塾の近くにあるシダンゴ山にハイキングに行きました。自然塾のハイキングは、ただみんなで登るだけでなく、「五感を使って自然を感じる」ことと、「やりとげる達成感を味わう」ことが目的です。また、里山の自然に触れることで「人と自然の関係」についても考えてもらいました。
 共同生活の目標は、前回のステージと今回の金曜日の夜にリーダー達が話し合って選び、「ルールを守る」に決まりました。今までの中から12期生女子に必要な目標を考え、全員で取り組みました。
■ 10月18日(金) 夜の集い ~塾頭の話~
 ステージのはじめに、枝村塾頭から話がありました。
「明日は、シダンゴ山にハイキングに行きます。今回のハイキングには、目的が2つあります。1つ目は、『自然のすばらしさを体験し、自然の大切さを感じてほしい』と思います。ハイキング中、森のおいしい空気を味わえるでしょう。また、森にはたくさんの植物や動物がいて、お互いに関わりあって生きています。
 私たち人間も自然の一部です。私たちは自然とどう関わればよいか、考えてみて下さい。ハイキングを通して『3つの心と2つの力』の1つ、『自然を慈しむ心』を学んでほしいと思います。
 2つ目は、『自分自身の体力、気力を確かめてほしい』と思います。途中、何ヶ所か辛い所がありますが、今まで苦労して農作業をやってきた証(あかし)として、自分の力で頑張って登り切って下さい。今夜はゆっくり寝て、明日に備えて下さい。」
■ 10月18日(金) 夜の集い ~ハイキング前のスライドショー~
 翌日のハイキングを楽しむためのヒントとして、スタッフが山の中で見つけたものを写真で紹介しました。
 よく見てみると何かの形に見えるもの、動物が残した足跡や木の実を食べた跡、色んな生き物など。
「私たちも見つけられるかな。」
明日への期待が高まります。
■ 10月18日(金) リーダー会議 ~共同生活目標の決定~
 リーダー会議で、今回の共同生活目標を何にするか話し合いました。
「ハイキングだから、特にスタッフの話はよく聴かなきゃ、危ないよ」
「いつも、寝る時間が守れていないよね」
「話を聴けても、注意とかルールとか、その内容を守れなきゃ意味がない」 様々な意見が出ました。
 そして、「どれも大切なルールだ」という結論になり、共同生活目標は「ルールを守る」に決定。
 「人の話を聴く」「時間を守る」「ハイキングや共同生活のルールを守る」の3つを重点に取り組むことになりました。

 翌日、リーダー達は決まった目標とポイントを全員へ伝えました。
■ 10月19日(土) 塾活動「シダンゴ山ハイキング」~出発~
 荷物や装備のしたくをして、準備体操したら、さあ出発。目指すは、シダンゴ山の山頂です。
 さっそく歩き始めましたが、最初の上り坂で早くも、
「きつーい」「疲れたー」「頂上まだー?」という声がちらほら。
 こんな調子で、山頂まで無事にたどり着けるのでしょうか・・・。
■ 10月19日(土)
塾活動「シダンゴ山ハイキング」 ~登山道入り口~
 登山道の入り口まで来ました。
 ここでは、「五感の体操」をしました。これから山の中で、五感を使ってたくさんの自然を感じられるようになるためです。
 一番よく使う目(視覚)を閉じ、耳をすませて周りの音を聴いたり、風が吹いてくる方向を体で感じたり、光のさす方向を探したりしました。
 耳をすませていると、鳥のさえずる声、風で葉がこすれる音、犬の鳴き声、飛行機の音など、色んな音が聞こえてきました。

 塾生たちの五感の準備が整いました。いよいよ、山の中へ入っていきます。
■ 10月19日(土)
塾活動「シダンゴ山ハイキング」~宮地山山頂~
 自然塾からおよそ1時間。途中、宮地山の山頂に到着しました。
 ここで、ちょっと休憩。
 塾生たちは早速おやつを広げ、友だちと交換し合ったり、食べる順番を考えたりしました。これも、ハイキングの楽しみですね。
 その後、「カモフラージュ」というプログラムを行いました。決まった範囲(はんい)の中に隠(かく)れている、「もともと自然にはない物」がどこにあるか探しました。
 いくつ隠れていたか数えて、隠したスタッフに答えを言いにいきます。
 塾生たちは1人2回ずつチャレンジ。1回で全部見つけたと思ったら数が足りず、「もっと探してごらん」とスタッフに言われて、「あれ~?まだあるの?」と首をかしげて再挑戦(さいちょうせん)していました。
 最後に全員で答え合わせ。
 範囲の中には、いろんな高さ、振り向かないとわからないところなどに隠してあったので、見つけられなかった塾生は「そんなところにあったんだ!」とおどろいていました。

 足元だけでなく、あちこちを注意深く観察しなければ、色んなものを見過ごしてしまいます。このあと歩く中で、さらにたくさんの発見ができるように、視野を広く持つきっかけになりました。
■ 10月19日(土)
塾活動「シダンゴ山ハイキング」~ネイチャービンゴ~
 スタッフからビンゴカードが渡されました。マスの中には、「いろんな木の実」「音の出るもの」「自分の顔より大きな葉っぱ」など、自然の中にあるものが書いてあります。それを探しながら歩き、見つけたらカードに書き込んでいきました。
 結果発表~!
「2つビンゴしたよ。」「私は全マス埋まった!」
 みんな見る力(視覚)をフルに使って、たくさん見つけていました。そして、同じお題でも、人によって持ってきたもの、見つけたものは様々。
 山の中には、色んなものがあるね!
■ 10月19日(土) 塾活動「シダンゴ山ハイキング」~登山道~
 さらに登っていくと、大きな木が横倒しになって、登山道をさえぎっていました。先週の台風で倒れたようです。
 塾生達は、倒れた木もなんのその。下をくぐったり、上を乗りこえたりして、軽々通りぬけました。
■ 10月19日(土) 塾活動「シダンゴ山ハイキング」~頂上~
 山頂まで残り300m。最後の上り坂はとても急な傾斜(けいしゃ)で階段が続き、自然塾では「心臓破りの坂」と呼んでいます。
 最後の休憩をすませたら、頂上までいっせいにスタート!
 勢いよく走り出し、一気にかけ上がった塾生。後ろから自分のペースで一歩一歩登った塾生。最後の難関(なんかん)を抜け、全員無事に頂上に着きました!頂上に着いた瞬間、思わず笑顔があふれます。
 左の写真は、先頭切ってゴールした上位3名の塾生たちです。おめでとう!
 頂上に着いて後ろを振り向くと、富士山が塾生たちを迎えてくれました。
 この日は曇り空にもかかわらず、はっきりキレイに見えました。しかもシダンゴ山山頂から、雪をかぶった富士山を見ることができたのは、自然塾史上初!スタッフもビックリしました。
 全員そろって「いただきます!」。朝早くから調理師さんが作ってくれたお弁当を、みんなでおいしくいただきました。
■ 10月19日(土) 塾活動「シダンゴ山ハイキング」~記念撮影~
 下山する前に、山頂で記念撮影をしました。みんな、とってもいい笑顔!
■ 10月19日(土) 塾活動「シダンゴ山ハイキング」~下山~
 帰り道は、落ちている自然のものを拾いながら下山。気に入った木の実や落ち葉を見つけたら、包みにしたバンダナに入れて持っていきました。
■ 10月19日(土)
塾活動「シダンゴ山ハイキング」~自然塾到着~
 全員が塾舎に無事到着!
 この直後、パラパラと雨が降り出してきました。まるで、塾生達が帰り着くのを空が待ってくれていたかのようでした。
 土間で輪になって、自然の中で感じたこと、気づいたことなどの感想を順番に言いました。
「大変だったけど楽しかった」
「富士山が見れてうれしかった」
 一人ひとり、色んな心の動きがあったようです。
■ 10月19日(土)
塾活動「シダンゴ山ハイキング」~森の芸術家~
 持ち帰ってきた自然のものを材料にして、「シダンゴ山」をテーマにチームで作品を作りました。ヒノキの葉を木に見たてたり、ドングリを並べたりして、テーブルの上に、今日の思い出を表現した素敵な作品が出来上がりました。
■ 10月19日(土) 塾活動「シダンゴ山ハイキング」~里山の話~
 最後に、ステージ担当から里山の話がありました。
 日本ではたくさんの山や森が問題を抱えていること。昔の人は、山の自然からたくさんの恵みをもらって暮らしていたこと。今では人が山に入らなくなり、森が荒れてしまったこと。
 人と自然が仲良くなるにはどうすればよいのか、自分には何が出来るのか、考え続けてほしいと思います。 
■ 10月19日(土) 塾活動「シダンゴ山ハイキング」~おまけ~
 自由時間。何人かの塾生が、持ち帰った木の実や落ち葉を材料に、工作を楽しんでいました。
 木の板を切って材料を貼り付け、素敵な写真立ての出来上がり!
 他には、どんぐりのかさをお皿にして、お弁当に見立てた置き物を作っていました。
■ 10月19日(土) 夜の塾活動 ~森の句会~
 今日のハイキングで見つけた発見や感動を、俳句にして発表しました。少ない文字数で表現するのに苦労していた塾生もいましたが、とても趣(おもむき)のある俳句が生まれました。
「山登り 自然いっぱい 感じたよ」
「頂上だ 白く染まった 秋の富士」
「どんぐりは 秋の山の おくりもの」
■ 10月20日(日) スタンドアップキャンペーン
 10月の世界貧困デーにあわせて行われている、スタンドアップ・テイクアクション。これは「世界の貧困(ひんこん)と飢餓(きが)を無くそう!」という私達の意志を、各国のリーダーに届けるという活動です。
 前日の夜に説明を聞き、小さなことでも自分たちに出来ることからはじめよう!ということで、キャンペーンに参加する写真を撮影しました。
■ 10月20日(日) チーム農園作業
 この日は朝から雨。外に出るのがおっくうなくらい降っていました。

 それでも塾生たちは、自分たちの畑の様子が気になっていたようです。
 合羽(かっぱ)姿で畑へ繰り出し、収穫や草取りをがんばっていました。
 このチームはポットに種まき。
 今室内でできる作業を、自分達で考えて取り組んでいました。
 この2人は、前回のステージに収穫したラッカセイの、殻(から)むきを手伝ってくれました。
■ 10月20日(日) おまけ ~アケビ~
 昼食にアケビが登場。シダンゴ山で、スタッフが見つけて採ってきたものです。
 スタッフに、「甘くておいしいよ~」とすすめられ、塾生たちはおそるおそる口に運んでいました。「おいしい」とか、特にこれといったコメントは聞こえてきませんでしたが・・・味はどうだったかな?
■ 10月20日(日) ステージのまとめ
 ステージを終えるにあたって、枝村塾頭から話がありました。
「ハイキングでは一人の脱落者もなく、全員で最後まで登りきることができました。自分の足で登りきれたことに自信を持って下さい。
 そして、山頂までたどり着けたのは、たくさんの支えがあったからです。登山道を整備してくれた人、この日のため準備してくれた調理師さん、皆さんを送り出してくれた家族の人。色んな人への感謝の気持ちを忘れないでほしいと思います。
 里山の話がありましたが、山が荒れると川も汚くなってしまいます。山と川はつながっています。川の上流に森があるから、水がきれいになり、川が豊かになります。豊かな川の水が流れ込んで、海が豊かになります。山がきれいになると、川も海もきれいになるのです。自然はいつも私たちに大きな恵みを与えてくれています。ぜひ、自然を大切にしてほしいと思います。」
■ 編集後記
 天候が怪しく、直前までハイキングに行けるかどうか心配していましたが、当日は帰ってくるまで雨に降られず、全員無事に登ることができました。しかも、直前の台風のおかげで枝葉がたくさん落ち、登山道は色鮮やかな落ち葉で染まっていました。山頂では、雪を被った美しい富士山を見ることができました。塾生もスタッフも、自然の美しさを存分に味わえたステージでした。
 私は、少しでも「自然って楽しいな。素敵だな」と感じ、興味を持つようになれば、それが「自然を慈しむ心」の第一歩になると思っています。今回の第一歩が、身の回りの自然に目を向けるきっかけになり、この先も一人ひとりの「自然を慈しむ心」が少しずつ育ってくれればと思います。
K.K.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・【お月見ご飯】※前日が十三夜でした。
・ロコモコ丼(タマネギ)
・ピーマンのカップカボチャサラダ(ピーマン、カボチャ、パプリカ、ゴボウ、ニンジン、タマネギ)
・ニンジングラッセ(ニンジン)
・スティックブロッコリーの素揚げ
(スティックブロッコリー)
・飾り野菜(四角豆)
・ポトフ風スープ(ピーマン、パプリカ、タマネギ、ニンジン、ジャガイモ、カブ)
・茹でラッカセイ(ラッカセイ)
・茹で栗(栗)
・サツマイモのゴマ団子(サツマイモ)

土曜朝食 ・ゴボウ丼(ゴボウ、長ネギ、紅生姜)
・さつま汁(味噌、サツマイモ、ゴボウ、長ネギ、ニンジン、カブ)

土曜昼食 ・ハイキング弁当
(サツマイモ、栗、ピーマン、梅干し)

土曜夕食 ・カツカレー(ナス、ピーマン、パプリカ、ジャガイモ、タマネギ、ニンジン、ミニトマトのピクルス、手打ちうどん)
※うどんはおかわりでカレーうどんに
・サツマイモサラダ
(サツマイモ、タマネギ、ニンジン)
・お花ミカン(いただきものミカン)

日曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、ジャガイモ、長ネギ、四角豆)
・落花生豆腐の巾着煮(ラッカセイ)
・落花生おからのマヨ和え(ラッカセイおから、ピーマン、タマネギ、ニンジン、スティックブロッコリー)
・ピーマンとゴボウの金平
(ピーマン、ゴボウ、ニンジン)
・ニンジンの葉のふりかけ(ニンジンの葉)
・ターツァイの和え物(ターツァイ)
・だし取り後昆布鰹節の佃煮

日曜昼食 ・餃子ラーメン(手打ち中華麺、コマツナ、長ネギ、う作り餃子の皮、ナス、ニラ、ニンニク)
・おかわりでカレードリア、お好み焼き風うどん