2013.10.04~06
第14ステージ ~女子~
ステージテーマ:「コンニャク作りを体験し、先人の知恵について学ぼう!」
共同生活の目標:「今までの目標の中から各自で1つ選ぶ」
 今回は春に行った味噌作りに続く食品加工、コンニャク作りを行いました。コンニャクが食べられるようになるには、多くの工程が必要です。なぜ先人たちは苦労をしてまでコンニャクを食べられるようにしたのか、コンニャク作りを体験しながら考えました。
 共同生活の目標は、今までの7つの目標の中から各自が一番出来ていないもの、苦手としているものを選んで意識してもらいました。また、それが出来ている人も探して、お手本とし、どうしたら自分も出来るようになるか考えてもらいました。
■ 10月04日(金)夜の集い
 活動を始めるにあたって、塾頭より話がありました。
「寒くなりましたね。風邪をひかないよう気をつけてください。
 春には大豆から味噌を作りましたが、今ステージはコンニャク作りを行います。大豆は火を通せば食べられるようになりますが、コンニャクの元になるコンニャクイモは煮たり焼いたりしただけでは食べられません。あく抜きをすることで食べられるようになることを先人たちが見つけてくれました。先人たちに感謝の気持ちを持ってコンニャク作りをしましょう。
食事についてもう一度考えてみましょう。この塾には『出されたものは残さずよく噛んで食べる』というルールがあります。嫌いな野菜も食べられるようになってきました。残さずよく噛んでいただけば、作ってくれた人もうれしく、良いこともたくさんあります。そして、すべてのものに対して、命をいただいていることを忘れないようにしてください。」
■ 10月05日(土)塾活動
~卒塾アルバム、チームのページ作り~
 雨が降っていたため、午前中いっぱい卒塾アルバムのチームのページ作りの時間としました。
思い出を形にする。10年後に見ても思い出せる。家の人に雰囲気が伝わる。チームらしさが伝わる。そのようなページを意識して作成してもらいました。
写真選びだけでなく、選んだ写真を印刷して切り貼りして並べ、レイアウトまで考えているチームもありました。
■ 10月05日(土)自由時間 ~ヒョウタンの加工~
このチームはチーム農園でヒョウタンを育てましたが、加工の時間がチーム農園の時間だけでは足りない、と自主的に自由時間を使って加工に取り組んでいました。
ヒョウタンの加工には強烈なにおいがつきもの。くさい、と顔をしかめつつも熱心に行っていました。
■ 10月05日(土)塾活動 ~コンニャク作り~
 共同農園で収穫したコンニャクイモを使ってコンニャク作りをしました。コンニャクイモがコンニャクになって食べられるようになるには、沢山の工程が必要です。どのようにしてコンニャクになっていくか、なぜその作業をするのか、考えながら行いました。
 まずはコンニャクイモを金ダワシでよく洗って、泥や皮を取り除きます。コンニャクイモは生で食べられないだけでなく、素手で触(さわ)ると痒(かゆ)くなるので、ゴム手袋をしてしっかり洗いました。
 次にミキサーに入れて砕(くだ)くために、2~3cm角の大きさに切りました。イモは固めでぬめりもあるので、真剣な表情で切っていました。
 細かく切ったコンニャクイモと水をミキサーに入れてスイッチを入れます。30秒ほどでイモと水がしっかり混ざりました。ミキサーからこぼれないよう、しっかり蓋(ふた)を押さえていました。
 イモと水をよく混ぜたものを鍋に移してコンロで煮詰めました。どろどろとした液体がサクサクとした感触になるまで、焦げ付かないようによくかき混ぜながら行いました。
 煮詰まったものを火から下ろし、60度以下になったら凝固剤(ぎょうこざい)を入れてかき混ぜます。
素早く行わないとムラが出来たり、ダマになってしまうので真剣でした。
 形を整えるためにバットに入れてならしました。見た目はお店で売っているコンニャクのようになりましたね。
 各チームのコンニャクが出来上がりました。どれも美味しそうなコンニャクになりました(もっとも、これで出来上がりではありません。このまま食べると大変な目にあいます。夜に続きの作業を行います。)
 調理場の関係でコンニャク作りと食品加工の話を聞くチームに分かれました。
コンニャクイモは強いえぐみを持っていて、簡単には食べられない植物なのに、なぜ昔の人はそのようなものを食べよう(利用しよう)と思ったのか?先人の生きた時代を考え、人間の知恵について考えました。
■ 10月05日(土)共同農園作業
~ササゲの鞘(さや)取り・選別~
 アズキの一種、ササゲが収穫時期を迎えています。スタッフが収穫したササゲの鞘をとり、良い豆、やや難(なん)はあるが使えるもの、使うことが出来ないもの、に分けてもらいました。中には効率のよいやり方を考える塾生もいて、みな熱心に取り組んでいました。
このササゲは卒塾式でお赤飯などに使われる予定です。
■ 10月05日(土)塾活動
~卒塾アルバム、チームのページ作り~
 午前中に続き、卒塾アルバムのチームのページ作りを行ってもらいました。どのチームも選んだ写真の切り貼り、レイアウト決めなどかなり出来上がってきました。早くも完成!というチームもありました。
■ 10月05日(土)塾活動 ~コンニャクのあく抜き~
卒塾アルバムのチームのページ作りの時間、チームごと交替でコンニャクのあく抜きを行ってもらいました。あく抜きは家でもやっているよ、という塾生も多く、なれた手つきであくをすくっていました。
昼間に作ったコンニャク、これで完成まで一歩近づきました。しかしまだすべてのあくは抜け切っていません。この後、一晩水に浸(つ)けてさらにあく抜きをします。
■ 10月05日(土)共同生活目標の振り返り
 金曜日の夜に自分で立てた目標がどの位できたか、振り返ってチーム担当に話しました。各自が意識するポイントにそれぞれができたか、具体的に説明しました。
■ 10月05日(土)自由時間 ~白玉団子作り~
このチームは、思い出を作りたい!ということで、白玉団子を夜の自由時間に作りました。
出来た白玉団子は日曜昼のメニューに登場し、みんなで美味しくいただきました。
■ 10月06日(日)朝食 ~コンニャク~
 コンニャクがようやく食卓に登場しました。串に刺してあるのは先のほうからA、B、C、Dチームが作ったものです。先週男子が作ったコンニャク(おでんの先の三角形のもの)も登場しました。それぞれ食べ比べてみた感想はどうだったかな?
■ 10月06日(日)共同農園作業 ~落花生の収穫~
 昨日の雨もあがり、今日は畑へ。落花生の収穫です。
落花生はハクビシンという動物の大好物。去年は長年自然塾で行ってきた対策がハクビシンの執念(しゅうねん)の前に破られ、わずかしか収穫できませんでした。今年はその上にさらにネットを被(かぶ)せましたが、それでもハクビシンはやってきました。ネットの中に竹を立て、ネットがつぶされないようにしてようやく防ぐことができ、今日の収穫に結びつけることが出来ました。
 まずは地上部をとりました。一緒に落花生がついてくるものも少なくなく、うれしそうにトレーに入れていました。地上部の茎や葉は害虫の発生源になるので、袋に入れて畑から離れた場所に捨てました。
 農業指導の先生と雑談をしながらの作業。
根にちいさな豆粒がいっぱいついていました。これは何?落花生の赤ちゃん?だったら収穫早すぎるよね。それはマメ科の植物の根につく根粒(こんりゅう)というものです。
他にも、落花生を土の中で食べているコガネムシの幼虫が沢山出てきたりとか、発見がいっぱいあったようです。
 今年は男女とも6トレー分の収穫(去年は1~2トレー)ができました。今年の知恵比べは人間の勝ち。獣と人間の知恵比べはまだまだ続くかもしれません。
■ 10月06日(日)チーム農園作業
今回のチーム農園作業は1時間程度の短い時間でしたが、どのチームも一生懸命作業に取り組んでいました。
 間引きは大切な世話の一つ。でも美味しいお土産にもなります。カブ・ダイコン・ニンジンなどの間引き菜が収穫できました。家で味わってくださいね。
 レタスの苗を植えました。苗の植え付けはもうすっかり慣れています。
立派なレタスが収穫できるといいですね。
 コールラビという野菜の苗を一回り大きなポットに移し替えています。畑にはもう少し大きくしてから植える予定です。18ステージまでに間に合うよう頑張って育てよう。
 今世話しないと大きくならないよ、と塾頭さんからアドバイスをもらい、急遽(きゅうきょ)ジャガイモの芽かき、追肥、土寄せをすることになりました。
これできっと立派なジャガイモが収穫できますね。
■ 10月06日(日)活動のまとめ
 活動を終えるにあたって、塾頭より話がありました。
「今日は晴れて落花生の収穫やチーム農園作業が出来ました。地中に実をつける落花生やイガでおおわれた栗は外敵から実を守り種を守るためにそうしたのかもしれません。不思議ですね。きのうはコンニャク作りをしました。他にも味噌や梅干しなどいろいろな加工食品がありますが、それらは偶然出来たものではありません。先人たちがいろいろなことを試し、失敗も繰り返しながら生まれたものです。
野菜はとれる時期にたくさんとれますが、冬などはほとんど何もとれません。昔の人は工夫を重ねてとれたものを長くもたせようとした結果、いろいろな加工食品が生まれました。苦労をしながら知恵を働かせ、自ら体を動かすことが大切です。知識だけではアイデアにつながりません。いろいろやってみましょう。
まもなくノーベル賞の発表です。去年の受賞者山中教授は記者会見で、先人たちの業績や周囲の人たちの支えによって自分の研究が出来たことへの感謝の気持ち、そして研究を実用化する責任が自分にはあるという話をしていました。
先人たちが築いてきたものは、一朝一夕にしてできたものではありません。先人たちの苦労に感謝の気持ちを持つようにしましょう。」
■ 編集後記
今回は土曜日は雨で1日室内での活動、日曜日は一転して蒸し暑い晴天となりました。活動にはみな積極的でチームで率先して何かを行う場面もたびたび見られ、成長を感じました。
共同生活の目標は個人で出来ていないもの、苦手なものを目標に掲(かか)げてもらいましたが、個人個人の意識の差が大きく出たと感じます。困難を乗り越えようと積極的な塾生はますます自分を磨いていきます。楽しかったで終わってしまうか、とても充実していた時間にするか。あと4ステージしかありません。しっかり自分を見つめ、活動に取り組んでほしいと思います。
T.K.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 ・カボチャのほうとう(手打ち麺、カボチャ、長ネギ、ジャガイモ、ゴボウ、間引き人参、間引き大根、間引き菜、味噌)
・栗ご飯おにぎり(栗)
・オクラの軍艦巻き(オクラ)

土曜朝食 ・菜飯(間引き大根)
・沖縄風味噌汁(味噌、手作り豆腐、ゴーヤ)
・栗の巾着煮(栗、タマネギ、間引き人参)
・おからバーグ(おから、タマネギ、ピーマン)
・四角豆のソテー(四角豆)
・小松菜のゴマ和え(小松菜)
・サツマイモの茎の金平(サツマイモの茎)
・漬物(間引き菜)

土曜昼食 ・豚骨ラーメン(手打ち中華麺、長ネギ、紅生姜、ニンニク、ショウガ)※ニンニク、ショウガは焼豚作りに使用
・中華まん(ゴボウ、ナス、ピーマン、味噌)※中身は金平ゴボウとナス味噌

おやつ ・茹で栗(自然塾九州栗と自然塾関東栗の食べ比べ)

土曜夕食 ・ピーマンのカレーピラフ(ピーマン、パプリカ)
・コンソメスープ(ジャガイモ、タマネギ、間引き人参)
・鮭のアクアパッツァ【洋風蒸し煮】(トマト、ミニトマト、ニンニク、タマネギ、ジャガイモ、ピーマン、パプリカ、人参の葉)

日曜朝食 ・ご飯
・呉汁(味噌、コンニャク、ゴボウ、間引き大根、間引き人参、長ネギ)
・コンニャクの田楽(コンニャク、味噌)
・おでん風煮物(コンニャク、ジャガイモ、ゴボウ)
・長カボチャの詰め物焼きショウガあんかけ(長カボチャ、ショウガ、四角豆)
・ピーマンカップ目玉焼き(ピーマン)
・漬物(間引き大根)
・だし取り後昆布鰹節の佃煮

日曜昼食 ・カボチャのクリームパスタ(手打ちパスタ、カボチャ、人参の葉)
・カボチャパン(カボチャ)
・茹で落花生(落花生)
・大学芋(頂き物のサツマイモ)
・フルーツポンチ白玉※白玉団子は自由時間に塾生が作ったもの