2013.05.24~26
第05ステージ ~女子~
ステージテーマ:「マナーについて考えよう!」
共同生活の目標:「物を大切にする」
 女子の活動は雨続きでしたが、ようやく晴れて農作業が出来ました。しかし、学校の運動会と重なったため、17人でスタートしたステージでした。
 今回は外部からマナーの先生に来ていただき、様々な礼儀作法を教えていただきました。作法だけでなく、なぜマナーを守るのか?マナーの心についても学んでもらうため、上記のテーマを掲げました。
 共同生活の目標は「物を大切にする」でした。「正しく丁寧(ていねい)に使う」、「使ったらきれいに洗う、片づける」「有意義(ゆういぎ)に使う、ムダにしない」のポイントに気をつけて過ごしてもらいました。
■ 05月24日(金) 夕食
 いつもは6つのテーブルの島に分かれて食事をします。
 今回は少人数だったので、2つの大きなテーブルにまとまって夕食。スタッフも塾生も入り混じっての食事風景は、まるで大家族のようでした。
■ 05月24日(金) 夜の集い
 活動を始めるにあたって、塾頭からお話がありました。
「食事当番や共同場所掃除は、4つの役割が一周しました。今までのステージで共同生活や農作業も一通り覚えたと思います。これからは教わったことを思い出しながら、自分で考え、行動していきましょう。
 ここでは『自主・自立・自律』ということを大事にしています。自主は自分から進んでやること。自立は自分でやることを考えて行動すること。自律は自分を律すること=自分の悪い心をおさえ、良い心で行動することです。特に、自律は共同生活でとても大切なので、出来るようになってほしいと思います。
 共同生活の目標は『物を大切にする』です。人間と他の動物の違いは、道具を使えることです。人間は道具を使うことで進歩し、楽しく快適に生活できるようになりました。道具は大切に使うと長持ちします。そして、みんなで使うと効率よく使えます。大切に使い、次の人のことを考えてきれいにしましょう。また、物を大切にする心は、人を大切にする心につながります。農作業の道具、掃除の道具、共同生活で使う物、塾舎、着ている服、食べ物、ありとあらゆる『もの』を大切にできるようになってほしいと思います。」 
■ 05月25日(土) 共同農園作業 ~ラッカセイの種まき~
 ラッカセイは、漢字で「落花生」と書きます。花が出来た後に子房柄(しぼうへい)が伸(の)びて土の中に実を付ける、おもしろい作物です。
 自然塾がある松田町のすぐ隣、秦野(はだの)市はラッカセイが名産。塾生達にも、地域に関連した作物の世話に挑戦してもらいました。

 まずは畝立て。クワで土を盛り、手で平らにならしました。
 そして種まき。
 どのように芽が出るのか、種を割りイラストと見合わせて、種の仕組みを確認しました。よく見ると、芽と根が出る部分がわかります。

 種が芽と根を出しやすいように、方向をそろえて1粒ずつまきました。
 ラッカセイは、色んな動物が好んで食べに来ます。
 実った豆はハクビシンが大好物。掘り返されないように、畝の上から金網を張りました。
また、まいたばかりの種を鳥から守るため、鳥よけテープも張りました。
■ 05月25日(土) スナップエンドウの収穫
 今回、食事当番のAチームは、ラッカセイの種まき後に食材用のスナップエンドウを収穫しました。

 今年はスナップエンドウが豊作。剪定(せんてい)バサミを使って、とりごろの「さや」をバケツいっぱいに収穫しました。
 収穫したスナップエンドウは、ステージ中の食事でみんなでおいしくいただきました。
■ 05月25日(土) 塾活動 ~岩下先生のマナーのお話~
 現代礼法研究所代表、NPOマナー教育サポート協会理事長の岩下宣子先生をお迎えして、マナーのお話をしていただきました。 
「マナーは愛!愛は英語で『LOVE(ラブ)』ですが、日本では最初『ご大切』と訳されました。愛とは、自分を大切にするように相手を大切にする思いやりの心です。だから自分を大切に出来ない人は、人を大切に出来ません。
 愛は脳を活性化させます。『情けは人のためならず、めぐりめぐってわが身のため』ということわざがあります。思いやりの心は自分のためでもあるのです。」
 マナーの心を教わった後は、作法を実践(じっせん)。笑顔の挨拶(あいさつ)、ふすまの開け閉め、箸(はし)の持ち方などを教わりました。
「座っている人を見下ろさないように、ふすまを開け閉めする時は座って行いましょう。」   「座布団も大切に。挨拶する時は、座布団を降りてからです。」
 最後に食事のマナーに関するクイズも出され、塾生達が楽しめる内容でたくさんのマナーを教えていただきました。
 素敵な先生に習い、学んだマナーを実践して素敵なレディーを目指して下さい。
■ 05月25日(土) 共同農園作業 ~サツマイモの植え付け~
 午後は農作業三昧(ざんまい)。
 まずはサツマイモを植え付けました。サツマイモは水はけがよいところを好むので、かまぼこ型で高めの畝(うね)にしました。

 入塾したての頃に比べて、クワの扱いに慣れてきた様子。たくさん土を盛って、ていねいに形を整えました。
 苗を並べて植え付けました。ポイントは、土の中に深く挿(さ)すこと。
 2人1組になって、1人が移植ゴテを土の中に挿しこみ、土を少し持ち上げます。空いたすき間に、もう1人が苗を滑らせるように入れ、植え付けていきました。
 サツマイモの苗は丈夫ですが、カラカラの畑では根を張る前に干からびてしまいます。
 たっぷり水をやりました。
■ 05月25日(土) おやつ
 すぐ隣の畑では、ニンジンを育てています。
「おやつに、みんなでこのニンジンを食べようか!」
とスタッフが言い、 塾生たちはビックリ!

 まだ小さいニンジンを抜き、水で洗ってその場で丸かじり。
畑でおやつの時間となりました。
  「こんなおやつってありなの~!?」
「私ニンジン嫌いなのに・・・」
「私はニンジン大好きだから、何本でもいけるよ!」
「味が濃いね~」

 反応は様々。でも、めったに出来ない体験が出来たと思います。 
■ 05月25日(土) 共同農園作業 ~ゴボウの世話~
 第2ステージに種まきしたゴボウの様子を見に行くと、芽を出したゴボウに混じって雑草がたくさん生えていました。

 みんなで草取り。
 畝の上の雑草は手で取り、通路は草刈り鎌(かま)を使ってキレイにしました。
 雑草をキレイに取り除き、ゴボウだけが残りました。
 虫に食べられてしまい、いくつかの苗がなくなっていました。それに気づいた塾生は、残念な様子。

 これ以上ゴボウをダメにしないよう、残った苗をしっかり世話しなければなりません。
 肥料をやり、土寄せしました。
■ 05月25日(土) 共同農園作業 ~オカボの草取り~
 オカボは畑で育てる餅米で、漢字で「陸稲」と書きます。田んぼがない自然塾では、オカボを育てて18ステージに餅つきをして食べます。

 男子が種をまいてくれたオカボの草取りをしました。農作業が続き、みんなかなり疲れた様子でしたが、誰も愚痴(ぐち)や弱音を吐かず、最後まで集中して作業していました。
 雑草を取り除き、畑はすっかりキレイになりました。
■ 05月25日(土) おまけ ~桑(くわ)の実~
 一日の農作業が終わり、自由時間。

「桑の実、取りにいかない?」
 スタッフに誘われ、興味を持った塾生たちが再び畑の方へ出かけていきました。

 ムギワラボウシ畑へ続く坂道の途中に、大きな桑(くわ)の木があります。
 見上げると、枝に赤黒く熟した桑の実がたくさんなっていました。
 手を伸ばし、実をとって食べると、
「あまい!」「おいしい~」と、大喜び。

夢中で実をとり、自然がくれた季節の味を思う存分楽しんでいました。
■ 05月25日(土) 夜の塾活動 ~通塾の話し合い~
 「集合場所にスタッフがいなくて、自分達だけで塾に来なければならないとしたら?」 
 スタッフがいなくて塾生だけで電車に乗ることがあっても、自分たちで落ち着いて行動できるように、話し合いをしました。
「具合の悪い人がでてしまったら?」「乗るはずの塾生がいないときは?」「塾生だけで電車に乗るときの注意点は?」などの起こりうるケースごとに話し合い、その結果を発表。
 どんな場合でも、落ち着いて・協力して・マナーを守って行動し、困ったときは塾に連絡することを確認しました。
■ 05月26日(日) 共同農園作業 ~レタスの収穫~
 第3ステージに植えたレタスが収穫どきを迎えました。
 結球(けっきゅう)しない品種の「リーフレタス」を収穫し、お土産として持ち帰ってもらいました。
 見事な出来栄えです!

 持ち帰った後、全員で写真撮影。(写真下)
 収穫の喜びで、笑顔があふれるひと時でした。
 新聞紙を使って、自分たちで包装しました。
これで大切に持ち帰ることができます。
 収穫に使ったのこぎり鎌を、自分たちで手入れしました。洗って汚れを落とし、水気をふいて刃に油をぬります。

 今回の共同生活目標を意識して、とてもていねいに片付けていました。
■ 05月26日(日) チーム農園作業
 Aチームは、サツマイモを植え付けていました。共同農園で教わった方法を思い出しながら、一本ずつ丁寧に植え付けていました。  Bチームは、サツマイモ、モロヘイヤ、エダマメなど、たくさんの種類を植え付け!
 作業を分担し、協力して全て植え終えることができました。
 Cチームは、手分けして雑草を取り除いた後、ラディッシュの種をまきました。
 今から収穫が楽しみですね。
 Dチームは雨に弱いメロンを守るため、雨よけのビニールをかけていました。
 「最初は予定してなかった。でも、計画した作業を全部終えられたから、雨よけも出来た!」とのこと。さすがです。
■ 05月26日(日) ステージのまとめ
 ステージの終わりに、塾頭からお話がありました。
「昨日は運動会の後、たくさんの人が来てくれて嬉しく思いました。今週は久しぶりにいい天気で、たくさん農作業が出来ました。 
 マナーのお話は、とても面白かったと思います。相手の気持ちを考え、相手のことを思いやれば、どんなことでもマナーになると思います。
 これからさらに暑くなり、農作業が大変になります。めげずに頑張って、みんなで世話しましょう。『ラク』と『楽しい』は違います。『ラク』をしたければ、農作業をサボることになります。でもそれでは、満足感や達成感、収穫の喜びを得られません。大変でも、苦労の先に喜びがあります。苦労をいとわず、頑張れる人になってほしいと思います。
 『物を大切にする』ことを、これからも心がけて過ごして下さい。ぜひ道具も大切して、人も大切にできるようになってほしいと思います。」 
 いつもお話の後は、塾頭に挨拶(あいさつ)しています。今までは、ほとんどの塾生が座布団の上でしていました。

 しかしこの日は違いました。マナーのお話を思い出し、全員が座布団から降りて正式に挨拶していました。
■ 05月26日(日) おまけ ~お茶摘(つ)み~
 バス出発前。塾舎の前の茶畑でお茶摘みしていました。

 「持って帰って天ぷらにしてもらう!」
 「お茶にもしたいな」
 帰る直前まで、収穫を楽しんでいました。
■ 編集後記
 運動会などの学校行事で少人数でしたが、一人ひとりが集中して農作業に取り組んでいたので、予定していた全ての世話をしっかりやり遂げることができました。農作業で使った道具や長靴も、共同生活目標を意識してか、とてもキレイに洗って片づけていたのが印象的でした。
 マナーのお話の後、座布団を降りてのあいさつや、ふすまの開け閉めなど教えていただいた事を自主的に取り組む様子が見えました。マナーの心の素晴らしさは、塾生たちに伝わったように感じます。とはいえ、今はまだ意識しなければ、実践(じっせん)することを忘れてしまうかもしれません。しかし、続けていけば身に付いて自然に出来るようになると思います。次回もまたステージテーマは変わりますが、今回学んだことを継続(けいぞく)して身に付けてほしいと思います。
K.K.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。 
金曜夕食 ・沖縄そば(手打ち麺、長ネギ)
・タコライス
(サニーレタス、リーフレタス、新タマネギ、スナップエンドウ)

土曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、新タマネギ、間引きカブ)
・里芋ロールキャベツ(里芋、ゴボウ、長ネギ、いただきものキャベツ)
・空豆の丸焼き(空豆)
・茹で野菜(スナップエンドウ)
・ふりかけ5種類
①間引き野菜の葉っぱふりかけ(間引き大根、間引きカブ、間引き人参)
②間引き野菜ツナふりかけ(間引きカブ)
③間引き野菜梅干じゃこふりかけ(間引き人参、梅干し)
④ネギ味噌ふりかけ(長ネギ、味噌)
⑤キャベツ玉子カレーふりかけ(キャベツ)

土曜昼食 ・菜飯おにぎり
(大根の葉、カブの葉、スナップエンドウ)
・幅広うどん
(手打ちうどん、長ネギ、ゴボウ、里芋、コンニャク)
 

おやつ ・畑で抜き立て間引きニンジン(ニンジン)

土曜夕食 ・タマネギピラフ(新タマネギ、スナップエンドウ)
・コンソメスープ(新タマネギ、スナップエンドウ)
・鮭のホイル焼き(新たまねぎ、スナップエンドウ、味噌、いただきものキャベツ)
・タマネギサラダのオニオンドレッシングかけのオニオンフライのせ(新タマネギ)

日曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、新タマネギ、間引きカブ、コマツナ)
・ニンジンの葉入り玉子焼き(前日のおやつで残ったニンジンの葉)
・コマツナのおかか和え(コマツナ)
・スナップエンドウのソテー(新タマネギ、スナップエンドウ)
・ゴボウコンニャク(ゴボウ、コンニャク)
・チンゲン菜の和え物(チンゲン菜)
・漬物(こごみ、いただきものキャベツ)
・だし取り後昆布鰹節の佃煮

日曜昼食 ・冷やしラーメン
(手打ち中華麺、長ネギ、スナップエンドウ、ホウレン草)
・桑の実プリンの苺ソースかけ(桑の実、苺)
※お代わりでレタスチャーハン(玉レタス、長ネギ)