2013.04.19~21
第03ステージ ~女子~
ステージテーマ:「味噌作りに挑戦し、先人の知恵を学ぼう!」
共同生活の目標:「時間を守る」
 今ステージは、味噌作りを体験します。味噌は縄文時代から作られ、人から人へ作り方が伝えられてきた、日本人にとって欠かすことのできない調味料です。また、味噌は今日作って明日食べられるものではありません。半年間熟成させ、秋頃にやっと食べられるようになるのです。先人の知恵に思いをはせ、味噌が出来上がることを楽しみにしながら味噌つくりに挑戦しました。
 今回の目標は「時間を守る」です。集団生活では1人が遅れると、残りの人たちを待たせてしまい、迷惑をかけることにつながります。時間を守ることはとても重要なことです。市村自然塾の塾生を含むみんなが気持ちよく生活できるように今回の目標としました。
■ 04月19日(金) 夜の集い
 活動を始めるにあたって塾頭よりお話がありました。「第1ステージと第2ステージの目標は覚えていますか?『あいさつをする』、『人の話を聴く』でした。普段の生活でも意識していますか?新学期が始まっていろいろなことを始めるチャンスです。学校でも意識して実行してください。今回の共同生活の目標は『時間を守る』です。共同生活を送るためにとても大切なこと。この塾の生活にも少しずつ慣れてきていると思います。これからは時間を気にして行動することを心がけてください。
 時間を守るためにはチームで協力することが大切です。分担した作業によっては遅れてしまう人がいるかもしれません。早く終わった人は遅れている人を手伝って欲しいと思います。そうすると、早く作業が進みます。時間が守れる人はいろいろなことができる気がします。周りの人からの信頼が得られ、信用されます。このステージは時間を守るように意識してください。」
■ 04月19日(金) 就寝準備
 塾活動も3回目。みんなで協力して就寝準備はスムーズ。ずいぶんと慣れた様子でした。
■ 04月20日(土) 朝食
 土曜の朝食では、18種類の大豆製品をいただきました。塾生たちは一つ一つ確認しながら口に運んでいました。

 この食事の味噌汁は2種類ありました。実は姉妹校の「市村自然塾九州」からいただいた味噌と、自然塾関東の味噌とで味比べ。塾生からは「九州の味噌のほうが甘くておいしい!」と大絶賛!ありがとうございました。
市村自然塾九州
■ 04月20日(土) 共同農園作業 ~キャベツ・レタスの植え付け~
 畝(うね)たて。塾生たちはクワを使った初めての畝たてに苦戦中。クワの上から土がこぼれてしまい、なかなか畝が出来ませんでした。
 それでも土を盛り上げ、キャベツ、レタス共に丸いかまぼこ畝にしてもらいました。手を使って丁寧に作業しました。
 畝の上に苗を等間隔に置いてから植え付け開始。苗は野菜の赤ちゃん。丁寧に扱わないと弱ってしまい元気に育ちません。傷をつけないよう、丁寧に畑に植え付けました。
 レタス、キャベツ共に苗が大きく育つようにお弁当として肥料をあげて、キャベツには「ヨトウムシ」という害虫の被害を防ぐために卵の殻(から)を根元にまき害虫対策をしました。
 たっぷりと水をあげました。先日までの晴天続きで土が乾いていて、いくらあげても水がしみこんでいきました。
 最後に有志(ゆうし)が残って、キャベツ、レタスにネットをかけました。
 キャベツは青虫対策、レタスは寒さや風から苗を守るためです。地面が硬く、なかなか支柱がささりにくかったり、ネットを止めるクリップが硬(かた)かったりと苦戦しましたが、何とか終了。元気に育ってくれることを楽しみに畑を後にしました。
■ 04月20日(土) 塾活動 ~味噌作り~
 まずは味噌の材料のひとつ『麹(こうじ)』を大豆の煮汁でふやかす作業から始まりです。袋の中の香りを嗅いでもらいました。「ん?お酒っぽい匂い?」中には味見をしてみる塾生もいました。
 麹の中に大豆の煮汁を入れて良くかき混ぜます。すると…
「手が痛い!しみる~」
という声があちこちから聞こえました。それでも、煮汁が全体的に染み渡るように我慢してよくかき混ぜました。
 麹(こうじ)をふやかしているあいだに、味噌の材料でもある大豆の加工品と味噌の歴史、味噌の作り方の説明を聞きました。塾生たちには朝食を思い出してもらい、大豆から様々な加工品ができることと加工することによって、より多くの栄養が取れることを知ってもらいました。
 味噌については味噌の先生である初代塾頭の箕輪さんからお話してもらいました。
 「味噌は1000年も昔から日本人の食生活を支えてきた、歴史のある食材です。ところで、みなさんは味噌汁は好きですか?味噌には、色々体にいい効能があります。海外でも味噌の効能や美味しさが分かってきていて、今では、日本で作った味噌の輸出が増えています。
 私からのお願いとして、みなさんには、『味噌のような人』になって欲しいと思います。
 味噌は、調味料として他の野菜のうま味を引き出します。私はそれが味噌の一番素晴らしいところだと思います。
みんなにも、チームで活動するときに、相手のいいところを見つけて、その良さを引き出して下さい。味噌が具の美味しさを引き出すように、一人一人のいいところを見つけてください。チームのメンバーの良いところを見つけだすような人になって欲しいと思っています。」
 十分に麹がやわらかくなったところで作業再開!やわらかく煮た大豆と麹を混ぜます。材料の大豆、麹共に一つも無駄にしないように注意をしながら、全体が均等に混ざるように底に手を入れて全体を混ぜ合わせます。
 
 十分に材料が混ざったところで、機械に入れてミンチ開始。つぶされた材料を空気を抜いて樽につめます。材料を機械に入れる人、押し込む人、つぶされた材料を丸めて空気を抜く人、樽に詰める人とチーム内で役割を分担して作業を進めました。
 さすが女子塾生。それぞれの役割を丁寧に行い、材料がほとんどこぼれることなくスムーズに作業が進みました。
  仕上げは表面を平らにして、ラップをかけて空気に触れないように密閉しました。最後にカビ防止のためにトウガラシをラップの上に置き、蓋をして終了! 
 約半年間、熟成させるために涼しいところに保管します。保管場所は塾頭室の床下。1年中涼しく、味噌が熟成するには最適な場所です。「涼しい~」と、塾生たちも床下に入って体感していました。
 味噌作りのまとめとして箕輪さんからお話を伺いました。
「本当にこぼさずにきれいでした。丁寧で、片付けも積極的。10年くらいお手伝いに来ているが今日ぐらい綺麗(きれい)なのは初めてです。
 初めに話した「味噌のような人になって欲しい」こと、覚えていてください。人のいいところを引き出してあげると、相手も自分のいいところを引き出してくれます。お互いのいいところを出し合うとチームワークは素晴らしいものになります。味噌のように周りの人の良さを引き出してあげられるように一人ひとりがなれるといいですね。」
 塾生たちに感想を聴くと、「大変だったけど、楽しくかった。美味しい味噌ができたら嬉しい。」、「最初の塩麹(しおこうじ)はしょっぱかったけど、完成が楽しみ。」と色々な感想が出ました。味噌が完成するのは11月。それまでに塾生みんなも『味噌のような人』になれるといいですね。
■ 04月20日(土) 塾活動
 ~チーム農園作付け計画<検討と発表準備>~
 日曜日にはチーム農園の計画発表、次のステージには、畑に出て本格的なチーム農園の作業が始まります。計画にも力が入ります。
■ 04月20日(土) 夜の塾活動
 ~チーム農園作付け計画<検討と発表準備続き>~
 各チーム共に入念な計画と発表準備が行われました。この時間の終わる頃には各チーム共に発表の練習を行っていました。
■ 04月20日(土) チームリーダー会議
市村自然塾関東では活動日の土曜日の夜「リーダー会議」を行います。リーダーが集まり、塾活動がより良い活動になるためにリーダー同士、塾頭、スタッフとも話し合い、意見が交換できる場としています。
 この夜はリーダー、サブリーダーが決まり、リーダー会議の目的やリーダーとしての心得を塾頭からお話を聞きました。心得として、「積極的に行動する」「ルールは守る」「みんなの意見に耳を傾ける」「意見をまとめて方向を決めて決断する」4つのポイントです。これから頑張ってもらいたいと思います。
■ 04月21日(日) 季節の話、瞑想(めいそう)
  天気予報通りこの日は雨。気温も低く、4月の終わりとしては肌寒い朝でした。日曜日、朝食前の季節の話では『穀雨(こくう)』の話をしました。穀物を育てる雨が降る時期です。また、瞑想では心を落ちつかせて外の雨を感じてもらいました。雨の音、ひんやりした空気など、まさしく季節を感じる雨だったのではないかと思います。
■ 04月21日(日) 塾活動
 ~チーム農園作付け計画<発表及び再検討>~
 チームごとにチーム名、メンバー、自分達が育てる作物などを発表してもらいました。
 スイカ、メロン、トウモロコシ、サツマイモなど様々な作物を作ることとその意気込みが発表されました。
 これから8ヶ月間、おいしい野菜をチームみんなで協力して作ってください。
■ 04月21日(日) 塾活動
 ~チーム農園作付け計画の再検討~
 発表の時に指摘された点を再検討しました。日当たりを考え配置を変えたり、作物のより詳しい育て方を調べなおしたりしました。
 農業指導の先生にスイカの育て方を聞いていました。
 「スイカはあまり水分が多いところでは病気になってしまうから、溝を切って畝を高くして排水を良くするといいよ。」
 早速アドバイスを計画に盛り込みました。
 このチームは役割分担をして早々と畑に行き区画分けをしていました。霧雨の中、計画図とメジャーを持って目印を立てていきました。
 これで次のステージにスムーズに作業が出来そうですね。
■ 04月21日(日) おまけ ~手打ちうどん~
 農業指導の先生が昼食用のうどんを打ってくれました。見慣れない機械にみんな興味津々です。
■ 04月21日(日) ステージのまとめ
 ステージの終わりに塾頭からお話がありました。
「2週連続して雨で残念ですが、二十四節気の穀雨に当たるこの時期、農家にとっては貴重な雨です。この時期に種をまくと雨で芽を出します。今芽が出ると5月の晴れ間でたくさんのお日様の光を浴びてよく育ちます。今がお百姓さんが一番忙しい季節です。
 今回もいろいろな体験をしました。どの作業も『丁寧に作業』することが大切です。よく「野菜は人の心に正直だ」といいます。愛情を持って育てると大きなおいしい野菜になります。声をかけるぐらい愛情を持って接してください。
 味噌作りの先生が『味噌のような人になって欲しい』と言っていました。味噌は野菜の味を引き立てて本当に美味しくなる。みんなもチームの中で周りの人の良いところを引き出せる人になってもらいたいです。
 共同生活の目標『時間を守る』は、みんな出来ていたようです。時間を守れる人は他のことも出来ると思います。友達から信頼も得られます。時間を守ることは、時にはやりたいことや誘惑に負けないで行動すること、つまり自分に強くなることかもしれません。自分の弱い心に負けず、時間が守れるようになって欲しいと思います。」
■ 編集後記
 今回は味噌つくりを体験してもらいました。先人の知恵がたくさん詰まった日本独自の調味料。しかも、出来上がるまでに約半年もの月日がかかります。しかし、今の世の中便利になりすぎていて、味噌が無くなったら買いに行けばすぐに手に入ります。昔は半年待たなければ食べることが出来なかったのです。また、味噌の材料となる大豆、米、麦もまた、すぐには出来ずにたくさんの時間と手間をかけて作ります。普段何気なく身の回りにあるものが実は時間と手間がかかっているものだということを塾生たちが少しでも感じてもらい、時間の大切さ、先人への感謝の気持ちを持つことが出来たらと思っています。
K.M.



■ 食事メニュー
金曜夕食 【タケノコづくしメニュー】
・タケノコご飯
・タケノコのすまし汁
・タケノコの刺身
・タケノコの土佐煮
・タケノコのソテー
・タケノコの照り焼き
・タケノコの天ぷら、タケノコのはさみ揚げ
・タケノコのゴマ和え
・筑前煮(ゴボウ、里芋、わら灰コンニャク、山椒)

土曜朝食 ・ご飯
・味噌汁2種類(味噌、自然塾九州の味噌、長ネギ、豆腐)
・枝豆豆乳豆腐と焼豆腐の納豆、湯葉のせ(長ネギ
・おから団子とがんもどきの煮物(長ネギ、おから)
・煮豆・豆もやしの和え物
・炒り豆
・葉もの野菜のきな粉和え(コマツナ、チンゲン菜) 
※18種類の大豆食品を使った献立

土曜昼食 ・けんちんうどん
 (大根、ニンジン、サトイモ、長ネギ、ゴボウ、うどん)
・焼おにぎり(味噌、5年味噌、自然塾九州味噌の3種類)
・お浸し(コマツナ、チンゲン菜)
・漬物(たくあん、いぶりがっこ)

おやつ ・オランジェット(オレンジの砂糖漬け)
 ※農業指導の先生にいただいたオレンジで作りました。

土曜夕食 ・切干大根炊き込みご飯(切干大根、大根の葉)
・味噌汁(味噌、大根、長ネギ)
・焼き鳥(ゴボウ、長ネギ)
・ザク切りキャベツのネギソースかけ(キャベツ、長ネギ)
・サトイモの和風ポテトサラダ(サトイモ、味噌)
・果物(農業指導の先生にいただいた土佐文旦)

日曜朝食 ・ご飯・味噌汁(5年味噌、コマツナ)
・キャベツの巣ごもり卵(キャベツ)
・サトイモのベーコン巻き煮(サトイモ)
・ホウレン草のゴマ和え(ホウレン草)
・コマツナのおかか和え(コマツナ)
・キャベツの和え物(キャベツ)
・チンゲン菜の根元の和え物(チンゲン菜)
・漬物(たくあん)
・佃煮

日曜昼食 ・手打ちよもぎうどん(よもぎ、長ネギ)
・よもぎの天ぷら(よもぎ)
・ゴボウのかき揚げ(ゴボウ)
・よもぎ団子(よもぎ)