2013.04.05~07
第02ステージ ~女子~
ステージテーマ:「安全(危険)について考えよう!」
共同生活の目標:「人の話を聴く」
これから本格的に塾活動が始まりますが、農作業や共同生活では危険な場面に出くわす可能性があります。そんな時に、自分で危険を察知する力を持っていれば、未然にケガを防ぐことができます。
自然塾では、塾生たちが卒塾するまでの間に、「どのようなことが危険につながるのか」を見極める力を身につけ、自分たちで意識して安全に過ごせるようになることを目指しています。今回は、そのはじめの一歩として、避難訓練(ひなんくんれん)や危険予知訓練(KYT)を行い、身の回りの危険(安全)について考えるステージとしました。
また、安全に作業・生活するためには人の話を意識して注意深く聴くことが大切です。そのため共同生活の目標として「人の話を聴く」を掲げ、「聴」という字の通り、「耳と目と心を使って聴く」ということを意識しました。
■ 04月05日(金) 夜の集い
今回は塾頭がお休みのため、活動をはじめるにあたってのお話を事務局長よりしていただきました。
「今週はみなさんの期待しているゴボウの穴掘り・植付けをやります。『春に3日の晴れ間なし』という、春は晴天が続かないという意味の言葉があります。その言葉の通り、土曜日はほんの短い時間しか天気にならないかもしれませんが、頑張って作業しましょう。
今回の共同生活の目標は「人の話を聴く」です。よく、最後まで聴かずにわかったつもりで動いてしまう人がいますが、最後まで聴くということが非常に大切です。ひとりで生活しているわけではないので、良く話を聴いて、みんなが理解して生活していくことが大切です。それが危険・安全を知るということにつながります。わからないことはわからないままにせず、周りの人に聴いて理解をしてから行動しましょう。
今回のステージもいろんなことをやりますが、そのひとつひとつをきちんと丁寧に心をこめてやってください。」

塾生は大事だと思うところはメモをとりながら、真剣に話を聴いていました。
■ 04月06日(土) 共同農園作業 ~ゴボウの穴掘り~
土曜日は午後から天気が崩(くず)れる予定だったので、午前中に穴掘り・種まきを行いました。まっすぐで立派なゴボウを育てるためには、畑を深く、やわらかく耕さなければなりません。塾生たちはまず、スタッフより「なぜ深く穴を掘るのか」や「掘り方のコツ」、「安全のための注意点」などの説明を受けました。
横一列に並んで穴掘り開始。説明通り、しっかり足場を意識しながら、四角く穴を掘っていきました
幅80センチ、全長20mの大きな穴をみんなで協力して掘り上げます。目標はスコップが埋まるくらいの深さ。最後まであきらめずに頑張ることができるでしょうか?
場所によっては、少し掘ったら「マサ」という硬(かた)い層が出てきました。予想以上に大変な作業に弱音を吐く塾生もいましたが、スタッフに協力してもらいながら少しずつ掘り進めました。
いったん休憩。体を動かした後のお茶はおいしい!なかには穴掘りに熱が入り、「休憩している時間がもったいない」と少し休んだらすぐに続きに取りかかる塾生もいました。
穴を掘り始めて2時間弱。みんなで力を合わせ、しゃがむとスッポリはまるくらいの穴を掘ることができました。
ラスト10分のスパート、疲れているはずなのに素晴らしい集中力でした。
せっかく掘った土ですが、ゴボウが育つふかふかのベッドを準備するためには全ての土を穴に戻さなければなりません。穴を掘るのに力を出し切ってしまった塾生も多く、埋め戻しの作業はなかなか進みませんでした。そこへ、手伝いに来てくれた卒塾生がサポートへ入ってくれ、なんとか元通りにすることができました。

あとはゴボウの種まきのみ・・・というところで、雨が降ってきてしまいました。
残念ですが雨は弱まりそうになかったので、日曜日に晴れる事を期待し、合羽を着て塾舎へ戻りました。
■ 04月06日(土) 塾活動 避難訓練
土曜日の午後は避難訓練を行いました。
「塾生が2階の塾生室にいる時に大きな地震が発生し、厨房から火災が発生した」
という想定で訓練を実施しました。
まず待機している間、チーム担当より地震や火災が起こった時にどのように行動するか、説明を受けました。
しばらくして訓練が始まりました。スモークマシンの煙が充満(じゅうまん)する中、塾生たちは説明を受けた「安全な行動」ができているか確認しながら、速やかに避難しました。
玄関前に避難した後、事務局長より総評がありました。
「みなさん速やかにできましたね。すばらしい。『釜石のキセキ』という言葉を聞いたことがありますか?東日本大震災の際、釜石の小学生が訓練で教わった通りの行動をしたら命が助かったというお話です。反対に、大人で『これくらい大丈夫だろう』といって避難せず津波で流されてしまった人もいるそうです。日頃から訓練をすることと、何かが起こったときに訓練どおりに行動できることが大切です。みなさんも何か起こったときには今日のように安全に避難できるようにしてください。」
その後、自然塾で出火する可能性がある場所の確認と、今回使用した避難経路とは別にどんな避難方法があるかを確認しました。
■ 04月06日(土) 塾活動 危険予知訓練~理論編~
避難訓練の後は、自分で危険を察知するための訓練「危険予知訓練」を行いました。前半はイラストを使って危険な行動や服装、道具などを見つけ、「なぜ危険なのか」「どうしたらよいか」をチームで話し合いました。その後全体で発表し合いました。塾生たちはすぐに危険な場所を見つけ、どうしたらよいか真剣に話し合っていました。
■ 04月06日(土) 塾活動 危険予知訓練~実践編~
後半は、自分たちが生活をする塾舎周辺にひそむ危険を探しました。
「地下倉庫」、「土間・お風呂場」、「階段・廊下」、「塾生室」の箇所に分かれて危険を見つけ、発表しました。
■ 04月06日(土) 夜の塾活動 チーム農園作付計画の続き
夜の時間は、第1ステージに行ったチーム農園計画の続きをしました。どんな品種を育てるかしぼりこんだり、作付図を仕上げたりし、各チーム少しずつ形になっていきました。どのチームも集中して取り組んだのであっという間に1時間経ってしまったようでした。
■ 04月06日(土) 共同生活目標の振り返り
共同生活目標「人の話を聴く」について、自分がどのくらいできていたのか振り返りをしました。
「①今していることをやめる」
「②相手に体を向け、顔を見る」
「③最後まで聴く」
「④返事をする」
「⑤うなずく」
の5個のポイントについて振り返りました。特に①、③、④のポイントについてできなかったという塾生が多くいました。「返事をする」ができたという塾生が「今していることをやめて、しっかり相手の話を聴けば自然と返事ができる」というアドバイスをくれ、できなかったひとはそれを実践(じっせん)してみることにしました。
■ 04月07(日) 瞑想
毎ステージ日曜日の朝食前の時間に瞑想をしています。そのときは窓を開け、電器を消し、五感を使って季節を感じます。
この日は、春らしいさわやかな風を感じたり、鳥の声がたくさん聞こえてきたりしました。
せっかく自然豊かな地に8ヶ月通うのですから、少しでも季節の変化を感じていけるといいですね。
■ 04月07(日) チーム農園作付計画の続き・発表準備
土曜日に行った作付計画の続きや、第3ステージに発表する内容を模造紙に書き、発表の準備を行いました。日曜日には農業指導の先生も来てくださったので、作付で悩んでいることを相談しているチームもありました。
■ 04月07日(日) 共同農園作業~ゴボウの種まき~
みんなの願いが届いたのか、日曜日は朝からまぶしいくらいの良い天気でした。土曜日にまくことができなかったゴボウの種をまきにいきました。
ひもにそって、穴を2箇所ずつあけ、種を1粒づつまきました。そして、このときは前日の雨で土がしめっていたので、固めてしまわないようにそうっと穴を埋めました。
2日にわたりましたが無事に種をまけました。みなさんが頑張った分、きっと長くて立派なゴボウに育ってくれるでしょう。
畑から塾舎に帰る前にちょっとお手伝い・・・。ブルーシートの重しとして使っていた杭がたくさんあり、スタッフだけでは運ぶのが大変だったので、有志でお手伝いをつのりました。多くの塾生が名乗りを上げ、2人1組で軽トラまで運んでくれました。なかにはひとりで運んでいる塾生も!とても助かりました。みなさん、ありがとうございました。
■ 04月07日(日) ステージのまとめ
 ステージのまとめとして、事務局長よりお話がありました。
「途中雨がふりましたが、ゴボウの穴掘りができて良かったですね。みなさん良く頑張っていたと思います。
体験したように食物を育てるということは大変なことです。ゴボウに限らず、これから18ステージ頑張って世話をしてほしいと思います。
野菜を作るにあたって、野菜の表情を良く観察して、何をすればよいか考えて世話をしてください。
避難訓練をしましたが、昨日体験したことを忘れずに、何かあったときは『お・か・し・も・ち』を意識して冷静に行動してください。
またKYTも行いました。『ヒヤリハット』という話があったと思います。それを放っておくと事故につながります。今後も共同生活のなかで『ヒヤリハット』を感じたときはスタッフに相談し、対策をし、安全に共同生活を送れるようにしていきましょう。」
■ 04月07日(日) おまけ ~帰りのバス~
出発前に、早めに乗り込んだ塾生をパシャリ!みんないい笑顔ですね。次回も元気にきてください。
■ 編集後記
今回のステージは自然塾の一大イベントであるゴボウの穴掘り・種まきを行いました。天気が心配されましたが、無事に種まきまでできてよかったです。塾生の中には穴を掘りながら「何でこんなに大変なことをしなくてはいけないの?」「私ゴボウ好きじゃないから長くなくてもいいよ。」といった声も聞こえてきました。そのときはつらく苦しいことも、いつか「あのとき頑張ってよかったな」と思える日が来るはずです。自分で経験したからこそわかるもの、見えてくるものがあると思います。残り16ステージ、ぜひ野菜だけでなく、自然塾で経験し感じたこともお土産として持ち帰って、自分のものにしていってもらいたいと思います。
K.T.



■ 食事メニュー
金曜夕食 ・ビビンバ
(大根、ニンジン、コマツナ、チンゲン菜、プチベール)
・ワンタンスープ(小麦粉【皮】、長ネギ)
・ホットク【韓国風おやき】(小麦粉)


土曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(長ネギ、キャベツ)
・和風ロールキャベツ(長ネギ、キャベツ)
・プチベールの油揚げ巻き煮(プチベール)
・キャベツの和え物(キャベツ)
・漬物(いぶりがっこ)

土曜昼食 ・豚ゴボウ丼(長ネギ、ゴボウ)
・すまし汁(キャベツ、ニンジン、コマツナ)
・サラダ(キャベツ、ニンジン、プチベール)

おやつ ・はっさくマーマレードマドレーヌ
・はっさくピール

土曜夕食 ・ご飯
・すまし汁(長ネギ、キャベツ、ニンジン)
・味噌串カツ(味噌、長ネギ)
・サラダ(キャベツ、ニンジン)
・コマツナとチンゲン菜のソテー(コマツナ、チンゲン菜、ニンジン)
・サトイモのポテトサラダ(サトイモ、ニンジン)

日曜朝食 ・ご飯
・味噌汁(味噌、アサツキ、よもぎ(団子))
・ツクシの卵とじ(ツクシ)・セリの和え物(セリ)
・ノビルの酢味噌和え(ノビル、味噌)
・フキの佃煮(フキ)
・サトイモのマヨネーズ焼き(サトイモ)
・長ネギのステーキ(長ネギ)
・ナバナのからし和え(ナバナ)
・柚餅子(柚子、味噌)
・佃煮
・漬物(たくあん)

日曜昼食 ・お好み焼き(キャベツ、長ネギ)