2013.11.22~24
第18ステージ ~男子~
ステージテーマ:
「最後の片付けをきちんとして気持ちよく卒塾しよう!」
共同生活の目標:「今までの目標から全員で1つ選ぶ」
 12期生男子の活動も、今回が最終ステージ。チーム農園で育てた作物を片付けて、塾舎の大掃除をしました。8ヶ月間お世話になった感謝の気持ちを込めて、3月に自分達が来た時と同じように、きれいにしました。また、最後の締めくくりとして、餅(もち)つきやお別れ会も行いました。
 共同生活の目標は前回と同様、塾生全員で話し合い決めました。
■ 11月22日(金) 夜の集い
 ステージを始めるにあたって、枝村塾頭よりお話がありました。
「小田急線の事故でダイヤが乱れましたが、みんな無事に来ることができて安心しました。冷静な対応ができ、みんな成長したと思います。
 いよいよ最後のステージです。3月から始まって、今日まであっという間でした。
 チーム農園の作業も最後です。みんなが一所懸命世話した野菜は、とても大きくなりました。中には生長しきれなかった野菜もありますが、全て収穫して畑を元の状態に戻して下さい。
 今回は塾舎や道具の清掃を行います。清掃すれば心もきれいになります。心は見えないけれど、形になって現れます。8ヶ月間お世話になった感謝の気持ちをこめて、きれいに片付け、13期生へバトンタッチできるようにしてほしいと思います。
 それから、活動の締めくくりとして餅(もち)つきをします。みんなが春に種をまいたオカボと、自然塾九州からいただいた餅米を使います。日本では、祝い事や節目に餅つきをします。餅の粘りと白い色は、人の粘り強さと純真な心にたとえられ、餅をついて食べることには、その様な人になってほしいという意味があります。感謝の気持ちを持って臨(のぞ)みましょう。
 入塾の時に立てた目標は、達成できたでしょうか。今までを振り返り、最後の総仕上げとして、仲間と協力して安全に過ごして下さい。そして、素晴らしい思い出にしてほしいと思います。」
■ 11月22日(金) 共同生活の目標決め
 前回のステージと同じく、今回の話し合いも、リーダー達が司会と書記を務めました。
 色んな意見が出ましたが、最後のステージを大切に過ごそう、大掃除をきちんとやろう、ということで、
「何事も心をこめてきちんと丁寧に作業する」に決まりました。
■ 11月23日(土) チーム農園作業 ~収穫・片付け~
 畑に残っている作物は、すべて収穫しました。
 ダイコン、ハクサイ、サンチュなど、どのチームも立派な出来ばえ!
 作物だけでなく、道具も全て畑から撤去(てっきょ)し、きれいに洗って片付けます。
 ネットについた泥もていねいに洗い流しました。
 看板も撤去。くぎを外して、板と杭(くい)とに分けました。  畑に残った雑草は、残さず集めて取り除きました。
■ 11月23日(土) 塾活動 ~餅(もち)つき~
 昼食前に、活動の節目として餅つきを行いました。全員で交代しながらついていきます。

 餅をついている塾生に合わせて、
「よいしょー!」「よいしょー!!」
と、みんなは掛け声をかけます。うまくつけた塾生には惜しみない拍手!
 12期生男子全員が一つになって、餅をつきあげました。
 つき終わった塾生から順番に、餅を丸めました。スタッフがちぎる餅を、きれいに丸めお盆に並べました。
■ 11月23日(土) 昼食
 つき立てのお餅を、さっそくいただきました。全員でよくついたおかげで、すごい粘り。
 みんな、ペロリとたいらげていました。
 関東の畑で育てたオカボの餅と、九州の田んぼで育てたもち米の餅。食べ比べて、違いがわかったかな?
■ 11月23日(土) リーダー企画 ~サッカー~
 前回のステージにリーダー達が集まって、塾生全員が楽しめるようにと、チーム対抗のサッカー大会を企画してくれました。

 キックオフ!
 ボールの行方に目が離せず、手に汗にぎる試合展開。同点のまま時間を迎えた試合では、最後に勝敗を決めるPK戦が行われました。
「もっとやりたかった」という声が上がるほど、楽しい時間でした。リーダー達、企画してくれてありがとう!
■ 11月23日(土) チーム農園作業 ~堆肥(たいひ)まき・返還式~
 午前中の作業の続き。いよいよ、チーム農園作業はこれが最後です。畑を元通りにして、塾へ返還します。
 18ステージの間、調理のたびに出る野菜くずを、食事当番が細かくきざんで、コンポスト容器に入れていました。野菜くずは容器の中で発酵(はっこう)し、栄養豊かな堆肥(たいひ)になりました。
 この堆肥を、野菜を全て収穫し終えたチーム農園にまきます。
 畝(うね)を崩し、コンポストの堆肥を混ぜ込んで耕し、平らにならしました。
 これで、最初の状態に元通り。
 作業が終わり、チーム農園の返還式。塾頭に畑の確認をしてもらいました。
「作物やその残渣(ざんさ)、雑草は全て撤去しましたか?」
「はい!」
 最後に、8ヶ月間お世話になったチーム農園へ向かって、メンバー全員で一礼。
「チーム農園、ありがとうございました!」
■ 11月23日(土) 塾活動 ~荷造(にづく)り~
 塾に置いてある荷物を全て持ち帰るため、荷造りをしました。8ヶ月間使った衣装ケースを空っぽにして、帰りに持ちきれない荷物をダンボールに梱包(こんぽう)。長靴も、農作業着も、残さずつめ込みました。宅配してもらうための伝票も、スタッフに書き方を教えてもらい、自分たちで書きました。
■ 11月23日(土) 夜の塾活動 ~お別れ会~
 みんなで過ごす最後の夜。この時間を大切に過ごそうということで、お別れ会を行いました。
 身に着けている物をつなげて、どこまで長く伸ばせるか!
 みんなで色んなゲームをして、盛り上がりました。

 その後、「ふるさと」と「今日の日はさようなら」を、みんなで歌いました。
 電気が消され、スタッフが詩を読み、部屋が静かな雰囲気に包まれます。
 ろうそくに火を灯(とも)し、一人ずつ、18ステージ過ごした思い出を話しました。
「ここで学んだことは忘れません。」
「みんなと18ステージ過ごせてよかった。」
 中には、涙を流している塾生もいます。

 最後に、市村自然塾の創始者である浜田広氏のメッセージを、みんなで一緒に読み、お別れ会を終えました。
「土に触れ、土を耕し、
 植物を育て、植物に囲まれ、
 自然の恵みを全身で受ける。
 勤労(きんろう)の気持ちよさ
 ゆっくり深呼吸する
 よく噛(か)んで、残さずいただく
 友だちと助け合う」
■ 11月23日(土) チームリーダー会議
 最後のリーダー会議。塾頭から、「リーダーとして過ごした感想」と、「リーダーに必要なこと」を聞かれ、1人ずつ答えました。
「自分がまずちゃんとしなければ、みんなをまとめられない。」
「いつも仲間のことを考えないといけないと分かった。」
「口ばっかりではいけない。」
「自信は無かったけど、みんなが選んでくれた。少しは成長できたと思う。」
 それぞれに、大切なことを学んだようでした。塾でリーダーを務めた経験は、この先きっと活きてくると思います。お疲れ様でした。
■ 11月24日(日) 朝の共同場所清掃・食事当番
 毎朝、朝食前に共同場所の清掃と食事当番を行ってきました。トイレ掃除も、釜飯炊きも、入塾した時は初めてのことばかりでしたが、今では、スタッフの手を借りずに自分で出来るようになりました。みんな、成長したね。
■ 11月24日(日) 朝食前の瞑想(めいそう)
 日曜日恒例(こうれい)の瞑想。
 最初は1分から始めて、夏から5分になりました。最初のうちは気持ちが落ち着かず、ぐらぐらゆれていた塾生たちでしたが、最終ステージでは「5分間があっという間だった」と言うほどに集中していました。
 静寂(せいじゃく)、という言葉がピッタリに感じるほど、心静かな時間を過ごしました。
■ 11月24日(日) 塾活動 ~共同場所の大掃除~
 8ヶ月間の感謝をこめて、塾舎の大掃除をしました。玄関、かまど小屋、地下倉庫、食堂前のベランダ。普段掃除しないところまできれいにします。
 また、「大掃除と一緒に、中止となった第16ステージの清掃ボランティアもやろう!」とスタッフが声をかけると、志願した塾生たちが、道路の落ち葉をきれいにはき集めてくれました。
 8ヶ月間使ったクワやスコップの錆(さび)を落として油を塗(ぬ)りました。1本1本、丁寧にみがき上げました。
■ 11月24日(日) 塾活動 ~塾生室の大掃除~
 次は塾生室の大掃除。どのチームも、集中して丁寧に行っていました。
 窓ふき。手が届かないところは、肩車して協力しているチームもありました。
 ロフトの網戸を取り外し、掃除機でホコリを残さず吸い取ります。
 塾生室のベランダは、タワシや雑巾で念入りに掃除。エアコンの室外機も、使い古した歯ブラシを使ってすみずみまできれいにしました。
 ゆがみがないように、押入れのふとんをきちんと整え直しました。
 最後に塾頭から部屋を確認してもらいました。
「お~、きれいだね。すばらしいね!」と言ってもらい、塾生たちは胸を張っていました。
■ 11月24日(日) ステージのまとめ
 ステージの終わりに、枝村塾頭よりお話がありました。
「まず、みなさんにお礼を言いたいと思います。みんながケガなく元気に過ごせたので、今年の塾活動が最後まで無事に出来ました。ありがとうございました。
 チーム農園の片付けを、感謝の気持ちを持って取り組んでくれました。塾舎や道具もきれいにしてくれました。これで来年13期生が活動できます。
 協力すれば色んなことができるし、素晴らしい結果が生まれます。18ステージ、色んな体験をして、色んなことを学び、たくさんの友を得ることができました。辛かったことも、初めて取り組んだことも、全て乗り越えてきました。
 これから先も苦しいことや大変なことがたくさんあります。しかし、それを自分の力で解決しなければなりません。昔、徳川家康は、『人の一生は重き荷を背負い遠き道を行くが如し』という言葉を遺(のこ)しました。苦労がたくさんあっても、乗り越えるからこそ成長できて、良い人生になるのだと思います。
 今日が終わりではなく、これからが始まりです。素直な心で、感謝の気持ちを忘れず、自分に厳しく、人を思いやり、自然塾で学んだ3つの心と2つの力を忘れないで下さい。時々、自然塾のことを思い出して、これからも色んなことにチャレンジして下さい。」
■ 11月24日(日) 塾舎へのあいさつ
 帰る前に、玄関前で塾舎に向かって一礼。元気に、
 「ありがとうございました!!」

 また、卒塾式であおう!
■ 編集後記
 12期生男子の活動が終わりました。塾生たちは、今回の共同生活の目標を「何事も心をこめてきちんと丁寧に作業する」に決め、大掃除などの色んな場面で自ら実行しました。「最後のステージを悔いなく大切に過ごしたい」という気持ちが大きくなったからこそ、自主的な行動になって現れたのだと思います。もう自然塾で過ごした時間は戻ってきませんが、今回に限らず、入塾から今まで塾生活を大切に過ごし、楽しみも苦労も目いっぱい味わった塾生は、より大きな感動と達成感を得たはずです。
 塾生たちには、これからも後悔しないように生きてほしいです。卒塾してからも、一日一日を「何事も心をこめてきちんと丁寧に」過ごしていってほしいと思います。
K.K.



■ 食事メニュー
※( )内は自然塾で取れた野菜、手作り食品です。

金曜夕食 【おでん】
・大根(ダイコン)・里芋(サトイモ)
・ジャガイモ(ジャガイモ)
・ロールキャベツ(キャベツ、長ネギ、ショウガ)
・コンニャク(わら灰コンニャク)
・ゴボウ詰め竹輪(ゴボウ)
・うどん入り巾着(手打ちうどん、長ネギ)

・焼おにぎり3種類(味噌、長ネギ)
※お好みでおでんだしをかけて焼おにぎり茶漬けに
・漬物(キャベツ、大根)

土曜朝食 ・ご飯(※自然塾がある松田町の隣の秦野市産のお米)
・みみ(ダイコン、ニンジン、ゴボウ、長ネギ、サトイモ、柚子こしょう)
※練った小麦粉を農機具の箕(み)の形して入れるのが特徴の山梨県の郷土料理
・里芋のそぼろあんかけ(サトイモの親芋、ショウガ)
・ネギ卵焼き(長ネギ)
・サツマイモの金平(コガネセンガンという品種の皮が白いサツマイモ)
・大根の味噌マヨ和え(ダイコン、味噌)
・キャベツのソテー(キャベツ)
・漬物(大根、キャベツ)

土曜昼食 ・つきたてのお餅
(自然塾産の陸稲と自然塾九州産の餅米)
【お餅につけるもの】
納豆、きな粉、磯部、大根おろし、
ゴマ醤油等(長ネギ、大豆から作ったきな粉、大根)
・雑煮風豚汁(味噌、お餅、長ネギ、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ハクサイ、柚子こしょう)

おやつ ・栗の渋皮煮(栗)

土曜夕食 ・ご飯
・スープ(ニンジン、ダイコン)
・レタス巻き焼肉(玉レタス、リーフレタス、サニーレタス、Aチームのチーム農園で収穫したサンチュ、ニンジン)
・特製焼肉ダレ(ニンジン、ショウガ、ダイコン)
・キムチ漬け(ハクサイ、ニンジン)

日曜朝食 ・ご飯
・まめぶ汁(ダイコン、ニンジン、長ネギ、ゴボウ、ラッカセイ)
※岩手県の郷土料理、本場では団子の中にクルミを入れるが自然塾では落花生入り
・伊達巻
・紅白なます(ダイコン、ニンジン、柚子)
・栗きんとん(サツマイモ、栗)
・きぬかつぎ(サトイモ)
・煮豆(ラッカセイ)
・大根の皮と人参の皮の金平(ダイコン、ニンジン)
・だし取り後昆布鰹節の佃煮

日曜昼食 ・寿司ケーキ(ダイコン、ニンジン、梅酢)
・いなり寿司(ダイコン、ニンジン、梅酢)
・カップサラダ(ダイコン、ニンジン、キャベツ、Aチームサンチュ)
・野菜ピザ(ニンジン、ジャガイモ、ブロッコリー、スティックブロッコリー、カリフラワー)
・から揚げ(ショウガ、柚子こしょう)
・フライドポテト(ジャガイモ)
・かりんとう
※自然塾がある松田町寄で昔から農家で作られてきた素朴な味のお菓子